著者
渡辺 理文 杉野 さち子 森本 信也
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.71-84, 2022-07-31 (Released:2022-07-31)
参考文献数
15

本研究では,理科を専門とする小学校教員1名を対象にし,対象者のもつアセスメント・リテラシーの具体を個性記述的に分析して示した。また,その対象者がアセスメント・リテラシーを自覚的に用いて授業を計画・実践した事例を示した。方法として,AbellとSiegelの提案するアセスメント・リテラシーの理論的枠組みとモデルを援用した。この枠組みとモデルは,評価の目的,対象,方略,解釈・行動に関わる四つの知識で構成されている。半構造化面接によって,対象者のもつアセスメント・リテラシーの具体を分析し,その具体を枠組みにして,小学校第6学年「水溶液の性質」の授業を計画・実践した。結果として,教師が自身のもつアセスメント・リテラシーを自覚的に用いた授業事例を示すことができた。日本の理科教師のアセスメント・リテラシーの分析に,AbellとSiegelの提案する枠組みとモデルは援用可能であった。
著者
渡辺 理絵
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.248-269, 2010-05-01 (Released:2012-01-31)
参考文献数
56
被引用文献数
1 1

本稿は,近世の農村社会における天然痘の伝播過程について,村落間・村落内・世帯内の三つの空間スケールを設定し,伝播が起きる人々の社会的なつながりや行動様式,習俗などを加味して考察した.1795~1796年,出羽国中津川郷で起きた天然痘流行は罹患者の大半が10歳以下の子どもであった.子どものモビリティの低さから,周囲の村へ急速に天然痘が伝播することはなく,最近隣村への伝播に1ヵ月を要するほど,村落間における伝播速度は緩慢であった.また積雪などの気象条件や農閑期の副業労働は,子どものモビリティに影響を及ぼす伝播の障壁効果となり,農閑期,降雪期の村落間の伝播は一層緩慢であった.村落内の伝播は,子どもの異年齢集団による行動様式を反映し,集団感染に近い特徴を有している.同世帯における兄弟間の発症率も高い.患児を隔離するような天然痘対策を採らなかった当該地域において,収束までに流行開始前における未罹患者の8割以上が罹患し,次の流行を迎えることとなった.
著者
渡辺 理仁
出版者
一橋大学大学院法学研究科
雑誌
一橋法学 (ISSN:13470388)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.299-333, 2021-07-10

In the Byzantine Empire, Roman law had been applied prior to its rediscovery in the twelfth century. However, it is sometimes pointed out that Byzantine law deviate from Corpus Iuris Civilis. The eighth century small code Ecloga is a typical example of that. This begs the question of whether it is appropriate to position Byzantine law definitely in terms of continuity with Roman law or not. In this paper, I provide an overview of Ecloga and examine its divergence from the Principles in Roman Law that have been identified in previous studies. I then translate the related materials and compare the provisions in the Corpus Iuris Civilis and Ecloga, examining the differences between them and presenting some conclusions.
著者
渡辺 理文 杉野 さち子 森本 信也
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.159-172, 2021-07-30 (Released:2021-07-30)
参考文献数
20

本研究では,形成的アセスメントの実践を行い,教師のフィードバックの様子や子どもの相互評価・自己評価の様子,教師による指導の振り返りや修正・改善する様子を取り上げて質的に分析・評価した。その方法として,Wiliam(2010)の方略と提案に基づいて授業を計画・実践した。方略は(1)学習目標の共有・理解,(2)学習成果の表出,(3)フィードバック,(4)相互評価,(5)自己評価の5つである。小学校第5学年「物の溶け方」を対象に実践した。実践した授業では,教師と子どもが学習目標を共有し,子どもが表現活動により学習成果を表出し,教師がそれを基にしてフィードバックを行っていた。また,学習は子どもの相互評価と自己評価が行われることで進められていた。さらに,教師は自身の指導を振り返り,修正や改善を図ることで,子どもの学習を適切に支援していた。日本の理科教育にWiliam(2010)の方略と提案は援用可能であった。
著者
鳴海 邦匡 渡辺 理絵 小林 茂
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.17-35, 2022-03-31 (Released:2023-09-14)
参考文献数
63

