著者
河野 嘉憲 長谷川 光司 阿山 みよし 春日 正男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.64, pp.1-6, 2001-10-18
参考文献数
10

本稿では, 動的マルチメディア環境において, 動く映像と音声を同時に呈示した際の映像が音像の定位に与える影響について, 走るパトカーのCGムービーとそのサイレン音を様々に組み合わせた呈示実験により検討を行った.その結果, 音像は刺激の呈示開始時にもっとも強く映像の影響を受けることがわかった.また, 音源が映像と逆方向に移動する場合は, 実際に音源と映像が一致する位置においても, ほとんどの被験者は映像と音像が離れていると知覚した.
著者
土橋 正和 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.77-80, 2009-02-28
参考文献数
2
被引用文献数
1

入力顔画像から顔パーツを抽出・分析し、最適な似顔絵テンプレートを自動選択して似顔絵を生成する方法について述べる。形状ベースパターンマッチング手法により、入力顔画像から各顔パーツ(眼、眉、鼻、口)を抽出する。300人分の顔画像データベースから抽出した顔パーツに対して、輝度の主成分分析により特徴量を求め、階層的クラスタリングを用いて互いに似た形状でまとまるように各顔パーツの画像を分類する。特徴量と分類結果を用いてSVMによりマルチクラスの識別器を作成する。この識別器を用いて入力顔パーツのクラスを選択し、対応する似顔絵テンプレートにより似顔絵を描画する。実際にユーザに似顔絵を作成してもらい、手動での作成に比べユーザの負担を軽減でき、また、入力顔の特徴を良く表現した似顔絵を生成できることを確認した。
著者
宮林 聡 藤原 徹 湯本 典行
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.61, pp.57-62, 1993-10-21

NTV has created the Japanese characters' on-screen graphics system, using the technical knowledge gained by the experience of the Japanese-English simultaneous on-screen graphic system which was produced/established at the 3rd IAAF World Championships in Atheletics in Tokyo in 1991. This system is operated by receiving the host computers' data at the venue where we transmit from, but actually super-imposing our simultaneously produced Japanese character graphics, all done without This results in the benefit of delay compared to the host broadcaster's English superimposement. viewer in Japan where they can see in Japanese(where it used to be in English or some other language)the athletes' and sport's information of an event that NTV is transmitting from abroad.
著者
山下 輝彦 小濱 剛 神山 斉己
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.23-26, 2011-03-08

本研究ではサッカード眼球運動の発生メカニズムを解明することを目的として,前頭眼野から脳幹網様体に至る神経細胞ネットワークの数理モデル化を行った.神経生理学知見に基づけば,サッカード発生の際には,まず前頭眼野でサッカード計画が生成され,黒質網様部を介して中脳の上丘に達し,サッカード命令に変換される.上丘では,視線の移動量と移動速度に関する信号に符号化して出力され,これが脳幹網様体に伝達されて眼筋の収縮をもたらし,サッカードとして表出する.前頭眼野,上丘,および脳幹には,注視時に持続的に活動する注視細胞や,サッカードの準備段階で活動を開始するビルドアップ細胞,サッカードの直前に活動するバースト細胞などが存在することが知られているが,そのネットワークや統制のメカニズムについては,未だ完全には解明されていない.提案モデルは,解剖学的知見に基づいてサッカードに関与する神経系のネットワークを定式化し,サッカード時の各部の神経応答の再現を可能としたものである.シミュレーション実験の結果,エクスプレスサッカード時の神経応答をよく再現することが示され,アンチサッカード時の上丘中間層細胞の応答をも再現が可能であることが示された.このことから,サッカード生成メカニズムの数学的な表現として,ある程度の妥当性を持つことが示唆された.
著者
磯野 春雄 安田 稔
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.549-555, 1987-06-20
被引用文献数
19 3

従来の時分割立体テレビ方式の問題点であるフリッカの発生や垂直解像度の低下などを解決したフリッカレス120Hz時分割立体テレビ装置を試作し, この装置を用いて, これまで不明確であった時分割立体視の成立条件を検討した.実験には, 水平方向ばかりでなく垂直方向にも両眼視差を与えたランダムドットおよび方形パターンを対象に, 立体視可能な融合範囲を測定した.その結果, 時分割120Hz方式の融合範囲は, 水平方向視角40分以内, 垂直方向5〜7分以内となり, 従来の60Hz方式や赤-緑メガネを用いるアナグリフ方式よりも融合範囲が広く, 立体視しやすいことがわかった.また, 時分割立体視に必要なシャッタ周波数や時分割提示条件でのフリッカ知覚についても検討した.
著者
永井 豊
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.1699-1707, 1999-12-20

コンピュータグラフィックスは, 映像制作において現在, 普通の技術として用いられているが, 技術の進歩の速い分野であり, 新しい技術が多く現れている.今回の海外文献特集は, 1999年8月8日から13日にロスアンゼルスで開催されたコンピュータグラフィックスに関する国際会議SIGGRAPH'99で発表された52編の論文から抜粋した5編を紹介する.VR関連の3編(音声に同期した顔全体のCGを生成するシステム, 仮想空間の移動インタフェースの比較, 仮想環境による視聴者参加生放送番組の試み)と3次元手書き描画インタフェース, 電子透かし技術である.
著者
金子 大介 三井 実
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.54, pp.53-56, 2012-12-04
参考文献数
18

