2 0 0 0 OA 書評

出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.129-131, 1994-03-31 (Released:2009-01-22)
著者
善教 将大
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.18-32, 2021 (Released:2023-11-16)
参考文献数
29

本稿では筆者が実施した大阪市民を対象とする意識調査を用いた実証分析を通じて,大阪における感情的分極化の現状,原因,帰結の3点について検討する。地方政治の場において維新vs.反維新という激しい政治的対立が存在する大阪市は,日本で感情的分極化について議論する際,有用な知見を提示することが可能な事例の一つとして位置づけられる。本稿ではまず,地域レベルと個人レベルの分極化指数を求め,その水準を他国の事例などと比較することで大阪の分極化の現状を明らかにする。その上でメディアを通じた選択的接触の議論に基づき,2020年の住民投票期間中のメディア利用が政策選好や個人レベルの感情的分極化に与える因果効果を推定する。さらに個人レベルの分極化指数が,制度信頼,政治不信,市民間の相互不信に与える因果効果も分析し,感情的分極化が進展することの帰結についても考察する。
著者
安野 修右
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.58-71, 2021 (Released:2023-11-16)
参考文献数
40

日本の公職選挙法は,あらゆる選挙運動を禁止するという前提のもと,合法化された選挙運動には「選挙公営」の名のもと公的助成を行っている。この制度理念の背景には,国家が選挙過程を完全にコントロールすることで,選挙の公正を確保しようという戦前の思想がある。だが現在では,一連の規制枠組が日本の選挙過程を著しく非効率なものにしているという夥しい数の批判と証拠がある。にもかかわらず,選挙法の立法裁量権を掌握する現職国会議員は,この弊害を一向に改善しようとしない。この状態は,公共経済学で議論されている「政府の失敗」に類似している。そこで本研究では,まずこうした「政府の失敗」を生じさせうる日本の選挙運動規制の特徴について説明する。そのうえで現行の選挙公営費の配分が,現職国会議員の恣意的操作の結果として,選挙運動に使途を限定した政党助成とみなせるほど不平等になっている実態を明らかにする。
著者
清水 直樹
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.108-125, 2020 (Released:2023-11-16)
参考文献数
26

本稿の目的は,都道府県の経済データと2012,2014,2017年の衆議院選挙データを分析し,経済が選挙結果に与える影響を明らかにすることである。日本の経済投票に関する先行研究は,サーベイ・データによる研究が中心で,集計データによる研究が少ない。その理由として,第1に,時系列データの場合,選挙ごとに異なる政治状況や経済状況の影響を除去できないこと,第2に,地域間のクロスセッション・データの場合,地域特性や候補者特性の影響を除去できないことが挙げられる。本稿では,安倍内閣の下で実施された衆議院選挙のデータを利用し,その選挙に出馬している同じ候補者の得票率の差を計算したデータを用いることで政治状況や候補者特性などを除去する。そして,このデータを用いて,経済が選挙結果に与える影響を分析する。分析の結果,経済が選挙結果に与える影響は,かなり限定されたものであると結論付ける。
著者
久保 慶明
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.53-67, 2020 (Released:2023-11-16)
参考文献数
73

本稿では,地方政治に関わるエリートの地域格差に対する認知,格差是正をめぐる争点態度,それらに応じたネットワークの相互関係を記述する。第一に,現代日本では地域格差があると認知するエリートが多く,その認知は政治参加の機会より結果の格差を感じる人ほど強い。ただし,首長や保守政治家の格差認知は相対的に弱い。第二に,中央の行政官僚に比べて政治家は,国政でも地方でも格差是正に積極的である。ただし,機会格差をめぐる党派的対立と結果格差をめぐる中央地方間の対立が存在する。第三に,エリートの接触パターンは,地域格差全体の是正に消極的な与党ネットワーク,機会格差の是正に積極的な野党ネットワーク,結果格差の是正に積極的な地方ネットワークの3つに整理できる。第四に,格差是正をめぐる争点態度は格差認知に規定される。ただし,結果格差をめぐる争点態度は財政規律の影響を受けている。
著者
河村 和徳
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.25-38, 2020 (Released:2023-11-16)
参考文献数
23

近年,地方議員のなり手不足は深刻化しており,2019年統一地方選は,それが重要な政治争点であることを明らかにした。本稿では,総務省が立ち上げた研究会の議論の動向やNHKが実施した地方議員に対する悉皆調査の結果を踏まえ,この問題を議論する。総務省の研究会は,地方議員のなり手不足に多様な要因があることを指摘するが,それらの中で最も重要なものは,「地方議員の待遇の悪さ」と「個人の選挙資源に依存する選挙環境」である。町村レベルでは,過去の経緯などから議員報酬の基準が低く抑えられており,自前主義の選挙環境や近年の政治情勢の影響を受け,候補者の発掘は困難な状況にある。これを克服する上で有効なのは「政党中心の選挙への転換」であるが,これに対して警戒感を持つ地方議員は少なくなく,地方議員のなり手不足の解決は一筋縄ではいかないことが指摘できる。
著者
富崎 隆
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.5-21, 2018 (Released:2021-07-16)
参考文献数
16

