- 著者
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俵藤 正信
関口 忠司
塚原 宗俊
永井 秀雄
- 出版者
- 一般社団法人日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.11, pp.1839-1843, 2000-11-01
- 被引用文献数
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15
症例は70歳の男性.脾彎曲部の横行結腸進行癌によるイレウスにて入院した.経鼻イレウス管での減圧が不十分なため, 経肛門イレウス管を挿入し口側腸管減圧を行った.挿入時は何ら問題なかったが, 挿入後4日目に発熱と腹痛が出現し, 腹部レントゲンとCTで経肛門イレウス管による小腸腸間膜への穿通と診断した.持続吸引を中止し抗生物質の投与を行い, 経肛門イレウス管挿入後19日目に一期的根治術を施行しえた.穿通の原因は, 急速な減圧による口側結腸粘膜へのイレウス管先端の接触と持続吸引が考えられた.経肛門イレウス管は閉塞性大腸癌の術前の腸閉塞管理に非常に有効な方法であるが, その挿入時だけでなく, 挿入後においてもチューブトラブルのないように注意深い管理が必要と考える.