著者
田村 仁信 須田 昭夫 東間 紘 吉島 博 斎藤 隆太郎 江良 和雄 太田 和夫
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.200-203, 1973

Pack Coil 120の尿素ダイアリザンスおよびクレアチニンダイアリザンスは, 流量200ml/minのときそれぞれ160ml/min, 144m//minであり, 除水量は限外濾過圧が300mmHgでは1,000ml/minにもおよんだ. このようにこのコイルは他のコイルに比べて透析効率および除水効果が優れている.<br>このコイルを臨床に用いた時の透析除去率は尿素窒素50%, クレアチニン45.3%, カリウム25%である. そして体重減少は4時間透析で限外濾過圧200~300mmHgの場合約2.1kgとなった.
著者
富永 隆治 吉利 用和 麻生 俊英 益田 宗孝 河野 博之 木下 和孝 川内 義人 田中 二郎 徳永 皓一
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.19-22, 1987

症例は65才男性。心筋梗塞発症9時間後に心室中隔穿孔を併発、ショック状態に陥いる。このため昭和60年10月7日、緊急手術を施行した。中隔穿孔部パッチ閉鎖、自由壁梗塞部切除、パッチ形成術を施行。再灌流後、心拍動微弱で人工心肺よりの離脱は全く不可能と判断、LVADポンプを縫着(右側左房、上行大動脈)、PBP駆動装置に接続した。LVAD装置により人工心肺よりの離脱は容易であった。PBP駆動装置は58時間使用、この間心電図トリガーミスがあり、LVADが一時停止、back up機構の必要性を痛感したが、LVAD作動そのものは良好で充分使用可能であった。術後16日目にLVADを除去したが両心不全、感染、多臓器不全にて失った。剖検では、LVAD systemに血栓を認めなかったが、ヘパリン使用に関わらず左室内パッチを中心に多量の血栓形成を認め、より厳重な抗凝固療法を要すると考えられた。
著者
渡辺 弘 宮村 治男 林 純一 高橋 善樹 篠永 真弓 江口 昭治
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.301-306, 1996-04-15
参考文献数
10

小児例におけるIABPでは小容量のバルーンを細いカテーテルを介して高心拍で駆動させる必要があるため、駆動装置の特性によりバルーンの応答速度が異なる。駆動装置の特性が応答速度に及ぼす影響をin vitroで評価した。2、4、7、10ccのバルーンを4種類の装置を用い、成人用の通常モードと、2種類の装置では小児用モードで併せて評価した。密閉したモック内で90~180bpmで駆動し、inflation時間、deflation時間を測定した。駆動装置の多くの機種は、成人用のバルーンカテーテルの駆動を目的にしているが、いずれの駆動装置であっても小児用バルーンカテーテルの駆動は可能であった。小児用IABPでは小容量バルーンを細いカテーテルを介して高心拍で駆動するため、駆動装置によりバルーンの応答性は異なった。小児用バルーンのより効果的な駆動のためには、駆動装置の小児用IABPモードへの対応が必要と考えられた。
著者
西田 博 小柳 仁 本田 喬 関口 守衛 椎川 彰 江石 清行 高 英成 富沢 康子 中野 清治 清野 隆吉 遠藤 真弘 林 久恵
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.139-143, 1987

今回, 自験例の4例を中心に緊急手術を目的としたIABP駆動下CCU間搬送の問題点, および10機種のIABPの移送に際した性能, 特性の比較検討をおこなった。移送に際し, 問題となる点としては, IABPのサイズと搬送車のサイズの問題, 搬送距離と消費電力, 内蔵バッテリー容量, そしてその容量を越える長距離間の搬送時の電源確保などであった。新型になるにつれ, 装置の小型化がはかられているが, 旧型のものでは, サイズ的に一般救急車には搭載不能でワゴン車などのレンタカーを用いる必要があった。また省エネ化も進んでいるが, 長距離搬送の際の電源としては, 予備バッテリーの使用, 100VACへのインバーターを用いて車より確保する方法, ポータブル発電機の使用などがあげられるが, 高容量車からの確保がもっとも実際的と考えられた。
著者
佐々木 栄作 中谷 武嗣 穴井 博文 広瀬 一 高野 久輝
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.1444-1449, 1992
被引用文献数
1

