著者
篠崎 隆志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.181-188, 2018-03-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
3
著者
高橋 恒一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018)
巻号頁・発行日
pp.1F3OS5b03, 2018 (Released:2018-07-30)

長期的な機械知性の行き着く先が、その能力レベルの発展の上限により上限シナリオ、生態系シナリオ、多極シナリオ、シングルトンシナリオの順に分岐してゆく可能性を議論する。また、能力レベルの上限を制約する重要な要因として、高度な自律性を持つ認知アーキテクチャーの実現や自己構造改良能力などのアーキテクチャーレベルの問題のほかに、マルチエージェント状況における相対的優位性確立の難しさ、また計算の熱力学的効率や光速の上限などの物理的制約などがあることを議論する。
著者
三股 歩夢 荒井 幸代
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.2J6GS203, 2020 (Released:2020-06-19)

近年,監視カメラの普及が進み,幅広い分野における行動記録の活用が期待されている.その中でも行動履歴からの不審行動の検出は防犯やトラブル防止に重要である.しかし,監視者による検出は,その膨大な作業量はもちろん,経験に負う部分が大きいため,高精度な自動検出法への要請は大きい.自動不審行動検出の既存法は出現確率の低い行動を不審行動とみなすが,これでは実際は不審ではないが出現確率が低い行動が不審行動として誤検出され問題である.これを踏まえ,本研究は不審行動のデータ不要,リアルタイム検出可能,かつ既存法よりも高精度な自動不審行動検出の実現を目的とする.本研究は,多くの人がもつ「一般的な」意図に沿わない行動を不審行動とする.行動軌跡から報酬を推定可能な逆強化学習により人物動線データから導出される行動価値には,動線に潜在する意図が定量的に反映されるとして,導出された行動価値をもとに行動の不審さを評価する.擬似動線データにより実験した結果,既存法が誤評価する行動に対しても提案法は正確に評価可能であることを確認した.また,四つの指標により評価したところ,提案法は高い性能を示し有用なことを確認した.
著者
野田 恭平 高橋 久尚 津田 宏治 廣島 雅人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.E-M93_1-11, 2023-03-01 (Released:2023-03-01)
参考文献数
18

Due to the increase in material databases in recent years, there has been a lot of research regarding deep learning models which use large sizes of datasets and are aimed at the prediction of the material properties of inorganic compounds. Particularly, prediction models with Self-Attention structures, such as Roost and CrabNet, have garnered attention because of two reasons: (1) input variables are confined to the chemical composition of each formula and (2) Self-Attention enables models to learn individual element representations based on their chemical environment. However, the existing Self- Attention model yields low prediction accuracy when predicting structure-dependent material properties, such as the magnetic moment, for lack of structural information of compounds as input. In this research, based on the existing Self- Attention model, we set both elemental and structural information, especially the space group number and lattice constant, as input information and successfully construct a prediction model that is more versatile than existing methods. Furthermore, we visualized lists of promising materials by adopting Bayesian optimization. As a result, we have developed a system to propose desired materials for materials researchers.
著者
門脇 一真 木村 泰知 加藤 誠 近藤 隆史 乙武 北斗
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.FIN-030, pp.100-105, 2023-03-04 (Released:2023-03-04)

我々は,有価証券報告書(有報)に含まれるさまざまなタイプの表の理解を目的に,表構造解析を行うタスクを計画している.有報にはタクソノミがテキストブロックとして定義された箇所があり,特に非財務情報を表現する表には様々なタイプが含まれる.既存研究を参考に有報の表の各セルをヘッダ,属性,データといったクラスに分類した結果,既存研究で分類された関係表,エンティティ表,行列表などのいずれのパターンにも分類されない複雑な構造の表が見られ,さらにそれらの構造がいくつかのパターンに分類できた.本稿ではまず,各セルの分類方法と,その結果発見された表構造のパターンについて報告する.これらのうちセルが正しく分類できた表については,NTCIR-17 UFOタスクの表データ抽出(TDE)サブタスクでアノテーションデータを公開し,評価型ワークショップとして取り組めるようにする予定である.本稿ではこのタスクのデータ形式,評価方法についても取り上げる.
著者
関根 由可里 中島 敬祐 大竹 景子 瀧沢 岳 杉山 淳一 向井 大誠 柿澤 恭史 倉橋 節也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.B-MA6_1-11, 2023-03-01 (Released:2023-03-01)
参考文献数
32

