著者
鈴木 常彦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-145, no.9, pp.1-5, 2018-06-02

FreeBSD の OS パーティショニング機能である Jail とネットワーク仮想化機能 VIMAGE を操作し,自由に仮想ネットワークをプログラミングできる Ruby ライブラリ VITOCHA を作成した.VITOCHA による仮想ネットワークは DNS キャッシュポイズニングの解明に大いに役立ったほか,ネットワーク技術者を集めた DNS 勉強会 「DNS 温泉」 においても VITOCHA による DNS シミュレーション環境は重要な役割を担っている.また本学においては遅延やパケットロスを変化させ TCP のスループットを測定する工学実験の授業に役立てている.これらの実践について VITOCHA の解説を交えて報告する.
著者
本多 佑希
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2021-CE-160, no.13, pp.1, 2021-05-29

高校生を対象に,スマートスピーカーのアプリケーション開発を題材とした授業を行った.授業は全部で7回行い,前半は一つの単語に対して返答するものから,複数の単語を聞き分けて返答したり,乱数を用いてランダムに返答する題材を扱った.後半では,ユーザからの問いかけに応じて全国各地の天気データをWebAPIから取得し,晴れ・曇りなどの天気情報や,気温や湿度などの適切な情報を取得して返答する題材を扱った.開発したプログラムやスマートスピーカー,WebAPIなど複数のシステムが連携して動いている様子から情報システムを意識させることができた.今回は授業で扱った環境やプログラム例とともに,生徒へのアンケート結果やサポートを担当した教員へのインタビューについて紹介する.
著者
作花 一志 江見 圭司
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-134, no.20, pp.1-6, 2016-02-27

R プログラミングを用いた数値計算法について述べる.例として非線形方程式の解法,微分方程式の解法,3D 図形描画などを挙げる.
著者
井手 広康
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2021-CE-158, no.9, pp.1-8, 2021-02-06

2020 年 11 月に大学入試センターから平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した大学入学共通テスト「情報」試作問題(検討用イメージ)の提供があり,その翌月に情報処理学会がこれをホームページ上に公開した.本研究では,試作問題のうち第4問「交通渋滞シミュレーション」をシミュレーションの授業で取り上げるとともに,授業の前後で二度生徒に試作問題(第 4 問)を解答させた.生徒の解答を分析した結果,「複数のグラフを比較することができ,そこから情報を正確かつ瞬時に読み取る分析力」および「文章を正確に読み取り,何が問われているのかを瞬時に把握する読解力」が今後の授業において育成すべき資質・能力であることが明らかとなった.
著者
香西 省治 角谷 良彦 西田 知博 植原 啓介 萩谷 昌己 萩原 兼一
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2020-CE-153, no.24, pp.1-10, 2020-02-08

文部科学省の大学入学者選抜改革推進委託事業(情報分野)で研究開発した CBT (Computer Based Testing) システムを実装面から概説する.本事業の目的は,思考力・判断力・表現力を評価する「情報科」の試験問題を研究することである.この評価のためには,紙による出題よりプログラミング能力などを効果的に評価しやすい CBT による出題の方が試験問題の幅を広げることができると考えた.この CBT システムは,「CBTならでは」の試験問題を受験者に出題することを重視して,実際に作成された「CBTならでは」の模擬試験問題を一般化・仕様化し,その後発生する仕様変更にも柔軟に対応できるブラウザ型の専用システムとして開発した.この CBT システムは,出題する試験問題を確認する作問機能部,受験者が受験するための機能を持つ試験機能部,試験結果を採点・集計する採点・集計機能部の 3 論理サブシステムから構成される.CBT システムによる試験実施運用シーケンスに基づく各論理サブシステムの動作と,プログラミング問題,ゲームブック型問題等の特徴的な 5 形態の試験問題の処理を示すことを通して,開発した CBT システムがこの事業で研究した「CBTならでは」の試験問題を出題できることを示す.尚,2017 年と 2018 年に実施した実証実験では,主にサーバ負荷の面で問題は発生していない.
著者
東 奈々 江見 圭司
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-143, no.2, pp.1-4, 2018-02-10

クリエイターの育成システム (もしくは Web サイト) を制作するにあたり,効果的な教育方法を考察した.Pixiv に sensei という e ラーニングサイトがあり,sensei と pixiv 自体にもアクティブラーニングのための機能があるが使われておらず,パッシブラーニングのみの状態になっている.クリエイターの育成には,パッシブラーニングとアクティブラーニングを合わせたブレンディッドラーニングが最も効果的であるため,今回,アクティブラーニングを合わせたブレンディッドラーニングシステムを試作した.
著者
北村 美貴子 中谷 多哉子 村上 祐子 辰己 丈夫
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.5, pp.1-8, 2016-06-25

