著者
庄司 直人 上島 通浩 榎原 毅
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.49-57, 2020-04-15 (Released:2020-04-23)
参考文献数
11

2020年1月以降,新型コロナウィルス(COVID-19)に対するリスク対応が喫緊の社会課題である.このようなCBRNE災害(Chemical, Biological, Radiological, Nuclear and Explosive)に対し,人間工学が果たせる貢献のひとつにリスクコミュニケーションがあげられる.本稿では次の4視点で人間工学におけるリサーチイシューを整理した:1)CBRNE災害におけるCERC要素とそのリサーチイシュー,2)社会不安へ対応する行動志向型コミュニケーションのリサーチイシュー,3)COVID-19の公衆衛生危機に対する人間工学研究と実践のリサーチイシュー,4)人間工学コミュニティが果たす役割.これら4視点からCOVID-19による社会不安軽減に向けた人間工学研究の方向性を示すこととした.
著者
竹内 友昭
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.65-68, 1984-04-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
2
著者
稲葉 翔吾 川村 淳 奥山 知子 小川 将樹
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.193-200, 2023-10-15 (Released:2023-11-03)
参考文献数
18

ミントガムの香りおよび咀嚼行動が乗り物酔いにおいて軽減作用を及ぼすかを評価するため,健康な47名の成人の被験者について,ミントガム咀嚼または無咀嚼の状態で,マイクロバス乗車中の20分間の主観的な気持ち悪さ評価値の比較を行った.その結果,ミントガム咀嚼条件にて有意に主観的気持ち悪さが軽減したことが分かった.また,SSQ(Simulator Sickness Questionnaire)の結果から,眼連動性,ふらつき感,および総合の各スコアにおいて,ミントガム咀嚼条件における有意な軽減が確認された.
著者
武末 慎 古達 浩史 村木 里志
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.310-319, 2021-12-15 (Released:2022-03-24)
参考文献数
31

本研究は,足と靴のフィット性を評価するための指標としての足甲接触圧に対して靴下の有無が与える影響を検討することを目的とした.被験者は若年男性12名(年齢,23.6±1.0歳)を対象とし,普段通りの速度で歩行動作を行った.実験条件は,靴下を履かずに靴を履く,靴下に加えて靴を履くおよび靴下のみを履く3条件とした.薄型圧力センサを用いてそれぞれの靴条件での歩行動作中の母趾球上面,腓側中足点,第二楔状骨点および踵点の足甲接触圧を計測した.接触圧のデータは,歩行周期を荷重応答期,立脚中期,立脚終期,前遊脚期および遊脚期に分類し,各歩行相における平均値を算出した.足甲接触圧では,靴を履いた条件で靴下のみを着用した条件よりも接触圧が増加する部位および歩行相が多く,靴着用により接触圧増加が生じていることが示された.一方で,靴着用時の靴下の有無条件間では接触圧に有意な差がみられた部位および歩行相は認められず,靴着用時では足甲接触圧に対して靴下の有無が与える影響は小さいことが示唆された.
著者
菅間 敦 泉 明里彩 瀬尾 明彦
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.191-198, 2014-08-20 (Released:2015-06-02)
参考文献数
19

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着して拡張現実や複合現実感の元で3Dコンテンツを視認する場合,頸部や体幹を傾けた不自然な姿勢を取る場合がある.そこで本研究では,HMDを装着して覗き込みを行った際の身体負担を定量的に評価し,HMDの装着と視認位置が身体負担に与える影響を明らかにすることを目的とした.実験は11名の被験者を対象とし,座位で覗き込み姿勢をとらせ,HMDの有無2条件と視認対象物の位置9条件を実験条件として行った.関節角度,関節の最大トルク比,筋電図,主観的な負担感の指標について解析した結果,HMD装着時には頸部の側屈が小さく体幹の側屈と回旋が大きい姿勢をとることで,身体負荷を軽減する姿勢をとることが明らかとなった.
著者
仲村 彰
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.189-195, 2009-06-15 (Released:2010-11-11)
参考文献数
12

これまでの射出脱出に関する研究の多くは,射出時の受傷部位やその程度に関する研究が多いことから,2名搭乗している航空機においてもそれぞれ搭乗者を個別に扱っており,2名の搭乗者をグループとして扱った研究はほとんどない.そこで,本研究は2名の操縦者をグループとして扱い,射出脱出時の行動の特徴を認識するために行われた.その方法として,2名操縦者が搭乗した射出脱出事例から操縦者それぞれの射出脱出タイミング,射出脱出シークエンス,射出脱出に関するコミュニケーションを抽出し,分析を行った.その結果,先に副操縦士が脱出する場合,その脱出判断は機長の指示に依存していることの他,機長が後に脱出する理由として,回復操作等の物理的被害回避だけでなくもう1名の操縦士の脱出確認といった責任者的行動が見られたこと,デュアル・イジェクションにおけるコミュニケーションの問題等2名搭乗した場合特有の現象も確認された.
著者
畑田 豊彦
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.129-134, 1993-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
8
被引用文献数
4
著者
山崎 淳一 高野 研一
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.24-33, 2021-02-15 (Released:2021-12-11)
参考文献数
25

現代社会において,顧客ニーズは複雑化し,製品やサービスが提供する価値も複雑化している.顧客ニーズを的確に捉え,複雑化する製品やサービスを効果的に提案するために,多くの企業の法人営業部門では,専門分野に特化した複数の営業担当者が,チームを構成して提案活動を行うことが一般的である.どうすればチームワーク型営業において優れた成果(以降パフォーマンスと表記)を発揮できるのかは企業にとって大きな関心事であるにも関わらず,これまでチームワーク型営業のパフォーマンスを左右する要因は明らかにされてこなかった.本研究では,仮説モデルを基に,営業職を対象としたアンケート調査を実施し,多変量解析による分析を行ってパフォーマンスモデルを作成し,仮説モデルとの比較考察,および個人営業とチームワーク型営業のベンチマークを行った.その結果,チームワーク型営業においては,メンバー個人の真摯で前向きな営業活動や業務姿勢,営業チームの明朗闊達な情報共有,パフォーマンスの3要素間に関係性がみられることを明らかにした.
著者
小松原 明哲
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.50, no.Supplement, pp.S108-S109, 2014-06-05 (Released:2014-09-05)
被引用文献数
1