著者
井上 吉世 林 淑美 原 知子 和田 珠子 水野 千恵 中原 満子 伊藤 知子 村上 恵 的場 輝佳
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.313-319, 2010-03-30

This study clarifies the applicability of a sensory evaluation to easily determine the life span of frying oil on the fried food cooking in the kitchen. Two types of foods, i. e. , a chicken fillet and potato, were deep-fried coated with two types of flour, i. e. , potato starch and wheat flour. Frying was continued until the flavor score of the oil had dropped to 3. A sensory evaluation of the frying oil and each fried food was then carried out. The life span of the frying oil to reach the flavor score of 3 was slightly longer for the potato compared to the chicken fillet. It was suggested that the scores for the viscosity and rancid flavor of the frying oil corresponded to the flavor score result of the frying oil. The flavor and taste of the potato fried in the oil with a flavor score of 3 were not good. However, it was difficult to judge the degradation by the appearance of the fried chicken fillet coated with potato starch. The flavor score of the frying oil corresponded to the rancid flavor of the frying food in any case. The color of the frying oil and the taste of the fried materials varied case by case. These results suggest that the flavor score of the frying oil is a useful and easy method to determine the life span of frying oil in the domestic kitchen when a potato starch or wheat flour coating is used.
著者
林 淑美 大塚 博 内藤 由直 中川 成美 兵頭 かおり
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、中野重治の肉筆原稿、書簡、日記などの調査と研究である。加えて、最近困難な状況にある文学館との協力の社会的意義の追求も目的である。近代文学研究において肉筆原稿等第一次資料の調査はきわめて大切であるが、調査の対象となる原物は適切に整理・保存・収集されねばならず、そのための作業は研究者の重要な任務である。中野重治の第一次資料を所蔵しているのは石川近代文学館、神奈川近代文学館、中野重治文庫記念坂井市丸岡図書館、日本近代文学館である。これら文学館との協力によって、本研究の肉筆原稿・書簡の整理と調査、戦後日記の翻字とデータ化等が実現した。
著者
原 知子 安藤 真美 伊藤 知子 井上 吉世 大塚 憲一 大野 佳美 岡村 由美 白砂 尋士 高村 仁知 武智 多与理 露口 小百合 中原 満子 中平 真由巳 西池 珠子 林 淑美 深見 良子 藤村 浩嗣 松井 正枝 的場 輝佳 水野 千恵 村上 恵 山下 貴稔 湯川 夏子 渡辺 健市
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.23-27, 2004-01-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
20
被引用文献数
3 1

酸価1∼4.5の段階的に劣化度が異なる劣化油1,2,3を用いて,揚げ玉,まいたけの天ぷら,コロッケを調製し,揚げ物および揚げ油の官能評価による風味とPCテスターによる極性化合物量の関係について検討した.1.新鮮油,劣化油1,2,3の4種の劣化程度の異なる油及びそれらで調製された製品の風味に有意差が認められた.これら4種の油は酸価,粘度,極性化合物量が段階的に異なるもので,揚げ玉,まいたけの天ぷら,油自体の風味の評価結果は,これらの要素と対応した.新鮮油,劣化油1,2,3の順に風味評価は低下したが,劣化油1から極性化合物量15%の劣化油2の間で低下が顕著であった.また,劣化が進行した油において官能評価ではその違いが認め難くなる傾向にあった.コロッケでは油の劣化による風味評価の低下は小さかった.2.揚げ玉やまいたけの天ぷらでは極性化合物15%程度まで,コロッケでは,25%程度まで風味評価のよい揚げ物を調製できた.3.極性化合物量15%以上で風味評価が低下するとともに風味の劣化度合いを弁別し難くなる傾向があったことから,栄養的にも嗜好的にも,揚げ油の極性化合物量を15%以下で管理するのが適当であると考えられた.
著者
伊藤 知子 石津 日出子 井上 吉世 佐久聞 桂子 高村 仁知 中原 満子 西池 珠子 林 淑美 原 知子 深見 良子 藤井 美紗子 的場 輝佳 水野 千恵 村上 恵 椴山 薫 夜久 富美子 湯川 夏子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.236-243, 2000-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
19
被引用文献数
2

