著者
守屋 文葉
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.12-20, 2013-04-01 (Released:2013-04-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

世界各国には多数の図書館コンソーシアムが存在する。本稿ではその中からイギリス,フランス,韓国,カナダの事例を紹介し,それらと比較しながら,大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)の組織と活動を概観する。また,2013年度から会員制への移行と会費の徴収が行われるが,その意義について述べる。
著者
國岡 崇生 田村 友紀 山崎 文枝 堀内 美穂 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.662-669, 2012-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
3
被引用文献数
3

科学技術振興機構(JST)は,科学技術文献データベースにおける統制語索引に用いる「JST科学技術用語シソーラス」,同義語,異表記語を収録した「大規模辞書」など複数の用語辞書を所有している。これらの辞書が持つ,各用語の上位下位関係や同義関係など用語間のさまざまな関係性をもとに統合的に可視化を行うJSTシソーラスmapを開発した。JSTシソーラスmapの持つ機能,開発の目的などを紹介する。
著者
新井 紀子 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.533-544, 2011 (Released:2011-12-01)
参考文献数
18

科学技術振興機構が提供してきた研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)と,情報・システム研究機構が提供してきたResearchmapは2011年11月をもって正式統合を果たし,ReaD&Researchmapとして新たなサービスを開始した。本稿では,研究資源・研究情報が各時代のニーズおよび技術の下でどのように収集・利活用されてきたかを概観するとともに,研究資源が発生時点からデジタルであるようなボーンデジタル時代に学術研究情報のエコシステム(循環型情報活用基盤)を今後いかに確立すべきかについて述べる。
著者
國岡 崇生 宮村 和実 植松 利晃 堀内 美穂 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.582-590, 2012-11-01 (Released:2012-11-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

科学技術振興機構(JST)は2009年よりβ版として公開したJ-GLOBALのリニューアルを行い,2012年9月に正式版をリリースした。正式版のサービス設計にあたっては,検索行動モデルとJ-GLOBALのサービスの特徴・登載データを比較し検証を行った上で,サービス設計を実施した。また,正式版のJ-GLOBALは,検索エンジン機能と画面インターフェース側を切り分けて,システム拡張の柔軟性を持つシステム構成となっている。J-GLOBAL正式版の機能や特徴について,サービス設計と合わせて紹介する。
著者
三輪 唆矢佳 安藤 聡子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.329-338, 2012-08-01 (Released:2012-08-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

リサーチフロントとは,「強い共引用関係によって結び付けられる高被引用論文(Highly Cited Papers)グループ」を指す。それらの論文グループが示すのは確固たる名前のついた研究分野として確立する以前の「先端研究領域」と考えられる。本稿ではリサーチフロントの概念を解説し,この手法によりどのような研究評価が可能かを考察する。そして,過去3回行われたトムソン・ロイターの「リサーチフロントアワード」を振り返り,その意義と日本の研究の萌芽を紹介する。リサーチフロントの概念は,国の重要な科学技術関連資料に取り入れられている。研究機関・大学の研究評価のためのビブリオメトリックス手法の1つとして,インフォプロにとっての活用例を紹介する。
著者
治部 眞里
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.200-210, 2011
被引用文献数
2

経済や社会も含めた外部環境に対する多面的な視点からの把握を目的とするフォーサイトの活動および手法の開発が活発化している。そこで,世界各国で行われているフォーサイトの方法を調査し,まとめた。外部環境変化の不確実性がますます高まる今日,予測ではなく「不確実性」を軸に複数の未来シナリオを描くシナリオプランニングを採用する機関が国際的にも増えつつある。シナリオプランニングを活用することによって,単一の未来予測にとらわれることなく,複数の未来環境を柔軟に考えることができるようになり,戦略構築に柔軟性が生まれる。公共政策においてシナリオプランニングを採用した事例はまだ少ないが,国際的にも関心は高まっており,今後ますます増加すると推測される。
著者
小原 満穂
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.769-784, 1990 (Released:2012-03-23)
参考文献数
3

