著者
下林 貢 下林 悦子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.1132-1134, 2016 (Released:2016-12-01)

研究留学と聞くと「アメリカ」と思う人が多いと思う。しかし、国と人口のサイズを考えると、スイスもアメリカに負けず劣らずの研究大国である。 この記事では私たちの経験を通してスイスで研究することの素晴らしさや注意点を伝えたい。内容: a)スイスの研究室でのポスドク、学生の選考方法 b)スイス 研究設備、給与、休みなどに関して c)スイスでの日常生活 d)家族でスイスに留学する際の留意点
著者
吉澤 一巳
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.530-534, 2018 (Released:2018-06-01)
参考文献数
25

モルヒネに代表される医療用麻薬は,緩和医療をはじめとする疼痛治療の主役を担う薬であり,現在ではモルヒネ,フェンタニル,オキシコドンに加えてメサドン,タペンタドール,ヒドロモルフォンなど選択可能な医療用麻薬が増加している.しかし,「麻薬を使うくらいなら痛みを我慢する」と考えるがん患者は少なくない.重要なことは,医療用麻薬の適正使用であり,医療用麻薬に関する誤解や偏見を払拭するような取り組みを推進しつつ,同時にその取り組みが行き過ぎにならないよう,乱用防止の啓発活動も必須であることを強く認識しなければならない.
著者
ファルマシア委員会
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.7-8, 2015 (Released:2018-08-26)
参考文献数
15

ジャガイモに含まれるステロイド型アルカロイド配糖体の生合成の制御,再生医療等製品の臨床応用を支える技術開発研究,光遺伝学の手法で脳の記憶を書き換える!,新しいタイプの遺伝子組換えジャガイモは日本で受け入れられるのか?,悪性黒色腫治療薬ニボルマブの登場,83%が30年以上前に開発済の環構造?
著者
平田 義正 上村 大輔
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.181-185, 1982-03-01
著者
(株)フジテレビジョン広報宣伝部
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.703-706, 2020 (Released:2020-08-01)

「アンサング=褒められない」医師のように頼られず、看護師のように親しまれなくても、誰より患者のことを考える薬剤師という存在に光を当てた新・医療ドラマです。普段は脚光を浴びることがありませんが、薬を処方する時は患者にとって『最後の砦』となります。ドラマチックであると共に視聴者に『知識』も提供できる社会的意義の高い作品です。
著者
山下 弘高
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.783, 2020

生物は進化の過程において数々の食糧難に直面し,それを克服するために糖や脂肪などのエネルギー源を無駄なく再利用するシステムを獲得してきたが,飢餓状態での生体防御,特に免疫システムの役割については未知の部分が多く残る.本稿では,飢餓状態を模したカロリー制限マウスにおいて,メモリーT細胞が脾臓などの二次リンパ組織から骨髄へ移動し,エネルギーの消費を抑えつつ,病原体への感染に備えた状態になることを明らかにしたCollinsらの論文を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Collins N. <i>et</i> <i>al</i>., <i>Cell</i>, <b>178</b>, 1088-1101(2019).<br>2) Han S. J. <i>et</i> <i>al</i>., <i>Immunity</i>, <b>47</b>, 1154-1168(2017).<br>3) Maurya R <i>et</i> <i>al</i>., <i>Front</i>. <i>Immunol</i>., <b>9</b>, 2741(2018).
著者
佐藤 伸一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.779, 2020 (Released:2020-08-01)
参考文献数
4

ケミカルプロテオミクスは,共有結合修飾されたタンパク質に焦点を当てたタンパク質・アミノ酸残基の機能解析手法である.タンパク質存在量でなく活性,機能に着目した解析が可能である.例えば,セリン加水分解酵素の活性プロファイリング等では,酵素活性に基づく有益な情報が取得できる.今回Hsuらは,チロシン残基に対して選択的に共有結合を形成できるプローブを開発し,これを用いて3,700種以上のタンパク質,10,000か所以上の修飾サイトを検出,解析したので紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Liu Y. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 96, 14694-14699(1999).2) Hahm H. S. et al., Nat. Chem. Biol., 16, 150-159(2020).3) Dong J. et al., Angew. Chem. Int. Ed. 53, 9430-9448(2014).4) Adibekian A. et al., Nat. Chem. Biol., 7, 469-478(2011).
著者
内井 喜美子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.449, 2014 (Released:2016-06-21)
参考文献数
5

別の動物を介して感染する感染症をベクター媒介感染症という.蚊が媒介するデング熱やマラリアは人間の代表的なベクター媒介感染症だが,有効なワクチンがなく,その制御には,殺虫剤による蚊の駆除と,防虫ネットによる蚊との接触遮断が最も有効な手段となっている.しかし,蚊が薬剤耐性を獲得したり,防除器具の普及・維持が難しい場合があることより,新たな方策が求められている.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) McGraw E. A. et al., Nat. Rev. Microbiol., 11, 181-193 (2013).2) McMeniman C. J. et al., Science, 323, 141-144 (2009).3) Moreira L. A. et al., Cell, 139, 1268-1278 (2009).4) Ye Y. X. H. et al., Plos Neglect. Trop. Dis., 7, e2362 (2013).5) Zhang G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 110, 10276-10278 (2013).
著者
橋本 洋一郎 和田 邦泰
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.715-719, 2020 (Released:2020-08-01)
参考文献数
18

能動喫煙は脳卒中の危険因子となり、脳卒中発症の相対危険度はその用量に依存して増加し、中年層で最大の相対危険度を示す。脳梗塞(約2倍)とくも膜下出血(約3倍)では、喫煙は明らかな危険因子となっている。脳出血が喫煙で増加するとの報告もあるが、まだ危険因子としては確立されていない。45歳未満の女性では、経口避妊薬使用や前兆のある片頭痛などの危険因子をもつ場合は喫煙による脳卒中の危険性はさらに高くなる。受動喫煙も脳卒中の危険因子(1.25倍)となり、受動喫煙に安全なレベルは存在しない。禁煙により脳卒中の危険度は低下する。