With the spread of COVID-19, the risk of droplet infection has been studied through interdisciplinary research. However, there is little information on the spread of the pathogen through human contact behavior. In this paper, we focus on the home, which is the private space of people, and propose a model to visualize the risk of contact infection to a family when people return home by combining calculation of contact behavior after returning home and study of virus transfer efficiency. First, from the contact behavior data for the first 30 minutes after returning home, we calculated the probability of flow line, the distribution of the number of contacts, the probability of initial action and the probability of contact behavior transmission. Next, we obtained the transfer efficiency between the substrate representing the household goods surface and the model skin, and the rate of change of the viral transfer efficiency when people continuously contact the household goods surface. According to these probabilities, we reproduced the state in which the virus attached to the hand or household goods surface by probabilistically performing the agent’s movement and contact behavior after returning home. This result shows that when agents return home with viruses attached to their hands, the viruses are widely confirmed on household goods surfaces. Furthermore, by simulating the combination and timing of hygienic actions such as handwashing and disinfection, it was possible to visualize their effects on the risk of re-contact and care effects.
著者
瀬之口 潤輔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.FIN-013, pp.03, 2014-10-11 (Released:2023-01-12)

Financial crises are typically caused by a chain of credit contractions, which in turns could be caused by the rapid worsening of indexes that indicate people's psychology, such as bank stock prices. The purpose of this analysis is to identify trigger points where bank stocks rise or fall by extracting what common points existed in financial economic indicators immediately before significant fluctuations of bank stocks occurred in the past. To conduct discriminant analysis, we used the traditional statistical method as well as ensemble learning. We also used "bank stock performance" as well as "bank stock regime change" as objective variables. This attempt showed that the money multiplier and 10-year yield of government bonds are important ones that could have an influence on bank stock regime change. Keywords : Ensemble Learning, Bank Stock, Regime, J48, Random Forest.
著者
石黒 大樹 尾関 智子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3F3GS901, 2022 (Released:2022-07-11)

本研究では,単眼RGBカメラより得られた入力画像からハンドジェスチャを認識しWebアプリケーションの操作を可能とする非接触ユーザインタフェースを実現する.操作デバイスに触れずに対象を操作するUIの先行事例として赤外線センサやモーションセンサを活用したものがあるが,単眼RGBカメラのみを利用することで汎用的なモバイルデバイスでも簡易に操作可能なジェスチャ操作システムの実現を目指す.研究の手法として,まず機械学習ライブラリであるMediaPipeによって検出した手の各関節の座標点を学習データとして収集し,深層学習によっていくつかのジェスチャへと分類する.さらに,認識したハンドジェスチャを反映させる形でアプリ上に表示された地図を操作する.また,MLP,CNN,LSTMといった異なるネットワークを用いて学習をおこない,それぞれの精度の検証および最も適したネットワークを選定した.最終的に,LSTMによる94%の精度でのジェスチャ分類を可能としモバイルデバイスで利用可能なNUIシステムを構築した.
著者
加藤 義清 黒橋 禎夫 江本 浩
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.SWO-014, pp.01, 2006-11-21 (Released:2021-09-17)

従来は一部の機関,著者が特権的に有していた情報発信という機能が,ウェブの登場により一般の個人に開放されることとなった.特に,近年では消費者発信メディアの普及に伴いその傾向は顕著となっている.従来では得られなかった情報が得られるようになり,その利用価値は高まっている.その反面,信頼性という観点から情報を評価,選別し利活用することが難しくなっているのも事実である.本稿では,情報の信頼性について,関連する概念について整理し,ウェブ上の情報の信頼性評価を行う上での課題を挙げて要素技術をまとめる.
著者
許 蔚然 江口 浩二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.FIN-024, pp.177, 2020-03-14 (Released:2022-11-25)

