著者
三船 毅
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.69-94, 2008

亥年現象は,これまで保守系地方議員の選挙動員が低下することにより生起するとされてきた。この論理は,有権者に対する選挙動員の影響力が強いことを暗黙裏に前提条件としている。本稿では,そのような前提条件が大部分の政党で成り立たないことを検証し,亥年現象の生起する過程を新たな視点から捉え直す。またこれらの作業を通して,2007年に亥年現象がなぜ起こらなかったのかをシミュレーションから検証する。
著者
岩崎 正洋
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.85-101,164, 1993-05-30 (Released:2009-01-22)
参考文献数
77

As Maurice Duverger pointed out, proportional representation tends to lead to the formation of many independent parties. Traditionally, analysis of the consequences of electoral systems and party systems has focused upon two central topics: the influence of the electoral system upon the number of effective parties, and its effects upon the political stability of a country. Political stability in this context means ‘cabinet durability.’In Western Europe, many countries have been governed by coalition governments. And they have experienced stable government. In Japan, however, there are many misconceptions about coalition government, namely that coalition government is unstable. It is not the case in European politics. Consequently, this paper aims at discussing the relations in terms of the ‘durability of coalition government and party systems.’Michael Laver and Norman Shofield analyzed government duration and the effective number of parties, by country, from 1945 to 1987. In their comparative study of coalition governments, coalition stability varies very considerably from regime to regime. It seems that cabinet duration is more likely to rise than to fall when the size of the party system increases. While the size of the party systems in Finland, Luxenburg, and Iceland went up between the periods from 1945-71 and from 1971-87, cabinet stability also rose. Only in the interesting cases of Belgium, Sweden, and Denmark we see clear evidence of the Japanese misunderstanding about the relation between cabinet stability and the size of the party system.Nevertheless, in terms of the study of ‘coalition government, ’ there is at present, no systematically arranged condition. What relationship do party systems have to government stability? As the coalition is formed and is stabilized, what type of cabinet emerges, and in what country can we see that type? What are the relationship between social cleavages, left-right ideology and coalition government? Social cleavages and left-right ideology often determine party systems. In real world politics, what type of coalition is most frequently formed, and how long does it remain stable? It seems that by synthesizing various theories, it will become possible to understand the answers to these questions.Turning our attention to the Japanese case, it seems that the past research has concentrated on the formation of coalition government rather than on its stability. In that sense, it is necessary now to discuss coalition theories in terms of cabinet stability.We try to answer the question as to why some cabinets last longer than others, any why cabinets in some countries tend to last longer than those in other countries. In general, one-party cabinets are said to be more durable than coalition cabinets, minimal winning cabinets are said to be more durable than oversized ones. and cabinets in systems with two or relatively few parties are said to be more durable than cabinets in multiparty systems.Thus, we have briefly viewed the stability of coalition government and party systems. However, we must consider further the problem of public policy. If the stability of coalition relates to the stability of party system, it is necessary to maintain a coalition government by havig it correspond to people's demands and absorb people's support. Effective public policy is a useful means for achieving this end.What policy will be offered? When? And what combination will be formed? Given this potential importance of public policy, it seems that we must pay attention to the relationship between individual political parties and public policies.
著者
富崎 隆
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
no.18, pp.58-77,255, 2003

本稿は2001年イギリス総選挙の投票行動を,British Election Study 2001年調査の生データ資料を使用して分折した。その際,投票行動の一般モデルから予測できる要因をできる限り幅広く取り上げた。多変量解析の結果,以下の点が明らかになった。(1)社会的属性特に職業階級は以前程の規定力を有しない。(2)政党帰属意識の規定力はモデル上有意である。(3)首相•党首評価,最重要争点への対応評価は保守•労働•自民党への投票に,経済危機対応能力評価は2大政党への投票に,階級•強い政党帰属意識とは独立に連関関係を有し,経済業績投票,保守党の政策ポジション失敗•労働党の中道化戦略の成功の影響も概ね確認できる。戦後最低となった投票参加を規定する多変量解析では,年齢•選挙関心•投票義務感•投票経験頻度•政党帰属意識強度•党首評価度が影響を与えるモデルが選択され,労働党勝利の予想が選挙関心と投票率を低めた可能性が指摘できる。
著者
石生 義人
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.72-87, 2012

