著者
津止 健市 Tsudome K. 琉球農業試験場
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.64-66, 1963-05

1)トウモロコシで飼育したミツボシキバガ各期の発育日数は夏季において卵期間3日、幼虫期間22日、蛹期間13日、冬季では卵期5日、幼虫期35日、蛹期25日で卵から孵化した幼虫が成虫になるまでの期間は夏季28~42日冬季49~71日を要した。2)成虫の寿命は絶食状態で4~5日、1雌の産卵数は101粒であった。3)幼虫は4回脱皮して5令を経過し、幼虫の発育にともなう脱皮毎の頭巾は1種の対数曲線を描いて増加する。4)卵寄生蜂 Trichogramma australicum を大量増殖するための代用寄主としては何ら支障はなく、むしろ実用性が高いと思われる。
著者
外間 数男 カバゼーロ フアナ Hokama Kazuo Caballero Juana B. 元JICAパラグアイ事務所 パラグアイ農牧省農業普及局
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.33-38, 2011-08

今回確認した野菜の加害鳥はハイイロイカル Saltator coerulescens, ハイガシラソライロフウキンチョウ Thraupis sayaca,キバラツグミ Turdus amaurochalinus, ナンベイコマツグミ Turdus rufiventris の4種である.またイチゴ生産農家の聞き取り調査では,キバラオオタイランチョウ Pitangus sulphuratus, マミジロマネシツグミ Mimus saturninus, テリバネコウウチョウ Molothrus bonariensis,コウカンチョウ Paroaria coronata, クロガミインコ Nandayus nenday, ハシブトルリハシインコ Forpus xanthopterygius, オキナインコ Myiopsitta monachusなど7種が加害鳥とされた.
著者
東平地 清二 Higashihirachi Seiji 琉球植物防疫所
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.52-58, 1962-05

(1).1958年より1960年までの3はわたって東南アジヤ(タイ、ビルマ、ベエトナム)より那覇港へ輸入される穀類の害虫相について調査したものである。(2).東南アジヤから第1表の通り9種の穀類が輸入されるが、穀類の総輸入件数1,105件の62%にあたる686件がその地域から輸入されており害虫侵入の機会が多いと云える。(3).各穀類の害虫発見頻度は北アメリカ、東南アジヤ、オーストラリヤ、エジプト及びスペインが総平均の63.5%以下を示しているのに比し、タイの平均が92.5%、ビルマが81.4%、ベエトナムが100%と高い頻度となっている。(4).穀類の害虫の種類数1件当りの害虫の種類を調べたが第3表及び第4表の通り東南アジヤは他の全ての地域より多くの種類を含んでいる。(5).穀類別の害虫相及び東南アジヤと琉球の貯穀類について調査したが第5表、第6表の通りである。東南アジヤの害虫相は琉球に未発生の害虫が3分の1も数えられる。特に重要な害虫も含まれているので侵入の機会の多いこれらの地域からの害虫についてはもっと調査研究する必要があると共に検査に於てもその点について充分考慮を払い新害虫の侵入を未然に防がねばならない。
著者
大城 安弘 Oshiro Yasuhiro 沖縄開発庁沖縄総合事務局農林水産部 Agriculture Forestry and Fishery Division Okinawa General Bureau Okinawa Development Agency
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.7-16, 1989-08