2016年6月23日に実施されたEU離脱を問う国民投票は,離脱勝利という結果を得た。本稿は,この歴史的な結果をもたらした有権者の民意と投票行動について,BES (British Election Study)の世論調査データを使用し,データをできるだけ豊富な形で紹介すると共に,国民投票がこの結果に至った要因について分析を試みる。社会的属性,経済・移民・主権問題といった争点,政治不信,ナショナリズム,メディア接触,政治指導者評価等の規定要因について個別に検討した上で,それらの要因を包括的に含んだ多変量モデルを構築する。次に,離脱派勝利には,異なる有権者像をもつ3つの底流があったとする仮説を提示し,実証結果を示す。
著者
安野 智子
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.46-60,145, 1996-03-31 (Released:2009-01-22)
参考文献数
29
被引用文献数
1

This study investigates the process model of public opinion formation mediated by perceived media impact. Davison (1983) coined the the term “third-person effect”: i. e., individuals tend to perceive a stronger impact of media message persuasiveness on others rather than on themselves. Several studies, the reafter, found the evidence of this tendency to overestimate the media's impact on others as compared with the self (Perloff, 1993, for a review). Davison also proposed that individulals are inclined to cope with perceived others' attitude change as a consequence of the media's impact, i. e., people change their own attitude or behavior in response to the perceived others' change, which means that they themselves are influenced by media messages in question (the third-person effect hypothesis). This hypothesis suggests that perception of media's impact mediates the actual impact.The third-person effect is related to several social psychological phenomena. First, the notion of self-other distinction (perceived discrepancy between self and others) is relevant to “fundamental attribution error” (e. g., Ross, 1977). Second, “pluralistic ignorance”, which means misperception of social distribution of opinion, is related to the perceived discrepancy. Third, the idea that people's expectations are the key to their actual behaviors is substantially paralleled to the argument of “spiral of silence” hypothesis (Noelle-Neumann, 1984). The hypothesis suggests that those who perceive themselves as minority hold their tongues in fear of expected isolation.Relating to these phenomena, the present author proposed the process model of public opinion formation through the third-person effect as follows; The greater the perceived third-person effect is, the larger the discrepancy between one's own opinion and expected public opinion will be (Hypothesis 1). Also, as the discrepancy increases, the perceivers will change their attitudes or behaviors all the more (Hypothesis 2).These hypotheses were confirmed by the author's two studies. n study 1, the third-person effect was correlated with the expectation of discrepancy between one's own opinion and public opinion. Study 2 showed that the third-person effect facilitated the intention to speak out, which was not predicted by the spiral of silence hypothesis.
著者
堤 英敬
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.89-99,270, 1998-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
17

The 1996 general election was the first election after the new electoral system has adapted. When this elecoal system is justified, it is stressed that under the election system, selection would be party and policy centered. The aim of this paper is to answer whether the 1996 general election was party and policy centered or not, through an analysis of candidates' campaign pledge and voting behavior. Concretely, I investigate the cleavage of the parties, how the pledges of candidates are formed and whether or not the pledges affect the voters' behavior.In the 1996 general election, the policies mentioned by many candidates were administrative reform, promoting welfare, saving protecting agriculture and objection to rising consumer tax and so on. Through factor analysis, the pledges have four dimensions. They can be interpreted as “administrative and fiscal reform”, “distributive policy”, “conservative or reformist” and “post-materialistic policy”. However, I cannot find any large difference in these dimensions among the candidates of different parties. Except the first dimension, these dimensions are not new one and from the first dimension, no cleavage can be found.The main factor in forming the pledges is which party the candidates belong to. In some policy areas, the regional characteristics or candidates' career are significant. However, the degree of closeness of conpetion has no influence.Finaly, I found the relation between the campaign pledges of policy package and voting behavior. But compared with oher factors of voting behavior, the pledges' influence is very small. So it is diffecult to say that the 1996 general election was a party and policy centered election.
著者
境家 史郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.81-95, 2014 (Released:2018-01-05)
参考文献数
37

