著者
ジュンユセン パユンサク 瀧川 具弘 小池 正之 長谷川 英夫 バハラヨーディン バンチョー
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.70-76, 2005-03-01
参考文献数
10
被引用文献数
3

第1報で提案した軌跡制御を, 実規模のトラクタとトレーラを用いて試験した。トラクタ・トレーラの位置はデッド・レコニング法で計算し, 試験はコンクリート路面上で行った。試験の結果, 後退時にはフィードフォワード制御のみではトレーラを目的地点に誘導できないが, フィードバック制御の導入により誘導が可能となることを確認した。フィードバック制御では, 極配置法と最適制御との比較も行った。目的地点での位置誤差については両者に大きな差はみられなかった。しかし, (8m, 3m) 地点への誘導中にみられた軌跡からの位置誤差は, 極配置法で14cm, 最適制御で9cmであった。これらデータより, 軌跡追従性では最適制御が優れることを示していた。

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出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.706-707, 1976 (Released:2010-04-30)
著者
薛 国栄 飯本 光雄 内野 敏剛
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.53-60, 1996 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

従来の熱風乾燥法にコロナ放電を組入れた乾燥システムにより, 放電に伴うイオン風のシイタケ乾燥促進効果を調べた。温・湿度一定下で, ファンの送風量と放電の印加電圧を変えた結果, イオン風処理区の乾燥速度は対照区の1.4~1.6倍となり, 乾燥時間の短縮が可能であった。イオン風処理区ではシイタケの収縮率が減少する傾向が見られ, イオン風処理によりシイタケの品質向上の可能性が示唆された。処理区のシイタケのヒダは対照区よりわずかに褐変した。イオン風処理による乾燥促進効果は印加電圧の増加とともに増大し, 送風量の増加とともに減少した。イオン風速は印加電圧の一次関数であった。
著者
川村 登 並河 清 藤浦 建史 浦 元信
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.353-358, 1984
被引用文献数
15

トマト等の果菜類の自動収穫を目的として比較的安価で, 消費電力の小さい小型の農業用知能ロボットの試作を行った。マニピュレータは自由度5で, 直流モータ駆動の人間腕型のものとし, その動きを数値制御して果実の把握を行えるようにした。テレビカメラにはMOS形固体撮像素子を用いたものを使用し, 赤信号と輝度信号をコンパレータで比較し2値化してDMAにより画像メモリに入力した。画像入力はカメラを移動して2度行い, ステレオ写真の方法で果実の3次元位置を得た。このロボットを用いて野外で連続した果実収穫実験を試みた。本報では主にマニピュレータのハードウェアとソフトウェアについて, また果実収穫の基本動作の実験結果について報告する。
著者
ジャベル ニザル 野口 伸
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.89-98, 2007-01-01
参考文献数
69
被引用文献数
4

農産物残渣物から得られるバイオガスを, 脱硫・高濃度化し農用車両の燃料へ適用することは, これまでの電気熱源利用同様, 有益な技術である。<br>適用に当たって, 農用車両に用いられるディーゼル機関の点火機構は, 排ガス性能へ直接影響することから, 十分に文献調査した。天然ガスやバイオガスなどのメタンを軽油とともにディーゼル機関の燃料とする二燃料運転では, NO<sub>x</sub>と黒煙を減少させるが, 高負荷ノックを起こし, 低負荷では失火を起こすことが明らかにされている。これら問題の解決方法は世界中で研究されており, 一部実用化に至っているものもあるが, 未だ様々な試みが行われている。
著者
米川 智司 木谷 収 岡本 嗣男 塚井 直樹
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.19-26, 1988 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

耕うん時の土壌-機械系の力学的挙動の解析に用いるデータを実験的に得るための計測システムの主要部である小型土壌内応力/土壌変位センサおよび土壌成形装置の開発と性能評価を行った。本センサは土壌内応力を小型圧力センサで検出するとともに, 光ファイバの点光源を土壌槽のガラス壁越しに撮影したものをコンピュータ画像処理して土壌変位を求める方式のものである。本センサを複数個用いることで土壌圧縮時の応力やひずみ分布を測定することができ, 土壌成形装置を用いてある一定条件付近の土壌の再生が土壌槽内に行えるようになった。
著者
アーターン W. 小池 正之 瀧川 具弘 余田 章 長谷川 英夫 バハラヨーディン B.
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.130-137, 2001-05-01
参考文献数
14
被引用文献数
3