Life history of the Okinawa-kuchiki cricket, Duolandrevus sp. was studied in Okinawa Island by rearing and field investigations. The materials were collected from Fusato, Tamagusuku Village (Okinawa Island) ; Haneji-River, Nago City (Okinawa I.) and Yona, Kunigami Village (Okinawa I.) from 1981 through 1983. The average egg period was 34~36 days for the eggs laid in April-June, 102~112 days in December-January. The vast number of nymphs hatched from 4:00 to 8:00 hours of a day. None of them hatched during the hours from 14:00 to 20:00. A few of them hatched during the other hours. The average nymphal period was 266 days in 1982~1984. Pre-oviposition period was 10 to 20 days in summer season, and 30 to 40 days in winter season. The number of oviposited eggs reached a crest during the period from 40 to 60 days after emergence of the adults in summer season, and 70 to 100 days in winter season. The longevity of adults was 74 to 83 days in summer, 95 to 103 days in winter. The average number of eggs laid per female was 726 in summer, 449 to 510 in winter. Field investigations showed that each stage of nymph and adult was observed in the whole year, 20% of all stages (excluding egg stage) were adult from October to March, and 50% June to July. However, all developmental stages were found through the year. From the field surveys and laboratory rearing experiments, the species wintered in nymph and adult, and new adult emerged from April onward, and the new adult oviposited from May onward. There is no indication for diapause in this species, and is uni-voltine cricket in Okinawa Island. This species is to be tropical in origin.沖縄島産オキナワクチキコオロギ Duolandrevus sp. の生活史を沖縄島において,室内実験及び野外観察によって調査した。1.卵期間の平均日数は4月~6月に産下されたもので34日~36日,12月~1月のそれは102日~112日であった。2.孵化は4時から8時にピークを形成し,14時から20時には全く孵化せず,その他の時間帯に僅かずつ孵化した。3.平均若虫期間は266日であった。4.産卵は5月~9月においては羽化後10日~20日に始まり,40日~60日にピークを形成し,その後130日頃まで続いた。1月~4月においては30日~40日に始まり,70日~100日にピークを形成し,150日頃まで続いた。5.成虫の平均寿命は4月~9月においては74日~83日,12月~7月は95日~103日であった。6.1雌当たりの平均産卵数は5月~9月産卵においては726個,1月~4月のそれは449個~510個であった。7.野外において,成虫は10月頃から翌年の3月頃までは卵を除いた全個体の20%前後を占め,6月~7月には50%前後を占めるが,8月頃になると20%前後を占めるようになる。8.室内及び野外の調査結果から,本種は主に若虫と成虫で越冬しているが,成虫は冬季でも暖かい日は産卵している。越年若虫は4月頃から羽化し,その新生成虫は5月頃から産卵を始め,沖縄島においてほぼ1年で1世代をくり返しているものと推定された。9.本種には休眠 stage がないことや上述のこと等から熱帯起源のコオロギであることが推測された。
著者
田場 聡 諸見里 善一 Taba Satoshi Moromizato Zen-ichi 琉球大学農学部
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.59-67, 2007-03

沖縄に分布する代表的な3種土壌(国頭マージ,島尻マージおよびジャーガル)における米ぬか混和のサツマイモネコブセンチュウに対する防除効果の評価を行った.その結果,全ての土壌において高い防除効果が認められた.また,各土壌の米ぬか混和処理では根こぶ線虫数が顕著に減少するとともに,対照に比べて細菌食性線虫が増加する傾向を示した.さらに米ぬか混和処理土壌の微生物相を調査した結果では,対照に対して,国頭マージおよび島尻マージでは放線菌および糸状菌数が増加する傾向を示したが,ジャーガルでは糸状菌数のみの増加が認められた.細菌のグラム判定試験では,いずれの米ぬか処理土壌においてグラム陽性細菌が増加した.またネコブセンチュウの分離に及ぼす米ぬかの影響を検討した結果では,迅速かつ顕著な分離阻害効果が認められた.以上のことから,米ぬか処理は供試した全ての土壌においてネコブセンチュウに対し高い防除効果を示すことが明らかとなった.The controlling effect of rice bran mixture on M. incognita in three typical soil types of Okinawa was evaluated. A high control effect was observed in all soils examined; the number of M. incognita decreased while that of bacteriotrophic nematodes increased strongly in soils with the organic matter added. The application of rice bran increased fungal growth in Jahgaru soil, and that of fungi as well as of actynomycetes in Kunigami mahji and Shimajiri mahji. Ggram-positive bacteria were promoted in all soils by the admixture of rice bran. Moreover, as a result of examination of the influence of rice bran mixture on extraction of M. incognita, an inhibitory effect that prompt and remarkable was admitted. We conclude that a significant inhibition of M. incognita could be achieved in all soil types by the application of rice bran.
著者
田場 聡 大城 篤 高江洲 和子 諸見里 善一 澤岻 哲也 Taba Satoshi Ooshiro Atsushi Takaesu Kazuko Moromizato Zen-ichi Takushi Tetsuya 沖縄県農業試験場 琉球大学農学部 沖縄県農試宮古支場
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-28, 2003-07
被引用文献数
1

本研究では,露地における米ぬか混和・太陽熱併用処理のネコブセンチュウに対する効果を検討した.その結果,植物体の成長および収量が良く,最もネコブセンチュウに対する防除効果が高い処理法は,1重被覆・米ぬか混和併用処理であった.太陽熱処理単独,米ぬか混和・太陽熱併用処理の土壌微生物に及ぼす影響を調査した結果では,両処理とも糸状菌数の低下が認められたが,後者では緩和された.また線虫密度に関しても,前者ではネコブセンチュウだけでなく,自活性線虫に対しても影響が強いが,後者ではやや緩和された.以上のことからオクラのネコブセンチュウ防除において最も有効な処理法は1重被覆・米ぬか混和処理であると考えられた.In this study the effect of use of rice bran together with solar heat treatment in the fields on southern root-knot nematode that is one of the important parasite on okra is examined. As a result, the treatment having most effectiveness on controlling the nematode and on the plant growth and on the yield was the combination of the single covering and rice bran mixture method. The effect of single treatment with solar heat and using rice bran and solar heat in combination on the micro flora in soil showed that fungi decreased in number on both treatments but the effect was relieved by the combinational treatment. As for the nematode density, the single solar heating had a strong influence on free-living nematodes as well as on southern root-knot nematode but it was alleviated by the combination. From the results mentioned above, it is conceivable that the best control method of southern root-knot nematode infested on okra is combination method of single covering and rice bran treatments.
著者
太田 麻希子 福澤 康典 川満 芳信 Ota Makiko Fukuzawa Yasunori Kawamitsu Yoshinobu 琉球大学農学部 Faculty of Agriculture University of the Ryukyus
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.27-53, 2007-08