政治学において自然科学を範とする傾向がますます強まり,「より科学的」な研究を行うがための方法論争が盛んである。近年の実験的手法の流行もこの文脈において理解できる。しかしそもそも政治学者の想定する自然科学像ないし自然科学における研究蓄積過程のイメージは,どれだけその実態に即しているのだろうか。本稿では筆者自身のfMRI実験(Sakaiya et al. 2013)の経験もふまえ,認知神経科学における研究蓄積過程の実際を概観する。その結果,メカニズム追究,少数事例研究,帰納的分析といった,政治学にお いて意義の争われてきた方法が,自然科学分野において積極的に採られていることが示される。また,実験(という政治学者が理想とする検証方法)が可能な自然科学分野においても,少数の検証結果によって最終的結論に至るわけではなく,実際には同様の目的の実験を反復し,あるいは他のアプローチを併用するなど,きわめて慎重に議論が進められていることも示される。以上の観察は,政治学研究の「科学的」発展のための新たな方法論的示唆を与える。
著者
西山 千絵
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.94-105, 2018 (Released:2021-07-16)
被引用文献数
2

本稿では,投票所での選挙権行使に困難を抱える者を対象として,障害,疾病のある人とともに,寝たきり等の人の選挙権を扱う。判例では,選挙権の保障は選挙権の行使という実質的保障まで含むとされているところ,本稿は,選挙権の行使の本質的部分にわたる制限の適否--投票所等へ向かえる選択肢がほぼない人,政治的な意思表明の方法の選択肢が限られる人に対する機会・方法の制限--に焦点を当てた。一部の者には,その投票困難性への対応として郵便等投票,代理記載制度が設けられているが,精神的原因により外出困難な人や,制度対象外の寝たきり等の状態にある人への範囲拡充は,選挙の公正を理由として立法解決が遅れている。投票の困難性の明確な判定あるいは類型化が難しい対象の存在や,代理記載の限界にも留意しつつ,投票困難者の選挙権行使の機会・方法の確保について,巡回投票等の可能性にも多少の言及をしながら,検討を行った。
著者
村瀬 信一
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.90-100,256, 2003-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
51

田中義一内閣下の第56議会(1928年12月∼1929年3月)において,与党•政友会と新党倶楽部が共同提案した選挙法改正案は,選挙区を小選挙区制に戻すことを骨子としていた。しかし,政友会•新党倶楽部ともに,小選挙区制採用を焦眉の急と考えていたわけではなかった。政友会にとっては,将来の議会対策上,新党倶楽部を吸収する必要から,また新党倶楽部とそれを率いる床次竹二郎にとっては,より有利な政友会復帰への道筋をつける思惑から,成立するか否かは度外視して提出されたものであった。
著者
堤 英敬
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.76-89, 2019 (Released:2022-09-12)
参考文献数
32
被引用文献数
1

2000年代半ば以降,自民党では公募や予備選といった開放的な方法を通じた候補者選定が行われている。候補者選定は議会政党の構成を規定する重要な機会であるにもかかわらず,なぜ自民党は党によるコントロールを弱めるような改革を進めてきたのだろうか。本稿では,自民党の候補者選定が地方組織主導でなされていることに着目し,選挙区レベルでの地方組織を取り巻く環境やその組織的性格が,開放的な候補者選定方法の採用に及ぼす影響について検討を行った。2005年以降の国政選挙を対象とした候補者選定方法の分析からは,選挙でのパフォーマンスが振るわない選挙区や(衆院選では)伝統的な支持団体の動員力が弱い選挙区で,公募等の開放的な方法が採用されやすいこと,また,公募制を採用するにしても,既存の支持団体や党員組織に配慮した候補者選定方法が採られていることが明らかになった。
著者
岡田 浩
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.19-34, 2019 (Released:2022-09-12)
参考文献数
28

候補者に関する要因は,政党や政策争点に関する要因と並んで有権者の投票行動を規定する重要な要因とされてきたが,他の要因と比べて知見の蓄積が進んでいないといわれる。本稿は,異なった種類の選挙の候補者についてのイメージを自由記述式と選択式の2つの方式で尋ねるという,先行調査とは異なる設問を設けた金沢市における意識調査のデータを分析することによって,候補者要因の研究に寄与することを企図した。分析の結果,有権者が持つ情報量が少ない候補者についてのイメージは,仕事,能力,人柄に関するものではなく,政党,政策,属性,経歴など外形的な特性に関するものが多いことや,個々の選挙特有の要因に関するイメージや候補者の属性などからくる漠然とした新人候補への期待感など,選択式設問では汲み取ることができない候補者イメージが投票行動と関係していることなどが明らかになった。
著者
久保 慶明
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.44-59, 2019 (Released:2022-09-12)
参考文献数
12

