著者
原 尚人 松尾 知平 高木 理央 星 葵 佐々木 啓太 橋本 幸枝 澤 文 周山 理紗 岡崎 舞 島 正太郎 田地 佳那 寺崎 梓 市岡 恵美香 斉藤 剛 井口 研子 都島 由希子 池田 達彦 坂東 裕子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.205-209, 2016 (Released:2017-01-26)
参考文献数
10

2016年4月内視鏡甲状腺手術が良性疾患に対して念願の保険収載が認められた。しかし,質の担保などの課題は残る。今後の最大目標は今回見送られた悪性腫瘍に対する内視鏡甲状腺手術の保険適応である。しかし,難解な問題点と課題が山積みである。そして将来は日本独自のロボット支援手術機器の開発が望まれると考える。これら今後の展望における問題点と課題についての考えを述べる。
著者
桝野 絢子 榎本 圭佑 長井 美樹 島津 宏樹 武田 和也 原田 祥太郎 榎本 敬恵 田仲 由佳 松田 忠司 今西 啓子 伏見 博彰 坂田 義治 岡田 倫之
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.299-304, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
17

同時期に甲状腺癌が発見された家族性非髄様甲状腺癌(familial nonmedullary thyroid cancer:FNMTC)の3症例を経験したので,家系調査を行った。症例は37歳・女性,63歳・女性(母),41歳・女性(姉)の3名の家族で,画像所見と病理所見について比較し,その特徴を調べた。超音波画像では2cm以下の多発する腫瘤像を認め,粗大な石灰化を伴うものや小さなものでは比較的同じような類円形を呈していた。CT画像所見では石灰化を伴う腫瘤を両葉に認めた。病理学的所見では両葉に多発する腫瘤像を認め,個々の腫瘤は緻密な線維形成を伴っており,これらの所見は画像所見に反映されていたと考えられる。1症例の中で個々の腫瘤像の特徴が類似した多発する甲状腺乳頭癌をみた場合,FNMTCと考え,入念に家族歴を問う必要があると考える。
著者
伊藤 康弘 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.256-258, 2012 (Released:2013-05-01)
参考文献数
3

甲状腺乳頭癌の予後因子については様々な研究がなされているが,実際に再発をきたした後の生命予後がどうなっているのかは,あまりデータがない。今回われわれは,リンパ節再発および遠隔再発後の乳頭癌の生命予後因子について検討した。術後にリンパ節再発をきたした329症例における検討では,再発時年齢,原発巣の腫瘍径,原発巣のEx,病理組織検査によるaggressive histology,3cm以上のリンパ節転移が生命予後を左右した。多変量解析ではEx2以外の因子が独立した生命予後因子として認められた。遠隔再発をきたした105例では再発年齢,原発巣のEx,肺以外への再発が単変量解析で生命予後因子として認められ,このうち再発年齢,Exが多変量解析でも独立した生命予後因子であった。もともとの原発巣やリンパ節の状態が,生命予後を規定することがわかった。

3 0 0 0 OA NCDとがん登録

著者
友滝 愛 宮田 裕章 岩中 督
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.29-33, 2014 (Released:2014-04-30)
参考文献数
11

医療の質向上を目的とした臨床データベース事業として,2011年から外科専門医制度と連携したNational Clinical Database(NCD)が始動した。NCDは開始当初より,一部の臓器がんに対してはがんの詳細情報が登録され,2012年からは乳癌登録・膵癌登録も開始された。NCDデータは,がん診療の質を評価する指標の開発やがん医療の均てん化の取り組みなど,様々な活用が期待される。一方,がん情報の症例登録では,登録の悉皆性や予後情報の追跡調査などデータの質の担保が重要である。個人情報保護や倫理的側面に配慮したうえで,他のがん登録との連携も見据えたデータ収集の効率化を検討している。さらに,医療現場にリアルタイムで直接情報をフィードバックする仕組みを構築し,患者の術後死亡や合併症の予測率を計算する機能の開発や,NCDデータを基盤とした臨床研究などにも取り組んでいる。NCDは患者視点に立ち,医療従事者が理解・納得して参加できる事業として,さらに発展を目指している。
著者
坂東 伸幸 後藤 孝 赤羽 俊章 大貫 なつみ 山口 朋美 佐和 弘基 西原 広史 田中 伸哉
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.142-147, 2013 (Released:2013-08-30)
参考文献数
16