シンクタンクの定義は, 機関として(1)政策志向, 問題提起していること, (2)学際的, 未来志向していること, (3)独立していること, であり, さらに業務内容から(1)政策提言型, (2)研究開発型, (3)経営コンサルティング型の3種類に分類される。歴史的に見れば米国において最初のシンクタンクが誕生し, 3種類のいずれのシンクタンクでも常に世界をリードしてきたが, 他の国は政策提言型シンクタンクが主である。著名なシンクタンクとしては, 米国には, ブルッキングス研究所, ランド研究所, バッテル記念研究所, アーサー・D・リトル社, SRIインターナショナルが, 西ドイツには, IFO経済研究所, ドイツ経済研究所が, フランスには, フランス国際関係研究所があり, イギリスには, 王立国際問題研究所, 国際戦略問題研究所が, 韓国には, 韓国開発研究院, 韓国産業研究院があり, それぞれが政治, 経済, 産業, 技術の各分野で活躍している。
著者
粕谷 昌宏 加藤 龍 高木 岳彦 伊藤 寿美夫 高山 真一郎 横井 浩史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.887-899, 2016-03-01 (Released:2016-03-01)
参考文献数
38
被引用文献数
2

本稿では,身体機能を補完する義手と,身体を拡張する義手について述べる。まず,身体機能を補完する義手として,これまでに用いられてきた義手の種類や構成要素,動作原理を解説する。特に,義手の中でも近年注目されている,筋電義手について詳しく記述する。筋電義手の歴史は半世紀以上前までさかのぼるが,その制御方法は長らく革新されてこなかった。そのため,近年登場してきた多自由度の筋電義手においては,制御が複雑で使用者の負担となっていた。これに対し,多自由度の筋電義手でも,直感的で簡便な制御を可能とする,新たな制御方法が実用化されつつある。その研究動向について解説し,そのうえで,この新たな制御方法が実用化されることにより,身体を拡張する義手として,今後社会がどのように変化していくかを述べる。本稿では,最新の筋電義手の動向を,研究段階のものから実用段階のものまで広く解説する。
著者
川島 浩誉 山下 泰弘 川井 千香子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.384-392, 2016

<p>科学技術・学術政策研究所と科学技術振興機構(JST)情報企画部情報分析室は現在,相互協力に関する覚書およびJSTの所有する情報資産の利用に関する覚書に基づく共同研究を実施している。本稿では,その共同研究の一つである,JREC-IN Portal掲載の求人票に基づく大学における研究関連求人の推移の分析プロジェクトに関して紹介する。本分析は2つの目的をもっている。一つはこれまで総体的な分析対象とされてこなかったJREC-IN Portalの統計的性質を明らかにすること,もう一つはJREC-IN Portalの統計により研究関連求人市場の動向を示すことで当該人材の流動性の増進を促した近年の政策の帰結を明らかにすることである。本分析プロジェクトは現在進行中であり,結果の数値は最終的な研究成果公表において変わりうるものではあるが,現段階で得られた近年の研究関連求人の動向の一端を示す集計結果も本稿に示す。</p>
著者
名和 小太郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.131-139, 2010 (Released:2010-06-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

グーグルはデジタル・アーカイブを構築するために,第一級の研究図書館のもつ膨大な書籍をスキャニングしつつある。この行為は著作者の許諾なしに開始されたために,著作権侵害訴訟を引き起こしている。ただし,現在提案されている和解案は,既存の著作権法よりも,許諾プロセスについて,より有効な解を示している。
著者
藤田 節子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.492-503, 2010 (Released:2010-12-01)
参考文献数
13

近年,学術論文の参照文献に,インターネット情報の利用が増加している。Webページは更新や削除が頻繁に行われるため,インターネットからの参照文献は読者が後になって入手できるとは限らない。本調査は,2007年と2005年に刊行された図書館情報学関係学術誌4誌に掲載された論文の参照文献のうち,インターネット情報を参照した858件の入手可能性を調べた。その結果,2007年では参照されたインターネット文献のうち28%,2005年では41%が,論文の著者が記述したURLのもとでは見つからなかった。見つからなかったインターネット文献を,そのサイト内で検索したり,検索エンジンを使うと,2007年は89%,2005年では82%が入手可能になった。参照されたインターネット文献の保存,サイト運営者の適切な管理運営,著者の正確な引用と,必要十分な書誌記述が入手可能性を高める。
著者
栗山 正光
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.92-99, 2015

オープンアクセス(OA)の進展とともに,論文処理費用をだまし取るハゲタカ出版社の出現が問題となっている。本稿はハゲタカ出版社のブラックリストを作成しているジェフリー・ビールの活動を中心に,この問題をめぐる状況と議論を整理して紹介する。ビールのリストは高く評価される一方,名前をあげられた出版社から10億ドルの損害賠償を請求されたり,根拠不十分と批判されたりしている。さらに,彼のOA運動に敵対的な姿勢が明らかになり,いささか信頼を失った。一方,ジョン・ボハノンはでたらめな論文を投稿し,まともにピアレビューを行っていないOA誌が多数存在することを暴いた。また,DOAJはビールとは反対に優良OA出版社のホワイトリスト作成を目指している。