本論文では,2004年大統領選挙時点におけるイラク戦争支持の決定要因をサーベイデータを使って分析した。その結果,アメリカ人のイラク戦争支持に影響を与えていた社会・心理的特徴は,帰属政党,信仰宗教・宗派,愛国心,最終学歴であることがわかった。 帰属政党に関しては,共和党帰属者が最もイラク戦争支持傾向が強く,民主党帰属者が最も弱かった。信仰宗教・宗派に関しては,キリスト教バプテスト派が最も支持傾向が強く,ルター派・メソジスト派の支持が特に弱かった。愛国心はイラク戦争支持に正の影響を与えていた。最終学歴に関しては,大学院等の教育を受けている人の支持傾向が弱く,短大卒以下の最終学歴を持つ人の支持傾向が強かった。これら四つの要因が,イラク戦争の正当性を批判的に評価することを促進または抑制し,その結果として戦争支持態度が影響を受けたと考えられる。
著者
大曲 薫
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.145-157,287, 1997-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
31

During the past decade, the U. S. Congress has considered many proposals for campaign finance reform. One of the most prominent issues raised by contemporary campaign practices is the contribution of political action committees (PACs) and the substantial reliance of federal election candidates on PACs as a source of funding. The Congress watchdog body, Common Cause, has accused of PACs for its undue influence over the electoral process and the public policy.This article summarizes the issues of campaign finance reform focusing on PACs and analyzes the former Common Cause's president Wertheimer's reform proposal. His proposal intends to curtail the influence of special-interest money, to create a competitive electoral process and to help restore the public confidence in the U. S. political system. We can characterize it as a neo-progressive grass-roots model. This grass-roots model disregards the explosion of groups and the new pluralism of the U. S. political system beginning 1970s, so can't see the positive role of PACs in the U. S. political system. The real reform proposal must take into account the positive role of PACs and its relation to the political party seriously. In the last section, this article summarizes the professor Sabato's another reform proposal characterized as a party-centered model and analyzes its merits and implications for the future of the U. S. campaign finance reform.
著者
尾崎 和典
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.17-24,194, 2007

郵政民営化法案否決による05年衆院選では,メディアによる「小泉劇場」報道が自民党圧勝の大きな要因となった。衆院解散直後までは,「小泉vs抵抗勢力」という,旧来型の対決構図だったが,法案反対議員全員に対抗馬を立てる「刺客」作戦によって情勢が一変した。これまでにない新たな政治ドラマが展開し,これをワイドショーなどが大々的に取り上げたからだ。世論調査の結果を見ても,「刺客」作戦を機に,小泉自民党への支持が増加したことがわかる。テレビを見る時間が長いほど,自民党支持が強くなる傾向も見られた。<br>その一方で,メディアは「小泉劇場」と同時に進んだ自民党政治の構造変化も有権者に伝えた。そのことが改革への期待となり,小泉自民党の支持につながったといえる。
著者
河崎 健
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.78-87, 2010 (Released:2017-05-08)
参考文献数
25

本論は2009年9月27日に行われたドイツ連邦議会選挙を分析したものである。 大連立政権を構成していた二大政党・キリスト教民主/社会同盟とドイツ社会民主党の 首相候補(メルケル首相とシュタインマイヤー前外相)同士の争いとあって,同選挙は争点に乏しく,投票率も過去最低であった。その中で選挙前に論議されたのは,同国の選挙制度特有の超過議席如何によって与野党が逆転する可能性についてであった。しかしながら予想外の低投票率もあり社民党が惨敗したため,超過議席の問題は未然に終わった。本論では,この超過議席をめぐる議論を簡単に紹介した後,投票率と社民党の得票率の相関を見た上で,この低投票率の原因と,連立政策との関連で各党の勝敗を決した要因について分析を行う。
著者
上條 諒貴
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.57-70, 2017

議会の過半数を占める政党が存在する「多数状況(majority situation)」における内閣総辞職は,議院内閣制における内閣の終了を扱った研究が拠って立つ政党間交渉の理論からでは説明困難な現象である。本稿では,数理モデルを用いて執行部への党内支持の観点から総辞職を理論的に分析する。モデルの含意として,党への支持が低下している場合に,現在の世論により合致した政策選好を持った政治家に党首を交代させることで支持を回復するという戦略の有効性が増すため,多数状況においては政党が集権的な場合の方がより総辞職が起こりやすいという仮説が提示される。理論的検討の後,この仮説を1960年から2012年の日本の内閣データを用いて実証する。分析の結果,内閣支持率などの変数を統制してもなお,党内の集権性が高まった政治制度改革後の方が内閣総辞職のリスクが高いことが示される。
著者
川人 貞史
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
no.17, pp.58-70,205, 2002

