著者
長瀧 寛之 中野 由章 野部 緑 兼宗 進
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.2-15, 2014-01-15

リレーショナルデータベースに対する問合せ処理を,ウェブブラウザ上から対話的に操作できるオンライン学習教材sAccessを開発した.特徴として,射影,選択,結合などリレーショナルデータベースの基本操作に1対1対応した操作体系や,それらの処理の前後のデータテーブルを画面上で確認しながら処理を進められる点があげられる.本論文では,主に高校の共通教科「情報」などの非情報系の学習者を対象とした情報教育において,データベース学習で必要になる要件を検討し,提案するsAccessの設計と実装について説明を行う.そのうえで,従来授業などでデータベース学習に用いられてきたツールとの比較を行うことで,sAccessの利点と課題について議論する.
著者
岡本 幸 長瀧 寛之 齊藤 明紀 都倉 信樹 増澤 利光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.13, pp.55-62, 2003-02-07
被引用文献数
2

大学において電子ポートフォリオを利用する場合 学生に加え各講義の担当教官 技官 ティーチングアシスタントなど様々な立場の利用者が存在するため きめこまかいアクセス制御を実現する必要がある.また多数の学生や講義が登録されるため 検索機能が充実していることが必要である.本研究ではこれらの要求を満たす電子ポートフォリオシステムを設計 試作し 運用により評価を行なった.本システムは リレーショナルデータベースにデータを保管し Web上で使用することができる.If an electronic portfolio system is used in universities, complicated access control is required because there are various users such as students, teachers of each lecture, teaching assistants and so on. Moreover, since the number of students and lectures is very large, the system must have powerful search and sort functions. We designed and implemented a student portfolio system suitable for an university. We also applied it to a few courses in two universities and evaluated it. This system keeps data in a relational database, and it can be used on the web.
著者
長瀧 寛之 野部 緑 中野 由章 兼宗 進
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2012-IS-121, no.4, pp.1-8, 2012-09-03

情報システムにおいてデータベースは重要な役割を占めているにもかかわらず,高校教科 「情報」 など一般情報教育においては,演習実施への敷居が高いなどの理由で,データベースが学習トピックとしてほとんど取り上げられていないのが現状である.本研究では,一般情報教育においてデータベース学習を容易に行える環境を提供することを目的に,コンピュータにおけるデータ操作の基本を体験的に行える学習用 Web ツールを提案する.本ツールは実際の一般情報教育の現場において授業実践を行い,そのフィードバックをもとにツールの改良を続けている.本稿では本ツールの概要とその工夫点を説明し,データベース学習活動への有用性について議論する.
著者
長瀧 寛之
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.3, pp.1-8, 2010-07-03

本稿は,著者が現在岡山大学にて開講中の授業科目 「テレビゲームからみる情報科学概論」 の実践についてその概要と現在までの実践結果を報告するものである.本科目は学部 1,2 年生を対象とした教養教育科目であり,工学系の知識に馴染みが薄い学生も履修生となり得る.そのため,情報科学の学問的側面を直感的に伝える方法として,テレビゲームを具体例として多用する講義スタイルを考えた.現在進行中の科目であるが,アンケート結果からは,情報科学への興味や学習意欲の向上について学部を問わず好意的な反応が得られている.This paper presents an abstract of "Introduction to Computer Science through video games", an introductory course of computer science for liberal arts. This course provides students with basic knowledge of computer science through many examples of video games. This course is designed for students who are interested in video games or computer science. This is an on-going class of 2010 liberal arts at Okayama University. Many students attending the class evaluate that connecting computer science with video games helps them to understand computer science easily.
著者
白井 詩沙香 上田 真由美 小野 淳 兼宗 進 竹村 治雄 長瀧 寛之 西田 知博 村上 正行
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では,高等学校の共通教科「情報」および大学の一般情報教育において,主体的・対話的で深い学びを実現するために,体験的な学びを通して情報の科学的な理解を促進する教材と授業内外の学習活動を効果的に活用した授業モデル,ならびに多様な学びを対象とした自己調整学習支援環境を設計・開発し,その効果を検証することを目的とする。この目的を達成するために,(1)共通必履修科目「情報I」を対象に,体験的な実習教材および反転授業を取り入れた授業モデルの開発と評価,(2)新学習指導要領を踏まえた大学の一般情報教育の授業設計,(3) 多様な学習活動データに基づく自己調整学習支援環境の開発と評価に取り組む。
著者
長瀧 寛之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.e38-e49, 2022-04-15

本稿は,連載「教科「情報」の入学試験問題って?」の記事として,一般情報教育委員会の公開する大学情報入試全国模擬試験からデータベースを扱う問題を取り上げ,その問題と解答の過程を解説する.高等学校情報科「情報I」の履修をベースとしてデータベース問題に臨む前提で,求められる理解のポイントなどを踏まえた解説内容としている.
著者
長瀧 寛之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.738-741, 2018-07-15

筆者が大学の教養教育科目にて実践した,反転授業スタイルを取り入れた情報リテラシー教育の授業実践について報告する.約8週間に60分×15回という授業時間枠,各自のノートパソコン持参もしくは固定端末室で実施という計算機環境,また前提知識のばらつきが大きい履修者状況において,知識獲得と実習活動を両立させる必要から,知識獲得はビデオ視聴による授業時間外学習で行い,授業時間内はコンピュータを積極的に活用した活動を主体する,反転授業スタイルの授業を実践した.
著者
長瀧 寛之 白井 詩沙香 兼宗 進
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-144, no.19, pp.1-6, 2018-03-10