For the Taiwan expedition (1874) and military action to suppress local resistance after the SinoJapanese War (1894-5), Japanese navy prepared nautical charts re-engraving from British Admiralty charts. Concerning place names, Japanese Hydrographical Office tried to transcribe those on British charts into Chinese characters locally used. However, it was not easy to infer exact Chinese characters on the basis of transliterated alphabetical local place names on British charts. Although a Chinese nautical chart titled Da Qing yi tong hai dao zong tu 大清一統海道總圖 (General map of the Chinese coast and sea-routes) re-engraved from a British chart was consulted, even place names of major ports of Taiwan on it were not always correct, because it transliterated many local place names phonetically into Chinese characters. After a process of trial and error up to 1905, place names in Chinese characters conformed to local use were put on Japanese charts of Taiwan.
著者
渡辺 理 光岡 円 角田 潤 大野敬史 奥山 敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.142-154, 2004-01-15
被引用文献数
3

携帯電話(iモード)上での文字プレゼンス情報の交換によるパーソナルネットワーク支援の可能性を探るため,携帯電話の上でインスタントメッセージのように動作するプロトタイプサービスを実装し,短期のユーザ試行評価実験を行った.このサービスは,ユーザが共通のチャネルに参加するのではなく,任意の友人と個別にお互いの情報を見せ合う関係を結んで仲間リスト(バディリスト)に登録し,そこを基点に状態情報(プレゼンス情報)を交換することを特徴としている.ある女子大学の学生の仲良しグループを主な被験者とし,発見的な使い方を観察するために自由に使わせた.グループチャットやメーリングリストなどの強い対話機能を持たないことを懸念していたが,実際には,被験者は楽しみながら積極的に使ってくれた.友人同士でバディリストに一言メモを書いて見せ合うことは,メールやチャットでメッセージを送るよりも情報発信の敷居が低く,見られることを意識した日記を綴る感覚を楽しめる.そして,独り言メモから対話的なメモに移行したり,パーソナルな対話や仲間以外の人への情報発信をしたりする際の起点としても機能していた.このように多義的な用途に使われた特性をまとめ,パーソナルネットワークを支援する携帯文字プレゼンス交換システムの望ましい条件と課題について考察した.We discuss findings from an empirical and ethnographic study of a kind of instant messaging (IM) service on mobile phones. To estimate the possibility of presence interaction service for mobile phone, we developed a prototype system, which provides users for writing text memos and showing them on their friends' ''buddy list''. We call these ''presence memos''. Using this prototype, we conducted a field trial with two groups of young Japanese female university students. They enjoyed habitually using the services and gave us invaluable feedback. Based on the results of this experiment, we describe and discuss some features and possibilities of the mobile text-based presence interaction service for personal network assistance.
著者
小林 茂 山近 久美子 渡辺 理絵
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2008年 人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.110, 2008 (Released:2008-12-25)

2008年3月、ワシントンのアメリカ議会図書館で外邦図の調査をおこなったところ、1880年代に中国大陸・朝鮮半島・台湾で、日本軍将校がおこなった簡易測量にによる手書き原図を発見した。まだ調査は完了していないが、彼らの調査旅行と測量、手書き原図を集成した地図作製、さらにその利用について一定の成果がえられたので報告する。この測量と地図作製は、日清戦争以後の臨時測図部による外邦図作製の前段階と位置付けられるが、記録がすくなく、手書き原図のさらなる調査は、その全貌の解明に大きな意義をもつと予想される。
著者
平井 松午 鳴海 邦匡 藤田 裕嗣 礒永 和貴 渡邊 秀一 田中 耕市 出田 和久 山村 亜希 小田 匡保 土平 博 天野 太郎 上杉 和央 南出 眞助 川口 洋 堀 健彦 小野寺 淳 塚本 章宏 渡辺 理絵 阿部 俊夫 角屋 由美子 永井 博 渡部 浩二 野積 正吉 額田 雅裕 宮崎 良美 来見田 博基 大矢 幸雄 根津 寿夫 平井 義人 岡村 一幸 富田 紘次 安里 進 崎原 恭子 長谷川 奨悟
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

