著者
土肥 紳一
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.243-244, 2020-02-20

システムデザイン工学部デザイン工学科は,プログラミング言語にProcessingを採用した.この言語は,実行結果をグラフィックスで表示でき,お絵描き感覚でプログラミングを学べるように設計されている.さらにインタープリター方式のため,スペルミスなど初学者が陥りやすい誤りを素早く発見できる特徴がある.学力考査は問題をPDFで配布し,できあがったプログラムをファイルサーバで回収し,人海戦術で採点を行って来た.本学のLMSはWebClassが導入されており,授業毎のアンケート調査や,事前学習,事後学習等に活用してきた.2019年度の後期科目であるコンピュータプログラミングⅠの私のクラスで,試験の機能を使い,学力考査を試行した.その結果を述べる.
著者
井上 智皓 戀津 魁 柿本 正憲
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.113-114, 2020-02-20

自然現象のシミュレーションはコンピュータグラフィックスにおける重要な分野である.このうち,水の色に着目した研究は多くされているが,氷の色に着目した研究は少ない.本研究では氷の色に着目する.氷は,水分子の特性から赤い波長の光を吸収する.氷河や氷山が青みがかって見えるのはこの性質に由来する.また,氷の結晶構造に由来する光学現象も観察されている.本研究は,氷に関する様々な光学現象を包括的に扱うことで,より現実らしい氷のレンダリングを目指すものである.本稿では氷のスペクトル吸収特性に着目し,スペクトラルレンダリングによって氷の色の再現を行った.
著者
西 智菜美 安藤 大地 向井 智彦
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.581-582, 2020-02-20

花火などの観賞機会が少ないものに関しては、観賞できるスポットを事前調査したいという需要が大きい。そこで本研究では、ユーザーのニーズに応じて静かな場所、子供でも観賞できる場所など、複数の花火鑑賞スポットを自動提案するシステムを開発する。提案法では、まず、実在の町や地区を模した多くの建物を3次元仮想空間内に構築する。次に、レイトレーシング法を用いて、建物に遮蔽されない鑑賞候補地点を検出する。そして、それらの候補点に対して距離や騒音の有無などの情報を付加する。ユーザーはそうした情報を確認しつつ好みの地点を選択することで、花火の見え方を3次元空間内で擬似的に確認できる。
著者
佐藤 慎一郎 杉浦 彰彦
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.377-378, 2020-02-20

場の情報共有を目指す知的環境認識型ネットワークとして提案されたエリアIPフォンは,狩猟,災害,海難エリア等を対象に研究されてきた.本研究では,高速道路の渋滞多発エリアを対象に研究・開発を行う.具体的には,正確な情報収集とリアルタイム性を満たす渋滞情報の共有を実現し,交通事故防止を目指す.本提案では,渋滞に巻き込まれた最後尾にいる車両を基準に高速道路環境に適した3段階の警告範囲を設け,警告範囲ごとに異なる警告音声を再生することで距離や速度の変化に応じたエリアIPフォンによる渋滞情報の共有を行う.さらに,高速道路の状況に適した警告範囲を予測することで,適切な警告を提示し,事故低減を目指す.
著者
土村 貫太
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.367-368, 2020-02-20

近年、動画・音楽配信サービスの普及により、音楽に触れる機会が増えたが、そのほとんどが受動的なものである。そこで、一般的に音楽ファイルに用いられているwavやmp3形式のファイルをmidiに自動採譜できれば、曲へアレンジを加えるなど能動的な楽しみ方が増えると考えた。 本研究では、wavファイルをmidiファイル(SMF)に変換する自動採譜システムの実現を目的とした。クロマベクトル、ディープラーニング(DNN)を用いて自動採譜を行う方法を考案し、実際に複数のwavファイルに対して自動採譜の検証を行った。現状では精度が78%前後と高くないため、更なる高精度化を目標としている。
著者
鳥居 洸希 梶間 大地 菊地 浩明
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.469-470, 2020-02-20

