著者
田村 恭久
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.234-240, 2020-03-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
1
著者
佐藤 優介 角 薫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2T6GS905, 2023 (Released:2023-07-10)

ゲームプレイヤーの腕前には個人差があるため,万人に満足してもらえるような難易度設定は難しく,不適当な難易度はゲームプレイヤーにとってストレスとなり,ゲームからの離脱を招く恐れがある.コンピュータがゲームプレイヤーのプレイ状況を分析し,適当な難易度に調整する動的難易度調整が注目されている.本研究では,生体センサを用いて,リアルタイムに情動の変化を推定し,リアルタイムに情動の変化を推定し,情動に合わせてゲームの難易度を自動的に調整することのできるゲームを開発した.皮膚電気活動や心拍数などの生体情報を用いて,ゲームプレイヤーのゲームプレイ中の不安や退屈といった情動を推定する際の指標になり得る生体情報を検討し,生体情報から情動を推定して動的難易度調整のパターンを比較し検証を行った.実験によって得られた結果から,ゲームシーンや難易度によって発現しやすい情動が異なることが明らかとなった.
著者
河村 和紀 池之内 颯都 石川 峻弥 村上 綾菜 河野 慎 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2G4OS21d04, 2023 (Released:2023-07-10)

本論文では、グラフで表される環境において事前知識を有効に活用して最適な方策を求めるための世界モデルに基づく強化学習手法を紹介する。ゲームや交通ネットワーク、知識グラフ、社会ネットワーク、通信ネットワークなど、仮想世界や現実世界においてグラフで表される環境は多い。これらの環境で最適な方策を求めるための手法はいくつかあるが、既存の研究においては、類似した環境下で獲得した事前知識を新たな方策を学習する際に活用できていない。そこで、本研究ではグラフで表される環境に対する事前知識を獲得した状態でより良い方策を学習する手法を提案する。また、グラフで表される迷路ゲームをシミュレーションし、提案手法が事前知識を用いない単純な強化学習モデルよりも性能が良いことを示す。
著者
越智 景子 井上 昂治 ララ ディベッシュ 河原 達也 熊崎 博一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 99回 (2023/12) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.78-83, 2023-12-04 (Released:2023-12-04)

精神科デイケア(精神科リハビリテーション外来)における傾聴ロボットの「きくロボ」の有用性について検討する。利用者が発した言葉を繰り返すなどのカウンセリング技法に基づいて開発された傾聴ロボットが、精神科デイケアの環境でが効果的な活動を提供できるかどうかを評価するために、会話実験を行った。ロボットは、18名のデイケア利用者が最近印象に残った出来事について話すのを最長3分間傾聴を実施した。その結果、会話によって自己評価の覚醒度が高まることが示された。また対話システムの応答の分析により、きくロボの評価応答や相槌の頻度が頻度が高かった対話のほど協力者が対話後に気分が改善したことが分かった。
著者
稲葉 通将 高溝 恵子 浮世 満理子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 99回 (2023/12) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.166-171, 2023-12-04 (Released:2023-12-04)

日本における10~39歳の死因順位の1位は自殺であり,現在の日本社会におけるメンタルヘルスケアの問題は深刻である.世界的にも,うつ病・不安障害により年間1兆ドルの生産性が失われているという報告がある.そこで,情報技術を用いてメンタルヘルスに関する問題解決を目指した研究が活発に行われており,カウンセリングを行う対話システムの研究開発も行われている.カウンセリング対話システムの多くは大規模言語モデル(LLM)を活用して構築されている.しかし,LLMを用いたカウンセリング対話システムの性能の定量的な評価が十分に行われているとは言い難い.本研究では,現職のカウンセラーがカウンセリング対話を模したロールプレイを行ったデータを収集し,そのデータ中のカウンセラー役の応答をGPT-4が生成した場合の適切さを別の複数名のカウンセラーが評価した結果について報告する.
著者
小室 允人 船越 孝太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.A-L61_1-15, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
31

The questions "How human-like is this dialogue robot?" and "How natural was the conversation with this dialogue robot?" are major concerns for dialogue robot researchers and developers. However, they have overlooked the way that unique conversational structures exist in actual conversations between humans and dialogue robots, which are different from those between humans. In this paper, we focus on the repetition of the user's own speech, and the user's commenting in the absence of a robot's response, in a conversation with a dialogue robot. These phenomena are unique to conversations with dialogue robots. When the user's speech is not inputted into dialogue robots, users often repeat their own speech. In addition, when the repeated speech is also not inputted to the dialogue robot, users often comment on the absence of response from the robot by giving reasons why the robot does not respond. These phenomena are organized in order, which means the repetition is performed firstly, and if the repeated speech is not inputted, then secondly, users will comment on the absence of response from the robot. We analyze these situations using conversation analysis methods, and discuss how these phenomena are organized in order, and how these phenomena are unique to conversations with dialogue robots. In the last part of the paper, we reconsider the "human-likeness" of dialogue robots.
著者
渡辺 哲朗 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4M11, 2015 (Released:2018-07-30)