本研究では、城下町絵図や居住者である侍・町人の歴史資料をもとに、近世城下町のGIS図を作成し、城下町の土地利用や居住者の変化を分析した。研究対象としたのは米沢、水戸、新発田、徳島、松江、佐賀など日本の約10ヵ所の城下町である。その結果、侍屋敷や町屋地区の居住者を個別に確定し地図化することで、居住者の異動や土地利用の変化を把握することが可能となった。その点で、GISを用いた本研究は城下町研究に新たな研究手法を提示することができた。
著者
小林 茂 渡辺 理絵
出版者
大阪大学文学研究科片山剛研究室
雑誌
近代東アジア土地調査事業研究ニューズレター
巻号頁・発行日
vol.1, pp.14-23, 2006-03

平成17年度科学研究費補助金 基盤研究(A)1930 年代広東省土地調査冊の整理・分析と活用(課題番号 17251006)中間報告書
著者
竹原 一明 江口 郁夫 種市 淳 鴻巣 泰 渡辺 理 斉加 啓三 山田 淳志
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.14-21, 2003-05-25
参考文献数
9
被引用文献数
2

昨今の諸外国での鳥インフルエンザの発生、わが国での大規模養鶏場等におけるニューカッスル病の発生、また、加齢により産卵能力の低下した親鳥(廃鶏)のレンダリング化などに際して、わが国においても、鶏の大量殺処分および処分鶏の適正な処理方法が求められている。そこで、鶏病研究会では、実際に大規模養鶏場において大量殺処分を実施するにあたり、どのような留意点があるか、作業上の問題点、防疫上の問題点、動物福祉の観点から整理し、さらに、殺処分鶏の処理方法に関し、「家畜伝染病予防法(以下、家伝法」ならびに「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃掃法)」等を参照し、疾病の予防、まん延防止や環境保全の観点からも検討し、わが国で実施可能な「鶏の大量殺処分および処分鶏の適正な処理方法」をとりまとめた。実際の適用に当たっては、既存の法令に照らし合わせて、実施することとなるため、各自治体の関係部署による指導の下に適切な処置をとる必要がある。本解説は、具体的な鶏の大量殺処分および処分鶏の適正な処理方法の現状と問題点を概説したものであり、今後必要に応じ参考にして頂きたい。
著者
小林 茂 渡辺 理絵
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.58, 2005

