著者
大原 美保 江島 潤一郎 目黒 公郎
出版者
東京大学
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.112-116, 2008-05

生産技術研究所都市基盤安全工学研究センター(ICUS)では, 更なる安全体制の確立を目指してIT強震計による生研建物のモニタリングシステムの導入を行った.IT強震計システムは, 東京大学地震研究所地震予知情報センターの鷹野澄准教授により開発された計測システムであり, 本論文では生産技術研究所建物内18箇所へのIT強震計の設置状況と2007年度における観測結果を報告した. 2007年4月1日から2008年3月10日までに32回の地震を観測し, 7月16日の新潟県中越沖地震での揺れも観測することができた.平常時のモニタリングおよび地震時の波形はWEB上で公開しており, 所外からも閲覧することができる.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
清田 隆 細野 康代 山田 卓
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.791-796, 2011

2010年から2011年にかけて, ニュージーランドのクライストチャーチ近郊では地震が多数発生した.特に2011年2月22日のChristchurch地震では, クライストチャーチ市周辺で液状化に伴う構造物・埋設管の被害が多数発生した.2011年6月13日の大きな余震でも大規模な液状化が発生している.ここでは, 筆者らが実施してきたカンタベリー地方の一連の地震被害調査に基づき, 最も被害の大きかった2011年2月Christchurch地震および6月13日の余震を中心に, クライストチャーチ市内の液状化に伴う被災事例を紹介する.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
小笠原 武夫
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.183-186, 1962-06-01

Vベルト自動変速機の変速特性は,負荷トルクに関係するが,この現象を適切に説明することが従来なされていなかったので,その変速機の設計に支障をきたしていた.この報告では,Vベルトの弾性を考慮に入れたVベルトの力学的考察をもとにして,いわゆる変速特性式を誘導し,この式でその現象を無理なく説明できることについて述べる.
著者
山田 健太 ジネ パトリック ボルツ セバスチャン モンターニュ ケビン 酒井 康行 フォーミー ドミニク ラジャブプール アリ 金 範埈
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.345-349, 2011

インキュベーター内で細胞集団の培養と局所加熱が可能なマイクロヒーターデバイスをMEMSプロセスにより製作した.デバイス上の微小領域の温度を液中での蛍光温度計測と有限要素法による加熱シミュレーションにより比較し, 加えて, 赤外線熱顕微鏡によりその過度現象を計測した.細胞の加熱実験では, 細胞をデバイス上で培養し, 加熱を行った.その結果, 単一細胞レベルでの熱ショック応答の誘導の可能性に加え, これまで確認されていなかった細胞間コミュニケーションによる熱ショックタンパク質の発現についても確認する事が出来る可能性が示された.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
村井 俊治 青島 正和
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.p326-333, 1993-05

小特集 光デバイス・光工学近年景観評価の重要性が認識され始めている.しかしながらその評価に用いる景観モデルとしてのパースや模型,コンピューターグラフィックス等は,モデルの色や明るさを人間の感性により決めているのが現状である.これに対し本文は,各種の大気現象の客観的なモデル化をめざして,光学理論による空の青や夕焼けの赤,雨によるボケの状況等の算定方法の紹介と,その新しい利用方法について示した.
著者
橘 藤雄
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, pp.201-204, 1966-08-01

古くから広く利用されていたにもかかわらず,近年になってようやく研究の進んできた沸騰熱伝達について解説し,われわれの研究室で手がけている二,三の問題について説明した.
著者
河添 邦太朗 竹内 雍
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.9, pp.246-251, 1967-09-01

原子力平和利用の進展につれて,核分裂生成物あるいはそれらを含む放射性廃棄物の捕集,除去がーそう重要な問題となる.以下は特に放射性ガスの発生および処理状況の概要を示し,85Kr,131Iおよびその他の放射性ヨウ素の吸着除去を行なう際の問題点と最近の進歩を述べたものである.
著者
田中 伸治 白石 智良 小宮 粋史 花房 比佐友 林 誠司 平井 洋 桑原 雅夫
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.259-262, 2012 (Released:2012-04-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

交通シミュレーションを利用してCO2排出量等を推計する際には, 国内外で異なるモデルが使用される可能性が高いため, モデル検証の手続きを国際的に共通化することが重要である.そこで本プロジェクトでは, 交通シミュレーションモデルおよびCO2排出量モデルの検証の枠組みを提案し, 国際ワークショップを通じた合意形成のための議論を行っている.また, この検証に利用可能な実交通データを取得するため現地観測調査を行い, 得られたデータを利用して検証の枠組みの妥当性を確認するための試行検証を実施している.
著者
桑野 玲子 佐藤 真理
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.673-677, 2009 (Released:2009-08-05)
参考文献数
8

近年都市部で頻発している道路陥没は, 多くの場合老朽埋設管の破損部等から土砂が流出することに起因し, 社会的損失が大きいにもかかわらず, 対症療法的な対策が中心となっているのが現状である.また, 道路や住宅造成地等で起こる比較的大規模な陥没にははっきりした原因が特定できない場合もあり, 埋設構造物周辺の埋戻し不良や地下の水みちに沿った土砂流出等が長年にわたって地盤内ゆるみを助長し陥没に至ったと推定される.舗装下の地表近傍で顕著な空洞が存在するような陥没寸前の状態においては, 現状のレーダー探査技術により比較的高い確度で探知可能であるが, 空洞が深層部にある場合, 空洞・ゆるみの境界が不明瞭な場合, 輻輳した地下埋設物と空洞・ゆるみ部が渾然としている場合などは, 探知技術の限界により問題箇所の検出が困難である.本研究では, 地盤陥没を未然に防止するための探知手法を提案するために, 地盤内空洞・ゆるみの形成過程を明らかにし空洞・ゆるみのパターンを類型化すること, さらに陥没に至る“危険な”ゆるみを抽出することを目指している.まだ本取組みは継続中であるがその概要を紹介する.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
山田 嘉昭 佐藤 俊雄
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.217-225, 1974-06-01

振動や動的応答の解析では,大次元の固有値問題に直面するのが普通である.この報告では有限要素法の分野で最近新しく開発された2つの有力な固有値解法,すなわちsubspace iteration(またはsimultancous iteration)およびWilkinson-Gupta法について各々の特徴を 従来用いられてきた解法との関連において明らかにする.またsubspace iterationについては,数値実験を通じてその有力なことを実証する.二つの固有値解法により,有限要素法は,また新しい進歩の段階を迎えたものと考えられるのである.
著者
池田 健
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.7, pp.181-185, 1954-07-01

p.185 6(5)の正誤表
著者
大橋 智之 桑水流 理 吉川 暢宏
出版者
東京大学
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.32-35, 2007-03

植物食の鳥脚類恐竜の頭骨には,Pleurokinesisという上顎の側方運動があることが形態学的観察から提唱されている.このPleurokinesisを生み出す頭骨内の関節構造について有限要素法で応力解析を行い,Pleurokinesisが頭骨と歯列に及ぼす影響を力学的な観点から考察した.解析の結果,可動性のある関節によって,咀嚼による負荷が頭頂部に分散することが明らかとなった.このように恐竜などの古脊椎動物学においても力学的観点からの解析とその解釈により,これまで以上に彼らの生態が解明されることが期待できる.[本要旨はPDFには含まれない]