匿名通信システムTorは,発信元の情報を隠したままのサーバ運営を可能であるため,本来のプライバシー保護の目的よりもむしろ不正な商品の売買などに悪用されることが多い.しかし,これらのサイトの多くはCAPTCHAを導入して自動エージェントの調査を困難にしている.そこで本研究では, CAPTCHAをパスした後のクローリング処理を自動化する半自動のクローラシステムを開発し,ダークウェブ上の違法物品販売サイトを調査し,物品種類と値段やサイト閉鎖されるまでの運営期間などを報告する.
著者
金子 紗梨 高瀬 亘 村上 晃一 佐々木 節
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.35-36, 2020-02-20

Armプロセッサは省電力の特徴を持ち、スマートフォンなどのモバイル機器に広く利用されている。近年はサーバ用途としても使われ、HPCの業界でも注目が集まっている。KEK計算科学センターでは、高エネルギー物理学実験で得られる大規模データの蓄積や処理、シミュレーションの用途で、大規模なLinuxクラスタを運用している。本システムは4年毎にシステム更新を行い、新しい世代のCPUへの移行を行っている。Armプロセッサは省電力で、その割に処理能力が高い。Armを採用することでシステムの運用コストを抑えることが期待される。大規模クラスタでのArmプロセッサの適応性評価として、計算性能や省電力の点からプロセッサの性能評価を行った。
著者
岡 優希 長名 優子
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.545-546, 2020-02-20

吃音症には大きく分けて3種類の症状があるが、音声からそれらの症状を自動的に分類することができると吃音症の治療や吃音者に利用しやすい音声認識を用いた製品の開発などを行う際に有効であると考えられる。一方で、ディープラーニングの手法の1つである畳み込みニューラルネットワークは音声認識の分野においても優れた成果をあげ、注目されている。吃音者の話し方には音の繰り返し以外にも様々な特徴があると考えられるため、吃音の分類においても畳み込みニューラルネットワークを用いることでそのような特徴を学習によって抽出し、分類に活かすことができると考えられる。本研究では、畳み込みニューラルネットワークを用いた吃音症の分類を提案する。
著者
尾関 日向 酒向 慎司
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.363-364, 2020-02-20

本研究では複数の楽器が混ざり合った音楽音響信号からギターパートを分離することを目的とする。音楽音響信号を対象にした音源分離は、楽曲が含む各パートの音源を必要とする自動採譜技術にとって欠かせないタスクである。従来はボーカルやドラムパートの分離が多く取り組まれてきたが、一般的に楽曲は他にも様々なパートを含んでおり、それらの分離も行わなければ実用的な自動採譜ができない。例えばギターはポピュラー音楽で頻繁に使用され、メジャーな構成要素である。そこでギターとボーカルに対して Wave-U-Net を用いてそれぞれのエンドツーエンド音源分離モデルを作成し、分離精度を比較した。
著者
朱 心茹 影浦 峡
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.333-334, 2020-02-20

発達性ディスレクシアは、読字や書字に特異的な困難が見られる学習障害である。ディスレクシアの症状は実に多様であるため、個々人に最適化された支援方法が必要となる。筆者らはこれまでの研究において、特別にデザインされた書体が有用なディスレクシア支援となる可能性を模索した。その結果、適切にデザインされた書体はディスレクシアを持つ児童と成人の読みに良い影響を与えることが明らかになった一方で、その影響の種類や度合いは個々人によって差があることが示された。この結果は、共通の特徴をベースとしつつも個々人にとって最も有効な特徴を書体に付与するようなカスタマイズシステムの必要性を示唆するものである。本研究ではカスタマイズシステム開発への第一歩として、これまでに構想・開発された主要な書体カスタマイズシステムをレビューし、ディスレクシアに特化した和文書体カスタマイズシステムの枠組みを示す。
著者
早野 瑞季 時井 真紀
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.545-546, 2020-02-20

美術鑑賞において、鑑賞経験の少ない初心者は博物館リテラシーが不足していることが問題とされている。この背景をふまえて、絵画作品の注目すべき鑑賞ポイントを探る力、作品を関連付けて鑑賞する力が必要であると考えた。そこで本研究の目的は、視点の広がりをもって鑑賞することができる浮世絵を題材とし、Kinectを用いた体験型の浮世絵鑑賞を行うことである。システムでは、作品の鑑賞ポイントや複数の作品間のつながりを提示することで鑑賞体験を印象付けてユーザーの鑑賞視点を広げ、その後の積極的な美術鑑賞の支援を目指した。このシステムを用いた実験を行い、被験者の作品の理解と探究的学習への効果を調査した。
著者
酒見 真歩 中桐 斉之
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.571-572, 2020-02-20

