著者
中村 潤二 久我 宜正 後藤 悠太 生野 公貴 武田 和也 庄本 康治
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.63-71, 2018 (Released:2022-09-03)
参考文献数
34

本研究の目的は,大腿骨頸部骨折患者の股関節外転筋への電気刺激療法と課題志向型練習を併用した際の効果を予備的に検討することとした.対象は,大腿骨頸部骨折術後患者とし,準無作為に電気刺激群(ES群)6名,コントロール群6名に割り付けた.両群ともに,歩行能力向上を目的とした課題志向型練習を実施し,ES群は,術側中殿筋への電気刺激を併用して実施した.介入は10セッション行った.評価は介入前後に股関節外転筋力,膝関節伸展筋力,疼痛,Timed up & go test,6分間歩行テスト(6MWT),圧力計式歩行解析装置を用いて歩行パラメータを計測した.介入後にES群は,コントロール群と比較して,術側股関節外転筋力の有意な改善がみられ,6MWTの改善傾向がみられた.ES群における術側股関節外転筋力の変化量は,歩行速度,術側と非術側の歩幅,ストライド長,6MWTの変化量との間に強い有意な相関がみられた.大腿骨頸部骨折患者の股関節外転筋への電気刺激と課題志向型練習の併用は,股関節外転筋力や歩行能力を向上させる可能性がある.
著者
榎本 圭佑 榎本 敬恵 長井 美樹 武田 和也 原田 祥太郎 坂田 義治
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.291-293, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
17

小児甲状腺濾胞癌は発生頻度が非常に低く,主に成人症例の濾胞癌や分化癌の解析に含まれた報告か,症例報告がなされてきた。今日までに知られている小児症例における濾胞癌の臨床像について解説し,その治療法について報告する。
著者
桝野 絢子 榎本 圭佑 長井 美樹 島津 宏樹 武田 和也 原田 祥太郎 榎本 敬恵 田仲 由佳 松田 忠司 今西 啓子 伏見 博彰 坂田 義治 岡田 倫之
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.299-304, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
17

同時期に甲状腺癌が発見された家族性非髄様甲状腺癌(familial nonmedullary thyroid cancer:FNMTC)の3症例を経験したので,家系調査を行った。症例は37歳・女性,63歳・女性(母),41歳・女性(姉)の3名の家族で,画像所見と病理所見について比較し,その特徴を調べた。超音波画像では2cm以下の多発する腫瘤像を認め,粗大な石灰化を伴うものや小さなものでは比較的同じような類円形を呈していた。CT画像所見では石灰化を伴う腫瘤を両葉に認めた。病理学的所見では両葉に多発する腫瘤像を認め,個々の腫瘤は緻密な線維形成を伴っており,これらの所見は画像所見に反映されていたと考えられる。1症例の中で個々の腫瘤像の特徴が類似した多発する甲状腺乳頭癌をみた場合,FNMTCと考え,入念に家族歴を問う必要があると考える。
著者
本田 芳大 武田 和也 岡崎 鈴代 中村 恵 天野 雄太 山根 有希子 端山 昌樹 前田 陽平 愛場 庸雅 猪原 秀典
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.522-530, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
22

副鼻腔真菌症の大部分は予後良好な非浸潤型副鼻腔真菌症であるが,まれに免疫が低下した患者において重症化し,致死的となる浸潤型副鼻腔真菌症が知られている。今回,われわれはびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の化学療法中,骨髄抑制期に発症した副鼻腔炎に対し上顎洞開放を行い,その後より急速に進行した浸潤型副鼻腔真菌症を経験した。症例は69歳女性。DLBCLに対する化学療法施行後,骨髄抑制期に発熱性好中球減少症となった。経過中に右眼痛とCT検査にて右上顎洞に新規陰影の出現を認め,紹介受診となった。初診時,副鼻腔真菌症を疑い外来にて上顎洞開放を行った。上顎洞内に菌塊を認めたため除去し,明らかな菌塊の残存がないことを確認して,軟膏ガーゼを挿入した。第4病日にガーゼを抜去し,鼻内を観察すると,右鼻腔内全体に白色の粘膜病変を認め,真菌の増殖が疑われた。第5病日には右鼻腔粘膜の広範な黒色壊死を認めた。その後のCT検査にて下直筋の腫脹と眼窩内脂肪織の濃度上昇を認め,眼窩内浸潤が疑われた。内視鏡下鼻副鼻腔手術を行い,抗真菌薬全身投与継続の方針とした。その後,眼球運動障害は残存するものの明らかな増悪はなく,鼻腔内所見も著変なく経過し,第98病日に転院となった。骨髄抑制が遷延した状態で上顎洞を開放し,ガーゼパッキングを行ったことが広範な真菌浸潤をきたす一因となった可能性があり,骨髄抑制時の処置・手術にはその後の管理を含め細心の注意を払う必要があると考えられた。
著者
武田 和也 河島 信樹 矢部 恭一
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.27-32, 2008 (Released:2008-03-28)
参考文献数
6
被引用文献数
4 5

