著者
小松原 明哲 松岡 政治 西田 和子 大成 直子
出版者
Japan Human Factors and Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.347-354, 1999-10-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
5
被引用文献数
3

リモコンなどボタン操作機器の“手順的使いやすさ”を設計段階で評価するための実務手法の開発を目的に, あるタスクを遂行する際のボタン操作順を予想させる“操作手順アンケート”, 及び各ボタンの機能を予想させる“ボタンイメージアンケート”を提案した. さらに, それらの有効性を, エアコン実機によるアンケート評価, 及びユーザテストを通じて検討した. 操作手順評価については, アンケートによる予想操作順, 及びユーザテストでの操作結果を遷移図に表現し比較した. ボタンイメージアンケートについては, 正答率を求めた. その結果, 機能予想の正答率の低いボタンでは, 操作手順アンケート及びユーザテスト双方の遷移図で, 操作のばらつきが観察されるなど, 手順評価法としてのアンケートの有効性が観察された. しかし, ユーザテストで見られた同一ボタンの繰り返し操作は, 操作手順アンケートでは検出できないなど, 手順評価法としての限界も観察された.
著者
正田 亘
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.17, no.Supplement, pp.258-259, 1981-08-01 (Released:2010-03-11)
参考文献数
1
著者
中川 千鶴 大須賀 美恵子 竹田 仰
出版者
Japan Human Factors and Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.131-138, 2000-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
22
被引用文献数
6 5

近年, 仮想環境 (Virtual Environment: VE) の技術は著しく進歩しており, 多くの分野で普及しつつあるが, 一方で, VEシステムの利用時・利用後に生じる「酔い」の問題が顕在化し, その低減や防止策が強く望まれている. そこで, 我々は, VEシステム利用時の嘔吐に至らない程度の軽度の「酔い」を簡便かつ客観的に評価する手法を検討した. 13名の健常成人を被験者に用い, 黒い3次元空間に白いドットがランダムに分布している仮想空間内を移動する映像を刺激として用い, 暗室内の70inchの画面に提示して最大15分暴露した. この間の心電図, 呼吸などの生理反応を収集し, これらから得られる指標値と「酔い」の程度の主観評価との関係性を調べた. その結果, 軽度の酔いが発症した場合に, 呼吸周波数と心拍変動の0.1Hz近辺の成分が低下するという特徴的な現象がみられた. これらは, 他のストレス事態における生理反応パターンと異なるものであり, VEによる軽度の「酔い」の評価指標として用いられる可能性が示された.
著者
吉田 悠 青山 久枝 狩川 大輔 井上 諭 菅野 太郎 古田 一雄
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.180-193, 2021-08-15 (Released:2022-02-16)
参考文献数
21

本研究では,航空管制に代表される複雑かつ認知的負荷の高い業務を対象に,人の視覚的特性を考慮した画面を設計することにより,ユーザーのタスクパフォーマンス向上や作業負荷低減の実現を目指している.今回筆者らは,視覚的注意に影響の大きい情報の誘目性に着目し,業務支援のための機能表示に色の誘目性を活用したときの,タスクパフォーマンス,状況把握,および作業負荷への影響を明らかにする実験を実施した.実験参加者は熟練航空管制官6名であった.実験タスクは現場の管制業務を模したマルチタスクとし,管制指示タスクをメインタスクに,航空機受け渡しタスクをサブタスクに設定した.そして,管制指示タスクにおける航空機の重要度に応じて色の誘目度を高中低の3段階に割当て,高と低の誘目度の差が(a)ない,(b)小さい,(c)大きい,の3パターンの実験条件を設定した.結果,情報間の色の誘目度の差が小さい画面条件では,メインタスクのパフォーマンスが相対的に高く,認知的負荷についても良好な傾向が見られた.
著者
西村 武 森本 一成
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.203-210, 1986-08-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
32
被引用文献数
10 6

CFFの測定方法と条件をCFFの測定値の変動率の大きさと測定の精度から検討した. CFFの測定方法としては調整法, 極限法および恒常法について, 測定条件としては検査光光源の輝度, 大きさ (視角), 色および単眼・両眼CFFについて比較検討した. その結果, CFFの測定方法としては極限法がいちばん精度が高いこと, 検査光光源の輝度は120cd/m2よりも500cd/m2付近のほうが変動率が大きいこと, 光源の大きさは視角1°のほうが視角2.5°より精度が高く, 視角0.5°より変動率が大きいこと, 光源の色は緑, 赤, 黄のいずれでも, また, 単眼CFFと両眼CFFのどちらでも変動率の大きさや精度に顕著な差はないことなどが明らかとなった.
著者
林 喜男 行待 武生
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.151-157_1, 1967-04-30 (Released:2010-03-16)
参考文献数
8

Visual-motor reaction time to 6 light signals was measured in case that the probability of each signal was not equal. It proved not to be proportional to the entropy of information sources, and was shorter than reaction time to selective signals of equal probabilities. The judgement period in terms of the difference cf the reaction time and motion time was significantly correlated with the signal probability. It was the larger, the smaller was the display probability of the signal. If 64 red lamps were placed on a panel in forms of 88 cm squares, the judgement period without previous instruction of the lamp positions to be lit was delayed, especially when the entropy of information sources was larger. The relational shortening of the reaction time for unequal signal probabilitiest uneven concentration of attention was discussed.