すべての都立高等学校が Web ページを開設して 8 年になる.東京都は Web サーバーを導入したり,CMS を導入したりして,学校現場に負担の少ない管理運営をさせるような予算措置を講じ,後押しをしてきた.しかし,都立高等学校の学校 Web ページは必ずしも満足に機能しているとは言えない学校が少なからず存在する.そのような学校が減少し,いかなるステークホルダもある程度満足できる学校 Web ページを構築するために何が必要か明らかにしたい.
著者
光永 法明
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2020-CE-153, no.21, pp.1-4, 2020-02-08

インターネットがインフラとして普及しその仕組みを中学校段階でプログラミングを通して学ぶよう次期学習指導要領で求められている.そのため,その教育に将来携わる中学校技術・家庭科技術分野の教員を目指す学生には十分な理解が求められる.そこで CGI プログラムの書き換えを通して動的なサービスを作り,学生が自分の PC でサービスを提供する経験ができる教材を作成したので紹介する.プログラミング言語は Python とし,ウェブサーバには Python の http.server モジュールを利用する.教材は CGI プログラムのサンプルとプログラムを解説するテキストから構成される.大学生向けの講義 (2 回生向け,受講生 11 名)で教材を利用したところ,教材に大きな問題はないと分かった.また受講生全員がプログラムのサンプルを改良し作品を作成する課題を提出できた.
著者
中鉢 直宏
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.12, pp.1-4, 2016-06-25

現在,ビックデータやビジネス・インテリジェンスなどの取り組みにより積極的なデータ利用が行われる様になってきた.データ従事者の日々の業務で入力されるデータの質が重要になってきている.そこで,本論文では,大学の一般情報教育において,データベースを学習するにあたって,情報システムにおけるデータベースの役割を理解するとともに,データ従事者として,彼らが入力するデータへの質について理解を促す学習方法を試みた.
著者
日戸 直紘 伊藤 恵 大場 みち子
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2019-CE-152, no.14, pp.1-8, 2019-11-08

多くの情報系大学において,Project-Based Learning (PBL) が広く取り入れられ,有効性や実践例が多数報告されている.一般講義と同様に PBL においても,講義設計や学び ・質の状況把握から講義改善や学びの支援を行うことが望ましい.プロジェクト途中段階での成果や達成度の把握,受講初期と終盤の学びの状況などのプロセスを評価する必要性があるが,それらの評価実施は難しい.我々はプロセスを評価し改善するモデルである能力成熟度モデル統合 (CMMI) に基づいた PBL のためのプロセス評価手法を開発し,本手法を用いた PBL の評価に関する研究を行っている.先の研究では,開発した評価手法を用いて,実際に本学で実施されている PBL に適用して有効性を示した.しかし,この手法では学生自らが自己評価を行うことから評価結果の客観性や妥当性に課題が残る.本論文では,これらの課題解決を目指し,PBL で利用されるコミュニケーションツールと開発ツールに着目し,ツール群の可視化情報を利用したPBL のプロセス評価方法を提案する.先の研究と同様のプロジェクトを実験対象として,従来手法と本論文で提案する手法を用いた場合の実験結果の比較分析を行った結果と考察について報告する.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 高木 正則 富澤 浩樹 阿部 昭博
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2019-CE-151, no.5, pp.1-8, 2019-09-28

本学部では e ラーニングによる入学前教育を実施しており,プログラミングの課題も含まれている.本研究では,受講対象者である高校生をチューターと学習者に分け,学習者が作成したプログラムに対して,チューターが確認を行うためのオンライン上の学習環境を構築した.そのシステムは,学習者がビジュアル型言語でプログラムを作成して提出するまでの履歴を記録し,チューターがプログラムや履歴を確認して学習者にフィードバックを行うことを支援する.構築した学習環境を用いて入学前教育で試行した結果,チューターの確認とフィードバックにより,学習者のプログラムの改善が見られた.一方で,履歴を提示することはチューターの役に立っていたが,プログラムの確認やフィードバックには不十分な点が見られるなどの課題が残った.その課題を踏まえ,システムの改善について検討した.
著者
宮崎 誠 冬木 正彦 三矢 晴彦 栗原 星史 奥田 高広 植木 泰博
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2017-CE-142, no.12, pp.1-5, 2017-12-01

CEAS3 の UI をマルチデバイス ・ モダンブラウザに対応した CEAS10 の開発に続き,CEAS10 のバックエンド部を Ruby on Rails の開発フレームワークを使い,Ruby で書き直すことで実装を最新にした OpenCEAS を開発している.MVC モデルに基づいた設計を充分把握することで View の改修 (CEAS10 の開発),Ruby on Rails によるソースコードの書き換え (OpenCEAS の開発) の 2 段階に分けたモダナイゼーションを実行することができており,1 度に開発する場合と比較して失敗するリスクが少ないと考えるシステム開発手法をとることができた.また,Ruby on Rails の DRY 原則,CoC,REST 原則といった基本理念に沿って開発することでソースコードが最適化され,コード量を大幅に削減できた.また,OpenCEAS のソースコードは,将来オープンソースにすることでシステムが広く普及することを目指しており,公開にあたっては,自由度の高い MIT ライセンスを採用する予定である.
著者
水谷 晃三 高井 久美子
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2015-CE-132, no.34, pp.1-8, 2015-11-27