穿刺吸引細胞診は甲状腺結節の質的診断のために最も有用な検査である。当院ではこれまでプレパラートに穿刺吸引細胞を吹き付ける従来法で細胞診を行ってきたが,診断率は高くなかった。そこで液状処理細胞診(Liquid-based cytology;LBC)を採用した。2007年4月から2011年5月までに従来法で穿刺吸引細胞診を施行し,パパニコロウのクラス分類で判定した426病変(従来法群)と2011年6月から2012年8月までにLBCを施行し,当院で甲状腺癌取り扱い規約第6版に準じて判定した297病変(LBC群)との比較を試みた。検体不適正についてLBC群では27病変(9.1%)であり,従来法の68病変(16%)と差を認め,同規約の付帯事項である10%以下を達成した。手術施行し,病理組織と対比できた従来法群125例においてclass Ⅲを除くと感度69.6%,特異度95.2%,正診率80.5%であったが,LBC群53例では鑑別困難例を除くと感度,特異度,正診率とも100%を示した。穿刺吸引細胞におけるLBCは従来法と遜色ないと考えられる。
著者
紫芝 良昌 今井 常夫 神森 眞 栗原 英夫 鳥 正幸 野口 仁志 宮内 昭 吉田 明 吉村 弘
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.51-56, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
16

甲状腺の手術の際,発生する合併症の一つである永続性副甲状腺機能低下症の日本全国の症例数を検討した成績はこれまでにない。甲状腺手術を専門とする15病院に対してアンケートを行い2012年~2013年の甲状腺手術について回答の得られた5,445例について術式別に永続性副甲状腺機能低下症の発生率を求めた。その結果,甲状腺片葉切除で0.08%,全摘・亜全摘4.17%,甲状腺全摘と頸部中央および(または)外側区域郭清で5.75%であり甲状腺切除術全体を通じて2.79%に永続性副甲状腺機能低下症がみられた。また,副甲状腺腫瘍手術344例について14例(4.07%)の永続性副甲状腺機能低下症例を得た。この数字を厚労省がん統計資料に当てはめて日本全国での甲状腺・副甲状腺手術による永続性副甲状腺機能低下症の頻度を求めると,年間705人となる。手術のピーク年齢を68歳,手術後の平均存命期間を9年として,すべての甲状腺・副甲状腺手術患者が上記の条件を満たす単純モデルで計算すると,永続性副甲状腺機能低下症の本邦総数は31,725人になる。特発性副甲状腺機能低下症患者数は本邦で900人と推定され全体では32,625人となり人口10万人あたり26人。米国18.3人,デンマーク24人と報告されている。
著者
小野田 尚佳 伊藤 康弘 岡本 高宏
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.24-27, 2019 (Released:2019-04-24)
参考文献数
13

甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版では,乳頭癌に対してリスク分類や進行度,予後因子に応じた標準的対処を求めており影響を注視したい。他方,中リスク乳頭癌・低分化癌・未分化癌へ対処,気管合併切除など拡大手術の意義,分子標的薬治療の予後改善効果については,さらなるエビデンス蓄積が待たれる。髄様癌の遺伝子診療,予防的手術には,様々な角度からの議論が欠かせず,RI療法の分類に則した成績の提示も必要である。ガイドライン公開後も英文論文作成,随時の更新が行われ,治療標準化や患者の健康アウトカムについての調査が開始されるが,加えて3年後の次期改訂に向けて新規CQをリストアップし,解決のための研究奨励などを着実に行うよう提案したい。さらに,他学会との連携,汎用性を高める公開法,大規模データベースやAI,SNSの活用,女性委員と患者の参画などの検討が必要と考えられる。
著者
岡本 高宏 小野田 尚佳 伊藤 康弘
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.8-11, 2019 (Released:2019-04-24)
参考文献数
12

