著者
宮川 経邦
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.224-230, 1980
被引用文献数
27

ガラス室内の条件下で,接木接種によって<i>Citrus</i>および近縁植物におけるリクビン(アジア系グリーニング病)の病徴を観察した。<br> <i>Citrus</i>および<i>Fortunella</i>属幼実生または接木苗におけるリクビンの典型的な病徴は,成葉における発病初期の不規則な葉脈に沿った黄斑,さらに罹病度の進展にともなう黄化葉,ならびに節間短縮による小葉化,矮化症状の発現であった。これらの病徴は28~32Cの好適条件下においては接木接種後2~3カ月目から現われた。<br> 供試したカンキツ品種のなかで,ポンカンおよびオーランドタンゼロの病徴がとくに顕著で検定植物としての利用価値が高い。ついでスイートオレンジ,ウンシュウミカン,シークワシャーなどであった。サワーオレンジ,グレープフルーツ,セクストンタンゼロなどのCTV-SY反応型品種はリクビンによっても黄化,矮化症状を現わすが, CTV-SYによる病徴がより顕著に現われることから,被検試料にCTV-SYが保毒されるときは検定植物としては不適当である。<br> カラタチは外見上無病徴か,まれに軽い黄化葉を現わしたが,これらの実生苗にポンカン,スイートナレンジなどの感受性品種を接木すれば顕著なリクビンの病徴を現わした。ミカンキジラミの好適な宿主植物であるゲツキツは接木接種によって外見上感受性を示さなかった。
著者
Arwiyanto Triwidodo 坂田 完三 後藤 正夫 露無 慎二 瀧川 雄一
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.288-294, 1994
被引用文献数
2 5

ストレリチア(<i>Strelirtzia reginae</i> Banks)から分離された青枯病菌の非病原性菌株(Str-10 op型)を接種したトマトの根系から,非接種対照植物の根系よりも多量のトマチンが検出された。茎の組織内ではこのようなトマチン濃度の上昇は見られなかった。Str-10 op型の接種源濃度を10<sup>8</sup>から10<sup>9</sup>cfu/mlに増加すると,接種5日後における根部組織内のトマチン含量は113&mu;g/g根から152&mu;g/g根まで増加した。接種9日後にはトマチン含量は450&mu;g/g根まで増加した。この濃度は青枯病菌の病原性菌株の増殖を<i>in vitro</i>で抑制するのに十分な濃度であった。トマチンによる青枯病菌の発育抑制は静菌的であった。一方,Str-10 op菌株の培養ろ液及び加熱死菌で処理したトマト根部ではトマチン濃度の増大は見られなかった。
著者
松尾 卓見 宮川 守 斎藤 英毅
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.860-864, 1986
被引用文献数
8

ニンニクの鱗茎腐敗による地上部枯死(病名:乾腐病)を起因する <i>Fusarium oxysporum</i>の分化型を知るためにユリ科に関係ある既知分化型のf. sp. <i>cepae</i>(タマネギ), f. sp. <i>tulipae</i>(チューリップ), f. sp. <i>asparagi</i>(アスパラガス), f. sp. <i>lilii</i>(ユリ), f. sp. <i>allii</i>(ラッキョウ)との相互接種検討を行った。ニンニク菌(長野県産)はニンニクに対し鱗茎付傷接種・ポット土壌接種とも明瞭な病原性を示したが,他の供試分化型菌は病原性を示さなかった。なおニンニク菌は上記ユリ科植物やグラジオラス,スイセンほか14植物に対して病原性を示さなかった。以上の結果からニンニク菌に対し<i>Fusarium oxysporum</i> Schl. f. sp. <i>garlic</i>なる新分化型名を与えたいと思う。
著者
栃原 比呂志
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.1-10, 1970
被引用文献数
9

キクから分離され,これまでTAVとして取扱われていたウイルスで,CMVと血清関係がなく,トマトに種子を着生するウイルスをTAVとは別のウイルスとして取扱い,キク微斑ウイルス(chrysanthemum mild mottle virus)と仮称した。本ウイルスは25-30m&mu;の球状粒子でRNAウイルスであり,260/280=1.70-1.78,最高/最低=1.46-1.50の核蛋白によると思われる吸収曲線を示した。260m&mu;における吸光係数は5.6cm<sup>2</sup>/mgで,4.5&mu;g/m<i>l</i>の汁液接種でササゲ1葉当たり100前後のlocal lesionを生じた。収量はタバコ病葉100g当り30-40mgであった。CMVとは沈降係数に差異がなかったが,血清関係は認められなかった。アブラムシで伝染し,キクに無病徴かmottleを生じ,品種により花の矮化,退色,color breakingなどを起こす。CMVよりタバコ,<i>N. glutinosa</i>,ペチュニアなどにenationを生じやすく,ササゲと<i>C. amaranticolor</i>のlocal lesionが小さい。キュウリには感染しない。各地の栽培ギク138株中40株から本ウイルスが分離された。
著者
岩波 徹 小泉 銘册 家城 洋之
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.642-650, 1993
被引用文献数
2 9

