- 著者
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李 東真
- 出版者
- 記録管理学会
- 雑誌
- レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, pp.29-44, 2012
動的映像は、歴史や過去の事象を生々しく伝えることのできる資料として高い価値を有する。動的映像を研究資料としてまたは、創作活動の素材として利用するためには、動的映像を収集して、利用できる形に整理する、つまり組織化する必要がある。ニュースや映画などの完成作品としての動的映像は、提供元などが提示した情報を基に目録規則に従い記述することで組織化できる。一方で、素材もしくは半製品として存在する動的映像を記録として組織化する場合、動的映像そのものから目録、メタデータに対応する情報を生成することが求められる。動的映像資料の利用者研究を考察することにより、「制作者」、「タイトル」、「主題」がアクセスポイントして有効であること、さらに「制作者」、「タイトル」が与えられない素材、未完成・未公開作品などの動的映像から生成可能な情報は「主題」であることが示された。しかし、動的映像そのものからの主題を生成する場合、イメージを語で表現する作業を伴うことから、本稿ではさらに、その際に生じる問題点を考察、分析した。その結果に基づき、問題点を1)抽出する動的映像の階層レベル、2)抽出する素性の抽象度、3)抽出された主題の表現法の3つに分類した。