著者
大松 浩一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.J2-J8, 2018

リニア編集のように映像を止めることなくテロップ付け(またはスーパー)する仕組みを,ノンリニア編集上に実現した.テレビ朝日は 2015年に報道設備がテープからファイルベースのシステムになり,編集面では本格的にノンリニア編集システムを取り入れた.しかし編集マンによると,映像編集は便利になる一方で,テロップ付けは逆に作業が大きな負担になるとのことだった.理由の一つはテロップ付けの際,映像の再生・停止を頻繁に繰り返すため,リニア編集よりもテロップ付けに時間がかかるためだった.もう一つはリニア編集で使っているディレクター用のスーパーボタンがなく編集マンがテロップ付け操作をすべて代行しなければならないためだった.今回の開発により,それら弱点を克服し,ノンリニア編集でのテロップ付けにかかる時間は旧来の半分になった.ノンリニア編集の圧倒的な利便性に加え,リニア編集の弱点であったテロップ付け機能が補強され,両者の長所を併せ持った編集システムが実現できた.
著者
重永 明義 山本 直弘 吉沢 雄二 鈴木 彰
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.15, no.23, pp.1-6, 1991-03-28 (Released:2017-10-06)

In the special TV program "A GALACTIC ODYSSEY", which presents resent results of solving mysteries of the universe, We made enormuos amount of special effect pictures which heve excellent quality and reality. We introduce the techniques of making SFX pictures using a motion control system, the Ultimatte system and component digital (D-1) video editing system.
著者
山本 直弘 重永 明義
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.966-967, 1991-08-20 (Released:2011-03-14)

NHKスペシャル「銀河宇宙オデッセイ」の全編にわたって, 我々は, 特殊撮影と合成により高品質でリアリティに富む宇宙の映像を制作した.モーションコントロール, アルチマット, ディジタル映像合成システムによるSFX映像制作の思想、と映像スタッフとしての取組みを紹介する.
著者
岡田 直也 高木 康博
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.17-20, 2008
参考文献数
10

われわれは,以前に,画像サイズと視域角の両法を拡大するためのホログラム表示技術を提案している.これは,高フレームレートSLMをアナモルフィック光学系により縦長画像として結像し,これをガルバノスキャナで水平方向に走査する.今回は,不要光である共役像,ゼロ次回折光,および高次回折像の除去を行った.不要光の除去にはシングルサイドバンド法を用いた.垂直スリットと水平スリットを,再生光学系の垂直方向と水平方向のフーリエ面にそれぞれ配置した.実験により,不要光のないホログラム表示を実現した.
著者
熊井 郁哉 金澤 秀明 鈴木 竹雅 安藤 亮一 杉浦 孝直
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.14D-4, 2016

In June 2016, all local stations of NHK began operating File-Based News Production System. In this system, all users are able to share video files via IP network and use meta data of contents effectively. This file-based system realizes dramatic improvements in speed and efficiency for the workflow of news production.
著者
プロハースカ ズデネク 伊藤 崇之 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
vol.1998, pp.283-284, 1998

In this paper we present a new method for automated warping of images. Proposed method is based on variational approach, and the deformation mapping is obtained as a solution which minimizes squared sum of pixelwise differences under smoothness constraints. We applied the proposed method to real images with encouraging results.
著者
富岡 強 阿部 隼也 長谷川 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.J151-J154, 2017

メガネ型のビデオカメラを着用して保育士が園児を撮影し,顔認証システムを用いて個人識別する.撮影された映像中に複数の園児が登場することから,これらの情報を用いて園児間および保育士の関係をソーシャルグラフで図示する.ソーシャルグラフを分析することによって,仲良しグループや孤立児の存在が分かる.ソーシャルグラフにおける各園児の次数中心性,媒介中心性,近接中心性,固有ベクトル中心性を算出し,中心的な園児を推定する.実験により,ソーシャルグラフの生成,および,中心的な園児の推定が可能であることを明らかにした.
著者
笹岡 貴史 乾 敏郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.7-12, 1999
参考文献数
8

景観の集合による物体の脳内表現を仮定した場合, 様々な要因による物体の景観の変化をどのように取り扱うかという問題を克服しなければならない.本研究では, この問題に対する手がかりとして「典型的景観」に注目し, 新奇物体を用いた2つの心理物理実験を行った.実験1では, 認識が容易で, かつ多くの被験者が典型的であると評定するような典型的景観が新奇物体において存在することが確認された.実験2では, 景観の典型性が, 汎化の大きさに与える影響を調べた.その結果, 典型的景観を記憶することにより, 物体の多くの景観を汎化できることが示された.この結果は, 典型的景観による物体の脳内表現を支持するものといえる.
著者
峯松 史明 渋谷 一彦 小原 良之 岩崎 徹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.61-64, 2012
参考文献数
4
被引用文献数
1

特異な気象条件によって引き起こされるダクト伝搬等の異常伝搬が発生すると,当該放送エリアに関係の無い遠方の地上デジタル放送波が到来し,地上デジタル中継局や,家庭での受信において混信を引き起こすことがある.一般に混信波は伝搬状態が不安定であることや希望波にマスクされてしまうことから,混信局の探索は,極めて困難であることが多かった.筆者らは今回,迅速な混信局探索を実現する装置として,ネットワークID推定機能付きISDB-T受信機,ISDB-T混信波抽出装置の開発を行ったので,これら装置の概要と,性能確認実験の結果について報告する.
著者
三橋 哲雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.1195-1198, 1999-09-20 (Released:2011-08-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2
著者
青木 耀平 丸山 啓介 橋本 直己
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.89-92, 2016

近年,立体物に対し映像を投影することでその見た目を変化させるプロジェクションマッピング技術が注目されている.プロジェクションマッピングは,対象形状に応じた投影位置の調整作業が必要となるが,安価な深度センサを導入することで,投影対象の位置姿勢検出を自動的に行い,適切な映像の生成が可能となるため,コストを抑えつつ手軽にプロジェクションマッピングが実現できる.しかし,深度センサは計測精度が低いという課題が存在し,高精度な映像投影への応用は困難である.そこで本研究は,ロバスト推定を用いた深度センサの計測精度向上手法の導入とデバイスの高精度な校正を行うことで,誰もが気軽に利用できる高精度なプロジェクションマッピングシステムの実現を目指す.
著者
中枝 武弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1749-1754, 2006-11-01 (Released:2008-11-01)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

近年の広色域ディスプレイの開発を踏まえ, 現在のディジタルビデオ信号規格であるITU-R BT.709/601規格の上位互換で, より広色域な色空間の規格であるxvYCC規格 (IEC61966-2-4) が2006年1月に制定された. 本稿では, まず映像信号のさまざまな広色域化の方法を述べ, さらに, xvYCC規格の内容や広色域化の効果, ディスプレイの色域との関連について解説する.
著者
竹村 裕夫 大井 一成 佐藤 逸三 斎藤 喜久雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.542-547, 1979-07-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
10

512 (V) × 340 (H) 画素CCD2個と色スプライプフィルターを組合せた2板式カラーカメラを開発, 比較的少ない画素数のCCDを用いて実用レベルに近い画像を得ることに成功した.またフレーム転送方式CCDの画素構成を解析, 混色と解像度の点で, このカラー撮像方式が有利なことを明らかにした.