In this paper, we aim to predict stock prices by analyzing text data in financial articles. TopicVec is a topic embedding model that represents latent topics in a word embedding space. Here, word embedding maps words into a low-dimensional continuous embedding space by exploiting the local word collocation patterns in a small context window. On the other hand, topic modeling maps documents onto a low-dimensional topic space. Using the topic embedding model, topics underlying each document can be mapped into the word embedding space by combining word embedding and topic modeling. The topic embedding model has not been used to address regression problem and also has not been used to predict stock prices by analyzing financial articles, to our knowledge. In this paper, by extending the topic embedding model to regression, we propose a topic embedding regression model called TopicVec-Reg to jointly model each document and a continuous label associated with the document. Our method takes financial articles as documents, each of which is associated with a stock price return as a continuous label, so that we can predict stock price returns for new unlabeled financial articles. We evaluate the effectiveness of TopicVec-Reg through experiments in the task of stock return prediction using news articles provided by Thomson Reuters and stock prices by the Tokyo Stock Exchange. The result of closed test shows that our method brought meaningful improvement on prediction performance.
著者
諏訪 正樹 高尾 恭平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第21回 (2007)
巻号頁・発行日
pp.1H36, 2007 (Released:2018-07-29)

身体技は一種の暗黙知であると考えられてきた.自分の身体の動きや体感を漏れなく完全に言葉にすることは不可能であるが、メタ認知的な言語化の実践は身体技の熟達に大きな貢献を与える.本研究は、8ヶ月に渡ってダーツの熟達を目指して練習を積んだ被験者の、言葉とパフォーマンスの関係を明らかにするものである.パフォーマンスの上達(スコアの局所的ピークおよび熟達度のブレイク)は、身体部位に関する言葉の数、その詳細度と比率、言葉同士の関係の数に如実に表れる.学習者がメタ認知的に自分の身体を語ることが熟達にどのような効果もたらすのかを論じたい.
著者
中野 幹生 駒谷 和範
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 第96回(2022.12) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.39, 2022-12-01 (Released:2022-12-01)

対話システムは,様々な技術を統合して構築されるため,情報技術教育の題材として有効であると考えられる.しかしながら,既存の対話システム構築フレームワークは,情報技術教育を目的としたものではないため,必ずしも初学者が学習目的で使うのに適しているとは言えない.そこで我々は,拡張性の高いアーキテクチャをもち,可読性の高いコードで書かれた対話システム構築フレームワークDialBBを開発している.DialBBは,ブロックと呼ぶモジュールを組み合わせることで対話システムを構築できるフレームワークである.システム開発者は,DialBB付属のブロックを用いることで簡単にシステムを構築できるが,自作のブロックを用いることで高度なシステムを構築することもできる.DialBBを対話ロボットコンペティション2022用のシステムの構築に利用してもらい,対話システム構築フレームワークとしての有用性を確認した.
著者
平田 和暉 下川原 英理 高谷 智哉 山口 亨
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018)
巻号頁・発行日
pp.2E4NFC1b02, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,対話システムの研究は盛んに行われている. 先行研究としてクラウドベースの音声対話システムを開発した.先行研究で開発した対話システムの課題の一つとして,ロボットが時節情報を考慮して発話することができないことが挙げあられる.この問題を解決するために,ロボットの応答文に時節情報が含まれているかどうかを自動的に判別するシステムを考える.提案手法として2つの分類手法を用いた.1つは単語パターンマッチングによるシンプルな分類である.2つ目はMLP(Multi-Layer Perceptron)を用いた分類である.結果,MLPを用いた分類手法が単語パターンマッチングよりも有用であった.

1 0 0 0 OA 主体と環世界

著者
中島 秀之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回 (2012)
巻号頁・発行日
pp.3E2OS169, 2012 (Released:2018-07-30)

知は環境との相互作用の上に成立しており,その相互作用こそが身体性だ.いや,そもそもこの主体と環境という分離がいけない.「境」などどこにも存在していないのだから.実は,この考え方は古来より様々な分野において異なる言葉で表現され,繰り返し主張されて来た.本発表ではそれらを概観し,知の本質に近づきたい.