著者
高橋 和雄 藤井 真
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.567, pp.33-52, 1997-06-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
14

雲仙普賢岳の火山災害では, 当初198年前の寛政の噴火当時に生じた眉山の崩壊を警戒した避難計画が策定された. 今回の災害では土石流および火砕流が頻発したため, これらの発生に備えた避難対策や博報伝達体制が導入された. しかし, 火山噴火災害の事例が少ないこともあって, 避難対策および博報伝達体制に数多くの課題が生じた. 本報告では, 雲仙普賢岳の火山災害における情報伝達体制および住民の避難対策を詳細に調査した結果をまとめる.
著者
高橋 和雄 藤井 真
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.567, pp.1-17, 1997-06-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
11
被引用文献数
3

長期化・大規模化した雲仙普賢岳の火山災害における道路および鉄道の被害, 代替交通, 復旧対策および交通途絶の影響を明らかにした. 島原半島は地形的に道路が不足しており, 従来から大きな課題であったが, 災害時にその脆さのために孤立状態となり, 地域に大きなダメージを与えた. 本報告では, 道路・鉄道における応急・緊急対策, 恒久対策への取組みを詳しく報告する.
著者
石川 真一 高橋 和雄 吉井 弘昭
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.11-24, 2003
参考文献数
33
被引用文献数
8

群馬県内利根川中流域における外来植物オオブタクサ(Ambrosia trifida)の分布状況を調査した結果,県南端に位置する明和町から,県北端の水上町(源流から約30km下流)の範囲において,大きな個体群が30地点で確認され,このうち最大のものは約687万個体からなり,年間約17億の種子を生産していると推定された.またこの30地点はすべて工事現場や採石場周辺などの,人為的撹乱地であった.温度-発芽反応実験の結果,オオブタクサは寒冷地に分布すると,より低温で発芽し,高温では休眠するようになる可能性が示唆された.水上町の個体群と群馬県南部の伊勢崎市の個体群において残存率調査と生長解析を行った結果,オオブタクサは北の低温環境下においても南部と同等かそれ以上の相対生長速度を有していたが,エマージェンス時期が遅くて生育期間が短いため,個体乾燥重量は小さくなった.しかし水上町では,伊勢崎市に比べて個体乾燥重量あたりの種子生産数と残存率および個体群密度が高いため,単位面積あたりでは伊勢崎市より多くの種子を生産していた.これらの結果から,オオブタクサが今後も低温環境下において勢力を拡大する危険性があるとことが示唆され,拡大防止の一方策として,河川周辺における人為的撹乱の低減と,種子を含む土壌が工事車両によって移動することを防止する必要性が提言された.
著者
高橋 和雄 藤井 真
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.567, pp.53-67, 1997-06-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
10

地震, 風水害などの一過性の災害と異なって, 火山災害は長期化する特性をもつ. 火砕流に対して人命を守るために, 市街地で初めて警戒区域が設定された. わが国の災害対策は主として一過性の災害応急対策および被災者対策を対象としているために雲仙普賢岳の火山災害では被災者対策, 住宅対策, 生活再建計画などに多くの教訓と課題が生じた. 行政は, 現行法の拡大解釈および弾力的運用による21分野100項目の自立支援対策, (財) 雲仙岳災害対策基金および市町の義援金基金等によるきめ細かい被災者対策を行った. しかし, 災害対策システムの見直しなどの根本的な課題の解決はまだこれからである, 本報告では, 雲仙普賢岳の火山災害における被災者対策をまとめている.
著者
高橋 和雄 中村 百合 清水 幸徳
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.604, pp.85-98, 1998-10-20
被引用文献数
3 2