大学生の約9割が先延ばし行動を経験している、と言われている。先延ばし行動の改善には、タスクのハードルを下げることが一番有効であるのではないか、と予想した。そこで、タスクを細分化し、サブタスクをこなすごとにポイントが貯まり、貯まったポイントを使って自分が設定したご褒美と交換することができる、といった簡単なゲーミフィケーション要素を含むタスク管理システムによる実験を行ったところ、タスクの早期着手に効果があることが明らかになった。しかし、タスクの早期完了の効果は得られない点、現実のご褒美に改善の余地がある点が明らかになった。そこで、本研究ではタスクの早期完了に焦点を当て、システムの改善・実験を行い、本システムの使用によって 、先延ばし行動改善に効果が期待できるのかどうかを明らかにする。
著者
角掛 正弥 松原 茂樹
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.377-378, 2020-02-20

オープンサイエンスは、論文や研究データの参照や利活用を促進するための活動である。そしてその動きの一つとしてオープンデータが存在する。オープンデータは研究データを共用することで研究の加速化や、研究データへのアクセス促進を図る運動である。例えば、論文で引用された研究データを整備したリポジトリが存在すれば研究データへのアクセス促進に繋がる。そのようなリポジトリを構築・拡充する際に、研究データを自動的に論文から抽出できれば非常に有用である。そこで本研究では論文から研究データを抽出することを目指す。研究データの多くがインターネット上で利用可能であることから、URLによる研究データの引用に着目する。
著者
生駒 流季 松原 茂樹
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.379-380, 2020-02-20

近年のオープンサイエンスの広まりに伴い、研究において用いられたデータへの参照情報の抽出への需要も高まっている。また、学術論文では本文中で引用した論文や著者が参考文献として参照されるが、研究データへの参照に関しては明確な参照方法等の規定がなく、執筆者が個人の判断で研究データを参照しているという現状がある。本研究では、自然言語処理の国際会議における発表論文を対象に、参照先の文献から研究データとして参照されているものを識別する。その手掛かりとして、本研究では参照先文献のタイトルを含む書誌情報に加え、本文中で文献を参照した節のタイトルと、参照タグの含まれる本文から抽出した特徴量を利用する。
著者
神原 利彦 岩切 大知
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.3-4, 2020-02-20

チェーンソーアートのような彫刻で美しい作品を作り出すには、刃物をどのように操り、どうやって削り出して行くかを経験を重ねて習熟する必要がある。だが、刃物自体が危険な物体であり、どんなに安全面で気をつけていても習熟の途中で疲労から負傷するおそれがある。そこで、本研究ではCGロボットアーム先端に付けた刃物を力覚デバイスで少し離れた場所から遠隔操縦し力加減などを仮想空間上で経験しながら安全に習熟していく彫刻訓練支援システムを提案する。刃物と物体の両方をボクセルで表現し、互いのボクセルが衝突した際に、物体ボクセルを消滅させることで、切削跡を表現する。お手本となる像を削らないよう切削する実験を行った。
著者
吉田 達司 古川 宏
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.443-444, 2020-02-20

モバイルアプリケーション(アプリ)はユーザが同意することで,端末内の様々な情報を取得している.アプリの多くは,ユーザが同意(アクセス許可)する際に詳細な情報を提示していない.そのため,ユーザがアクセス許可の意思決定をするためには,アプリについて調べた上で,許可するか否かを決定しなければならない. 本研究では,アクセス許可の意思決定前にユーザの個人状況に合わせた支援情報を提供するツールの検討を行っている.本稿では,ユーザの個人状況とアクセス許可時にユーザが求める情報について中高生を対象として調査を実施し,収集した情報の相関関係から,ユーザの個人状況を考慮した支援情報を決定する手法の検討を行った.