IABPは簡便な補助循環法として広く用いられ, 種々の機種が市販されているが, バルーンや駆動装置の特性はあまり検討されていない. われわれは, 電気インピーダンス(Z)計測を利用したバルーン容量のリアルタイム測定法を開発した. 本法は導管内にバルーンを留置し, バルーンの前後に設置した電極間のZを計測するものである. バルーン容量(V<sub>B</sub>)は, V<sub>B</sub>=[(R<sub>I</sub>-R<sub>D</sub>)/R<sub>I</sub>]V<sub>0</sub>, (<sub>0</sub>:電極間導管容量, . R<sub>D</sub>, R<sub>I</sub>:バルーン収縮時, 膨張時のZ値)で計算される. 本法により, 市販駆動装置4機種とバルーン4機種6種の駆動圧-容量曲線, 応答速度, 外部負荷圧の影響を検討した. バルーンはそれぞれ圧-容量特性が異なり, また駆動装置も駆動圧, 駆動圧波形に差を認めた. したがって異機種組み合わせて使用する場合, 安全で適切なIABP駆動を行うために, その特性を理解することが重要であると考えられた.
著者
小机 敏昭
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.1468-1479, 1984

人工弁置換術後遠隔期の41症例に対し, 右室ペーシング負荷法による弁機能の比較検討を行なった. 対象は, AVR群16例(BS12, SJM4), MVR群14例(BS6, SJM2, IS5, H1), AVR兼OMC群7例(BS6, SJM1), AVR兼MVR群4例(BS兼BS2, SJM兼SJM2)である. ペーシング負荷時のCIの変動をSowtonの分類に従って検討すると, AVR群は安静時を最大とし以後漸減するsloped type, MVR群とAVR兼MVR群は80/min時を最大とするpeaked type, AVR兼OMC群は安静時から100/min時まではflat typeで, 120/min時に急に減少する型を呈した. 弁サイズ別の検討では, AVRに用いた機械弁は25~29mm, 23mm, 21mmの順に弁機能が優れ, MVRに用いた人工弁は機械弁より生体弁, 生体弁の中では29~33mmのIS弁の弁機能が優れていた. ペーシング負荷法による血行動態の変動を検討することは, 人工弁機能を評価する上で有用な方法であった.
著者
川西 秀樹 西亀 正之 江崎 治夫 土谷 太郎 椙山 雅文 中光 晴彦
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.1037-1040, 1981

A hemoperfusion system has been developed in which powdered activated charcoal are embedded in a polyporous polyurethane sheet.<br>In vitro adsorption studies have revealed that tree adsorption of bilirubin and other albumin bound substance by UPC is superior to that by non-coarted charcoal beads with low release of charcoal micro-particles.<br>During batch test removal rate of bilirubin in jaundice dog serum was about 60% by UPC.<br>Dogs with ligated bile duct were subjected to direct hemoperfusion (DHP) through UPC.<br>As a result of these studies, removal rats of bilirubin was about 40%.<br>There was a transient decrease in platelet and WBC during DHP with gradual recovery to the prevalue at the end of therapy.<br>These studies suggest the UPC-DHP is effective in the treatment of FHF.
著者
西原 克成
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.940-942, 1996-12-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
19
著者
佐中 孜 葛西 浩美 早坂 勇太郎 鈴木 利昭 久保 和雄 須藤 尚美 阿岸 鉄三 杉野 信博 太田 和夫
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.88-91, 1983

腎の排泄機能不全によって、体内に蓄積する蛋白結合能阻害因子(PB-Ix)は、他の物質と競合して、アルブミンと結合すると考えられている。今回の研究によって、馬尿酸および2a, 2bと命名された中分子物質と同定したPB-Ixは、HD、HFよりHDFによって比較的容易に除去された。但し、PB-Ix活性という観点からみると、それらの血液浄化法では、その改善を計ることができず、CAPDのみが活性値を正常値の近くまで回復させることができた。
著者
神田 寛行 不二門 尚
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.202-206, 2012-12-15 (Released:2013-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2
著者
葛西 眞一
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.1474-1480, 1989-08-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
33
著者
許 俊鋭 朝野 晴彦 田邊 大明 上田 恵介 鈴木 義隆 宮本 直政 横手 祐二 関口 敦 見目 恭一 尾本 良三
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.354-358, 1997-04-15
参考文献数
7
被引用文献数
1