本研究は, 雲仙普賢岳の火山災害における被災者用の応急仮設住宅の建設, 環境改善, 解体に至るまでの経緯を調査し, 災害救助法に基づく被災者用の応急住宅対策の課題を明らかにする. さらに, 応急仮設住宅入居経験者に対して実施したアンケート調査をもとに, 住環境, 周辺環境, 精神衛生対策などについて分析し, 長期災害時の住環境管理めあり方を議論する.More than ten thousands inhabitants were obligated to stay places of refuse for a long time without their ordinary works during volcanic eruption of Mt. Fugen in Unzen. 1455 temporary dwellings were built to give relief to the suffers. The disaster relief law was stretched to cope with the size of family in this area. Living environment of the dwelling was improved and disaster mental health was checked to support evacuees living in the temporary dwelling for a long time. In the present paper, management on living environment of temporary dwellings is studied by reports and questionnaire survey and compared with the case of earthquake disasters.
著者
高橋和雄
出版者
長崎経済研究所
雑誌
ながさき経済
巻号頁・発行日
vol.2006年(6月), no.200, 2006-05-26
著者
清水 洋 松本 聡 酒井 慎一 岡田 知己 渡辺 俊樹 飯尾 能久 相澤 広記 松島 健 高橋 浩晃 中尾 茂 鈴木 康弘 後藤 秀昭 大倉 敬宏 山本 希 中道 治久 山中 浩明 神野 達夫 三宅 弘恵 纐纈 一起 浅野 公之 松島 信一 福岡 浩 若井 明彦 大井 昌弘 田村 圭子 木村 玲欧 井ノ口 宗成 前原 喜彦 赤星 朋比古 宇津木 充 上嶋 誠 王 功輝 ハザリカ ヘマンタ 矢田 俊文 高橋 和雄
出版者
九州大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2016-04-22

2016年熊本地震について、地震活動や地殻変動、活断層、火山活動への影響、地震災害の特徴などを調査した。その結果、熊本地震は布田川・日奈久断層帯の右横ずれ運動によって発生したが、複数の断層面と複雑な断層形状を持つことを明らかにした。また、建物被害や土砂災害の地盤との関係、特に、地盤の過剰間隙水圧が地すべりの発生要因であることを明らかにした。さらに、災害情報や災害過程、被災救援、エコノミークラス症候群などについての調査から、広域複合災害の問題点と対応策を提示した。
著者
早坂 勇太郎 高橋 公太 東間 紘 阿岸 鉄三 杉野 信薄 太田 和夫 小路 久敬 打越 由紀子 峰島 三千男 江良 和雄 星野 敏久 高橋 和雄 寺岡 慧
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.60-63, 1988

C/CA系のHD療法においてHD開始15-30分前後に補体活性化により患者白血球数が一過性に減少することが報告されてきた。一方、補体活性化作用のない抗OKT3モノクローナル抗体投与後も一過性の白血球減少を生じ、抗体結合後の荷電の変化によることも推察された。このため陽(陰)イオン交換樹脂を用いて白血球に対する吸着率を検討した結果、HD患者白血球では陰イオン交換樹脂に対する吸着率が高いだけではなく、正常白血球ではみられなかった陽イオン交換樹脂にたいしても80%以上の吸着率を示した。またHD患者白血球はHD開始15分前後に陰イオン交換樹脂に対する吸着率が低下し、この時期の患者血漿を正常白血球に添加、incubateすると正常白血球の陰イオン交換樹脂に対する吸着率が増加した。
著者
高橋 和雄 菅野 優子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.114, 2005

<b>[目的]</b> インターネットの検索サイトをクリックし、[布]と1文字入力するだけで布地の種類・繊維・加工名などを調べることができるサイトがあれば便利である。本研究では、布をデジカメで撮影したものをExcelで表にし、Webサイトへの展開を試みた。<br><b>[方法] </b><u>1) 布検索システムの調査</u> 文化学園の布を実物で検索するシステムでは、複合検索により実物のサンプル地を直接見て触ることができる。しかし、そこまで出向かなくてはならなく、また、Webサイト上で概要は表示されるがアクセスできない欠点がある。<br> 一方、Webサイト上で同様な検索をすると主にインターネットショッピングにつながり、ここで繊維や加工名などを調べることはできるが、布の詳細までは調べられない。たとえば、検索サイトのYahoo! Japan、infoseekやmsnで検索した場合、思わず目を引く布が表示されるが、雑貨などと一緒に掲載されている。しかし、布の質感についての記載は少なく、また、布の特性がほとんど示されていない。<br> <u>2) 布情報のWebサイトへの展開</u> 桐生市にある(株)小林当織物で提供された約50枚をデジカメで撮影し、Excelでデータベース化した。ついで、Yahoo! Japan内のジオシティーズを利用し、Webサイトを作成した。<br><b>[結果と考察]</b> 得られた布画像のデータファイル(not shown)を元に、http://geocities.yahoo.co.jp/を使用してhtmlファイル(not shown)を作成した。得られたWebサイトでは、布地名称・繊維・織り・染色などを1つのサイト内から調べることができるようにできた。今後は、topページをはじめ使いやすく、布情報を増やすなどの改良を予定している。また、被服材料学全般についてもWebサイトで学べるシステム構築を考えている。<br>
著者
長沼 信治 高橋 和雄 鈴木 利昭 太田 和夫
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.1301-1305, 1986-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
6