演者らはここ数年来、第2次世界大戦終結まで日本がアジア太平洋地域で作製してきた地図について、地域環境資料として評価するとともに、その作製過程にアプローチしてきた。近代国家における地図作製への関心のたかまりに応じて(Edney, 1997; トンチャイ, 2003)、日本についても関連の研究を展開する必要が大きいと判断されたからである。この結果、日本の旧植民地における地形図作製は、土地調査事業と密接に関係しつつ展開されたこと、さらに陸地測量部と密接な関係がもちつつも、非軍事的色彩がつよいことが注目された。本報告では、この概要を紹介し、共通する特色について検討する。1. 植民地における土地調査事業の展開 日本の植民地では、初期より土地所有の近代化にむけて土地調査事業が積極的に推進された。台湾では臨時台湾土地調査局(1898-1905年)、朝鮮では朝鮮総督府臨時土地調査局(1910-1918年)、さらに関東州でも関東庁臨時土地調査部(1914-1924年)によってそれぞれ実施され、土地台帳や地籍図が整備された。この意義については、多方面から検討される必要がある(宮嶋, 1994)が、いずれでも地籍図作製に際し三角測量により図根点が設定され、それにもとづく地籍原図を縮小しつつ地形図の作製にいたっている。2.三角測量の導入と地形図の作製 地籍図作製への三角測量の導入は、沖縄土地整理事務局による同種の事業(1899-1903年) が最初であり、台湾では沖縄の事業の視察後にこれを決定した(江, 1974, p. 135)。ただし朝鮮・関東州の場合は、事業当初より導入を決定していたと考えられ(『朝鮮土地調査計画書』1910年、「関東州土地調査事業概要」1923年)、これが標準化していったことがうかがえる。他方沖縄県で実施に至らなかった地形図作製については、台湾・朝鮮・関東州いずれでも当初予定していなかったが、事業開始後しばらくして付帯的な事業として実施することにした点は注目される。3.目賀田種太郎(1853-1926)の役割 沖縄県の土地整理事業における三角測量の採用は、これを指揮した当時の大蔵省主税局長、目賀田種太郎の指示によるものとされている(『男爵目賀田種太郎』1938, pp.250-251)。目賀田はこれ以前に大蔵省地租課長などとして地価修正と地押調査を推進しており、この指示はその時の体験をふまえたものである。また目賀田は、のちに韓国財政顧問(1904-1907年)として朝鮮の土地調査事業の準備に関与し、三角測量の導入を指示している(p.498-499)。くわえて目賀田は、1901年台湾総督府に赴任する宮地舜治(殖産局長)に地図をつくるようすすめたという(p.253)。台湾の地形図(堡図)作製のための作業は1902年から開始され、時期的にも符合するので、これが土地調査事業にともなう地形図作製の発端になった可能性がある。なお、目賀田はベルギーとフランスにおける類似の事業に関心をもっており(pp. 168, 253-255)、これらの指示や勧誘との関係をさらに検討する必要が大きい。4.植民地における地図作製の非軍事的性格 上記のように、大蔵官僚のイニシアティブにより、非軍事機関によって作製された地形図の刊行には、台湾の場合は台湾日々新報社、朝鮮の場合は朝鮮総督府、関東州の場合は関東庁が関与し、要塞地帯などをのぞいて、各地域で最初の本格的近代地形図となった点も留意される。
著者
田口 文広 松山 州徳 森川 茂 氏家 誠 白戸 憲也 座本 綾 渡辺 理恵 中垣 慶子 水谷 哲也
出版者
国立感染症研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