温州萎縮ウイルス(SDV)とその近縁ウイルスについて, 6分離株(S-58, MIE-88, Ci-968, LB-1, Az-1, NI-1)のカンキツ,草本植物での症状,外被タンパク質の血清学的性状および電気泳動度を比較した。カンキツおよび草本植物上の反応より, S-58とMIE-88, Ci-968, NI-1はそれぞれ典型的なSDV,カンキツモザイクウイルス(CiMV),ネーブル斑葉モザイクウイルス(NIMV)と考えられた。LB-1とAz-1は既報のものとはやや病原性が異なっていた。S-58とCi-968に対するポリクローナル抗体を用いて,直接二重ELISA (DAS-ELISA), electro-blot immunoassayおよびSDS-ポリアクリルアミド電気泳動 (SDS-PAGE)を行った。DAS-ELISAの結果, S-58とMIE-88, Ci-968とLB-1はそれぞれS-58抗体, Ci-968抗体に強く反応したが, Az-1とNI-1は両方の抗体に反応しなかった。SDS-PAGEの結果, S-58とMIE-88では約42Kと22K, Ci-968, LB-1, Az-1では約42Kと23K, NI-1では約42Kと22.5Kのそれぞれ2本のバンドが検出された。Electro-blot immunoassayによる分析では, S-58抗体はS-58とMIE-88の約42Kのバンドと強く反応し, Ci-968抗体はCi-968, LB-1, Az-1の約42Kのバンドと強く, S-58とMIE-88のそれとやや弱く反応した。NI-1の約42Kのバンドは両方の抗体と反応しなかった。また,いずれの分離株の場合でも,約22~23Kのバンドの反応は,どちらの抗体に対しても極めて弱かった。以上の結果から,供試分離株はSDVグループ(S-58, MIE-88), CiMVグループ(Ci-968, LB-1, Az-1), NIMV (NI-1)グループに分けられたが,これらを1ウイルスの系統,または別のウイルスとする為には,更に他の性状の比較が必要であると考えられる。
著者
塩見 敏樹 杉浦 巳代治
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.727-730, 1983-12-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
14
被引用文献数
4 5

In 1982, a disease of strawberry plant, showing the symptoms of stunting and witches' broom, was observed in Shizuoka city. Electron microscopy revealed the presence of mycoplasmalike organisms (MLOs) in the sieve tubes of the diseased plants. Macrosteles orientalis, and Macrosteles fascifrons were found to transmit the disease to healthy plants. Of 29 species plants in 14 families, which were inoculated by the infectious M. orientalis, 26 species plants in 12 families were infected with the MLO. The strawberry witches' broom had a wide host range similar to those of sickle hare's ear yellows.
著者
大木 理
出版者
日本植物病理學會
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.3-11, 2001 (Released:2011-12-19)
著者
景山 幸二 宇井 格生
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.148-152, 1983
被引用文献数
2 7

北海道立北見農業試験場の連・輪作試験圃場でインゲンおよびダイズの連作障害に関係するとされる<i>P. myriotylum</i>と未同定の<i>Pythium</i> sp. (<i>Pythium</i>sp. A)とについてそれらの宿主範囲および分布を検討した。<i>P. myriotylum</i>は,輪作区に栽培されるエンバク,テンサイ,ジャガイモ,コムギ,アカクローバのうちテンサイのみに強い病原性を示し,マメ科作物ではエンドウ,アズキ,ダイズ,インゲンに強い病原性を示したが,品種によりその程度は異なった。<i>Pythium</i> sp. Aは,テンサイに対し,またマメ科作物ではエンドウ2品種,ダイズ1品種,インゲン3品種に強い病原性を示した。網走支庁管内19か所および帯広1か所から生育の劣ったインゲンを採取し,根から<i>Pythium</i>属菌を分離したところ,1か所から,<i>P.myriotylum</i>, 7か所から<i>Pythium</i> sp. Aが得られた。<br>北見農業試験場の連・輪作試験圃場5区,網走支庁管内17か所,伊達1か所,帯広1か所の各種作物の畑地より土壌を採取し,ライムギ苗を用いて間接分離を行った。その結果,<i>P. myriotylum</i>はいずれの土壌からも分離されず,<i>Pythium</i> sp. Aは3か所から分離された。以上の結果から,<i>P. myriotylum</i>と<i>Pythium</i> sp. Aは宿主範囲および分布ともに狭い種と認められる。
著者
鈴木 一実 杉本 光二 林 博之 光明寺 輝正
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.395-398, 1995-08-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
8
被引用文献数
16 22