A questionnaire survey on the edible oils used for deep frying in the home was conducted in 1998in the Kinki District of Japan.The respondent used an average of three types of edible oil, the most popular combination being salad oil, sesame oil and olive oil. The oil most commonly used for deep frying was salad oil, with safflower and rapeseed oil also being used for this.The criteria applied for buying oil for deep frying were the price, variety and expiration date. The parameters used for determining the life of the frying oilswere, in the order of number of answers, color (light brown), number of times used, smell and foaming property. It was apparent that the criteria for purchase and the frequency of deep frying for home cooking affected the utilization of edible oils for deep frying.These results indicate a perception of health and convenience in the utilization of edible oils for deep frying in home cooking.
著者
林 淑美
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, 2016

【<b>目的・方法</b>】子ども食堂は経済的に困窮していたり、ひとり親で食事の支度が思うようにできなかったりするなどの事情をもつ家庭の高校生以下の子どもに無料、あるいは低価格で食事を提供する場所とされている。その始まりは東京都内で2012年頃と言われており、それ以降全国各地に開設され、増加する傾向にある。子ども食堂の現状と今後期待される影響の可能性について調べるために資料および文献検索を行った。【<b>結果</b>】食育基本法が制定され、食育推進活動が学校、食品製造業、流通業、公共団体など社会の食物や食事に関わる様々な領域で行われるようになり、日常の食事内容や状況を見直して、より良くしようとする意識は人々の間で高まった。しかし、近年国民の経済格差の拡大に伴い、食事の見直しをしても、経済的あるいは時間的制約により改善の余地が厳しい現状にある家庭が増えつつある。文部科学省の調査では就学援助制度の支給対象となった小中学生の割合は2012年に15.6%で過去最高を更新したとされた。また、厚生労働省の調査でも、平均的所得の半分未満で生活する子どもの割合は2012年に16.3%で6人に1人が貧困状態にあり、過去最悪を更新したことが報告された。また貧困状態の子どもの割合はひとり親世帯に限ると54.6%となっていた。経済協力開発機構(OECD)の調査でも、加盟34カ国の平均値を上回る水準で推移している。このような世帯の子どもは家庭で野菜を食べる頻度が低く、週3日以下である割合が一般世帯の2倍となっている。またインスタント麺やカップラーメンを週1回以上食べる割合が一般世帯の2.7倍と高くなっており、家計が子どもの食生活にも直接影響することを示している。子ども食堂の開設をめざす協力団体は地域住民のボランティア団体、町内会、NPO法人、社会福祉法人などのほかに私立大学なども加わってきている。また大分県や福岡市では行政からの助成も予定され、堺市では自治体自らが民間団体から依託先を公募して子ども食堂の開設をめざしている。子ども食堂の開設を予定する団体や協力者のための情報交換会や講演会として「こども食堂サミット」が東京や九州で開催されるようになった。子ども食堂は経済的理由で十分な食事が与えられない子どもに栄養のバランスのとれた食事を提供すること以外に、家族と食事をとる機会が少ない子どもの孤食を改善することを目的として始まったが、支援の内容は食事だけでなく、地域住民やボランティアの人々と交流しながら、遊びや学習面に及ぶ場合もある。また、調理や片付けなどを大人と子どもとの共同作業で行われている所もあり、日常生活に必要な知識や技能を家族以外の人々との交流の中から伝授される機会を与える場所ともなっている。核家族化が進む社会で、ひとり親世帯や共働き世帯が増えつつある長時間労働を前提とした社会では子どもが家族と交流する時間は減少する可能性が考えられる。そのような状況で子どもが家族以外の様々な複数の人々と日常的に関り合いながら、学習や遊び、共同作業などを通して知識や技能、コミュニケーション力を身に付けていく場所が存在することは、子どもだけでなく社会にとっても非常に意義深く、重要である。子ども食堂は地域や社会全体で子どもを守り、育む場所として今後ますます様々な可能性が期待されるであろう。
著者
林 淑美
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集 第59回大会・2016例会
巻号頁・発行日
pp.57, 2016 (Released:2017-01-13)