本稿は,2000年総選挙における選挙制度&bull;政治資金制度と政治的アクターたちとの間の相互作用の分析を行う。1994年の政治改革で導入された小選挙区比例代表並立制は,小選挙区制にウェイトがあるために2大政党制志向をもつ制度であるが,2000年における比例代表選挙の定数削減によりいっそう小選挙区制中心の制度になった。新選挙制度下の2度目の総選挙において,政党間の選挙協力や政治資金が選挙競争にいかなる影響を及ぼしたか,そして,通常,小選挙区制において顕著に見られる有権者の戦略投票がどのように選挙結果に影響を及ぼしているかについて,さまざまな集計データをもとに分析を進める。本稿の結論は,自公協力が自民党候補者の得票率を増加させていること,戦略投票が行われることによって生じる上位2候補への得票の集中も顕著にみられること,さらに,選挙協力によって自分の選挙努力によらない投票を得た自民党候補において,政治資金支出が本人の候補得票率を増加させる有意な効果が存在しなかったことである。
著者
今井 亮佑
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.5-23, 2009 (Released:2017-03-08)
参考文献数
18

「亥年」である2007年の参院選後に行われた意識調査の分析を通じて,「統一選で自分の選挙を戦い終えたばかりの地方政治家が,参院選時に選挙動員に精を出さないこと が,『亥年現象』を発生させる要因である」とする石川仮説の妥当性について,有権者レヴェルで実証的に再検討した。具体的には,地方政治家の中でも特に市町村レヴェルの政治家の動向に着目した分析を行い,(1)春の統一選時に道府県議選のみが実施された自治体の有権者に比べ,道府県議選に加えて市町村レヴェルの選挙も実施された自治体の有権者の方が,参院選時に政治家による選挙動員を受ける確率が有意に低かった,(2)後者の自治体の有権者の間では,参院選時に政治家による選挙動員を受けた人ほど棄権ではなく自民党候補への投票を選択する確率が有意に高かったという,石川仮説に整合的な結果を得た。
著者
鬼塚 尚子
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
no.17, pp.113-127,206, 2002

近年我が国で実施された衆議院の選挙制度改革に際し,中小政党は次の三つの戦略-合同して大政党を作り政権奪取を目指す「合同戦略」,一貫して野党にとどまり「抵抗政党」としての存在をアピールする「非合同野党戦略」,自民党との連立政権に参加して与党としての政策実現や利益誘導を計る「非合同政権参加戦略」-を採ってこれに対処したと考えられる。しかし,第三の戦略を採った政党は選挙で苦戦していることが観察される。本研究ではこの理由として,(1)連立参加に伴う政策転換が潜在的な支持層の票を失わせること,(2)中小政党の与党としての業績は有権者に認知されにくいこと,(3)新選挙制度が自民党と連立を組む政党に不利に働くこと,(4)選挙協力を阻害する要因が自民党支持者側にあることを挙げ,個別に分析を行ったところ,おおむねそれぞれを肯定する結果を得た。
著者
境家 史郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.20-31, 2012 (Released:2017-08-04)
参考文献数
25

本研究では政治家調査データを分析し,2010年参院選時におけるエリートレベルの政策的対立軸を示す。探索的因子分析の結果,「安保・社会政策における保守―リベラル度」「五五年型政治経済体制に対する賛否」「新自由主義的経済に対する賛否」「民主党目玉政策に対する賛否」と解釈しうる,4次元の統計的に有意味な軸が抽出される。これらの争点軸は,五五年体制期以来の旧来的政治対立構造に加え,90年代以降の経済財政危機,2009年の政権交代の実現等により累積的に形成されてきたものと考えられる。本研究では以上の結果から先行分析に対する再検討を行う。また,4次元軸上における主要政党の政策位置や散らばりの程度を示し,昨今の政党間・政党内競争のあり方に関する含意を得る。
著者
湯淺 墾道
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.51-61, 2009