プログラミングは知識だけでなく実際にソースコードを作成する技能も同時に必要となる.プログラミング授業を動画教材による反転授業とする場合はソースコードの作成を伴うような事前学習が理想的である.筆者らは,効果的な反転授業のモデルを検討するため,(1) 授業中に行っていた講義に相当する動画教材を用意し事前学習を行うように指導,(2) 授業時間中の講義は一切行わず受講者は演習課題に取り組む,という反転授業を,プログラミング初学者を対象とした授業で試みた.本論文ではその実践報告と評価結果について述べる.
著者
志賀 栄文 渡辺 博芳
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-133, no.15, pp.1-8, 2016-02-06

高等学校において自主学習の習慣を持たない生徒が増えてきている.そこで,生徒が学習目標を達成するとともに,学習の自己管理を身に付けることができるような授業を行うことが重要となる.本研究では,プロジェクトマネジメントの手法を参照して,生徒が自主学習の管理を行う授業方法を提案する.具体的には,生徒へ自主学習計画案を提示し,それに沿った形での計画的学習を実施しながら,実際の学習計画に対する実績の振り返りを行い,計画の見直しや再学習計画の有無を確認し対処した上で,次の計画的学習へ取り組みを進めることを目指す.この学習サイクルの管理をガントチャートや進捗会議を通して,目標達成までの自主学習の取り組みの把握ができるよう授業の設計を行った.この授業設計に基づいて,2014 年度から 2015 年度に改善をしながら,授業実践を行い,その効果を検証した.
著者
飯尾 淳 石山 泰弘 佐藤 紀子 和井田 理科
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2017-CE-141, no.5, pp.1-8, 2017-10-27

人間中心設計推進機構 (HCD - Net) では,各種の製品やサービスをデザインする企業における人間中心設計 (Human - Centered Design, HCD) の普及を推進する活動を実施している.その一環として,人事部門など企業内の教育に関する部門内に,HCD の概念と方法論そのものを教育 ・ 啓発する活動を促進することを計画した.そこで,HCD 教育の実践者を増やすための活動グループとして,講師拡大ワーキング ・ グループが設置され,現在,精力的な活動を続けている.その成果として,まず,入門教育のコンテンツを作成し,いくつかの組織において試行を始めたところである.本報告では,入門教育コンテンツ作成の概要と,実際の試行結果について報告する.
著者
山根 信二 西田 雅哉
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-145, no.3, pp.1-4, 2018-06-02

クエスト授業 (Quest-based Learning) を支援する e ラーニングシステムの試実装と評価を行なった.まず QBL 支援システムの必要性について述べ,次に北米のゲーム産業と大学教育との連携によるクエスト授業の事例について述べる.必要とされる機能を実現するために従来の LMS のモジュールを拡張することで QBL を支援する学習システムを構築した.プロトタイプ評価として,北米の大学におけるゲーム開発 ・ プログラミングの QBL 科目の日本版の教材を開発 ・ 試運用して評価を行なった.ゲームデザインの観点から,クエスト学習支援するマップ機能を新たに考案し開発を行った.最後に e ラーニングとゲームデザインの視点から今後の課題について議論を行う.
著者
エディリシンハ チャトリカ 和田 勉
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-144, no.13, pp.1-5, 2018-03-10

登壇発表者の出身国であるスリランカの教育制度,情報教育特に初中等情報教育,および情報分野の入学試験 ・ 検定について調査した結果と考察を報告する.文献やインターネットを通じた予備調査により明らかになった,スリランカの教育制度,初中等情報教育,および情報分野の入試 ・ 検定を報告する.あわせて日本の情報教育制度との違いを考察する.なお発表時には,本予稿執筆のあとで行った現地調査から得られた結果もあわせて報告する予定である.
著者
長瀧 寛之 白井 詩沙香 兼宗 進
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-144, no.19, pp.1-6, 2018-03-10

本稿では,データベース作成実習での利用を想定した,データベースと連携する Web インタフェースを構築可能な実習用ツールについて紹介する.本ツールは,高等学校の共通教科 「情報」 や大学の一般情報教育におけるデータベース学習において,データベースと連動する Web サービスの作成を行う実習での利用を想定したものである.Web アプリケーション開発経験がない学習者でも,データベースと連動した簡易な Web ツールを作成できる環境を提供することで,実社会でのデータベースや情報システムの仕組みと意義について体験的に理解できる学習活動の実現を目指す.また本ツールは,データベースとして著者らが以前より開発している sAccess と連携する仕組みになっており,本ツールと sAccess を合わせることで,限られた時間の中でもデータベース操作から設計,簡単な Web サービスの構築までを体験する実習活動の実現が期待できる.報告では,本ツールの概要について技術面や工夫点について述べるとともに,実際の授業に適用した結果をもとに本ツールの有用性と課題について議論する.