本研究の目的は,ピタヤのCAM型光合成特性を調べ,最適栽培環境を明らかにすることである.温度,光強度,CO_2濃度を種々組み合わせて設定し,各条件下におけるCER,気孔伝導度を連続測定した.得られた結果の概要は次のとおりである.1.ピタヤのCERと気孔伝導度を連続測定した結果,CAM型光合成植物特有の日変化パターンであった.また,茎中に含まれる有機酸の内,リンゴ酸だけが暗期に上昇し明期に減少する日変化を示した.これより,ピタヤはCAM型光合成植物である.2.ピタヤのCERは温度によって大きく変動し,最も高くなる温度は30/20℃で,17/13℃では著しく低下した.3.ピタヤのCO_2収支量は光強度の上昇に伴い増加し,600~800μmol m^<-2>s^<-1>で定常値に達した.光強度に対するCER反応は茎の発達段階によって異なり,表皮が未発達な薄い未成熟茎は,成熟茎に比べて最適光強度域が低かった.4.異なる温度,光強度条件下でCO_2施肥を行ったところCO_2収支量は増加した.特に,弱光下,低温条件におけるCO_2収支量の増大が顕著であり,ピタヤの生育において不利な条件下のほうがCO_2施用効果は大きかった.5.ピタヤの栽培現場で発生している剪定茎の有効利用を検討するため,その無機成分含有量などを調査した結果,ピタヤの茎部にはMg,Ca,Kといった元素が多く含まれているとわかった.また,土壌に施用する資材とするため,茎部を用いて炭化物を生成した.結果としては,ピタヤの廃棄茎は炭化することで大きく減容できた.また,生成された炭化物にもKやMgといった有用な無機成分が多く含まれていたことから,廃棄されるピタヤ茎は堆肥化,もしくは炭化によって有効利用が望める可能性がある.6.ピタヤの沖縄での栽培を考慮すると,冬季は温度と日射が不足するためピタヤの生育に不利である.しかし,高CO_2濃度によってCO_2吸収は回復したためCO_2施用が有効な対策である考えられる.特に,ピタヤのCO_2収支量は環境によって大きく影響されたことから,きめ細かな環境制御ができるよう施設における栽培が望ましい.
著者
大屋 一弘 Oya Kazuhiro 琉球大学農芸化学科
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.41-44, 1965-12
被引用文献数
1

沖縄本島酸性土壤の国頭礫層土壤及びアルカリ性土壤の泥灰岩土壤を用いて,パソゴラグラスに対するりん酸の肥効をポット栽培で試験した。Pの量は各土壤に10a当り0,6,15,22,37kgの5段階を施用し,P施用量に対するパンゴラグラスの収量及びP_2O_5吸収量を調べた。国頭礫層土壤においては石灰区と無石灰区を設けたが,石灰区では過石の形でPを15kg施用した時,ハイホスカの形ではPを22kg施用した時に最高の収量が得られた。無石灰区では過石及びハイホスカいずれの場合でもPを37kg施用したもので最高の収量が得られた。そして石灰施用の有無によって過石及びハイホスカのりん酸肥効は相違を示す傾向がみられた。泥灰岩土壤においては過石の形ではPを15kg施用した場合,またハイホスカの形ではPを37kg施用した場合に最高の収量が得られた。パンゴラグラスのP_2O_5吸収量は,国頭礫層土壤及び泥灰岩土壤に共通して,過石及びハイホスカの間で相違はなかった。国頭礫層土壤においてパンゴラグラスのP_2O_5吸収量が石灰施用によって減少するような傾向は見られなかった。
著者
寺本(稲福) さゆり 住 秀和 金城 秀安 川満 芳信 Inafuku-Teramoto Sayuri SUMI Hidekazu KINJYO Hideyasu KAWAMITSU Yoshinobu 琉球大学農学部 大宜味村シークヮーサー振興室 沖縄県北部農林水産振興センター
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.73-81, 2010-08

