著者
本武 陽一 池上 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2C3OS06b4i, 2015 (Released:2018-07-30)

DNNの内部に、学習データの性質に応じた階層的構造が組織化されることが示唆されている。本研究では、この構造を議論するため、与えられた画像毎に階層間のヤコビアン行列を計算し、その特異値分布を算出した。現在、教師ありで学習された畳み込みネットにて、情報の抽象化を示す急勾配な特異値分布が観察されている。発表では、この結果とRifaiらがCAEで検討した多様体仮説との関連や、他の解析結果を議論する。
著者
田村 吉宏 鶴崎 泰斗 高瀬 裕 中野 有紀子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.1N22, 2015 (Released:2018-07-30)

独習型の教育システムでは,学習者の興味や進度に合わせた個人適応型学習コンテンツの生成が重要な問題の1つである.本研究では,Wikipediaを用いた歴史上の人物に関する質問応答システムを作成し,学習者が興味のある事項をこのシステムに聞くことにより,学習できる環境と,システムとのやり取りの中で話題になった事柄について,同じくWikipediaを用いて多肢選択問題を生成する機構を提案する.
著者
矢向 正人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2C4OS21a5, 2015 (Released:2018-07-30)

音楽の多くが歌詞を伴う歌であることからわかるように、音楽と言語はともに分節的特徴と韻律的特徴とを持ち、発生段階から今日に至るまで密接に結びついてきた。音楽学ではこの結びつき方の多様性を、音意味同型性や身体性の認識方法を示しながら、研究対象としてきた。今回は、音楽起源論、音楽史学、音楽理論、民族音楽学、音楽美学がそれぞれ音楽と言語の関係をどう捉えてきたかについて述べる。
著者
高橋 英之 寺田 和憲 上出 寛子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2K5OS14b2, 2015 (Released:2018-07-30)

その実在の議論とは別に,我々がかみさまを知覚する際に,他者やエージェントを知覚するのと同様な神経回路を用いていることが近年示唆されている.我々は,宗教,そして神は古代から人が作り上げてきた最も成功したHAIの一つであるという仮説を提起し,その誕生と機能について,宗教の歴史や形態と既存のHAI研究との比較を行いながら議論を行いたい.
著者
鈴木 克明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.1B3CS3, 2015 (Released:2018-07-30)

This paper describes a trajectory of research by Roger C. Schank, who once proposed Case-based Reasoning. His interest in education and training moved himself to establish Institute of Learning Sciences at Northwestern, where he proposed Goal-based Scenarios (GBS) as an instructional design theory for creating story-based learning materials. GBS was then expanded to Story-centered Curriculum to make GBS scalable to the design of an entire curriculum that facilitates learning based on CBR. Design-based research for bridging AI models to the design of educational practices will be discussed.
著者
鈴木 宏昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.1B4CS1, 2015 (Released:2018-07-30)

The present paper aims at the collaboration of cognitive science and artificial intelligence. Contrary to the traditional notion of intelligence, recent development in cognitive science has revealed that human cognition is closely tied with its body, emotion, and the environment, to generate adaptive actions. These findings are partly paralleled with those in artificial intelligence. Realizing the commonalities would trigger the reunion of the two research communities.
著者
ムハマド ホリルロハマン 湊 真一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.4E11, 2015 (Released:2018-07-30)

与えられたグラフのオイラー路を高速に列挙索引化するアルゴリズムを提案する。このアルゴリズムは、KnuthのSimpath法を拡張したもので、有向非巡回グラフ(DAG)を用いて各辺の接続関係を圧縮して表現することにより、高速な計算を実現した。本手法により、膨大な個数のオイラー路を、現実的な時間で正確に数え上げることが可能となった。
著者
塩田 智也 寺田 和憲 栗原 一貴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2K5OS14b4, 2015 (Released:2018-07-30)

マナー違反者を直接咎責することは対人関係の悪化を嫌悪した結果ためらわれる.我々は,対面状況において過剰な情動反応を抑制するためにコミュニケーションチャネルからエージェンシーを削減する「脱エージェンシー」という概念を提案している.本研究では,「インタラクション対象が機械である」というトップダウン認知を利用した脱エージェンシーによって咎責嫌悪感を低減させられることを心理実験で示した.
著者
大村 英史 片上 大輔 湯浅 将英 小林 一樹 田中 貴紘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2K4OS14a4, 2015 (Released:2018-07-30)

雰囲気は環境から知覚される情報の総体であり,知覚される情報を定量的にコントロールすることは,任意の雰囲気のコントロールと同義であると私たちは考える.この考えから,エントロピーに基づいた確率分布により,人が知覚する情報量を操作するシステムを実現した.このシステムを音楽,表情,図形といった異なるメディアに実装したところ,定量的に人が知覚する情報を操作でき,さらに雰囲気の制御が可能であることを確認した.
著者
鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.3I4OS02b3, 2015 (Released:2018-07-30)

本発表では,研究活動にゲーミフィケーションを適用することで,機械的な取得が難しい知的活動や行動の達成度といったライフログを手動で入力することを促すとともに,知的活動の状況の可視化を通じて,楽しみながらその活性化・効率化を図るためのシステムである「卒論ウォッチ」について紹介する.実運用を通じて得られた結果を報告するとともに,この種のHuman-in-the-loop型システムの可能性を議論する.
著者
貫井 駿 村田 剛志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.1C55, 2015 (Released:2018-07-30)

ソーシャルメディアの多くは,ユーザ,リソース,タグからなる3部ネットワークとして表現できる.コミュニティ抽出はその構造を理解する手法である.しかし,大規模な3部ネットワークから高速にコミュニティを抽出する手法はまだ確立されていない.本研究では,Louvain法でエッジをクラスタリングし,ノードにコミュニティを割り当てるという方法で,劇的に高速かつ精度もあまり劣らないコミュニティ抽出手法を実現した.
著者
松香 敏彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.4B1CS1, 2015 (Released:2018-07-30)