VAS治療例で透析施行ユ3例(透析群)と透析非施行6例(対照群)を比較した。1ヶ, 月生存は透析群5例(38%)・対照群3例(50%)、VAS離脱は透析群4例(31%)・対照群1例(17%)、生存退院は透析群2例(15%)・対照群1例(17%)で差はなかった。血液透析(HD)7例、腹膜透析(PD)3例、PDからHDへの移行(PD+HD)は3例で1ヶ月生存はHD例3例(43%)、PD例0例、PD+HD例2例(67%)でこの2例は長期生存した。Cr最高値はPD中7.8±2.3mg/dl、HD中4.9±1.6mg/dlで、透析関連合併症はHD中に3例(43%)に出血傾向、1例(14%)にポンプ感染、PD中に1例(17%)に出血傾向を見た。 (1) 透析群の成績は対照群に比較して遜色はなかった。 (2) PDの透析効率はHDに劣るが、透析関連合併症は少なかった。 (3) 初期にPD、安定期にHDに移行する透析法が望ましい。
著者
早坂 勇太郎 高橋 公太 東間 紘 阿岸 鉄三 杉野 信薄 太田 和夫 小路 久敬 打越 由紀子 峰島 三千男 江良 和雄 星野 敏久 高橋 和雄 寺岡 慧
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.60-63, 1988

C/CA系のHD療法においてHD開始15-30分前後に補体活性化により患者白血球数が一過性に減少することが報告されてきた。一方、補体活性化作用のない抗OKT3モノクローナル抗体投与後も一過性の白血球減少を生じ、抗体結合後の荷電の変化によることも推察された。このため陽(陰)イオン交換樹脂を用いて白血球に対する吸着率を検討した結果、HD患者白血球では陰イオン交換樹脂に対する吸着率が高いだけではなく、正常白血球ではみられなかった陽イオン交換樹脂にたいしても80%以上の吸着率を示した。またHD患者白血球はHD開始15分前後に陰イオン交換樹脂に対する吸着率が低下し、この時期の患者血漿を正常白血球に添加、incubateすると正常白血球の陰イオン交換樹脂に対する吸着率が増加した。
著者
村上 達哉 奥出 潤 大滝 憲二 大場 淳一 郷 一知 松居 喜郎 酒井 圭輔 田辺 達三
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.1121-1124, 1988

先天性心疾患における右室-肺動脈間の再建に使用する目的で、グルタルアルデヒド処理ウマ心膜(Xenomedica&reg;)を用いたvalved conduitを自作し、その水力学的特性についてin-vitroで実験を行なった。一尖弁・二尖弁・三尖弁を持った三種のconduitを作成し、これを補助人工心臓ポンプを中心とした実験回路に装着して実験を行なった。心拍数・駆動圧を種々に変化させるとともに、弁部分に対する圧迫や偏平化による弁機能への影響についても検討を加えた。三種のconduitのうち、一尖弁conduitは全般的に逆流が多く変形にも弱かった。また三尖弁conduitは逆流は少ないが、圧迫変形によって弁抵抗が増加した。これに対して、二尖弁conduitは各種条件下で比較的安定した性能を示し、圧迫に対しても弁機能が大きく損なわれることがなかった。したがって、本conduitは胸骨と心臓の間で圧迫されるような臨床例でも十分に機能を発揮しうると考えられた。
著者
石原 利員 稲垣 大 五十嵐 伊勢美 北野 知之 前田 憲志 新里 高弘 瀬崎 良三 臼田 正恒
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.724-727, 1984

血液ろ過中の循環血液量をヘマトクリツトを指標としてプログラム制御するため, 循環血液量連続測定装置, マイクロコンピコータ, 補充液注入装置から構成される循環血液量自動制御装置を試作した。ヘマトクリツトは, 血液および限外ろ液の電気抵抗率から, Geddes, Gramらの式を利用して計算し, これから循環血液量変化を求めた。制御アルゴリズムは制御対象の動作遅れを一次遅れ+むだ時間で近似し, フイードバツク制御とフイードフオワード制御を併用して設計した。本装置を用いて臨床試験を行なつたところ, 血液量を設定した値の3%以内に維持する事ができた。また, 一時的にフイードバック制御を停止して実際の血液量と設定値間に偏差を生じさせた後, 再びフィードバック制御を開始した場合に於ても血液量は速やかに設定値に収束してむり, 安定した循環血液量の制御を行うことができた。