血小板凝集抑制作用をもつPGI2誘導体(CS-570)を血液透析の抗凝固剤として使用し, その有用性について検討した。対象は安定した透析患者30名(男性18名, 女性12名, 平均年令46.6±11.6才)であった。投与方法はCS-570 50~150ng/kg/minを動脈側回路より接続注入し, 単独もしくはヘパリンと併用した。観察項目は回路内の残血凝血, 副作用であり, 測定項目は血中濃度, 血小板凝集能, 凝固系検査, 血液生化学, 血算などであった。同項目について対象患者でヘパリン使用時と比較検討した。その結果, CS-570使用時には血小板凝集が強く抑制され, 投与量の選択により, 残血凝血と副作用も少なく透析が維持できた。以上の結果からCS-570は血液透析の抗凝固剤として臨床応用が充分可能と思われた。
著者
高橋 和雄
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.219-234, 1995-12-31
参考文献数
7
被引用文献数
2

The heavy rain which swept over the Nagasaki districts on 23 July 1982,killed 299 persons and damaged so seriously to Nagasaki City and its vicinity. The local government created the committee to deliberate the reconstruction plan in Nagasaki districts. Voluntary organization for disaster prevention were formed to promote and make sure of evacuation of inhabitants by leadership of Nagasaki City. In the present work, present situations and problems of voluntary organizations for disaster prevention are investigated by questionnaire for the representative of the voluntary organizations. Information transmission, automatic warning equipment for debris flow, disaster prevention radio communication and disaster fighting drill are checked.
著者
戸田 善治 竹内 裕一 大久保 紗容 中村 友亮 松永 智貴 高橋 和雄 天野 孝太郎
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.203-213, 2012-03

本稿は,2010年度に社会科教育教室が開講した大学院授業「授業研究」における,大学教員と大学院生の共同研究の報告である。そこでは,中学生を対象とする授業《ベトナムと日本のODA》を開発した。日本政府は,政府開発援助の方針を決めてきたODA大綱を新たに発表した。この旧から新へのODA大綱の変化とその背景となった要因を捉えるため,ベトナム高速鉄道計画という一つの例について考えつつ,日本の政策決定の一過程について検討させる授業の開発を行った。
著者
戸田 善治 竹内 裕一 大久保 紗容 中村 友亮 松永 智貴 高橋 和雄 天野 孝太郎
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.203-213, 2012-03

本稿は,2010年度に社会科教育教室が開講した大学院授業「授業研究」における,大学教員と大学院生の共同研究の報告である。そこでは,中学生を対象とする授業《ベトナムと日本のODA》を開発した。日本政府は,政府開発援助の方針を決めてきたODA大綱を新たに発表した。この旧から新へのODA大綱の変化とその背景となった要因を捉えるため,ベトナム高速鉄道計画という一つの例について考えつつ,日本の政策決定の一過程について検討させる授業の開発を行った。
著者
高橋 和雄 中村 百合 清水 幸徳
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.604, pp.99-111, 1998-10-20
被引用文献数
1 2

本研究では, 阪神・淡路大震災から2年が経過した被災地神戸市において, 応急仮設住宅の入居者を対象に実施したヒアリング調査とアンケート調査の結果をもとに, 応急仮設住宅を長期間使用する場合の問題について明らかにする. また, 震災直後に実施されたアンケート調査の結果と比較し, 長期化による問題の変化を把握する. さらに, 別に実施した雲仙普賢岳の火山災害における応急仮設住宅入居経験者に対するアンケート調査の結果と比較して, 大都市と地方都市とで応急仮設住宅での生活で生じる問題の相違について検討し, 長期化を想定した応急仮設住宅の住環境管理, 周辺環境について考察する.About 35, 000 temporary dwellings were supplied in Kobe City after Great Hanshin-Awaji Earthquake and improvement of living environment of temporary dwellings was made by Kobe City. However, refuse life was too long and many problems of temporary dwellings were indicated. In this paper, living environment of temporary dwellings are investigated by questionnaire and hearing. Living environment, disaster mental health and housing reconstruction plan are discussed and compared with the results obtained by volcanic disaster of Mt. Fugen in Unzen.
著者
高橋 和雄 阿比留 勝吾
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.43-57, 1995-06-01
被引用文献数
2

