著者
深山 果 黒田 稔
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.114-115, 1956-09-20
著者
山本 高司
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.18-24, 1979-03-01

空港貨物取扱業務に従事する某社の男子現業員12名(26.7±6.2才)を対象とし,作業前,作業半ば,および作業後における直立時の動揺(postural sway)を,荷重センサーと支持板からなる動揺測定装置を用いて記録した。測定は第1日目,2日目,3日目と連続して行なわれた。その結果,次の事柄が明らかとなった。第1日目においては,開眼の場合,作業前値を100とした時に,作業半ばおよび作業後では123,125であり,閉眼の場合は,順に,100,116,113であった。同様にして,第2日目の開眼の場合は,順に,100,121,138であり,閉眼の場合は100,130,153であった。第3日目の徹夜作業においては,開眼の場合,順に,100,125,147であり,閉眼では100,101,123であった。したがって,いずれの日においても直立時の動揺は,作業時間の経過と共に増加の傾向を示した。t検定の結果,これらの増加は5〜0.1%の危険率で有意であった。一般に,直立時動揺の変動をもたらす要因としては種々のものがあげられるが,本研究における動揺の増加の主要な原因としては,作業自体に伴う疲労によって姿勢調節能が一時的に減弱したことが考えられる。
著者
木村 みさか 平川 和文 奥野 直 小田 慶喜 森本 武利 木谷 輝夫 藤田 大祐 永田 久紀
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.175-185, 1989-10-01
被引用文献数
35 16

60歳以上の高齢者の運動能力の検討やトレーニング効果の判定のための基礎資料を得るために, 体力診断バッテリーテストを約900名の高齢者に実施し, その結果について, 男女別, 年齢階級別に検討して, 以下の結果を得た.<BR>A.体力テストの測定値の分布については, 男女とも, ステッピング, 垂直とび, 握力はほぼ左右対象であるのに対し, 息こらえは正の歪み, 体前屈は負の歪みを示し, 片足立ちは5秒以下に6割以上が分布していた.片足立ち, 忌こらえ, 体前屈はステッピング, 垂直とび, 握力より分布幅が大きかった.<BR>B.垂直とび, 握力, 息こらえの平均値では男子が, 体前屈では女子が有意に高い値を示したが, ステッピングおよび片足立ち, 息こらえには男女差が認められなかった.<BR>C.体力テストの成績は, 息こらえを除いて男女ともすべての項目で, 年齢に伴って低下していたが, その低下の割合は体力要素によって異なっていた.加齢による低下は, 体重を移動させたり, 複雑な神経支配を必要とする項目で特に大きかった.<BR>D.体力テストの成績は, 男女とも各項目間で有意の相関が認められた.<BR>本調査の経験から, この体力診断バッテリーテストは, 高齢者にとって比較的身体的負担が少なく, メディカルチェックとして安静時の血圧測定と膝・腰などの運動器の障害を問診する程度で安全に実施できることが判明した.また本方法による高齢者の体力の標準的な数値を得ることができた.この基準値は高齢者の必要体力や高齢者に適した運動について検討を加えるのに有用と考えられる.