琉球列島には多くのシークヮーサー遺伝資源が古くより栽培され,残されている.クガニーとは,これらのうちで果実形質の優良なシークヮーサー(C. depressa Hayata) 系統の総称であり,沖縄県で栽培される主要品種である.これらのうち,特に著名な4種のクガニーの品種(大宜味クガニー,勝山クガニ一,カーアチー,伊豆味クガニー)について,フラボノイド類,フェネチルアミン類,香気成分といった機能性成分を分析し,品種間差の調査を行なった.ポリメトキシフラボノイド類 (PMFs) のノピレチンはすべてのクガニーで高く,タンゲレチン,シネセチンとあわせて3種類のPMFsが未熟果皮に多く含まれていた.フェネチルアミンのシネフリンは,PMFs同様に未熟果皮に多く含まれていた.一方,香気成分とフラパノン類については,伊豆味クガニーにおいて他のクガニーには含まれない1,8-シネオールやネオヘスペリジンといった成分が多く含まれていた.品種間差異は特に香気成分において大きく現れる傾向があり,最も主要な経済栽培品種となっている大宜味クガニーと勝山クガニーとの差は小さかった.これらの結果をもとに,沖縄独自の貴重な地方資源として,今後クガニ一品種毎の特性を活かした加工品開発の進展が期待される.Shiikuwahsa (C. depressa Hayata) that has been cultivated for long time and there are many accessions in Ryukyu Islands. Kuganii is the name of the superior cultivars of shiikuwasha that are also major cultivars in present Okinawa. Among of them, we selected 4 famous cultivars of kuganii and analyzed polymethoxyflavones, flavanones, phenethylamine (synephrine) and volatile constitutions to identify the difference between each cultivar. Nobiletin, it was the most abundant polymethoxyflavone in all of kuganii. Three of PMFs (nobiletin, sinensetin and tangeretin) detected in all kucanii, and they were contained high in immature peels. Synephrine, categorized phenylethylamine, was also high in immature peels of all kuganii. However, the difference had shown clearly in the content of flavanones and aromatic constitution. 'Izumikuganii' contained high percentages of 1,8-cineole in volatile components and flavanone neohesperidin, they were not contained in other kuganii peels. 'Ogimikuganii', the main cultivars in Okinawa was closely similar to 'Katsuyamakuganii' in all phytochemicals that analyzed in this study. These phytochemicals data will be contribute to develop various applications in each cultivar that is the important local resources for further utilization.
著者
米盛 重保 Yonemori Shigeyasu 琉球大学農学部
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.7-11, 1992-07

高温環境下における養液栽培の技術確立を図る目的で、1990年度に6種類、1991年度に4種類の固形培地を用いてマスクメロンの栽培を行い、生育状況および果実の収量・品質を調査した。1、1990年度はロックウール、ブラックライト、イソライト、バーミキュライト、ピートモスそしてパミスサンドを用いて栽培した結果、初期生育、果実収量・品質に及ぼす培地の影響が顕著に現れ、パミスサンドが最も優れ、つづいてロックウール、ブラックライトとイソライトは果実の収穫は出来たものの商品価値は著しく低かった。又、バーミキュライトとピートモスは初期生育から生育障害が見られ途中で枯死した。2、1991年度は、ロックウール、パミスサンド、パーライトおよびゼオライトの4固形培地を用いて栽培した結果、前年度同様、初期生育、果実収量・品質ともパミスサンドが最もよく、つづいてロックウールが良かった。パーライトとゼオライトは水分の乾湿差が大きいことによると思われる茎葉のしおれが発生し生育、果実収量ともパミスサンド、ロックウールより劣った。3、2カ年間の栽培結果と培地の取扱いの面からパミスサンドは沖縄における養液栽培の培地として優れた培地と判断された。
著者
前田 剛希 下地 格 宮城 克浩 手登根 正 下地 浩之 上地 克美 知念 潤 伊志嶺 弘勝 砂川 正幸 まえだ ごうき しもじ いたる みやぎ かつひろ てどこん ただし しもじ ひろゆき うえち かつみ ちねん じゅん いしみね ひろかつ すながわ まさゆき Maeda Goki Shimoji Itaru Miyagi Katsuhiro Tedokon Tadashi Shimoji Hiroyuki Uechi Katsumi Chinen Jun Ishimine Hirokatsu Sunagawa Masayuki 沖縄県農業研究センター 沖縄県農業研究センター宮古島支所
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.3-16, 2015-02-12

