- 著者
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石川 匡子
内田 詩乃
佐藤 春香
伊藤 俊彦
渡辺 隆幸
- 出版者
- 日本海水学会
- 雑誌
- 日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.5, pp.308-316, 2016 (Released:2017-09-27)
- 参考文献数
- 30
- 被引用文献数
-
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市販魚醤を用い,品質ならびに呈味評価を行った.魚介類と食塩のみで製造する場合は,魚介類自体のタンパク質の自己消化のみで分解するため,長期熟成が必要であり,微生物繁殖抑制のため塩分濃度が高めに設定されていたが,遊離アミノ酸総量やグルタミン酸量も多いという特徴があった.魚介類に食塩と麹を添加する方法では,短期熟成が可能であり,塩分濃度が低く,麹により甘くクセが抑えられた香りという特徴があった.魚種や製法の違いは,アミノ酸量や有機酸量にも反映された.特に,グルタミン酸,アラニン,乳酸量は魚醤のうま味や甘味,酸味の強さとなって現れた.これらの味質は,お吸い物に用いた際に,まろやかさや好ましさに影響しており,魚醤の味質に合わせた最適添加量を求める必要性が示唆された.