本稿では,データベース作成実習での利用を想定した,データベースと連携する Web インタフェースを構築可能な実習用ツールについて紹介する.本ツールは,高等学校の共通教科 「情報」 や大学の一般情報教育におけるデータベース学習において,データベースと連動する Web サービスの作成を行う実習での利用を想定したものである.Web アプリケーション開発経験がない学習者でも,データベースと連動した簡易な Web ツールを作成できる環境を提供することで,実社会でのデータベースや情報システムの仕組みと意義について体験的に理解できる学習活動の実現を目指す.また本ツールは,データベースとして著者らが以前より開発している sAccess と連携する仕組みになっており,本ツールと sAccess を合わせることで,限られた時間の中でもデータベース操作から設計,簡単な Web サービスの構築までを体験する実習活動の実現が期待できる.報告では,本ツールの概要について技術面や工夫点について述べるとともに,実際の授業に適用した結果をもとに本ツールの有用性と課題について議論する.
著者
長瀧 寛之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.47-50, 2012-12-15

一般情報教育における「情報の科学的な理解」への興味を喚起し理解を促進する授業手法として,著者はコンピュータゲームを積極的に資料として用いる講義形式の授業手法を構築し,実際の教養教育の現場で実践している.本稿では実際に著者が2010年度より所属大学で開講している「テレビゲームからみる情報科学概論」の授業概要とその実践結果について紹介し,コンピュータゲームを情報教育に活用することの利点と今後の課題ついて議論する.
著者
長瀧 寛之 永井 孝幸 都倉 信樹
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.5_8-5_14, 2007 (Released:2007-10-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1

This paper reports trials to record all possible lectures and to deliver on demand the recorded video contents in the Department of Information Systems at Tottori University of Environmental Studies. Main features of the efforts by the department are summarized as follows : (1) Every possible lecture is recorded and delivered on demand. (2) The activity is done at reasonable initial and running costs. (3) Voluntary students and teachers work together as technical and management staff without university staff. For the fiscal years 2004 and 2005, more than 1000 lectures, each of which lasted 90 minutes were recorded successfully, and the total running cost was less than 2-million yen, including the maintenance cost and payment. In this paper, we describe how we realized the three features, and analyze the details of the costs.
著者
長瀧 寛之
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.16-21, 2011-12-01 (Released:2014-09-01)

著者は2010年度から岡山大学において,教養教育科目「テレビゲームからみる情報科学概論」を開講している。これは様々なコンピュータゲームの具体例を題材として,それらの特徴を情報科学の視点から概観しようとする点が特徴である。本稿では,特に教養としての情報教育の教材としてゲームを用いるに至った経緯と,2010年度と2011年度に実践した授業の概要を紹介し,本科目が学習者に情報科学への興味を引き出す効果があったことを確認する。
著者
北村 英純 長瀧 寛之 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.536, pp.47-52, 2003-12-12

本研究では,高等学校の教育活動において作られるコンテンツを保存するポートフォリオシステムの開発と評価を行った.このシステムを使うと,生徒及びクラス担任と教科担任は,保存されているコンテンツをそれぞれの役割に応じて閲覧でき,生徒の自己評価と,教師による生徒の学習状況の把握に役立てられる.我々は教育を2カテゴリ4領域(アクティビティ:教科活動,自主活動,及びヒストリ:自分の歴史,学校の歴史)に分類した.本ポートフォリオは,その領域分類に従ってコンテンツを保存し,そのコンテンツに対して2種類の閲覧環境,つまり領域を分離した環境と領域を統合した環境を提供する.前者は領域ごとの学習状況を把握するため,後者は学習活動全般を閲覧するためのものである.とりわけ,統合した閲覧環境では各カテゴリに保存されているコンテンツが相互に情報を補完し合うので,生徒は自分の記憶にある情報も呼び起こすことができる.
著者
青木 志乃 長瀧 寛之 大下 福仁 角川 裕次 増澤 利光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.3, pp.79-84, 2009-01-15

本稿では,協調学習において議論活動を行う学習者に対し,多角的な視点から議論をさせるための助言を与える議論支援システムの提案を行う.本システムは複数グループがチャットを用いた同一テーマの議論を行うことを想定しており,各グループの学習者は議論前に WWW から収集した Web ページを調査資料として提示しつつ議論を行う.本システムは,議論中の発言と提示された資料を基に,複数グループの議論の状況を計算機によってリアルタイムで把握し,状況に応じた助言を各グループに対して自動的に行う機能を実現する.本システムによって,各グループは調査資料収集時に得られなかった情報や異なる見解の意見を他グループから得ることができる.また,提案手法を実装し評価実験を行った.評価実験の結果,本システムが学習者に未知の情報を与える事ができると判明した.In this paper, we propose an online discussion system for collaborative learning which advises a group on information of other groups. The system supports collaborative learning of the following style: Learners search useful online documents on the Web in advance. Then, they are divided into groups and simultaneously discuss online with the system, like online chat. The system gives online discussion space in which learners easily make use of online documents, and at the same time, the system identifies the topic of each group's discussion. If the system catches a group whose discussion is not active, the system gives the group a suitable document which was referenced by someone in other group with his/her words which were said near the words referencing the document. This paper reports outline of implementation of the system and evaluation of test operation.