市販のディーゼル機関搭載トラクタを改造して電気トラクタを試作し, そのエネルギー消費量とけん引性能について実験的解析を行った。供試した密閉式鉛蓄電池の容量を7.2kW・hとしたとき, エネルギー消費量と一回充電走行可能距離はそれぞれ0.60kW・h/kmと8.35kmであった。その結果に基づいて, 実用化に向けた一回充電走行可能距離の改善策について検討した。けん引性能は, アスファルト路面において滑り率14%で5.76kN, 堅硬地において滑り率22%で3.89kNとなり, 実用性に耐えうる性能を発揮するものと推察できた。総合エネルギー伝達効率についても, 予測値に近い水準値を示すことが分かった。
著者
川村 周三 夏賀 元康 河野 慎一 伊藤 和彦
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.95-104, 1996 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

機器分析による米の食味評価法が開発され実用化されている。しかし, 機器分析による米の食味評価が官能試験の食味評価に換えて利用できるか, それぞれの機器で得られた食味評価に相関があるか, などの客観的データに少ない。そこで, 近赤外分光法を利用した3機種と電磁波を利用した1機種を用い, 61種類の米の機器分析と官能試験とを行った。機器分析による食味評価と官能試験の総合評価との相関は低かった。したがって, これらの機器は食味評価として数値を示すほどの精度はなく, 食味別に米をグループ分けすることに用いるのが適当であった。各機器の食味評価値の間に互換性はなかった。機器分析法による米の食味評価の今後の発展のためには食味評価尺度の統一が不可欠である。
著者
ブラックモア サイモン 長谷川 英夫 瀧川 具弘
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.17-26, 1999-01-01
参考文献数
5
被引用文献数
1

英国の4圃場で得られたばらつきに関する5年間の研究から, 2年分のデータと情報を紹介する。研究対象地区は, 英国の穀物生産地域の50%以上の土壌と諸条件を代表している。完全な土壌標本抽出を含め, 収量データ, 穀物解析, リモートセンシングおよび圃場での作業工程を1995年から記録してきた。多数のデータレイヤーは, 時間的, 空間的なばらつきの原因理解を助ける情報としてまとめられ, 解釈された。
著者
伊藤 信孝 鬼頭 孝治 白 捷
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.11-16, 1994

履帯式車両の旋回性の評価は, 一般に旋回に要する所要エネルギ, 旋回半径, 旋回時間等で評価される。自脱コンバインのように農業仕様のものでは上記の評価項目に加えて, いかに旋回時に圃場表土を乱さないかが大切である。本報では信地旋回, 超信地旋回時に圃場表土が2次元的にどの程度乱されるかを, 比較・検討, 考察した。その結果, 従来の信地旋回方式は超信地旋回に比較して旋回時に圃場が乱される面積が理論的に2倍, 実験的に約1.7倍であることを明らかにした。
著者
シュアイブ M. ファイズ 森泉 昭治 清水 浩
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.61-67, 2002-07-01
被引用文献数
2

本研究はトラクタ運転者の操作技能に関する基礎的データを求め, 歩行型トラクタ操作の習熟過程を人間工学的視点で分析するために実施された。<br>実験結果では, 作業誤差レベルと初心者の生理的負担との間に相関関係があることが注目される。初心者は運転操作実験の初期に作業誤差が大きいが, これは高い精神的緊張と不慣れな動作に起因すると推察される。初心者のトラクタ操作時の生理的負担は, 作業誤差の減少と共に軽減した。諸分析結果より, 初心者が熟練者の技能レベルと生理的負担に到達するには, 正味24時間の運転操作時間が必要であると推定された。また, トラクタ操作の習熟過程は3段階に分け得ることが分かった。
著者
飯田 岳 野口 伸 石井 一暢 寺尾 日出男
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.87-93, 2000-03-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
40

精密ほ場管理技術による適切な窒素施肥管理が, 収量増加, 環境保全や生産コスト削減の面から期待されている。本研究はマシンビジョンを用いた作物窒素ストレスのリモートセンシングシステムの開発を最終目標とし, 本報ではシステムの構想を概略した。既往のディジタル葉緑素計や葉色カラースケールに対し, 葉面反射率を測定するマシンビジョンによる窒素ストレス診断法を提案した。トウモロコシ葉面の分光反射特性を調べた結果, 反射測定においては550nm, 650nm分光が窒素ストレス推定に適していると判断し, 今後屋外実験においてマシンビジョンに装備する光学バンドパスフィルタの波長帯を550nm, 650nmに決定した。