- 著者
-
Liu Yu
Nakajima Masayuki
- 出版者
- 一般社団法人映像情報メディア学会
- 雑誌
- テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.10, pp.1507-1514, 1996-10-20
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
2
アニメ画像は, 自然画像と異なる特徴と持っている, すなわち動いている対象物体, 人物, 動物などでは色数が少ない.また, ノイズがなく同色領域も多く, 規則的な輪郭線もある.それに対して背景にはフルカラーの領域が多く存在する.従来のアニメ画像圧縮手法として, 単純なストラクチャランレングス符号化があるが, フルカラーの背景を効率良く圧縮できない.また, 単純な予測DPCM符号化を用いて, 色数が少ない部分(人物など)を圧縮すると効率が低いという問題があった.そこで本論文では, アニメ画像の特徴を利用して, 高能率のロスレスハイブリッド符号化法を提案する.本提案手法は, ストラクチャランレングス符号化の基本手法と予測DPCMを併用し, 従来の手法における低圧縮率の問題を解消した.また, ストラクチャランレングス符号化の周辺画素のサーチ手法によって, 元の画像を記号データと色データに変換し, 周辺画素の記号によって, 適応予測DPCMを色データに適用するか否かを決定している.そして, 変換後の各データに対して, エントロピー符号化を行っている.従来の手法と比較した結果, エントロピーが適応DPCM符号化より, 平均的に1b/pxiel, 単純なストラクチャランレングス符号化より, 最大5b/pixel下がることが明らかとなった.