The present paper introduces some key theories and phenomena about “ concept ” known among cognitive scientists to researchers in Artificial Intelligence. First, how natural categories are internally represented in our mind is discussed. It may sound counterintuitive, but many behavioral and modeling studies indicate that categories are represented by collection of unsorted exemplars, but not rules nor prototypes. Second, the hierarchical structure of categories is discussed. Although people generally can use taxonomic relations in inferences and reasoning, there are some evidences that category hierarchy is not stored in our memory, but is computed during inferences and reasoning. Third, two theories about symbol systems, namely amodal symbol systems (ASS) and perceptual symbol systems (PSS) are discussed. While a modular and amodal semantic memory is the main vehicle of knowledge in ASS, multi-modal perception, action, and affection in the brain ’s sensory-motor system is the key vehicle in PSS. Although, many theories on categorization and concept in cognitive science are built on the basis of ASS, its limitation and PSS ’s potential advantages are discussed.
著者
大西 真輝 澤井 裕一郎 駒井 雅之 酒井 一樹 進藤 裕之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.3O13in, 2015 (Released:2018-07-30)

近年,インターネット上での失言をきっかけに,誹謗中傷や非難が殺到する「炎上」と呼ばれる現象が大きな社会問題となっている.そこで,我々はTwitter上の発言を対象に炎上抑制を目的とする包括的なシステムを構築した.システムは,入力文に対し炎上判定を行い,必要に応じて予想される返信文の提示と炎上する表現を訂正した文の提案を行う.利用者は,炎上の危険性と,未然に防ぐ知見を得ることが予想される.
著者
丸山 典宏 岡 瑞起 阿部 洋丈 池上 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.4L13, 2015 (Released:2018-07-30)

本研究はネットワークシミュレータを用いてTCP/IPネットワーク上の新しい学習モデルを提案する。これはEcho State Network, reservoir computationといったRNNの教師あり学習機を基礎としており、学習でアウトプットの重みのみ調整すればよいという特徴を持つ。インターネットは内部に複雑なダイナミクスを持ち、reservoirとして実装・計算を行うに理想的である。
著者
久木田 水生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2I5OS17b3, 2015 (Released:2018-07-30)

道徳的な意志決定は人間の知的活動の重要な一部であるように思われる.では人工知能はそのタスクを人間に代わって遂行することができるのだろうか? アメリカでは実際に道徳的意志決定を人工知能に遂行させる研究が行われている. 本発表では道徳的意思決定を人工知能に遂行させることに関する技術的・倫理的問題,特に人工知能とは異なる独自の困難について考察する.
著者
窪澤 駿平 渡辺 太郎 隅田 英一郎 岡田 将吾 新田 克己
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2C1OS06a5, 2015 (Released:2018-07-30)

ニューラルネットワークにおいて,汎化性能向上のために深層構造が用いられる様になった.一方で,各層においてデータセットの大域的な特徴を捉えることが可能であれば,少ない層数でデータセットを表現可能である.そこで本研究では,級数展開に基づくネットワーク構造を用いることで大域的な特徴を捉え,さらに汎化性能を上げるために周波数領域での正則化を行うアプローチを提案する.
著者
小林 のぞみ 平野 徹 東中 竜一郎 牧野 俊朗 松尾 義博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2L34, 2015 (Released:2018-07-30)

我々は,パーソナライズ可能な音声対話エージェントの実現に向け,ユーザが自身について述べた情報(ユーザ情報)を扱いやすい形で抽出することを進めている.本発表では,ユーザ情報抽出の一部として述語項構造抽出を対象に,特にシステムの質問とユーザの回答(質問回答ペア)に着目し,従来の述語項構造解析では抽出できない問題について述べ,その解決方法を提案する.
著者
堀井 隆斗 長井 志江 浅田 稔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2D3OS12b4, 2015 (Released:2018-07-30)

人は発汗や心拍変動などの生理反応を,連続的な情動の変化として捉えることができる.本研究では,基本6情動を前提とした離散的な状態推定ではなく,複数の時系列生理指標をノンパラメトリックベイズモデルによって解析し,情動遷移のダイナミクスを推定することで,情動の変容メカニズムを明らかにすることを目的とする.本稿では,情動喚起刺激提示時の情動遷移ダイナミクスを推定し,提案手法の有用性について検証した.
著者
中村 友昭 安藤 義記 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2D3OS12b1, 2015 (Released:2018-07-30)

これまでロボットが取得したマルチモーダル情報をカテゴリ分類することで,物体概念を形成する手法を提案してきた.しかし,我々が用いている概念は物体概念だけではなく,色を表す概念や,硬さを表す概念など物体の特徴を表す概念も存在している.そこで本稿では,HDPにCRPによるモデル選択を導入し,物体だけではない様々な概念を同時に形成する手法を提案する.
著者
西銘 大喜 遠藤 聡志 當間 愛晃 山田 孝治 赤嶺 有平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.3L43, 2015 (Released:2018-07-30)

本研究では、ディープニューラルネットワーク(DNN)と表情画像を用いて喜び、悲しみ、驚き、怒り、嫌悪、恐怖、無表情の7感情の推定を行う。6層のDNNでは、65%の認識精度が確認され精度が良い表情は喜び、驚き、無表情の3種類であった。人間との比較実験でも同様の結果が確認され、画像だけの情報では悲しみ、怒り、嫌悪、恐怖の4感情は認識が難しいと考えられる。より多層のDNNを用いた実験と共に報告する。