著者
五十嵐 靖則
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 71.2 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.3155, 2016 (Released:2017-12-05)

前回は、電磁誘導起電圧の発生機構の説明について誤解や混乱を回避する方法を提案した。今回は、「電磁誘導起電圧の働き」についての高校や大学の物理テキストに見る誤解や混乱を指摘するとともに、正しい理解の仕方を具体例を示し提案する。
著者
菊池 誠 永田 新太郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 71.2 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.3136, 2016 (Released:2017-12-05)

進化的に作られた生命現象がどれほど珍しいかを考える試みの一つとして、タンパク質折れたたみのファネル的エネルギー景観の珍しさを検討した。折れたたみ過程を抽象化したランダム・グラフ上のランダム・エネルギー・モデルを考える。エネルギーが下がるノード間遷移だけで変性状態から天然構造へ到達できるものを理想ファネルと呼ぶ。グラフに対する理想ファネルの実現確率を求め、その分布から「珍しさ」を議論する。
著者
菊池 誠
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.3121, 2017 (Released:2018-04-19)

生命現象の「珍しさ」を理解する第一歩として、タンパク質のFolding Funnelがどれくらい珍しいかを調べている。タンパク質折れたたみの構造空間をランダムネットワークで表現し、各ノードにランダムにエネルギーを与えたモデルを考える。たくさんのネットワークに対し、エネルギー構造がファネル的になる確率を数値計算によって求め、分布を調べる。分布を厳密に数え上げられるサイズを扱った前回に続き、より大きなネットワークをモンテカルロ法で調べた結果を発表する
著者
尾崎 翔 木村 太郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.174, 2017 (Released:2018-04-19)

最近、不純物として重いクォークを含んだ高密度及び強磁場中のクォーク物質に近藤効果が現れることが議論されている。これまでの解析は摂動的な方法を用いていたため、近藤スケール以下では結合定数が発散してしまい、赤外領域での解析が困難であった。我々は、高密度あるいは強磁場中のQCDが1+1次元になることに着目し、厳密に解ける1+1次元共形場理論を用いて近藤温度以下でのQCD近藤効果を非摂動的に解析した。本講演では、QCD近藤効果の赤外固定点及びその近傍における様々な物理量を示す。