甲状腺腫瘍診療ガイドラインを改訂した。甲状腺腫瘍に悩む患者の健康アウトカムを高めるには知識,技術の向上と心の涵養が不可欠である。エビデンスの創出,診療ガイドライン開発法の工夫に終わりはない。専門職による不断の貢献が未来を拓く。
著者
今井 常夫
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.19-23, 2019 (Released:2019-04-24)
参考文献数
34

甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版が発行された。初版から8年ぶりの改訂で,作成委員長はじめ委員の考えがよく反映された内容と考えられた。乳頭癌では,リスク分類で1cm以下の腫瘍が超低リスクとして加えられ,非手術経過観察が推奨された。本邦のみのエビデンスを根拠に世界に先駆けてガイドラインに明記されたことは大変意義深い。未分化癌では,初版後に集積された知見からフローチャート・内容が大幅に改訂された。採用されたエビデンスの多くが本邦から発信されたもので,稀少で難治である未分化癌に対するAll Japanの成果をあらわしており,今後もさらに進化する分野であると思う。濾胞癌において微少浸潤型で危険因子がある場合に補完全摘も考慮してよいと改訂されたのは本邦からのエビデンスが根拠になった。髄様癌,放射線治療においても新たなCQや概念が解説され,分子標的薬治療は2018年版から追加された。初版同様,世界から注目される内容のガイドラインになったと思う。
著者
小島原 典子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.2-7, 2019 (Released:2019-04-24)
参考文献数
8

「診療ガイドライン作成の手引き2014」を参照して作成して「甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版」が完成した。本稿では,益と害のアウトカムに注目して本ガイドラインの作成方法について概説する。臨床上の重要課題を,疫学,診断・非手術的管理,組織型別治療方針,放射線治療,分化癌進行例,術後治療,分子標的薬治療の領域に分け,44のCQ を益と害の両方を考慮して選定した。初版以降2014 年2月までPubMed,医中誌 WEB,およびCochrane Libraryを検索し,最終的に採用された論文はについてエビデンスの内的・外的妥当性を吟味し,「強く推奨する」,「弱く推奨する」と推奨を提示した。今後,本ガイドラインの普及による診療の標準化と甲状腺腫瘍患者の健康アウトカムの評価が計画されており,作成グループは作業を継続して普及啓発を促進することが望ましいと考える。
著者
伊藤 康弘 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.175-178, 2015 (Released:2015-12-19)
参考文献数
16

家族性甲状腺癌の中でもっとも有名なものはRET遺伝子変異を伴う髄様癌である。しかし,日常臨床ではあまり留意されていない甲状腺分化癌も,原因遺伝子は同定されていないものの家族内発症が知られており,その臨床的意義が議論の的になっている。本稿では家族性乳頭癌を中心に,その頻度,臨床病理学的因子,予後について散発性乳頭癌との差異について検討した。その結果,家族性乳頭癌は家族歴のない症例に比べて腫瘍が単発性ではなく,多発性のものが多い以外に大きな特徴がなく,予後についても家族歴の有無は関係しなかった。従って手術術式としては全摘を行うことが望ましい以外,家族歴があるからといって特別に留意すべき点は見いだせなかった。また,low-riskな微小癌の経過観察を行ったシリーズでも家族歴の有無は,経過観察の妨げにならないことも判明した。

2 0 0 0 OA エベロリムス

著者
増田 慎三
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.80-85, 2015 (Released:2015-09-02)
参考文献数
23