フルアジナム(フロンサイド®)のハクサイ根こぶ病に対する作用特性を検討した。1ppm以上のフルアジナム存在下で休眠胞子を培養したとき,遊走子発芽はほとんど観察されなかった。フルアジナムに接触させた休眠胞子を接種した場合には根毛感染の頻度が減少した。フルアジナムを土壌施用したところ,根毛感染および根こぶ形成は著しく阻害された。根毛感染成立後,第二次遊走子放出前にフルアジナム含有非汚染土壌にハクサイ苗を移植した場合,根こぶ形成は阻害されたが,皮層感染成立後では防除効果は認められなかった。以上から,フルアジナムは休眠胞子に殺菌的に作用するとともに根毛感染および皮層感染を阻害し,その結果根こぶ形成阻害をもたらすことが示唆された。
著者
宮川 経邦
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.224-230, 1980-04-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
10
被引用文献数
21 27

ガラス室内の条件下で,接木接種によってCitrusおよび近縁植物におけるリクビン(アジア系グリーニング病)の病徴を観察した。 CitrusおよびFortunella属幼実生または接木苗におけるリクビンの典型的な病徴は,成葉における発病初期の不規則な葉脈に沿った黄斑,さらに罹病度の進展にともなう黄化葉,ならびに節間短縮による小葉化,矮化症状の発現であった。これらの病徴は28~32Cの好適条件下においては接木接種後2~3カ月目から現われた。 供試したカンキツ品種のなかで,ポンカンおよびオーランドタンゼロの病徴がとくに顕著で検定植物としての利用価値が高い。ついでスイートオレンジ,ウンシュウミカン,シークワシャーなどであった。サワーオレンジ,グレープフルーツ,セクストンタンゼロなどのCTV-SY反応型品種はリクビンによっても黄化,矮化症状を現わすが, CTV-SYによる病徴がより顕著に現われることから,被検試料にCTV-SYが保毒されるときは検定植物としては不適当である。 カラタチは外見上無病徴か,まれに軽い黄化葉を現わしたが,これらの実生苗にポンカン,スイートナレンジなどの感受性品種を接木すれば顕著なリクビンの病徴を現わした。ミカンキジラミの好適な宿主植物であるゲツキツは接木接種によって外見上感受性を示さなかった。
著者
宇杉 富雄 中野 正明 新海 昭 林 隆治
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.512-521, 1991
被引用文献数
2 15

汁液接種によりサツマイモから3種のひも状ウイルスが分離された。M分離株は<i>Ipomoea</i> spp., <i>Nicotiana tabacum, Datura stramonium, Chenopodium quinoa, C. amaranticolor</i>に,Mo分離株は<i>Ipomoea</i> spp., <i>C. quinoa</i>および<i>C. amaranticolor</i>に,C分離株は<i>Ipomoea</i> spp.にのみ感染した。M, MoおよびCの希釈限界はそれぞれ,1,000&sim;10,000倍,1,000&sim;10,000倍および100&sim;1,000倍であり,保存限界は1日以内であった。また,不活化温度はそれぞれ50&sim;60&deg;C, 60&sim;70&deg;Cおよび70&sim;80&deg;Cであった。M, Moのウイルス粒子はそれぞれ750&sim;810nm, 850&sim;880nmに,Cは710&sim;760nmと1,430&sim;1,510nmに分布した。ウイルス粒子の幅はいずれもおよそ13nmであった。Mは容易にモモアカアブラムシによって伝搬されたが,MoおよびCは伝搬されなかった。SSEM-PAGによりMと台湾で発生するsweet potato latent virus (SPLV)抗血清との間に,Moとsweet potato feathery mottle virus russet crack strain (SPFMV-RC)との間に血清関係が認められた。しかし,3分離株の間には血清関係は認められなかった。以上の結果から,MおよびMoはそれぞれSPLV(サツマイモ潜在ウイルス)およびSPFMV(サツマイモ斑紋モザイクウイルス)の1系統と考えられた。Cはサツマイモでは未記載のウイルスであり,これをサツマイモシンプトムレスウイルス(SPSV)と命名したい。
著者
柘植 尚志 西村 正暘 大村 智 甲元 啓介 尾谷 浩
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.277-284, 1985