我々は半導体レーザーを用いた飛翔体へのエネルギー伝送システムを構築した.これはレーザーでエネルギーを受けている間飛行し続けることができるシステムである.これを用いた飛行実験を大阪ドームにおいて行った.その結果,高度50mを旋回飛行する無人飛翔体へ,自動追尾によってエネルギー伝送を行い,長時間飛行に成功した.
著者
武田 和也 河島 信樹
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.45-48, 2004 (Released:2004-08-07)
参考文献数
5
被引用文献数
4 5

我々は月にある氷を確認するため月の極地域にローバーを送り込み氷の直接探査を考えているが,ここで問題となってくるのがローバーのエネルギー源である.そこで半導体レーザーを光源として利用してローバーにエネルギーを伝送することを考え,実証実験を行うため月氷探査ローバーのモデルを作製し,およそ1kmの距離でエネルギー伝送可能な半導体レーザーシステムを開発した.受光素子としてGaAs太陽電池を用いて太陽電池パネルを作製し(半導体レーザーに対して実験室レベルで20%の変換効率)ローバーモデルに搭載した.実験はローバーと半導体レーザーの距離1.2kmで行われ,ローバーモデルの駆動(無線LANを用いてパソコンによる1.2km遠隔操作)を確認した.
著者
小幡 翔 端山 昌樹 前田 陽平 武田 和也 津田 武 横井 慶 猪原 秀典
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.616-622, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
11

骨蝋は骨面からの出血に対する止血素材としてよく用いられているが,稀ではあるものの慢性炎症や骨治癒阻害などの合併症も見られることがある。今回,開頭術後,十数年の経過を経て前頭洞炎を発症したと思われる2例を経験した。両症例ともに病変はCTでは軟部陰影の中に低吸収域で,またMRIではT1強調画像,T2強調画像いずれも無信号ないし低信号で描出され,副鼻腔内病変として非典型的な所見を呈していた。一例は手術記録が不詳であったため骨蝋の同定は困難であったが,一例では骨蝋の使用についての記載が認められた。いずれに対しても診断,および症状改善のために手術を行った。一例は前頭洞手術(Draf type III)を施行し,病変部より排膿を認め,内部には骨蝋を疑う黄白色の異物残留を認めた。残る一例はDraf 2bで前頭洞を開放したところ,膿貯留を認めず,骨蝋残留を認めた。いずれの症例でも術後は再発なく,良好な経過をたどった。過去の報告によれば,骨蝋は骨治癒阻害と細菌クリアランス低下により,十数年に渡って慢性炎症が遷延するとされる。そのため,開頭術後など骨蝋使用の経過があるか予想される症例では,異物性の炎症や膿瘍形成を鑑別にあげ,症状によっては手術による骨蝋除去を行う必要がある。
著者
桐 広樹 端山 昌樹 前田 陽平 識名 崇 増村 千佐子 岡崎 鈴代 奥野 美香 武田 和也 津田 武 猪原 秀典
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.39-44, 2018 (Released:2018-07-31)
参考文献数
12

歯性上顎洞炎は耳鼻咽喉科と歯科の両方で治療が行われており,治療方針も各施設によって異なっている。今回,われわれは歯性上顎洞炎の診断および治療を検証するために,歯性上顎洞炎30例32側を対象に,診断モダリティおよび治療方針について後向きに検討を行った。初期治療として抜歯とESSが行われた9例では再発を認めなかったものの,抜歯だけが行われた12例のうち8例で後にESSが行われた。また歯科用単純X線写真にて原因歯の診断が可能であったのは55%であり,歯性上顎洞炎の診断にはCTでの読影が必要であると考えられた。いずれも後向きの検討であり,今後治療方針を一定にした前向き研究が必要であると考えられた。
著者
武田 和也 河島 信樹 矢部 恭一
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
宇宙技術 (ISSN:13473832)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.27-32, 2008
被引用文献数
1 5

我々は半導体レーザーを用いた飛翔体へのエネルギー伝送システムを構築した.これはレーザーでエネルギーを受けている間飛行し続けることができるシステムである.これを用いた飛行実験を大阪ドームにおいて行った.その結果,高度50mを旋回飛行する無人飛翔体へ,自動追尾によってエネルギー伝送を行い,長時間飛行に成功した.
著者
田中 誠也 中窪 愛佳 木村 百輝 武田 和也 神田 智子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.424, pp.7-12, 2010-02-15

日本人の携帯電話における絵文字の解釈と文例を276名から6600件以上収集し,Web上で絵文字別,世代別,性別別の検索/閲覧が可能な絵文字辞書を構築した.この絵文字辞書に言語グリッドの機械翻訳サービスを適用することにより,絵文字の解釈と文例を多言語に翻訳するWebサービスを開発した.多言語翻訳可能な絵文字辞書の利用により,日本在住の外国人に日本人の絵文字の解釈と文例を提示し,携帯電話上の異言語・異文化間コミュニケーションの促進と円滑化を目的とする.
著者
武田 和也 河島 信樹
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.51, no.594, pp.393-396, 2003 (Released:2003-09-26)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

A full-size model of a lunar rover using a laser energy transportation to confirm directly the existence of ice on the moon has been fabricated and 100 m energy transportation test has been successfully performed. Problems to be solved to realize an actual lunar ice exploration mission are discussed.