【目的・方法】子ども食堂は経済的に困窮していたり、ひとり親で食事の支度が思うようにできなかったりするなどの事情をもつ家庭の高校生以下の子どもに無料、あるいは低価格で食事を提供する場所とされている。その始まりは東京都内で2012年頃と言われており、それ以降全国各地に開設され、増加する傾向にある。子ども食堂の現状と今後期待される影響の可能性について調べるために資料および文献検索を行った。【結果】食育基本法が制定され、食育推進活動が学校、食品製造業、流通業、公共団体など社会の食物や食事に関わる様々な領域で行われるようになり、日常の食事内容や状況を見直して、より良くしようとする意識は人々の間で高まった。しかし、近年国民の経済格差の拡大に伴い、食事の見直しをしても、経済的あるいは時間的制約により改善の余地が厳しい現状にある家庭が増えつつある。文部科学省の調査では就学援助制度の支給対象となった小中学生の割合は2012年に15.6%で過去最高を更新したとされた。また、厚生労働省の調査でも、平均的所得の半分未満で生活する子どもの割合は2012年に16.3%で6人に1人が貧困状態にあり、過去最悪を更新したことが報告された。また貧困状態の子どもの割合はひとり親世帯に限ると54.6%となっていた。経済協力開発機構(OECD)の調査でも、加盟34カ国の平均値を上回る水準で推移している。このような世帯の子どもは家庭で野菜を食べる頻度が低く、週3日以下である割合が一般世帯の2倍となっている。またインスタント麺やカップラーメンを週1回以上食べる割合が一般世帯の2.7倍と高くなっており、家計が子どもの食生活にも直接影響することを示している。子ども食堂の開設をめざす協力団体は地域住民のボランティア団体、町内会、NPO法人、社会福祉法人などのほかに私立大学なども加わってきている。また大分県や福岡市では行政からの助成も予定され、堺市では自治体自らが民間団体から依託先を公募して子ども食堂の開設をめざしている。子ども食堂の開設を予定する団体や協力者のための情報交換会や講演会として「こども食堂サミット」が東京や九州で開催されるようになった。子ども食堂は経済的理由で十分な食事が与えられない子どもに栄養のバランスのとれた食事を提供すること以外に、家族と食事をとる機会が少ない子どもの孤食を改善することを目的として始まったが、支援の内容は食事だけでなく、地域住民やボランティアの人々と交流しながら、遊びや学習面に及ぶ場合もある。また、調理や片付けなどを大人と子どもとの共同作業で行われている所もあり、日常生活に必要な知識や技能を家族以外の人々との交流の中から伝授される機会を与える場所ともなっている。核家族化が進む社会で、ひとり親世帯や共働き世帯が増えつつある長時間労働を前提とした社会では子どもが家族と交流する時間は減少する可能性が考えられる。そのような状況で子どもが家族以外の様々な複数の人々と日常的に関り合いながら、学習や遊び、共同作業などを通して知識や技能、コミュニケーション力を身に付けていく場所が存在することは、子どもだけでなく社会にとっても非常に意義深く、重要である。子ども食堂は地域や社会全体で子どもを守り、育む場所として今後ますます様々な可能性が期待されるであろう。
著者
井上 吉世 林 淑美 原 知子 和田 珠子 水野 千恵 中原 満子 伊藤 知子 村上 恵 的場 輝佳
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.313-319, 2010-03-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

