- 著者
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郡 隆之
- 出版者
- 日本外科代謝栄養学会
- 雑誌
- 外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.2, pp.79-84, 2018 (Released:2018-08-23)
- 参考文献数
- 11
Enhanced recovery after surgery(ERAS©)は「周術期管理の質」を高め手術患者が早期に回復するために開発されたプロトコルである.ERAS© を実践することはチーム内の各職種の役割を明確化することにつながるため,当科ではERAS© をベースとしたチーム医療を実践している.現在当科では,医師,看護師,薬剤師,リハビリテーション部門,歯科衛生士,栄養士,手術室,入退院調整部門,病棟クラーク,栄養療法チーム,感染対策チームで入院患者管理のチームを構成して術後回復強化を行っている.チーム医療を機能させるためのシステムとして,1)各職種の役割分担の明確化と権限委譲,2)入退院センターによる事前準備,3)多職種病棟カンファランスによる情報共有と戦略立案,4)多職種による病棟回診を構築している.周術期管理は医師と看護師だけではなり立たなくなっており,チームを編成し密な連携のもと役割分担することで効率よく周術期管理ができるものと思われる.