政治資金の不適切な収支は社会的注目度の高い問題であり、不適切な政治活動実態は見逃されるべきではない。本研究では、Web上の情報を用いることによって政治資金収支報告書を分析し、不適切な政治資金の収支を自動検出するための手法の提案を目指す。政治資金収支報告書に記載のある収支相手の名称・住所などを用いて、関連情報をWeb上から効果的に抽出し、これを外部情報として利用することにより、適正性の判定を試みる。
著者
井上 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1C53, 2015 (Released:2018-07-30)

Arnold’s CatMapはそのカオス性により様々なアプリケーションに応用されている。筆者はこれまでこの理論がもつカオス的ダイナミクスを利用したCAPTCHAシステムでの認証方式を提案してきたが、システムの堅牢性や多様性を担保するためオリジナルのArnold's CatMapを拡張してシステムに適用する。そのためのダイナミクスの検討を行った。
著者
片瀬 菜津子 鳥居 拓馬 日髙 昇平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2J4GS105, 2023 (Released:2023-07-10)

物理法則発見の情報処理過程、特にその質的なモデルの変容過程を明らかにすることができれば、今後の科学の発展速度の向上が期待できる。先行研究として、認知科学研究として類推を構造的に捉える試みや、計算機科学研究として機械学習を用いた物理法則の発見の試みがある。しかし、前者は数値的データに基づかず、概念的な枠組みの記述に留まっており、後者は予測誤差に基づくモデリングを提案しているが、質的な仮説や理論の変容を説明していない。 古典的な天体運動の理論の成立過程では、天動説から地動説への質的な理論の変容が知られる。本研究ではこの歴史的な理論構築過程の説明を目的として、数理的モデルの構築を試みた。コペルニクスの地動説は、その当時の標準モデルであるプトレマイオスの天動説より予測誤差が大きいことが知られている。それにも関わらず地動説が提案されたという事実は、予測誤差以外に地動説の良さを評価する基準があることを示唆する。本研究では天体運動データを分析し、モデル選択の基準として、全体的な予測誤差以外に、逆行運動など顕著な例外的現象に対する予測誤差を考慮することで地動説への移行が説明できることを示す。
著者
三浦 温樹 澤田 隼 桂田 浩一 大村 英史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4T2GS1003, 2023 (Released:2023-07-10)

昨今のコロナ禍の影響により,オンラインや動画による授業を受ける頻度が急激に高まった.オンラインや動画による授業は場所を選ばずに受けられるため,自室などの誘惑の多い環境で受けることが多い.このような環境下では,ついスマートフォンで通知を確認したり,部屋にある授業と関係のない本や漫画を手に取ってしまったりなど,授業への集中力が欠如しがちになる.この問題を解決するために,本研究では駄洒落を用いて授業に集中させるシステムを提案する.駄洒落は言葉遊びの一つで,その楽しさやおかしさから聴取者の注意を引く.この機能を利用し,提案システムでは授業における重要な単語から駄洒落を生成し,ユーザの注意を授業動画に引きつけ集中力を向上させることを目指す.提案システムの検証実験により集中に関する一定の効果が得られたことを確認した.
著者
松原 仁 橋田 浩一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.695-703, 1989-11-20 (Released:2020-09-29)

The frame problem is very important in the context of knowledge representation of both humans and computers. The present paper discusses the frame problem for humans from a viewpoint of artificial intelligence. A major claim here is that the frame problem is unsolvable for humans as well. This claim is supported by several examples. Another major claim is that from a viewpoint of partiality of information, the frame problem must be discussed generally in a wide sense of the term, instead of being subdivided into the problem of description and the problem of processing. The unsolvability of the frame problem for humans should not be regarded as a limitation of human intelligence. Contrariwise, the flexibility of human intelligence is possible thanks to the fact that they cannot solve the frame problem; i. e., the fact that they make mistakes from time to time.
著者
清水 大志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3Rin478, 2020 (Released:2020-06-19)

あるテキストをもとに,その著者を推定するという研究は古くから行われている.日本語で書かれたテキストにおいては,単語の使用頻度や品詞のn-gramの分布,読点前の文字の分布といった特徴量に注目した手法が行われてきた.また判別モデルについてもランダムフォレスト法やニューラルネットワークといった様々な機械学習手法が用いられている.ここで本研究では,2014年に提案されたDoc2Vecと2018年に提案されたBERTに注目し,これらとニューラルネットを用いた教師あり学習を行って著者推定を行なった.学習データ及びテストデータとして使用する作品はインターネット上で公開されている青空文庫から取得した.Doc2Vecにおいては作品を数値ベクトルに変換し,それをニューラルネットの入力としている.Doc2Vecにおいては84.89%,BERTにおいては55.43%の精度が達成できた.