近年,音楽データの管理・再生をPCで行う人が増え,PCを再生機器として使用するPCオーディオが隆盛である.D/A変換をPC内部で行うとアナログ音声信号に影響を及ぼし音質劣化に繋がるため,外部DACが登場した.ディジタル信号しか扱わないPCでは理論上信号は変化しないはずだが,その再生音質はPCの構成によって変化すると言われている.その原因は,D/A変換を行う際のサンプリングClock jitterであると考えられる.jitterとは信号波形の時間軸方向の揺らぎであり,jitterが乗ると理論的には変化しないはずのアナログ出力信号が変化してしまう.本研究では,PCの動作環境とjitter量,更に音質との関係性を明らかにする.
著者
桐渕 直樹 住広 尚三 佐藤 源貞 小賀野 哲朗 中澤 健 成田 誠一 福井 康平
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
no.2005, pp."3-2-1"-"3-2-2", 2005-08-01

In a Two-Cirular Loop Antenna with a reflecter it investigated about input impedance, radiation pattern, and power gain. It aims at development of the antenna to acquire the following features in a wide frequency band. 1, Input impedance adjustment can be easily taken. 2, It is high power gain. 3, When multiple arrangement is carried out, Horizontal radiation pattern becomes omnidirectional pattern.
著者
外村 佳伸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.15, pp.35-41, 2000-02-21
参考文献数
18
被引用文献数
1

本稿では, 本格的に始まったディジタル映像時代において、今後期待の高まるインタラクティブあるいは双方向と言われる機能にていて述べる。すなわちインタラクティブ映像に関するインタラクティブ性の考え方、機能について考察するとともに、それを実現する技術について述べる。また、実際に開発が行われているインタラクティブ映像ツールの具体例を併せて紹介しながら、今後の方向性について示唆する。
著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.479-484, 1979-06-01
被引用文献数
6 14

運動刺激に対する網膜各部位の機能差を最小刺激条件および最大刺激条件から検討した.その結果, 中心視における最小刺激条件は空間分解能により支配されるが, 周辺視では空間分解能以下の運動でも動きの知覚が成立すること, また, 運動を知覚しうる最大速度は周辺視の方が中心視より勝ることなどを明らかにした.
著者
阿久津 由香 飯塚 由美 篠崎 智子 佐々木 和也 清水 裕子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.59, pp.7-12, 2000-10-19

近年の情報通信技術の発展はめざましく, 学校教育においても, 子どもたちにさまざまな情報の中から有効なものを見つけだしたり, 自ら情報を発信したりする能力を身につけさせることが重要な課題となっている.また, 教員がマルチメディアの特性を生かした授業を試みることも, 教育効果が高まることとして期待されている.本研究では, 栃木県下の小・中学校の情報教育に着目し, 教育の現状, 問題点, 教職員の意識等の調査を行い, 情報教育の基礎資料とした.また, 限られた時間だけでなく, あらゆる教科においても情報教育は展開される必要があると考え, 本研究室でマルチメディアコンテンツを用いた家庭科教材ソフトを作成し, 小・中学校の家庭科の授業に用い, 効果的な利用法を探っている.
著者
外山 裕之 高橋 正信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
no.2007, pp."1-6-1"-"1-6-2", 2007-08-01

Conventional show-through cancellation algorithm has a problem that show-through in an image area is excessively corrected, resulting in large error in a corrected result. In order to solve this problem, iterative algorithm is proposed and experimentally shown to be effective.
著者
Liu Yu Nakajima Masayuki
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1507-1514, 1996-10-20
参考文献数
12
被引用文献数
2

アニメ画像は, 自然画像と異なる特徴と持っている, すなわち動いている対象物体, 人物, 動物などでは色数が少ない.また, ノイズがなく同色領域も多く, 規則的な輪郭線もある.それに対して背景にはフルカラーの領域が多く存在する.従来のアニメ画像圧縮手法として, 単純なストラクチャランレングス符号化があるが, フルカラーの背景を効率良く圧縮できない.また, 単純な予測DPCM符号化を用いて, 色数が少ない部分(人物など)を圧縮すると効率が低いという問題があった.そこで本論文では, アニメ画像の特徴を利用して, 高能率のロスレスハイブリッド符号化法を提案する.本提案手法は, ストラクチャランレングス符号化の基本手法と予測DPCMを併用し, 従来の手法における低圧縮率の問題を解消した.また, ストラクチャランレングス符号化の周辺画素のサーチ手法によって, 元の画像を記号データと色データに変換し, 周辺画素の記号によって, 適応予測DPCMを色データに適用するか否かを決定している.そして, 変換後の各データに対して, エントロピー符号化を行っている.従来の手法と比較した結果, エントロピーが適応DPCM符号化より, 平均的に1b/pxiel, 単純なストラクチャランレングス符号化より, 最大5b/pixel下がることが明らかとなった.
著者
橋本 靖昭 根来 雅晴
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.15, pp.25-29, 1997-02-27
被引用文献数
1

We broadcasted "'97 FIS World Cup CrossCoutry and NordicCombind", as the teat-event of '98 NAGANO, with NTSC/HDTV simultaneous production system, It is the first time in Japan that the CrossCoutry competition was broadcasted in such a large scale. In this paper, we report this broadcasting system with new camera system developed for the '98 Olympic Games in NAGANO.
著者
日下 秀夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.726-732, 1982-08-20

階段波パターンの各ステップの境界部分に2次微分波形に似た信号を加えて輪郭を強調したところ, 通常鋸歯状に見えるべき明るさ分布が一様になり, マッハ現象の効果が抑制されることを見出した.この抑制の効果は定量的に充分明らかでない.本文では, マッハ現象の抑制効果の心理物理的測定方法, 定量測定の結果ならびに画質に及ぼす効果について示した.