著者
熊木 雅代 山田 誠 浜崎 健児 高村 仁知 高田 将志 和田 恵次
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-17, 2015 (Released:2015-04-08)
参考文献数
30

和歌山県における面源汚染の実態を広域的に把握するため,土地利用と河川水質の関連性について,県内の18河川を対象に定量評価した.具体的には,河川水中の主要な溶存成分を測定し,GIS (Geographical information system)データを用いて算出した流域の土地利用面積割合との相関を調べた.その結果,北部・中央部(以降,北中部と記す)の河川で面源汚染が進んでいることが明らかとなった.これは,下水道普及率の低い和歌山県においては,住宅地が多い北中部で,面源負荷が多いためと考えられる.また,特に中部河川では,果樹園に由来する面源負荷も大きく,栽培する果樹の種類による施肥量の違いや,元々の土壌生産性,降水量などの自然条件の違いが影響しているとみられる.一方,南部の河川では,流域の大部分が樹林地に覆われ,人為的な環境負荷が少ないため,面源汚染の影響はほとんど見られなかった.
著者
井上 吉世 石津 日出子 伊藤 知子 大鹿 淳子 梶本 五郎 竹井 よう子 高村 仁知 中原 満子 西池 珠子 林 淑美 原 知子 深見 良子 福井 広子 的場 輝佳 水野 千恵 村上 恵 夜久 富美子 湯川 夏子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.299-304, 2003-08-20
参考文献数
17
被引用文献数
3

A collaborative study was designed to examine the applicability of a sensory evaluation to determine the life span of frying oil. Soybean oil was heated at 170℃ in an electric fryer. Two types of food, chicken fillet and potato, were deep-fried with or without breaded batter every 15 min. Frying was continued until the flavor score of the oil had dropped to 3. A sensory evaluation of the frying oil and each fried food was then carried out. The life span of the frying oil to reach the flavor score of 3 was slightly longer with breaded batter than without using the batter coating. The color of the frying oil did not exhibit any degradation, especially when potato was fried. It was difficult to judge the degradation by the appearance of each fried food coated with breaded batter. However, the flavor score of the frying oil corresponded to the flavor score of the fried foods coated with breaded batter. The flavor and taste of the foods fried in the oil with a flavor score of 3 were not good. These results suggest that the flavor score of frying oil is useful to determine the life span of frying oil when a breaded batter coating is used.
著者
的場 輝佳 北尾 悟 安藤 真美 高村 仁知
出版者
関西福祉科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

環境に優しい食生活を実現するため、機能性および嗜好性を維持できる、正しい「エコロジー調理」を提言することを目的として研究を遂行した。水系において、加熱調理が機能性および嗜好性に与える影響について検討するため、物性を同じ状態にした調理品を試作し、調理法の違いによるCO2排出量を算出するとともに、調理操作の違いによる機能性の差異を解析した。電子レンジを用いた場合、ガスコンロを用いた場合よりもCO2排出量が少なくなる傾向が見られ、さらに蒸らし操作を加えるとより効果的であることが認められた。調味料を加えた調理では、食塩や醤油を加えた調理で、電子レンジの使用がCO2排出量を増大させる傾向にあった。
著者
モサマット ナズマナラ カノム 高村 仁知 青佐 千津子 モハマド アブル マンスル 松澤 一幸 的場 輝佳
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.201-204, 2001-05-20

バングラデシュの半醗酵魚製品チャパ・シュトキのヘッドスペース揮発性成分をガスクロマトグラフィー質量分析計で分析し,いずしおよびイワシの生干しと比較した。チャパ・シュトキ,いずし,およびイワシの生干し中にそれぞれ21個,10個,および11個の揮発性成分が同定された。同定された化合物の中で,エタノール,ヘキサナール,プロパナール,および1-ペンテン-3-オールの3つの魚製品中で共通して見られた。アルデヒト,アルコール,ケトンといった脂質由来化合物が中心を占めていたが,チャパ・シュトキでは酢酸や酪酸のような酸がいずしやイワシの生干しより多く含まれていた。