宮古島は台風常襲地域であり,台風通過後,海岸付近の圃場では,サトウキビが葉の枯れ上がりや裂傷などの潮風害を受けている様子が観察される.多くの農家は,潮風で葉に付着した塩分を洗い流す目的で,台風直後はスプリンクラーによる除塩散水を行う.しかしながら,実際には葉に付着した塩分がサトウキビの生育に及ぼす影響については不明な点が多い.また,除塩に必要な散水量も除塩の効果自体不明である.そこで本研究では,生育旺盛期の7月下旬と登熟期の11月上旬に,春植えサトウキビに高濃度塩水を散布して葉の枯れ上がりを人工的に再現し,その後の生育や収量,晶質の変化を調べた.あわせて,塩分に曝されたサトウキビに生じる葉の枯れ上がりや,品質変化に対する除塩散水の効果を調べた.また,実際の台風時の塩分暴露による影響を考察するための資料として,台風接近時の飛来塩分量をドライガーゼ法で測定した.試験の結果から次の知見が得た.1)塩化ナトリウム(NaCl)濃度8.8% (葉面付着塩分量とし30FLg-NaCleq./cm_2) 以上の塩水散布により,サトウキビに葉の枯れなど目視で判断できる生育障害を人工的に発生させられる事が明らかになった.2)生育旺盛期の塩水暴露による葉の枯れ上がりは,登熟期までに葉が回復する事から糖度に対する影響は小さいと推察さたが,茎の伸長を一時的に抑制した.3)登熟期の塩水暴露による葉の枯れ上がりは,生育緩慢で茎の伸長がほとんど停止している時期なので,収量への影響は小さいが,糖度低下の原因になる事が推察さた.4)10mm以上の散水で,サトウキビの葉に付着した塩分を約80%程度除塩できた.
著者
寳川 拓生 薮田 伸 冨永 淳 渡邉 健太 荒木 秀雄 川満 芳信 たからがわ ひろお やぶた しん とみなが じゅん わたなべ けんた あらき ひでお かわみつ よしのぶ Takaragawa Hiroo Yabuta shin Tominaga Jun Watanabe Kenta Araki Hideo Kawamitsu Yoshinobu 琉球大学農学部 不二製油
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.27-34, 2015-02-12

沖縄県においてヒマワリは景観の良さから観光資源として,さらには,地力回復用の緑肥として注目されている.そのヒマワリ栽培を油糧生産と遊休農地の解消の一助となると考え,播種期の違いが収量に与える影響について比較検討した.春播き栽培では,栽培期間中の気温,日射量,降水量,台風接近数および開花に要する積算温度が高く,発芽日から開花日までの日数が短かった.また,花芽形成期から開花期の間のCGRおよびLAIが低く,乾物収量,子実収量はそれぞれ705,177 kg 10a_-1と秋播き栽培に比べて低くなった.これは夏季の高温・高日射により栄養成長が不十分なまま開花し,子実肥大が遅れたことが原因と考えられた.一方,秋播き栽培では,花芽形成期から開花期までのCGRおよびLAIが高く,乾物収量,子実収量はそれぞれ1274,246 kg 10a-1と高かった.太陽エネルギー利用効率が植物体全体および子実に関してそれぞれ2.11,0.64%といずれも春播き栽培に比べて2倍以上高くなった.これは開花期までの成長期間と低温・低日射でも高い葉面積を確保できたことが原因と考えられた.以上より,沖縄においては,秋冬に降雪・降霜がなく,夏季の高温・高日射・台風を避けられるため,秋播き栽培も有用であると考えられた.
著者
砂川 浩一 我那覇 伊昭 Sunakawa K. Ganaha I. 琉球農業試験場八重山支場
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-16, 1967-05

夏植原料茎を基として,節位による節間長,節間重,Brixについて調査したがその概要は次のとおりである. 1.節位による節間伸長は第二次分けつ茎において最も大きくついで第一次分けつ茎,母茎の順であった.なお節間伸長量の大きくなる時期は母茎において2回(9~10月と4~5月)第一次,第二次茎においては各1回(4~5月)であった. 2.倒伏茎と立茎について節間伸長を比較すると第25節までは直立茎の伸長量が大で,それ以降は倒伏茎の方がまさっていた. 3.施肥量別の節間伸長量を比較すると大きな差はなかったが,標準区より2倍区において幾分優っていた. 4.節間重においても節間長と類似した傾向がみられたが,その差は節間長程でなかった.節間重の大きくなる時期も節間長と同時期であったがこれらの結果について,第一次分けつ茎を母茎より7~8節ずらし,第二次分けつ茎を第一次分けつ茎より5~6節ずらすと同一型のグラフとなり,第二次分けつ茎の生長量が最も大きく,次で第一次,母茎の順であった. 5.節位によるBrixの変異をみると分けつ茎別では第二次分けつ茎が第一次分けつ茎および母茎よりも高く,母茎と第一次茎の間には差はなかった.また倒伏別では直立茎が倒伏茎より若干優り,肥料別では2倍区より標準区が若干優っていたが大きな差はなかった. 6.登熟に伴うBrixの変化は各区とも,節位によって類似した傾向がみられた.
著者
大城 安弘 Oshiro Yasuhiro 沖縄総合事務局農林水産部 Agriculture Forestry and Fishery Division Okinawa General Bureau Okinawa Development Agency
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.29-52, 1986-07