本稿では,2017年総選挙,2018年沖縄県知事選,2019年沖縄県民投票の分析を通じて,沖縄県内の政治過程の持続と変容を明らかにする。17年総選挙では,オール沖縄内の選挙区すみ分けが機能する一方,自民党と公明党の選挙協力の効果が前回から回復し,有効投票率の上昇が自民党候補の得票率向上に寄与した。沖縄4区では自民と維新が候補者レベルで選挙協力し,自民党候補が当選した。18年知事選では,オール沖縄における保守系勢力の縮小と,自公維の選挙協力という変化が起きたものの,得票構造の変動は小規模なものにとどまり,翁長雄志の後継である玉城デニーが当選した。19年県民投票では,総選挙や知事選を超える辺野古埋め立て「反対」の民意が表出された一方,自民党の強い地域では「どちらでもない」への投票や棄権が多かった。こうした結果は,14年に成立した構図が有権者レベルで持続していることを示している。
著者
前嶋 和弘
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.30-40, 2017 (Released:2020-03-01)
参考文献数
18

2016年のアメリカ大統領選挙をメディアとの関連から論ずる場合,重要なのが,近年非常に目立っている既存のメディアに対する不信感の増幅である。この不信感と保守・リベラルいずれかの政治的立場に与したり,どちらかの勢力のアドボカシーを行う「メディアの分極化」現象は密接に関連している。フェイクニュース現象,「リベラル・バイアス」論の再燃,ファクトチェックの多用,候補者の「ツイッター」を使った議題設定など,2016年選挙を特徴づける様々な現象は,このメディア不信や「メディアの分極化」現象を背景にしている。メディアとの関連でいえば,2016年選挙は過去数回の大統領選挙と同じようにソーシャルメディアの利用が目立っているが,それでも同選挙で勝利した共和党候補トランプの個人的な資質に頼った選挙戦であり,2012年選挙で台頭したスーパーPACの影は薄かった。
著者
渡辺 容一郎
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.20-32,212, 2008-02-28 (Released:2011-05-20)
参考文献数
11

2005年総選挙でブレア労働党に三度敗北したイギリス保守党は, 2回目となるOMOV党首選挙を実施した。その結果, 議員歴4年 (当選2回) にすぎない党内若手モダナイザーのキャメロンが, ベテラン党内右派・トラディショナリストのデーヴィスに大差で勝利した。これは, 前回 (2001年) の党首選挙と比較してみると, 全く正反対ともいえる結果であった。そこで本稿は, イギリス保守党員の政治観に関する筆者独自の調査分析をも踏まえて, (1) キャメロンの勝因, (2) キャメロン選出の意義について検討した。彼の勝因は, 「党大会」演説と巧みなメディア戦略 (イメージ管理) によって「政権奪回可能な党首」の演出に成功した点, そして党内外の情勢変化に党員の多くが反応した点などに求めることができる。結果的にキャメロンは, イギリス保守党史上初めて「下院議員, 党員 (党大会), メディアの合作でつくられた党首」として位置づけられる。

1 0 0 0 OA 書評

出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.87-119, 2016 (Released:2019-12-01)
著者
大木 直子
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.19-37, 2019 (Released:2022-09-12)
参考文献数
51

本稿は,「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」(以下,候補者男女均等法)施行後はじめての全国規模の選挙である 2019年4月実施の統一地方選挙のうち議員選挙を取り上げ,自治体レベル別・党派別・男女別にデータを整理し,政治的リクルートメントの観点から,2019年の統一地方選挙において,女性の議会進出がどこまで進んだか,政党は女性候補者をどのように擁立したのか,について明らかにすることを目指す。2015年のデータと比較すると,2019年統一地方選挙では,女性候補者割合,女性当選者割合ともにすべての自治体レベルで過去最高を記録したが,地方議会全体で女性議員の増加率はわずかであった。日本の地方議会への女性の参画は着実に進んだが,なぜ「微増」だったのか。政党所属の議員割合が高く,最も女性の進出度が低かった道府県選を考察した結果,男性候補者が減少傾向であるのに対して,新人の女性候補者数やその当選率,1位当選の女性候補者数は上昇していること,その一方で,新人の女性候補者の増加が一部の政党に留まったことから,女性候補者・当選者の大幅な増加には至らなかったことが明らかになった。
著者
河野 武司
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.78-88,270, 1998-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
19

Former TV Asahi news executive Sadayoshi Tsubaki was the first journalist ever summoned to testify before the Diet in Japan. He was accused of slanting his network's coverage of the LDP in the 1993 General Election that led to the party's downfall.In this paper, I analyzed the influence of that event on the TV news coverage of the 1996 Generaal Election by comparing with the TV news coverage of the 1993 General Election.Content analysis made clear differences between two things. There was anti-LDP bias in the 1993 TV news coverage clearly, but in 1996 TV news offered more balanced information.