1)SARSコロナウイルス(SARS-CoV)に関する研究SARS-CoVは通常エンドゾーム経由で細胞内へ侵入することが報告されているが、我々はSARS-CoVのS蛋白の融合活性を誘導するプロテアーゼ(trypsin, elastase等)存在下では細胞膜径路で侵入することを明らかにした。更に、この径路による感染は、エンドゾーム径路感染より100-1000倍感染効率が高いことが判明した(PNAS,2005に発表)。SARSの重症肺炎の発症機序は、ウイルス感染を増強する様なプロテアーゼの存在が重要ではないかと考え、マウスに非病原性細菌感染で肺elastaseを誘導し、SARS-CoVを感染させることにより、ウイルス増殖及び肺の組織障害が高くなることを観察した。今後、更に重症肺炎に至るウイルス側及び宿主側因子の同定を進めたい。2)マウスコロナウイルス(MHV)に関する研究神経病原性の高いMHV-JHM株は受容体発現細胞に感染し、その細胞から受容体を持たない細胞に感染することが知られている。我々は、JHM株を直接受容体非発現細胞へ吸着させることにより、感染が成立することをspinoculation法(ウイルスが接種された細胞をウイルスと共に3000rpmで2時間遠心)により証明した。また、受容体非依存性感染にはJHM株のS蛋白の自然条件下で融合能が活性化されるという性質によることも明らかにされた(J.Viro1.2006発表)。
著者
渡辺 理文 森本 信也 小湊 清隆
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.469-480, 2016-03-19 (Released:2016-04-23)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究では, キー・コンピテンシーを基にして, 理科教育において育成すべき資質・能力を, 協同的な問題解決によって科学概念を構築し表現する能力と捉えた。その育成を促す教授・学習方略の実践を行うことを目的として, Taylorらの提案した学習環境のデザインの枠組みである「構成主義に基づく学習環境の五つの鍵となる要素(five key dimensions of critical constructivist learning environment)」に基づいて理科授業を計画・実践した。実践した授業は, 小学校第4学年の空気の温度変化による体積変化の学習である。授業を分析した結果, (1)児童が協同的に問題解決を行っていた, (2)児童は自らの考えをパフォーマンスとして表出し, 学習を進める中で, それを深化させていた, (3)教師は児童のパフォーマンスをアセスメントし, それに基づいて支援を行っていた, ことが明らかになった。本研究で計画・実践した理科授業は, 資質・能力の育成を促す教授・学習方略が具現化されており, 理科授業を計画する枠組みとして, Taylorらの提案が有用であることが明らかになった。
著者
小林 茂 渡辺 理絵
出版者
大阪大学文学研究科片山剛研究室
雑誌
近代東アジア土地調査事業研究ニューズレター
巻号頁・発行日
vol.2, pp.4-14, 2007-03

平成18 年度科学研究費補助金 基盤研究(A)1930年代広東省土地調査冊の整理・分析と活用(課題番号 17251006)中間報告書
著者
平井 松午 溝口 常俊 出田 和久 南出 眞助 小野寺 淳 立岡 裕士 礒永 和貴 鳴海 邦匡 田中 耕市 渡辺 誠 水田 義一 野積 正吉 渡辺 理絵 塚本 章宏 安里 進
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、各地に所蔵される近世後期に作成された実測図もしくは実測図系絵図の作成法とその記載内容・精度の比較検討を行い、その上で近世実測図を用いたGIS 解析法の確立を目指したものである。その結果、徳島藩・金沢藩・鳥取藩では藩領全域をカバーする測量図がそれぞれ独自の手法によって作成されていたこと,また近世後期の城下絵図についても測量精度が向上して,これらの測量絵図が GIS 分析に適した古地図であると判断した。
著者
岡田 壮一 角田 潤 浅見 俊宏 渡辺 理
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.281-282, 1996-03-06

パソコンがオフィスに導入され、文書作成に代表されるデスクワークは、生産性が向上した。さらに、LAN導入のシナジー効果も伴い、電子メールを用いた情報交換、データベースやノウハウなどの情報共有が可能となり、デスクワークへの電子化の恩恵は大きい。それとは対照的に、オフイスワークの30~70%を占めるといわれる対面型会議では、依然として紙の資料とホワイトボードの使用が中心であり、電子的支援が遅れているのが現状である。また、従来の会議における参加者間のコミュニケーションは、音声での議論が中心である。このような会議では、音声情報の曖昧性から、聞き手によって認識が異なることがあるため、合意されたと思った議事が実は合意されていなかったり、あるいは、合意されていても、認識にずれがあったりして、結局、何が議決されたのかすらわからないことがしばしばある。このような生産性の低さという問題は、経験上、否めない事実である。我々は、上記の問題意識の元、会議においていかに効率良く質の高いアウトプットを出すか、すなわち会議における知的生産性の向上を実現するために、対面型電子化合議システムの開発を行っている。我々は、ワープロの高い生産性に着目し、企業で頻繁に行っている、電子化に向いた収束型会議を対象とした。また、参加者が6人程度までの小規模な会議を考えた。収束型会議とは、参加者のリアルタイムのインタラクションを通じて、合意形成しながら最終的な文書を作り上げていく型の会議である。本稿では、サービスの検討と、サービスを実現するシステムについて記す。