著者
味八木 崇 暦本純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.775-781, 2010-07-15
被引用文献数
4

身の回りのすべてのものがネットワークに接続される環境が現実的なものとなりつつある.単一のセンサから得られる情報の価値は限られているが,それをネットワークを介して大規模に集約させていくと新たな価値や意味が生まれる.本稿では,実世界センシングとその大規模知識集約について述べる.特に,ヒューマンインタフェースの観点から,近年の応用例とともに筆者らのグループが取り組んできたWiFiによる位置測位システムPlaceEngine,それを基盤としたライフログプラットフォームLifeTag,環境センシングについての取り組みを紹介する.
著者
月本 洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.1237-1242, 2006-11-15
参考文献数
4
著者
富田 文明 高橋 裕信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.p650-659, 1990-05-15
被引用文献数
8

すべてのステレオシステムは,正しいカメラパラメータが得られていると仮定している.実際,これらのパラメータは既知のテストパターンを用いて事前に計算することができ,これをカメラキャリブレーションという.しかし,事前にキャリブレーションを行ったとしても,距離測定精度の観点からはまだ不十分であるこれは,キャリブレーションには必ず誤差が存在するし,また,キャリブレーション後にいくつかのパラメータが変化してしまうからである.たとえその誤差が微小であったとしても,対応点を求める場合にも,また距離を計算する場合にも,その影響は大きいのである.かと言って,検測するたびにテストパターンを撮影し,キャリブレーションをやり直すことは,特に,偏咳運動によって注視点を変えるステレオカメラや移動ロボットに搭載されるステレオカメラにとっては非現実的である.したがって,未知の観測データから現在のカメラパラメータを自律的に計算するセルフキャリブレーションは,現実のステレオシステムには必要不可欠のものである.本論文では,ステレオ画像の境界線表現に基づいてセルフキャリブレーションを行う方法を提案し,その実験結果を報告する.
著者
羽中田 賢治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.33-41, 1976-01-15

かつて科学技術の王座をしめたことのあるドイツが,情報処理という新しい分野の発展に対してどのような態度で臨んでいるかということは,非常に興味深いことかもしれない.ここでは西ドイツ政府の第二次情報処理計画による教育及び研究促進について,その構造と実情を報告する.
著者
登 大遊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.1057-1062, 2004-10-15
被引用文献数
10
著者
岡田 直之 中村 順一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.259-270, 1994-03-15

機械処理に必要な文法データを初級英語を素材として作成する方法と、辞書データを概念間の関係を考察することにより作成する方法について解説する。最後に辞書作成の自動化についても紹介する。
著者
石畑 清
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.539-545, 2003-05-15
被引用文献数
1

今回は,2002年11月,金沢大会の問題G「True Liars」を取り上げる(問題はhttp://www.kitnet.jp/icpc/参照).孤島に嘘つき人間と正直人間が住んでいる.見かけからは各人がどちらに属するか分からない.いくつかの質問をして,それに対する返答から,誰が正直で誰が嘘つきかを明らかにするという趣旨である.論理パズルによく見る設定だが,プログラミングの問題としてもなかなか面白い.
著者
広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.984-991, 1997-11-15
被引用文献数
7
著者
山西 健司 森永 聡 松村 憲和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.830-836, 2007-08-15
参考文献数
8
被引用文献数
1

本稿では,テキストマイニング技術を用いてCGM(consumer generated media)情報から知識化を行う枠組みについて解説する.CGMマイニングにおいては,1)トピックのダイナミクスを捉えること,2)トピックの共通文脈を捉えること,3)分散へテロな情報を俯瞰すること,といった問題が重要である.これに対して,それぞれ,動的トピック分析,文脈マイニング,分散協調マイニングといった技術によって解決できることを示す.本枠組みの有効性を,BIGLOBE旬感ランキングにおける事例などを用いて示す.
著者
横山 孝文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.143-146, 2006-02-15

放送と通信の融合が大きくとりあげられるようになり,著作権が大きく注目されるようになった.放送番組などの映像コンテンツは,原作・脚本・音楽・実演家など複数の権利を利用することによって構成され,権利の固まりとよく言われる.また,同じ知的財産権でも特許権などが産業的なモノを扱うのに対して,著作権は文化的なモノを扱っていることから,一見抽象的で複雑なように思われるかもしれない.さらに,ネットに放送番組がなかなか出てこないことにより,放送事業者が番組を出し惜しみしているのではないかという声もある.そこで,放送をいろいろな角度から整理しながら,今一度、放送番組における著作権について考察する.
著者
宍戸 周夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.558-559, 1998-06

オラクルを筆頭にサン・マイクロシステムズ, IBMなど反マイクロソフト, 反ビル・ゲイツ陣営が「打倒Windows」の旗印にしているのがネットワーク・コンピュータ(NC), Windowsのように1台1台のパソコンに重装備のOSを搭載するのではなく, ネットワークを経由して遠隔地からアプリケーションを供給, 低価格, 軽量のコンピューティング環境を実現しようというコンセプトだ.サン・マイクロシステムズは「Java Station」, IBMは「Network Station」などの呼び名で製品化を急いでいる.しかしここにきて, その目指す方向が多少変わってきた.「マイクロソフト独占」に正面から戦いを挑むという勢いが後退, NC陣営の中からはWindowsと共存, またはWindowsがカバーできないニッチ・マーケットを目指すという声も出てきている.Windowsにはかなわないと見たのか, NCの行方は混沌としてきた.
著者
片山 徹朗 高橋 寿一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.154-161, 2008-02-15

近年,エンジニアの言う「タイミング依存のバグ」が現場では多くなっているのではないか.昨今の大きなシステム障害を見ると,「あるまれなタイミングと,あるまれなタイミングが同時に起こると障害が発生する」という記事をよく見かける.また,その障害に対する記者会見では「単独製品としては起こりえない」,もしくは,「弊社製品単独の機能としては問題ないのだが,他社製品と統合した場合に問題が発生する」という言葉をよく聞く.現代のソフトウェアやシステムは,単独機能として大きな問題を起こすことは少なくなってきている.それは各社の品質保証システムや部門が成熟した成果であろう.しかし,そのソフトウェアやシステムの堅牢性を維持するために多重化したり,あるいは,高速な処理性能を求めるために並列化することによる起こるバグについては,逆に増える傾向がある.本稿では,前述したような並列に処理されるプログラムやシステムについて,テストの難しさの原因とテスト手法について述べる.また,並列プログラムの特性と誤りの分類について述べ,その中から特に,デッドロックの検出手法と競合状態のテスト手法について述べる.