1.本報には琉球列島(トカラ列島~波照間・与那国島)の直翅目138種を記した。その内訳はキリギリス科31種,コロギス科5種,カマドウマ科8種,コオロギ科48種,アリツカコオロギ科2種,ケラ科1種,ノミバッタ科2種,ヒシバッタ科10種,オンブバッタ科2種,バッタ科29種となっている。2.キリギリス科の中でオキナワヘリグロツユムシ Psyrana sp., ヤエヤマヘリグロツユムシ Psyrana sp., サキオレツユムシ Isopsera sp., ナカオレツユムシ Isopsera sp., アシグロウマ オイ Hexacentrus sp., マングローブウマオイ Phisis sp., リュウキュウカヤキリモドキ Pyrgocorypha sp., リュウキュウヒサゴクサキリ Agraecia sp., オキナワヒメツユムシ Leptoteratura sp., ヨナグニヒメツユムシ Leptoteratura sp., フトオビササキリモドキ Xiphidiopsis sp. の11種は初めて記録された。3.コロギス科のオオコバネコロギス Neanias sp., マルモンコロギス Prosopogryllacris sp., ヒノマルコロギス Prosopogryllacris sp. の3種は初めての記録である。4.カマドウマ科の8種はすべて初めて記録された。5.コオロギ科のリュウキュウヒメコオロギ Modicogryllus sp., オキナワクチキコオロギ Duolandrevus sp., ヤエヤマクチキコオロギ Duolandrevus sp., コバネマツムシ Lebinthus sp., アカマツムシモドキ Aphonoides sp., ヤエヤママツムシモドキ Aphonoides sp., カルニーカヤコオロギ Patiscus karnyi, ネッタイキンヒバリ Anaxipha sp., ムナグロキンヒバリ Anaxipha sp., ネッタイヤマトヒバリ Homoeoxipha sp., ネッタイヤチスズ Pteronemobius sp.,ダイトゥウミコオロギ Parapteronemobius daitoensis, ヒルギカネタタキ Ornebius sp., ウスグロカネタタキ Ornebius sp. の14種は初めて記録された。6.アリツカコオロギ科の2種はすべて初めて記録された。7.ノミバッタ科は全て今回初めて記録された。8.ヒシバッタ科のミナミハネナガヒシバッタ Euparatetrix personatus ホソハネナガヒシバッタ Euparatettix tricarinatus, タイリクトゲヒシバッタ Criotettix bispinosus, ナガレトゲヒシバッタ Eucriotettix oculatus, チビヒラタヒシバッタ Apterotettix sp., ヒメヒシバッタ Tetrix sp., イボトゲヒシバッタ Platygavialidium formosanumの7種は初めて記録された。9.バッタ科のオキナワフキバッタ Parapodisma sp., ヤエヤマモモアオフキバッタ Parapodisma sp., ヤエヤマフキバッタ Parapodisma sp., タラノキフキバッタ Fruhstorferiola sp.の4種は初めて記録されたものである。From the Ryukyu Islands, 11 families and 138 species of Orthopterous insects : 31 species of fam. Tettigoniidae, 5 species of fam. Grillacrididae, 8 species of fam. Phaphidophoridae, 48 species of fam. Grillidae, 2 species of fam. Myrmecophilidae, 1 species of fam. Gryllotalpidae, 2 species of fam. Tridactylidae, 10 species of fam. Tetrigidae, 2 species of fam. Pyrgomorphidae, 29 species of fam. Acrididae were listed in this report. Psyrana sp. 1, Psyrana sp. 2, Isopsera sp. 1, Isopsera sp. 2, Hexacentrus sp., Phisis sp., Pyrgocorypha sp., Agraecia sp., Leptoteratura sp. 1, Leptoteratura sp. 2, Xiphidiopsis sp. of fam. Tettigoniidae are new record in the Ryukyu Islands. Neanias sp., Prosopogryllacris sp. 1, Prosopogryllacris sp. 2 of fam. Grillacrididae are new record. All species of fam. Phaphidophoridae are new record. Modicogryllus sp., Duolandrevus sp. 1, Duolandrevus sp. 2, Lebinthus sp., Aphonoides sp. 1, Aphonoides sp. 2, Patiscus karnyi, Anaxipha sp. 1, Anaxipha sp. 2, Homoeoxipha sp., Pteronemobius sp., Parapteronemobius daitoensis, Ornebius sp. 1, Ornebius sp. 2 of fam. Grillidae are new record. All species of fam. Myrmecophilidae are new record. All species of fam. Tridactylidae are new record. Euparatettix personatus, Euparatettix tricarinatus, Criotettix bispinosus, Eucriotettix oculatus, Aplerotettix sp., Tetrix sp., Platygavialidium formosanum of fam. Tetrigidae are new record. Parapodisma sp. 1, Parapodisma sp. 2, Parapodisma sp. 3 and Fruhstorferiola sp. of fam. Acrididae are new record from the Ryukyu Islands.
著者
当山 清善 金城 清郎 Toyama Seizen Kinjo Seiro 琉球農業試験場
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.38-41, 1963-12

