著者
青山 幹雄
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1319-1324, 2002-12-15

オープンソースソフトウェアとは「ソースが公開された」ソフトウェアである.しかし,その意義は,ソフトウェア開発からシステムインテグレーション(SI)に至る広い範囲に及んでいる.オープンソースソフトウェアがこれらの現場で広く利用されるようになっていることから,その本質と効果やリスクを理解しておく必要がある.本稿では,オープンソースソフトウェアの現状を,その開発と利用の観点から概説する.
著者
宗森 純
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.471, 2018-04-15

カードシステムと発想法とを結びつけて,発想一貫支援システムの研究開発を始めて30年経った.この研究はなかなか論文にはならず研究的に厳しいものがあったが,このシステムの入力機器からGPSゲームや絵文字チャット等,数々のアプリが生まれた.発想一貫支援システム本体では最近アイディアを自分で具体化する支援機能などを付け加え,ようやく単に計算機システム化するよりほんの少し良い発想結果の文章が得られるようになった.
著者
寺元 貴幸
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.60-63, 2016-12-15

全国高等専門学校プログラミングコンテスト(高専プロコン)は比較的歴史の長いコンテストであり,文部科学省,総務省,経済産業省等から後援を受け,さらに多くの企業から支援も受けている.今回は3部門のうち競技部門について紹介している.競技部門は毎年ルールや競技システムをフルスクラッチで開発しており,参加者だけでなく主催者側も熱い戦いを繰り広げている.平成27年度に長野市で開催された第26回大会の様子を中心に,競技ルールや競技システムについて報告している.また,本選用に開発した競技システムを他の教育でも活用できるよう,インターネットで公開しているのでその様子についても報告している.
著者
竹下 亨
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, 1965-05-15
著者
清水 伸幸 中川 雅史
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.886-890, 2015-08-15

インターネットユーザ(群衆=クラウド)の力を活用(=ソーシング)して課題解決を目指すWebサービスはクラウドソーシングと呼ばれ,近年,さまざまな分野で注目を集めている.2013年,ヤフー(株)は「Yahoo!クラウドソーシング」の提供を開始した.本サービスはマイクロタスク型と呼ばれ,登録ユーザは簡単なデータ入力やチェックを行うことでTポイントを受け取ることができ,PCのみならずスマートフォンなどのモバイル端末からも利用が可能である.本稿では,マイクロタスク型のクラウドソーシングというコンセプトの実施例とその課題,また,ヤフーでのクラウドソーシングサービスでの取り組みについて紹介する.

1 0 0 0 OA 目次・表紙

雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, 2018-05-15
著者
大江 準三
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.1054-1056, 2004-10-15

最近の自動車開発においては,環境への適応,安全性能向上,さらには情報通信技術によるつながる機能の高性能化など,社会と高度に共存するための機能開発が進められている.本稿では,いつでも,どこへでも安全・安心・快適に移動できる自動車の魅力をさらに進化させた情報通信技術を中心とした最新技術について解説を行う.
著者
大森康朝 中川 友紀子 野田 五十樹
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.334-341, 2011-03-15

最新のプロセッサでは複数の実行コアを備えた「マルチコア」が一般的になっている.しかし,多数のマルチコアCPUやGPGPUなどが相互接続された並列分散環境を活用するためのプログラミングは容易ではない.このような並列分散プログラミングの生産性を向上させることを目標とした,新しいプログラミング言語がX10(エックステン)である.X10はいわゆるPGAS(Partitioned Global Address Space)を採用している言語族の一員であり,複数の「プレース」にまたがったデータ構造を扱える.さらに,軽量な並列タスクを生成するための「async」や分散処理のための「at」,同期のための「atomic」や「clocked」などの構文を提供している.本稿では,X10の設計思想やプログラミングモデルに加え,これらの特徴的な構文についても使用例を交えつつ解説する.
著者
生田 研一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1031-1031, 2017-10-15
著者
藤代 裕之
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1080-1084, 2017-11-15

メディアと社会のあり方は密接に結びついている.ベネディクト・アンダーソンは印刷技術と紙に媒介された言語の登場が,想像の共同体である国民国家を作り出したとする.新聞は衰退し,ニュースはソーシャルメディアや検索エンジンなどのプラットフォームが媒介し,その価値はアルゴリズムが判断するようになった.プラットフォームは,マスメディアが生み出した共同体を崩壊させ,世論操作やプロパガンダの舞台となっている.ソーシャルメディア時代における想像の共同体とは何か,ジャーナリズムの役割とは何か,を検討する.
著者
中鉢 直宏
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.551-551, 2018-05-15

Research(機関調査)の略称で,大学などの教育機関を調査・分析することである.IR業務では,大学にあるさまざまなデータを扱うことになる.しかし,それらのデータを分析する際にデータに潜む大学ならではの諸問題が存在している.本文では,この問題を断層と亀裂と呼んで紹介する.断層とは,カリキュラム改変や学部の統廃合などで,大学データの連続性が途切れてしまうことを意味し,亀裂とは,学部学科などの組織の縦割りによるデータの分断のことを意味する.ここでは,IR業務の際に起こる大学のデータの問題について例を挙げて紹介する.
著者
山本 和彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.570-570, 2018-05-15
著者
山本 雅人 伊藤 毅志 桝井 文人 松原 仁
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.500-504, 2018-05-15

スポーツのカーリングを対象とした,ディジタルカーリングと戦術支援を行うためのカーリングAIの開発について解説を行う.カーリングAI「じりつくん」は,任意の局面に対して,そのエンド終了時の期待得点分布を予測することができ,それに基づいた勝率最大化となるプレイを出力することが可能である.平昌オリンピックでの試合を例にカーリングAIで分析した結果は多くの反響を呼び,カーリングAIが見積もる勝率などの情報は,観戦者の助けとなったり,試合における一進一退の攻防の魅力を伝えたりする有効な手段の1つとなりうることを示した.本稿では,特に「じりつくん」の概要と分析結果を中心に今後の方向性を含めて解説する.
著者
水野 誠
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.1222-1228, 2006-11-15

最近,Web2.0と並んで,ロングテールという考え方が議論を呼んでいる.これは消費者の製品・サービスへの需要がベキ則にしたがうことを前提に,従来のように売上が集中した市場(分布の頭の部分)ではなく,個々の売上は小さいが広範囲に分散する市場(分布の裾の部分)をターゲットとした,新たなビジネスモデルの提案である.本稿では,消費者の需要がベキ分布にしたがうかどうかから始め,ロングテールのビジネスモデルがマーケティングおよびマーケティング・リサーチ,ひいてはその科学的・工学的研究を目指すマーケティング・サイエンスにどんな影響を与えるのかについて,先行研究を踏まえながら議論する.
著者
五十嵐 淳
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.610-617, 2004-06-15

Java 1.5ではJava言語の導入以来初めての大きな言語仕様の変更が行われる。そのうちの主要なものとして総称クラス(generic class)・ワイルドカード型の導入が挙げられる。総称クラスとは、C++言語のテンプレートのような、型パラメータにより抽象化されたクラス定義のことであり、ベクトル・木・リストなどの汎用データ構造のプログラミングにおいて有用である。総称クラスはML、Haskellなどの型付き関数型言語でみられる多相的型付けを応用した機構であるが、最近の筆者らによる研究において、(型付き)オブジェクト指向言語において伝統的である、部分型多相との新しい融合手法が考案されている。ワイルドカード型は、この手法に基づき導入された機構である。本稿では、型システムの改良が、いかに言語の柔軟性を損なうことなく、プログラムの安全性の向上に貢献できるかという例として、これらの機構を概観する。"