著者
江上 周作 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.SWO-060, pp.04, 2023-08-24 (Released:2023-08-28)

現在の大規模言語モデル(LLM)には学習データに存在しない知識について誤った情報を作り出して提示する問題があり,幻覚(Hallucination)として知られている.一方,Web上にはすでに様々なファクトデータが知識グラフとして存在しており,この知識グラフをLLMと接続することでHallucinationをある程度抑制できると考えられる.本研究では,テキストから知識グラフに対するクエリ言語SPARQLを生成する手法についてのこれまでの背景を整理する.また,LLMを用いてテキストからSPARQLクエリを生成する予備的実験を行い,今後の可能性を議論する。
著者
古崎 晃司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.SWO-060, pp.05, 2023-08-24 (Released:2023-08-28)

Wikidata is a large-scale knowledge base which has more than one hundred million items. It is structuralized based on semantic web technologies such as RDF so that they are used as a Knowledge Graph. Wikidata is also linked to Wikipedia in various languages and provides language information for many languages, so it is expected to be used as a large-scale language resource. This paper discusses how Wikidata can be used as a large-scale language resource and introduces the linguistic information extracted from Wikidata.
著者
坂本 佑樹 高橋 達二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1D21in, 2015 (Released:2018-07-30)

近年の動画解析技術の進歩から現実の動物の群れの中にスケールフリー相関、相転移等の概念が新たに発見された。しかしながら、群れらしさを示すと思われるスケールフリー相関を自在に調整する手法は未だ明らかにされていない。本研究では二種類の近傍を切り替える群れのMTIモデルをベースに、スケールフリー相関の傾きを調整する手法を新たに提案する。また、その傾き係数と「群れらしさ」知覚との関係を実験的に検討する。
著者
鈴木 雅大 金子 貴輝 谷口 尚平 松嶋 達也 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1L2J1105, 2019 (Released:2019-06-01)

近年,深層生成モデルの研究は急速に進んでおり,それらを簡潔かつ汎用性高く実装できるフレームワークが求められる.本研究では,最新の複雑な深層生成モデルの特徴として,確率分布によるネットワークの隠蔽,および複数の誤差関数から目的関数が構成されているという2点に着目し,それらを達成する新たな深層生成モデルライブラリ,Pixyzを提案する.本論文では,提案ライブラリが簡単な深層生成モデルの実験において,既存の確率モデリング言語であるPyroよりも高速で動作することを示し,さらに既存の確率モデリングライブラリでは実装できない複雑な深層生成モデルについて,容易かつ簡潔に実装できることを示す.
著者
杉森 真樹 水野 誠 笹原 和俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4A2J305, 2019 (Released:2019-06-01)
被引用文献数
1

熱狂は、人間が有する重要な性質であり、個人の行動の原動力となるとともに、人々を結びつけ社会的、集団的な活動を引き起こす、などといった人間特有の集合現象を引き起こす。熱狂の本質を理解するために、日本で最も人気のあるスポーツの一つである日本プロ野球(NPB)に関するソーシャルメディア(Twitter)のデータ分析を行った。ツイート数とリツイート数の増加の共起を測定することによって熱狂現象を検出、定量化するとともに、NPBにおける熱狂現象と試合の結果や記憶、記録に残る出来事(例:スター選手の引退など)の間に関連性があることを確認した。さらに、投稿から形成される集合注意を分析し、球団ごとの意味的性質を比較することで、球団によって単語の関連性のパターンが異なっており、球団の性質などを反映していることを明らかにした。
著者
上山 彩夏 狩野 芳伸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.G-L62_1-10, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)
参考文献数
39

In recent years, there has been a lot of research on building dialogue systems using deep learning, which can generate relatively fluent response sentences to user utterances. Nevertheless, they tend to produce responses that are not diverse and which are less context-dependent. Assuming that the problem is caused by the Softmax Cross- Entropy (SCE) loss, which treats all words equally without considering the imbalance in the training data, a loss function Inverse Token Frequency (ITF) loss, which multiplies the SCE loss by a weight based on the inverse of the token frequency, was proposed and confirmed the improvement of dialogue diversity. However, in the diversity of sentences, it is necessary to consider not only the information of independent tokens, but also the frequency of incorporating a sequence of tokens. Using frequencies that incorporate a sequence of tokens to compute weights that dynamically change depending on the context, we can better represent the diversity we seek. Therefore, we propose a loss function, Inverse N-gram Frequency (INF) loss, which is weighted based on the inverse of the n-gram frequency of the tokens instead of the frequency of the tokens. In order to confirm the effectiveness of the proposed method on INF loss, we conducted metric-based and human evaluations of sentences automatically generated by models trained on the Japanese and English Twitter datasets. In the metric-based evaluation, Perplexity, BLEU, DIST-N, ROUGE, and length were used as evaluation indices. In the human evaluation, we assessed the coherence and diversity of the response sentences. In the metric-based evaluation, the proposed INF model achieved higher scores in Perplexity, DIST-N, and ROUGE than the previous methods. In the human evaluation, the INF model also showed superior values.
著者
中西 俊之 藤原 幸一 仙頭 佳起 祖父江 和哉
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1L5OS18b02, 2023 (Released:2023-07-10)