パインアップルの夏実及び冬実の糖及び酸の含量と罐詰糖度との関係を明らかにし、これが罐詰の品質に及ぼす影響等を検討した。1.果実の品質に最も関与する糖及び酸の含量は収穫時期等により異なるのでこれに応じた製造加工を行う必要がある。2.罐詰製品の品質の均一化を図るためには糖度と酸度のバランス、即ち糖酸比を品質管理の指標とすることが妥当である。3.夏実及び冬実罐詰における糖酸比を比較した場合両者に著しい差異があり、これを是正するためには冬実の酸度を調節する必要がある。4.現行罐詰糖度規格においては夏実及び冬実罐詰の砂糖所要量の差が著しい。
著者
金城 邦夫 小濱 継雄 垣花 廣幸 Kinjo Kunio Kohama Tsuguo Kakinohana Hiroyuki 沖縄県ミバエ対策事業所 Okinawa Prefectural Fruit Fly Eradication Project Office
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.25-30, 1991-07

品種Nco310の夏植収穫茎で1.赤腐に関与する蔗茎の損傷原因、2.メイチュウ類による加害と赤腐の発生について調査を行った。1.赤腐の発生茎率は90.0%で赤腐節率は17.4%であった。2.赤腐節の損傷には、メイチュウ類の食入孔(84.1%)と、成長亀裂(8.8%)があった。赤腐の発生にはメイチュウ類の加害が大きく関与していた。3.メイチュウ類の食入があった場合、その内の80.0%が赤腐に結びついていた。
著者
宮里 清松 Miyazato Kiyomatsu 琉球大学農家政工学部
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.52-58, 1964-06

令の異なる蔗苗をGIB処理して各器官の生長に対するGIBの影響を調査し、次のような結果を得た。1、草丈の伸長はGIB処理によって促進されるが、効果は持続せず、特に若い節位の蔗苗では効果の消失時期が早かった。2、鱗片に対する伸長効果は発育の進んだもんでは少なく、上位鱗片になるほど著しくなるが、若い節位の苗では下位鱗片の伸長も促進された。3、GIB処理によって蔗苗の発芽が遅延し、葉数は減少し、幼甘蔗の生育がおくれた。4、節間伸長に対する効果は、いずれの節位の蔗苗でも、第7節間以後に大きくあらわれるが、伸長量は採苗節位で異なり、成熟した苗を用いた場合に増大した。5、蔗苗根数はGIB処理で増加し、特に若い節位の苗で効果が大きかった。
著者
金城 賢 吉元 寛 琉球農業試験場名護支場
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.38-39, 1963-05

(1)有効茎数 第3表第2図61/60年期62/61年期の結果によると標準区より催芽苗区は茎数が多く苗令数が有効茎数に及ぼす影響は判然としない。(2)茎長ブリックス 苗令1.5枚、2枚区は標準区より10糎以上高く催芽処理の効果が稍あらわれておりブリックスは苗令数の多い程上昇する傾向である。(3)蔗茎重量 標準区に比し催芽処理苗区は極めて高率の増収を示し苗令2枚区は44.8%苗令1.5枚区41.5%苗令2.5枚区30.1%苗令1枚区21.4%苗令3枚区19.5%の順位で苗令2枚を頂点として苗令数が多くなれば蔗茎重量は逐次減収する傾向にある。(4)第3表の結果61/60年期に対して62/61年期が茎数茎長ブリックス蔗茎重量と低下した原因は61年9月14日の台風18号と10月2日の台風23号の被害が生育後期の甘蔗の回復に影響し減収したものと思われる。実験結果から見ると保温催芽苗利用による春植甘蔗の増収法試験は国頭礫層地帯では増収効果が明らかである。実験の範囲内では苗令2枚区が最も催芽効果が大きく苗令1.5枚区はこれに次いでいる。春先の定植当時は低温で且つ日照時間が少い為5粍及至10粍程度の降雨量があれば苗令1枚区苗令1.5枚区苗令2枚区は植傷み障害は殆んど表はれないので定植時の最も完全な苗令数は1枚~2枚が限度と思われた。
著者
照屋 匡 Teruya Tadashi 沖縄県ミバエ対策事業所
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.62-67, 1997-08