The objective of this paper is to investigate the present situation and the behaviors of the voluntary organization for disaster prevention during the threatening disaster in Kagoshima due to heavy rainfall on August 6,1993. A questionaire survey was undertaken to study the behaviors and consciousness of the presidents of the voluntary organization for disaster prevention in Kagoshima city. The dissemination of information and the evacuation of inhabitants are also discussed.
著者
高橋 和雄 阿比留 勝吾 三重野 恵介
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.125-138, 1996-07-30
被引用文献数
1

The objective of this paper is to investigate revision of local plan for disaster preventions and countermeasures of the voluntary organizations for disaster prevention after the threatening disaster in Kagoshima due to heavy rainfall on August 6,1993. Revision of local plan for disaster prevention in Kogoshima city was investigated by interviews. A questionaire survey was undertaken to study the behaviors and consciousness of the presidents of the voluntary organizations for disaster prevention in Kagoshima city. The systems for dissemination of information and the evacuation of inhabitants, and countermeasures of the voluntary organizations for disaster prevention are discussed. The new systems for dissemination of information and the evacuation of inhabitants are rated high by the voluntary organizations for disaster prevention. However, activities of voluntary organizations for disaster prevention have somewhat improved. Supports of administration are neceesary to activate their activities.
著者
羽田野 袈裟義 安福 規之 兵動 正幸 橋本 晴行 久保田 哲也 福岡 浩 里深 好文 山本 晴彦 高橋 和雄 宮田 雄一郎 鈴木 素之 牛山 素行 田村 圭子 後藤 健介 藤田 正治 牧 紀男 朝位 孝二 善 功企 守田 治 滝本 浩一 三浦 房紀 種浦 圭輔
出版者
山口大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2009

(1)災害概況:2009年7月の豪雨により防府地域と福岡県北半部の全域で土砂災害が多発し合計で27名が亡くなった.(2)土砂災害の実態:防府の土砂災害は,土石流中の巨礫堆積後の土砂流による埋没である.土質調査からマサ土地域での崩壊発生と間隙水圧の関係が示唆された.土石流の流動解析で石原地区の土砂流出量を評価し,砂防施設の有効性を評価した.(3)情報伝達と警戒避難体制の状況:防災・避難情報の収集・伝達や警戒避難体制の整備状況や土砂災害警戒区域の指定に伴う警戒避難体制の整備状況と問題点を明らかにした.
著者
荒生 公雄 長岡 信治 高橋 和雄 中根 重勝 藤吉 康志
出版者
長崎大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

雲仙・普賢岳の火山活動は弱まりながらも、地下からの溶岩供給は続き、溶岩ドームは1995年1月には1,500mを越えるまでに成長した。また、山体周辺の火砕流および土石流による堆積物は確実に増加しており、今後においても土石流の脅威からは開放されない危険な状態にあることをしっかり認識したい。本研究で得られた成果の概要は以下の通りである。(1)1993年の大規模土石流発生時の降雨はすべて名古屋大学RHIレーダーによって観測され、貴重なデータセットとなった。それらの解析の結果から、普賢岳を襲う強雨は西南西の方角から時速約60〜70kmで来襲したことが明らかになった。このことは、降雨の現況監視や防災対策の整備について重要な規範を与えるものであり、本研究によって得られた貴重な成果の一つである。(2)3年間の度重なる大規模土石流にもかかわらず、犠牲者(死者)は出さなかったのは、(1)気象台から島原地方に出される警報が緻密になった、(2)島原市、深江町の行政・防災機関が非難誘導に尽力した、(3)住民が呼びかけに応じて早めに避難した、ことなどが理由として挙げられる。しかし、警報慣れと緊張感の弛緩もみられることから、今後一層の努力と実践的な研究が必要である。(3)雲仙岳北麓(北側斜面)の地形と火山性堆積物を解析した結果、過去において数千年〜数万年の間隔で、大規模な火砕流と土石流が発生していたことが明らかになった。それらは火山活動と並行して発生しており、今回と同じような火砕流・土石流現象が、雲仙岳周辺で過去に何度も繰り返されていたことが確認できた。