著者
近藤 圭 Boulange J. Phong T.K. 平松 和明 井上 剛 渡邊 裕純
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of pesticide science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.312-322, 2012-11
被引用文献数
18

本研究では,農薬動態予測モデルであるPCPF-1モデルとモンテカルロシミュレーションを用いて日本の水田における除草剤流出抑制のための水管理評価を行った。まず,全国5都市における10年間の気象データを用いて,標準的な水管理シナリオのもとモンテカルロシミュレーションを行った。この結果から水管理手法が農薬流出低減に効果的であることが確認されたが,西日本では大きな農薬流出の可能性が示唆された。この結果を受けて,現地調査をもとにした茨城県桜川流域,福岡県筑後川流域における気象,水管理データを用いた,より詳細な農薬流出低減のための水管理解析を行った。この結果により,筑後川流域では,適切な間断灌漑の履行などを行っても多量の農薬が流出する可能性があることがわかった。また,感度解析によって水管理パラメータが農薬流出に及ぼす影響を定量化し,水田水管理と除草剤流出との関係性を明らかにした。
著者
T. Fujita W. F. Brechue K. Kurita Y. Sato T. Abe
出版者
日本加圧トレーニング学会
雑誌
International Journal of KAATSU Training Research (ISSN:13494562)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-8, 2008 (Released:2008-11-10)
参考文献数
27
被引用文献数
33 97

Traditional high-intensity resistance training performed 2-3 times per week induces muscle hypertrophy, at least, in 5 weeks (i.e. 10-15 training sessions). To examine the effect of a higher training frequency (12 sessions in 6 days), healthy young men performed low-intensity resistance training with (n=8, LIT-BFR) and without (n=8, LIT-CON) leg blood flow restriction with cuff inflation (BFR) twice per day for 6 days. Training involved 4 sets of knee extension exercise (75 total contractions) at 20% 1-RM. Significant muscle hypertrophy was observed only in the LIT-BFR group as estimated muscle-bone cross-sectional area (CSA) (2.4%), MRI-measured mid-thigh quadriceps muscle CSA (3.5%) and quadriceps muscle volume (3.0%) increased. The resulting hypertrophic potential (% change in muscle size divided by number of training sessions; ∼0.3% per session) is similar to previously reported traditional high-intensity training (0.1 to 0.5% per session). Improved 1-RM knee extension strength (6.7%) following LIT-BFR training was accounted for by increased muscle mass as relative strength (1-RM/CSA) did not change. There was no apparent muscle damage associated with the exercise training as blood levels of creatine kinase, myoglobin, and interleukin-6 remained unchanged throughout the training period in both training groups. A single bout of training exercise with and without BFR produced no signs of blood clotting as plasma thrombin-antithrombin complex, prothrombin fragment 1,2 and D-dimer were unchanged. In conclusion, changes in muscle mass and strength following 6-day (12 sessions) of low-intensity resistance training requires BFR to produce responses comparable to the effect of several weeks of high-intensity resistance training.
著者
Sheng Xu Luyuan Zhang Stewart P. H. T. Freeman Xiaolin Hou Katsuhiko Yamaguchi Alan J. Cresswell David C. W. Sanderson
出版者
GEOCHEMICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
GEOCHEMICAL JOURNAL (ISSN:00167002)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.287-291, 2016-05-18 (Released:2016-05-30)
参考文献数
18
被引用文献数
4

This paper reports iodine (127I and 129I) and cesium (137Cs) isotope concentrations in groundwater of confined and unconfined aquifers in the vicinity of the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant (FDNPP). 127I and 129I concentrations range from 2–13 μg/L and 5 × 107–8 × 1010 atom/L respectively, resulting in 129I/127I atomic ratios from 5 × 10–9 to 2 × 10–6. In all samples, 137Cs concentrations were below detection limit. The deep-sealed groundwater from the confined aquifer did not contain significant quantities of Fukushima-derived 129I compared to the groundwater in the unconfined aquifer. The minimal 129I/137Cs activity ratios in the groundwater are more than 2–500 times higher than the FDNPP source ratio. These data can be explained by rainwater infiltrating through the surface soils, with the more water-soluble 129I preferentially extracted into the aqueous phase and the 137Cs preferentially retained in the soil.
著者
T.I.
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協会雑纂 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.144, pp.122-145, 1934-03
著者
Y.T.
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協会雑纂 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.113, pp.36-40, 1931-08
著者
Ebihara Y. Tanaka T.
出版者
American Geophysical Union
雑誌
Journal of Geophysical Research: Space Physics (ISSN:21699402)
巻号頁・発行日
vol.120, no.12, pp.10466-10484, 2015-12-21
被引用文献数
37

オーロラ爆発はなぜ起こるのか? --スーパーコンピューターでオーロラ爆発の基本的な仕組みを明らかに--. 京都大学プレスリリース. 2015-12-21.
著者
渡辺 慶一 井上 弘明 立石 亮 司馬 肇 桜井 英敏 有賀 豊彦 名取 正彦 SABETA C.T. DUBE B.N.
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.186-191, 2000-09-01
被引用文献数
1