This study clarifies the applicability of a sensory evaluation to easily determine the life span of frying oil on the fried food cooking in the kitchen. Two types of foods, i. e. , a chicken fillet and potato, were deep-fried coated with two types of flour, i. e. , potato starch and wheat flour. Frying was continued until the flavor score of the oil had dropped to 3. A sensory evaluation of the frying oil and each fried food was then carried out. The life span of the frying oil to reach the flavor score of 3 was slightly longer for the potato compared to the chicken fillet. It was suggested that the scores for the viscosity and rancid flavor of the frying oil corresponded to the flavor score result of the frying oil. The flavor and taste of the potato fried in the oil with a flavor score of 3 were not good. However, it was difficult to judge the degradation by the appearance of the fried chicken fillet coated with potato starch. The flavor score of the frying oil corresponded to the rancid flavor of the frying food in any case. The color of the frying oil and the taste of the fried materials varied case by case. These results suggest that the flavor score of the frying oil is a useful and easy method to determine the life span of frying oil in the domestic kitchen when a potato starch or wheat flour coating is used.
著者
井上 吉世 石津 日出子 伊藤 知子 大鹿 淳子 梶本 五郎 竹井 よう子 高村 仁知 中原 満子 西池 珠子 林 淑美 原 知子 深見 良子 福井 広子 的場 輝佳 水野 千恵 村上 恵 夜久 富美子 湯川 夏子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.299-304, 2003-08-20
参考文献数
17
被引用文献数
3

A collaborative study was designed to examine the applicability of a sensory evaluation to determine the life span of frying oil. Soybean oil was heated at 170℃ in an electric fryer. Two types of food, chicken fillet and potato, were deep-fried with or without breaded batter every 15 min. Frying was continued until the flavor score of the oil had dropped to 3. A sensory evaluation of the frying oil and each fried food was then carried out. The life span of the frying oil to reach the flavor score of 3 was slightly longer with breaded batter than without using the batter coating. The color of the frying oil did not exhibit any degradation, especially when potato was fried. It was difficult to judge the degradation by the appearance of each fried food coated with breaded batter. However, the flavor score of the frying oil corresponded to the flavor score of the fried foods coated with breaded batter. The flavor and taste of the foods fried in the oil with a flavor score of 3 were not good. These results suggest that the flavor score of frying oil is useful to determine the life span of frying oil when a breaded batter coating is used.
著者
滿田 郁夫 竹内 栄美子 大塚 博 丸山 珪一 林 淑美 木村 幸雄 杉野 要吉 古江 研也 島村 輝
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

中野重治は、その文学的出発にあたって「微小なるものへの関心」ということを言った文学者である。と同時に、石川啄木について論じて国家権力に敵対することを己に課した詩人である。以来、自分固有の世界、固有の視点を保ちながら、同時に「大きな物語」への鋭い関心を持ち続けた作家である。その人がその晩年に「戦後転換期」に際会して、世の変動に己の感性を全開して書き切ったのが長篇『甲乙丙丁』であるが、そこに至るまでに何を見、その心に何が生じ、同時代の政治・思想・文学とどう斬り結んだか、それを、残された日記・書簡などによって知ろうとした。平成九、十年度で日記の第一次読み合せと、粗ら打ち込みは終了し、十一年度は第二次読み合せと註付けに入った、しかし平成十二年度にはそれを一旦中断して、一九六三年日記と六四年日記との精密な読みと註付けの作業に入った、研究年度が終った平成十三年度にもその作業は続き、しかもなお、我々がここに提出するのは未完成の「テスト版」に過ぎない。一九六三、四年と言えば東京オリムピックを目掛けて、日本の社会が音を立てて変わって行った年々である。世界的には中ソ論争が起き、部分核停条約の評価を回って国内でも議論が始まり、新日本文学会第十一回大会は大いに揺れた。原水禁世界大会も分裂した。そうした事態に、全力を挙げて非妥協的に戦いつづけた中野重治は、自らが中央委員であった日本共産党を除名される。そしてその年末から『甲乙丙丁』が書き始められる。そうした重要な時期を扱って、我々の研究がどれだけ核心に迫りえたか。忸怩たるものがある。これは我々の到達点ではなく、出発点である、そんな風に思っている。