宿主特異的毒素を生成する<i>Alternaria alternata</i>群植物病原菌の病原性発現および分生胞子発芽時の毒素生成に及ぼす化学物質の効果について検討した。ナシ黒斑病菌分生胞子懸濁液に,抗生物質セルレニンまたはメチオニンをそれぞれ20ppm, 100ppm以上の濃度で添加すると,胞子の発芽,付着器形成などは殆んど影響されなかったが,胞子発芽時の宿主特異的毒素(AK-毒素)の生成・放出は著しく抑制された。また二十世紀ナシ葉に対する病原性の低下が観察された。さらに,これらの化学物質は,リンゴ斑点落葉病菌のAM-毒素生成およびイチゴ黒斑病菌のAF-毒素生成も阻害し,両菌の病原性低下を引き起こした。また,KH<sub>2</sub>PO<sub>4</sub>, NH<sub>4</sub>Cl,酵母エキスおよびシステインも,ナシ黒斑病菌の胞子発芽にはほとんど影響することなく胞子発芽時のAK-毒素生成能力および病原性を阻害した。しかし,これらの化学物質の効果は,セルレニンやメチオニンほど顕著ではなく,比較的高濃度処理によって,阻害効果が認められた。以上の結果から,<i>Alternaria alterrata</i>群病原菌の分生胞子懸濁液に,ある種の化学物質を添加することにより,胞子発芽時の宿主特異的毒素生成が阻害され,その結果,病原性の低下が引き起こされるものと考えられ,本群菌の病原性発現における胞子発芽時の宿主特異的毒素の重要性が示唆された。
著者
百町 満朗
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.123-127, 2013-08-25 (Released:2016-03-22)
参考文献数
37
被引用文献数
1
著者
田口 義広 百町 満朗 杖田 浩二 川根 太
出版者
日本植物病理學會
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.94-101, 2003 (Released:2011-12-19)

IK-1080の菌濃度を1.0×10(8)cfu/mlとした懸濁液1.0mlを、トマト果実の着果促進を目的としたホルモン処理と同時に花弁に散布すると、花弁における灰色かび病の発生は著しく抑制された。散布直後の花弁におけるIK-1080の菌量は1.9×10(7)cfu/mgだったが、処理後の花弁の菌量は7.9×10(9)cfu/gとなり約400倍増加していた。無処理区の花弁上にはBotrytis属菌を含む10種類以上の糸状菌が認められたが、IK-1080を散布した花弁では5種類に減少し、Botrytis属菌は出現しなかった。このように菌相の単純化が認められた。トマト栽培では受粉に訪花昆虫のマルハナバチがよく用いられている。そこで、マルハナバチに、灰色かび病菌に拮抗的なIK-1080を運ばせることで花弁の灰色かび病が防除できるかを検討した。はじめに媒介用のアダプターを4種類試作した。箱型のアダプターは出巣したマルハナバチが帰巣しなくなった。箱内に1本の紐を渡した型と円筒の中にパフを敷いた型のアタプターは、帰巣しても巣に入りたがらない行動が認められ、花粉球の落下も多かった。一方、出入口分離型はマルハナバチの出巣個体数が1時間当たり12頭と多く、時間当たりの帰巣率も77.8%と高かった。また、マルハナバチの運んできた花粉球の落下が最も少なく、果実の着果率も96~98%と高かった。この出入口分離型のアダプターを用いるとマルハナバチの身体に1頭当たり6.0×10(4)cfuのIK-1080が付着していた。マルハナバチにIK-1080を運搬させると、訪花20日後の花弁の菌量は10(6)~10(7)cfu/mgと増加した。また、灰色かび病の発生は著しく抑制された。マルハナバチにIK-1080を運搬した花弁でも、ホルモンと同時処理の時と同じようにBotrytis属菌の出現は認められなかった。本法は著しく省力的で、アダプターに入れるIK-1080の量は1回当たり(7日間分)3gと少なかった。