ジンバブエで収集したトウガラシ5系統と日本の3品種の果実のカプサイシノイドを高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて分析した.カプサイシノイドはノルジヒドロカプサイシン, カプサイシン, ジヒドロカプサイシン, バニラリデカンアミド, ホモジヒドロカプサイシンおよびホモジヒドロカプサイシンの異性体が検出されたが, カプサイシンの占める割合が多かった.カプサイシノイドは果肉より胎座に多く含まれていた.日本の'八房'果実の胎座の総カプサイシノイドは5105.2mg/100gD.Wであったが'ししとう'では非常に少なかった.ジンバブエで収集した果実が小さく, 直立するB, C, D, E系統の果実の胎座の総カプサイシノイド含量は高く, '八房'の5倍の値を示した.
著者
TAKITA T
出版者
佐賀県有明水産振興センター
雑誌
佐賀県有明水産振興センター研究報告 = Bulletin of Saga Prefectural Ariake Fisheries Research and Development Center (ISSN:09191143)
巻号頁・発行日
no.21, pp.81-98, 2003-07
被引用文献数
3 1

1999年4-9月と2000年4-10月に、六角川河口およびその沖のあんこう網と鹿島市沖の竹羽瀬で、漁獲物組成の経時的・地域的変化を検討した。49科88種の魚類が出現した。河口では、エツ、コイチ、スズキ、ワラスボとシマフグ、河口沖ではヒラ、サッパ、コノシロ、シログチ、ワラスボとアカシタビラメ、竹羽瀬では、サッパ、カタクチイワシ、シログチ、ネズミゴチとメイタガレイが優占した。優占種の多くは稚魚で、この海域が多くの魚種の成育場であることを示した。小型魚が河川感潮域または浅い海域に継続的に添加され、成長した個体から先に沖へ移動すると考えられた。河口域では、漁獲量と漁獲時塩分の相関が有意な魚種があり、河川感潮域に侵入する海水の濃度との関連のもとに上流部あるいは海域へ移動しつつ河口域を利用していることを示した。漁獲量と塩分が無関係な魚種も多く、塩分以外の要素も魚類の分布と移動を規定していると考えられた。環境条件が調査海域に類似の諌早湾奥部は、佐賀海域とともに有明海産魚類の成育を支えていたと考えられ、その消滅が有明海産魚類の再生産に及ぼす影響は大きいと考えられる。
著者
高橋 劭 RUTLEDGE S. KEENAN T.D. 守田 治 中北 英一 木村 龍治 藤吉 康志 深尾 昌一郎
出版者
九州大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

本研究は、地球の気候変動に重要なアジア多島域の巨大積乱雲の組織化過程、降水機能についての国際共同プロジェクトに参加、研究を行うことを目的としている。観測は、オーストラリア・ダ-ウィン沖のMelville島で行ったが、この島は平坦で研究には理想的である。ここではモンスーン直前島全体を覆うような大きな雲システムの発達が知られているが、昼過ぎ海陸風の収束域に雲は発達し始め約1時間で雲頂が18kmにも達する雲、Hectorが東西方向に発達する。強い雨と1分間に数百回もの雷をもたらし面白い事に急に雲は南北に並びを変え、ゆっくり西に動く。このHector雲の組織化過程と降水についての研究のためオーストラリア気象局を中心に国際プロジェクトが組織化された。多くの大学・研究所が参加、オーストラリア側ではドップラーレーダ、エ-ロゾンデ、ウインドプロファイラー、ゾンデ観測が行われ、米国もウインドプロファイラーでの観測を行い、我々のグループはビデオゾンデを持って参加した。ビデオゾンデはHector雲内の降水粒子の分布の直接測定を行うもので、このプロジェクトでも大きな比重を持つものである。観測は常にドップラーレーダと緊密な連絡を取りながら行われた。平成7年夏、研究代表者はオーストラリア気象局のJasper氏とMelville島でのSite Surveyを行い、観測地、宿舎、輸送に伴う税関手続きなどについて調査を行った。平成7年10月、約1トンにも及ぶ観測資材を船で輸送、同年11月15日より1ヶ月間、大学院生4名と研究代表者がMelville島での観測を行った。観測は朝7時から夕方まで日曜なしで行われた。内陸の観測地までは宿泊地から車で40分であった。連日35℃を越す暑さで、幸いレンタルの観測室は冷房はあるが、外は蚊やブヨ、ヒルが多い湿地帯であった。気球格納庫を設置、すぐそばに気球飛揚のため水素ボンベを並べた。ヘリウムは高価なためこの予算では購入できなかった。昼過ぎHector雲が発達、真っ黒い雲列が東に現れ、ドンドンという雷の音とともに接近、一旦Hector内に入ると大変である。激しい雨と突風があり雷はすぐ近くに落ち続ける。一度はすぐ10m先に落雷、強電流が地面から流れ、すべての器械を破壊してしまった。日本に連絡を取り、パ-ツを輸送させ修理をしたが、4日間費やした。この激しい雨と雷の中、水素
著者
B. Thierry E. L. Bynum S. Baker M. F. Kinnaird S. Matsumura Y. Muroyama T. G. O'Brien O. Petit K. Watanabe
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.203-226, 2000 (Released:2009-09-07)
参考文献数
88
被引用文献数
24 70

野生および飼育下の個体群から集められた資料にもとづいて,スラウェシマカクの社会行動のレパートリーのエソグラムを作成した。コミュニケーションのパターン,動きのパターン,性行動のパターン,幼児行動と遊び,三者間の社会交渉など社会的文脈で観察されている行動を記述した。これらの行動パターンのほとんどはスラウェシマカクの全種に見られた。ある種の行動パターンの形態や機能はほかのマカク種で報告されているものと著しく異なっていたが,その一方,別の行動パターンに見られた類似性は,マカク属内の系統的な類縁関係を反映している可能性があった。