PI3K/AKT系のgrowth factorシグナルの中心位置に存在するmTORは,乳癌増殖において重要な役割を担っている。その作用を阻害するエベロリムスの登場により,特に進行再発ホルモン陽性乳癌の治療体系のダイナミックな変化が生じている。比較的緩やかな増悪傾向を有するホルモン陽性乳癌の治療経過において,ホルモン感受性と耐性,その機序を考察しながら,エベロリムス+エキセメスタン併用療法(BOLERO-2試験)によるホルモン療法耐性解除のベストタイミングを探る必要がある。本剤はHER2陽性乳癌領域においても,トラスツズマブ+抗ガン剤に併用する効果の検証が大規模試験で継続中である(BOLERO-1,BOLERO-3試験)。薬剤コスト,口内炎や間質性肺炎などの副作用と,有効性とのバランスを上手に担保できるようなバイオマーカー,コンパニオン診断薬などの開発が今後期待される。
著者
覚道 健一 谷口 恵美子 若狭 朋子 山下 弘幸
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.99-103, 2014 (Released:2014-08-07)
参考文献数
20

日本甲状腺学会は,甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013を出版した。甲状腺結節の診療では細胞診が重要な役割を持つ。しかし細胞診で30%以上の症例は,良性・悪性の結論が出ない「検体不適」,「鑑別困難」,「悪性疑い」に診断される。甲状腺結節取扱い診療ガイドラインでは,これらを実地臨床の場でどのように取り扱うかの解決策を示した。細胞診で鑑別困難に分類された症例は,画像などの臨床検査と合わせて手術対象例を絞り込む。細胞診でも,鑑別困難をさらにリスク分類することを推奨した。まず鑑別困難を「濾胞性腫瘍」と「その他(濾胞性腫瘍以外)」に分類する。濾胞性腫瘍群は,悪性の可能性の高い(favor malignant)と良性の可能性が高い(favor benign)に分類することを推奨した。すなわち鑑別困難群の大半(70~90%)を占める良性結節患者に無用な診断的葉切除術を適応しないことを求めている。欧米では全例に診断的葉切除術が薦められるのに対し,日本では「濾胞性腫瘍」患者でも,他の臨床検査項目が良性の患者は経過観察も選択肢となる。濾胞性腫瘍の亜分類を省略した診断様式を選択すると,国際的診断様式と読み替え可能な6カテゴリー分類に変換できる。平易な診断用語を用い,悪性の確率,甲状腺結節の性状が類推しやすい言葉を用い利用者の利便性を図った。
著者
成瀬 光栄 立木 美香 馬越 洋宜 田辺 晶代
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.243-245, 2015 (Released:2016-03-04)
参考文献数
4

褐色細胞腫・パラガングリオーマは適切な診断と治療により治癒が期待できる一方,診断の遅れは,高血圧クリーゼ,不整脈,たこつぼ型心筋症などを合併する。更に約10%が悪性で,初期の診断が困難かつ有効な治療法がない。著者らは日本内分泌学会臨床重要課題委員会と厚労省難治性疾患克服研究事業研究班との協力で褐色細胞腫診療指針2012年を取りまとめたが,本稿では2014年に米国内分泌学会から発表された褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドラインの要点を解説する。根拠となる論文には4段階のエビデンスレベル,診療行為には2段階の推奨グレードが付記されている。基本的な点は我が国における診療指針と同様であるが,機能検査,画像検査,遺伝子検査などの各点で差異を認める。我が国の保険医療制度を考慮して日常診療に活用する必要がある。
著者
長沼 廣
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.69-72, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
8

甲状腺結節性病変の鑑別診断についてはガイドラインなどが示されている[1]。甲状腺結節性病変は術前の超音波,CT,MRI,細胞診などでかなり質的に診断が出来ているが,手術適応に関しては画像診断と併せて細胞診の診断が重要である。さまざまな組織像を示す結節性病変の中で濾胞性腫瘍の良悪性の診断は依然として容易ではない。正確に病理診断をするためには切除甲状腺の取扱いも大切である。濾胞腺腫と微少浸潤型濾胞癌の鑑別は肉眼所見にはきわめてむずかしい。適確な濾胞性腫瘍の診断には良好な固定状態で検査することが望まれ,濾胞癌の診断基準を標準化することが重要である。甲状腺癌取扱い規約第7版では切除検体の取扱いは簡略化したが,濾胞癌の診断基準である脈管浸潤,被膜外浸潤ついて前版より詳細に記載した。濾胞性腫瘍の鑑別診断に役立てていただきたい。