選挙権の性質については憲法学界において論争が続いているが,被選挙権の性質についての議論は少ない。しかし近時,多選制限と関連して被選挙権は憲法上の権利ではないとする見解が明らかにされたことを契機に,あらためて被選挙権の性質が問われている。従来の通説では被選挙権は選挙によって議員その他に就き得るための資格,選挙人団によって選定されたときこれを承諾し公務員となりうる資格であるとされたが,昭和43年の大法廷判決などに触発され,被選挙権の憲法上の権利性を肯定する学説も増えている。被選挙権の憲法上の権利性を認めるとすれば,選挙権の中に含まれていると見るべきであり,選挙権の公務性(一定の公共的性質)から説明できる。
著者
若山 将実
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
no.17, pp.142-153,207, 2002

1970年代に入って支持の増大を経験したイギリスの第三政党は,現在では主要政党の一つとして定着している。本稿は,第三政党支持を変化させる要因を業績評価投票モデルから再検討する。業績評価投票モデルに依拠したこれまでの研究は,政権与党の業績に対する否定的な評価によって有権者は野党に投票するとした仮定がイギリスの第三政党に当てはまらないことを主張してきたが,本稿の分析は,選挙区レベルの経済状況の変化と政党競争の状況を考慮すると,第三政党は経済状況の悪化に対する有権者の不満の受け皿として支持を増大させていることを明らかにした。また,そうした有権者の不満の受け皿としての役割は,第三政党が野党第一党として定着している選挙区において特に大きいことが本稿の分析からわかる。
著者
辻 陽
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.16-31, 2008 (Released:2016-10-03)
参考文献数
15
被引用文献数
2

国会議員と地方議員はお互いの選挙での当選確率を高めるために「系列」といわれる協力関係を結んでいる。この「系列」が維持されているようであれば,1993年に始まった国政レヴェルにおける「政界再編」は地方政治にも影響を及ぼしたはずであるが,実際にはその影響は限定的であった。国政レヴェルでは多数の自民党議員が離党して新党を結成したが,「系列」に従って新党会派の結成を見た都道府県議会は少数だった。他方で,保守系会派から自民党会派に戻る議員も多数見られた。他方,「政界再編」が社民党の地方組織に及ぼした影響もまた,限定的だったといえる。社民党は国政レヴェルでひどく衰退し民主党も結成されたものの,2003年の時点でも相当の都道府県議会において社民党会派が存続していたのである。すなわち,自民党が約6割の議席率を誇る地方議会において,民主党が地方に基盤を築けていないことが確認された。以上を要するに,新党が地方において根付いていないことが明らかになった。
著者
大村 華子
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.104-119, 2011 (Released:2017-06-12)
参考文献数
39

本稿は,戦後日本政治において,政党の政策が世論の変化に連動してきたのか,そして世論に従って政策を変更する政党は選挙に強かったのかという,2つの密接に関連した問いを分析する。分析に際しては,各国の政党の政策公約を数量化した「マニフェスト国際比較プロジェクト(CMP)」のデータを用いることによって,日本の政党の政策位置を指標化し,世論の変動に関しては,内閣府による「国民生活に関する世論調査」のデータを使用して有権者の特定の政策分野に関する期待を操作化した。経済政策分野と外交政策分野の分析を通して,戦後日本の各政党は,(i)世論の動向に配慮して政策を決定してきたこと,(ii)世論に配慮することで政党の選挙パフォーマンスが向上することの2点が明らかになった。
著者
田中 善一郎
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-31,177, 1999-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
71

ギリシャ以来の民主政治に対して,選挙を通じて選出された代表者を通じて統治する代議制民主政治は18世紀末以来の人類にとって有望な統治のための装置となった。しかし,選挙で有権者が行う投票の内容は本質的に曖昧である。すなわち,有権者が,もしあるとしても,いかなる理由から特定の政党や候補者に投票したのかは自明ではない。本稿は,民主政治における選挙をめぐる重要なテーマの中から,代表,多数,公約,マンデート,そして,投票の手段性を取り上げ,投票と選挙結果が有する本質的な曖昧性の視点を中心に,それらが抱える問題点を検討する。現代の民主政治における選挙は,理論と実践の両面において,十分注意して取り扱わねばならない。