痛みは主観的な感覚であるため,自己評価スケールで評価されてきた.しかし,自己評価スケールは時間的に連続評価ができず,意識レベル低下時や小児では実施が難しい.そのため,熱や電気刺激に対する生体信号の変化を痛みの正解データとして用いることで,痛みの客観化が試みられてきた.しかし,実験環境での解析結果をそのまま実際の患者に適応できるかどうかは明らかでない.我々は,患者自身が痛みの増強時に鎮痛剤を投与する経静脈的患者自己調節鎮痛法(IV-PCA)の使用記録から痛みの経時変化を推定できると考えた.本研究の目的は,ウェアラブル心電計とIV-PCAを用い,生体信号と機械学習により術後の痛みを連続的に評価し,その増強を予測することである.時系列性を考慮した異常検知モデルである自己注意機構付きオートエンコーダ(SA-AE)を採用し,心拍変動指標を入力特徴量に用いて痛み増強を予測するAIを構築した.IV-PCAの使用を痛みの増強と定義し,8人の術後患者において痛み増強の15分前にTPR 54%,FPR 1.76 回/hの性能で予測できた.今後,データを蓄積してモデルの性能を改善する.
著者
井上 智洋
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.AGI-001, pp.03, 2015-12-15 (Released:2021-09-16)

I discuss how the emergence of artificial general intelligence (AGI) affects economic growth, employment, and income distribution. If AGI substitutes perfectly for human labor, the AK-type economy will occur. In the economy, the rate of economic growth gets higher over the years, the employment rate and the labor share approach 0%, and the capital share approaches 100%. I propose that basic income can contribute to the well-being of the laborer who have no capital.
著者
滑川 静海 手塚 太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3Pin134, 2018 (Released:2018-07-30)

ゲームを作成することはAI研究の進歩に大きく貢献している。これは実世界における問題と共通するものが多く存在しているからである。つまりそれらに取り組むことで、AIは現実での問題に応用することができる。AIがチェスや囲碁などの高度な戦略が必要とされるボードゲームで人間を上回った今、次の目標の一つはビデオゲームをプレイするためのトレーニングが挙げられる。この論文では、シューティングゲームに焦点を当て、敵機が展開した弾幕を避けるためのプログラムを最適化する。遺伝的アルゴリズムを使用して、AIプレイヤーは敵の攻撃に被弾することなく動き回るように最適化された。実験には多くの時間を必要とするものの、学習に成功することを示した。
著者
位田 奨 松井 藤五郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1A5GS202, 2022 (Released:2022-07-11)

本研究では、複利型深層強化学習において、投資比率を最適化する方法と報酬の分散(リスク)を考慮して行動を習得する方法を提案する。現在、強化学習を金融取引に応用する研究が盛んに行われている。複利型強化学習は、利益率の複利効果を最大化する行動を習得することを目的とした強化学習の枠組みであり、パラメータとして投資比率が存在する。この投資比率を最適化することで利益率の複利効果を最大化できる。深層強化学習を複利型に拡張した研究が存在するが、その研究では投資比率が0以上1以下の範囲で適当な値に設定されており、利益率の複利効果を最大化することができない。そこで本研究では、複利型深層強化学習に投資比率を最適化するネットワークを追加する手法を提案する。また、複利型強化学習においては行動選択の際にリスクを考慮することができないという問題がある。そこで本研究では、報酬の分散をリスクとして考慮して行動を取得する方法を提案する。
著者
西村 昭賢 森 直樹 岡田 真
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2M5GS1002, 2023 (Released:2023-07-10)

近年, ゲーム環境への深層強化学習の応用が注目されている.特に,プレイヤーが得られる情報が部分的である不完全情報ゲームへと積極的に応用されている. 本研究では不完全情報ゲームの 1 つであるトレーディングカードゲーム (TCG) に着目した. TCG は使用可能なカードの性能や種類を変更可能という点で, 他のゲームよりも人工知能による攻略が困難である. また, この性質のためゲームバランスの調整が難しく, 公開後に修正が入ることが一般的であり, カードの性能を上方修正するバフや下方修正するナーフなどの用語が用いられる. 上記の背景から, 筆者らは深層強化学習とそれに基づく進化型計算を用いた TCG 環境のゲームバランス最適化手法を提案し, 独自の TCG 環境を用いて数値実験により提案手法の有効性を検証した.
著者
保住 純 和泉 潔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-028, pp.56, 2022-03-12 (Released:2022-10-21)

For traders, it is important to minimize execution costs and achieve more efficient order execution. Since the mechanisms for incurring costs are unclear, being able to properly account for them will lead to lower execution costs and higher revenues. In order to achieve order execution with minimal costs, methods that model and infer market principles have been used. In recent years, model-free offline reinforcement learning methods have widely been utilized. However, the data on financial instruments contains a lot of noise, which makes learning hard and makes it difficult to converge to the optimal trading method. In this paper, we propose an optimal order execution method that improves performance by imposing constraints on the model. Through experiments, we have found that by imposing appropriate constraints, we can improve the performance of the optimal order execution method. We show that by setting appropriate constraints, we can achieve improved order execution compared to conventional methods.
著者
井上 修一 穴田 一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-028, pp.43, 2022-03-12 (Released:2022-10-21)

In recent years, research on financial transactions using deep reinforcement learning, which is one of machine learning, has been actively conducted. In these studies, various approaches have been taken, such as those that consider the number of financial instruments bought and sold, compound interest calculation, and those that use stock price charts for input, but enough profit has not been made in all periods. It is considered that this is because the opportunity loss cannot be taken into consideration. Therefore, in this study, we build a model to learn the optimal buying and selling timings to make a profit in stock investment by incorporating the opportunity loss for each action into the reward in deep reinforcement learning, and show its effectiveness.