台湾におけるバナナセセリとその寄生蜂を調べるために1993年9月15日から21日まで台湾で調査した.調査は,バナナ栽培地域であり台湾バナナ研究所のある屏東縣を主として,高雄縣や台北市でも行った.バナナセセリは台湾北端の台北市や南端の恒春市でも多数見つかり,台湾島全域での分布が示唆された.バナナの被害葉面積率を基にして算出した被害度は,いわゆるプランテーションでは0.1%以下ときわめて低かった.比較的被害の大きいとみられる圃場を選んで調査したにもかかわらず,最も被害度の高かった圃場で約7%でしかなく,台湾のバナナセセリ個体群密度の低さを示した.今回の調査では本種の寄生蜂を採集するには至らなかった.台湾における本種関連の文献の内容を要約し,現地における関係者との意見交換で得られた知見も追加した.A survey of the banana skipper, Erionata torus Evans, and its hymenopterous parasitoids was made in Taiwan during the period, Sept. 15-21, 1993 to explore the possibility of introducing the hymenopterous parasitoids of the skipper into Okinawa. The survey was conducted in three places in Taiwan-Pingtung County and Kaohsiung County,which are famous for banana production, and Taipei. The skipper was found in Hengchun and Taipei which are located near the southern and the northern extremities of Taiwan, respectively, suggesting that the exotic pest has already spread throughout Taiwan Island. Infestation rates of the skipper on bananas were roughly calculated on the basis of percentage of infested leaf area in the surveyed plantations and fields. The infestation rates in plantations were less than 0.1%. The average rate was ca. 4% and maximum rate in a field was ca. 7%. The results indicate that the skipper has a low pest status in Taiwan. Hymenopterous parasitoids of the skipper were not found in the present survey though some parasitoids of this butterfly are known in Taiwan. Literature on the skipper in Taiwan is also reviewed, and new information on the species from other sources is presented.
著者
松田 昇 長堂 嘉孝 島袋 清香 松村 まさと Matsuda Noboru Nagado Yositaka Simabuku Sayaka 沖縄県農業試験場名護支場 沖縄県農業試験場八重山支場
出版者
沖縄農業研究会
雑誌
沖縄農業 (ISSN:13441477)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.5-17, 2005-12

沖縄県のハウス栽培におけるパッションフルーツの開花習性と結実習性を明らかにするため,ビニール被覆栽培の樹を用いて試験した.結果を要約すると以下の通りである.1)開花は2つの山がみられ,ピークは4月上旬と中旬であった.5月上旬から12月まで開花がみられなかった.果実の収穫は5月下旬から7月上旬であった.蕾の縦経5mmから開花まで約24日,受粉から収穫まで60±4.9日を要した.2)花の形態別開花の推移は3つの山がみられ,1次は12月1日から3日,2次波は12月5日から7日,3次波は12月14日から15日であった.3)開花の早晩は温度に影響され,午前中の温度が高ければ11時頃までに開花した.4)花の形態別の発生割合は接触型が87.3%,接近型が8.1%,直立型が4.5%であった.花の形態別結実率は接触型と接近型が高く,直立型は結実しなかった.5)平均結実率は59%から63%で,日によってばらつきが大きかった.温度,湿度との相関はみられなかった.6)花の開花後の受粉は開花後8時間まで高い結実率を示した.The objective of present study was examined in order to clarify flowering and fruiting habit (behavior) of the passionfruit cultivated in the vinyl house in Okinawa. The outline of results obtained are as follows: 1) The time from visible buds (5 mm length) to flowering takes about 24 days. Flowering had two peaks, first on early April and second on middle April. However, the buds from May to December could not have developed into flowers. The time from the pollinated flower to the mature fruit takes about 60±4.9 days. 2) The different types of flowers had three peaks, the first from 1st to 3rd of December, a second peak from 5th to 7th of December, a third peak from 14th of December. 3) It was considered that the flowering depends on the air temperature in the morning. 4) The flowering percentages of the different type were: 87.3% for normal (contact) type, 8.1% for recreate type, and 4.5% for upright type. The highest fruit set percentage was observed in the normal and recreate type flower. Flowers with upright styles failed to set fruit. 5) The average fruit percentage was about 59-63% by hand pollination during two flowering period. Correlations did not exist between fruit set and air temperature or humidity. 6) The highest fruit set percentage showed 8 hours after flower open.