著者
窪田 悟
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.1091-1095, 1996-08-20
被引用文献数
13 8

反射型LCDに要求される明度とコントラストの条件をハードコピーを用いた主観評価実験により検討した.さまざまな明度とコントラストで印刷した文字画像を異なった照度条件下に提示して, 30名の被験者による評定尺度法を使った主観評価実験を行った.主な結果は, 以下の通りである.(1)明度指数(L^*)65〜70(反射率35〜40%)以下の条件では, 明度が下がるほど, 高コントラストが求められる.(2)明度指数が65〜70以上の条件では, コントラスト比が約5で, ディスプレイとして問題なく使用できるレベルになる.(3)明度指数65〜70以上の条件では, 照度が読み取りやすさに及ぼす影響は, 比較的小さい.これらめ結果より, 視覚特性に即した反射型LCDの開発目標を明度指数65〜70,コントラスト比約5とした.この条件の読み取りやすさは, 明度指数が75〜80(反射率50〜60%), コントラスト比5〜6である一般的な新聞紙面に匹敵する.
著者
坂上 勝彦 山本 和彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.1155-1163, 1991-10-20
被引用文献数
79 7

エネルギー最小化原理を用いた網のモデルActive Netを提案し, その領域抽出への応用について述べる.Active Netは内部歪みエネルギーと画像の適合性エネルギーによって変形し, エネルギー最小の状態に向かってダイナミックに動きながら領域の抽出を行う.内部歪みエネルギーは収縮力や平行性を保とうとする力など網自身の持つ力に依存し, 画像の適合性のエネルギーは領域内の画像の特徴を反映する.これらの力に従って網は変形し, エネルギー最小化の最適解として選択的に領域を抽出することができる.実際の画像データに対するActive Netによる領域抽出実験結果についても報告する.
著者
吉田 倫子 浜屋 敏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.51, pp.11-14, 2010-11-19

野中(1990)がSECIモデルをもって知識移転のプロセスを理論化して以来、多くの企業、とりわけ製造業にとって、ミクロレベルでの暗黙知と形式知の長期的継続性のある継承を、組織内、部署内でいかにして定着付けていくかは非常に大きな関心事となった。本論では、2009年に企業A(国内・製造業)で実施された従業員満足度測定のデータを用いて、従業員の視点からどのようなSECIの循環が見られるのかを検証した。その結果、全サンプルではSECIの循環が見られるものの、部門別の推計ではそれぞれの違いが確認できた。
著者
篠原 諒 村田 英一 吉田 進 山本 高至 梅原 大祐 田野 哲 守倉 正博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.25-28, 2013-02-13

周波数利用効率を向上させる技術として提案されているマルチユーザMIMO伝送を行うシステムをハードウェアで実装し実験的に検討を行っている.屋内環境におけるマルチユーザMIMO伝送実験の研究は報告されているが,屋外環境における伝送実験の報告は少ない.マルチユーザMIMO屋外伝送実験を行うためにUSRP (Universal Software Radio Peripheral)を用いて移動端末を試作した.USRPはソフトウェア無線端末の一種であり,安価に入手可能かつ小型であるため,持ち出しが容易な移動端末が複数台必要なマルチユーザMIMO屋外伝送実験に適している.USRPの制御には汎用OSを搭載したPCと専用のドライバであるUSRP Hardware Driverを用いた.本稿では,移動端末の試作,特に周波数安定性や送受信タイミング管理,EVMにより評価した伝送特性を含む諸特性について述べる.
著者
大竹 亘 岩橋 政宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.54, pp.9-12, 2009-12-03
被引用文献数
3

リフティング構成された2点回転変換は、信号値や乗算係数値の有限語長化にも拘わらず、信号の可逆再生が保証されており、ロスレス符号化として広く応用されている。回転変換の係数値は、回転角度により一意に決定されるが、リフティング構成された場合、係数値が分母を持つ。このため、回転角度によっては分母が零となる。このような特異点の付近では、有限語長化による丸め誤差が、変換の内部で大幅に増幅される問題がある。以前我々は、RGB3色に対する主成分分析(あるいはKLT)を例として、信号の入力順と出力順を置換することで、3点回転変換における特異点問題が回避され、丸め誤差を低減できる方法を提案した。本報告では更に、2点回転変換に対する信号置換ならびに符号置換を導入することで、より一層の誤差低減が可能となることを示す。4種類の標準画像に対する実験の結果、誤差の分散が従来法に比べ平均26.6[%]程度低減できることが確認された。
著者
植松 裕子 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会冬季大会講演予稿集 (ISSN:13434357)
巻号頁・発行日
no.2006, pp."7-5-1", 2006-11-20

現実世界のテーブルに置いた野球盤の上に,3次元の野球選手によって再現した試合を複合現実提示するARアプリケーションを提案する.ユーザは,webカメラを装着したLCDモニタを通して野球盤を見ることで,好きな視点からその試合を鑑賞することができる.
著者
和田 剛明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.48, pp.29-34, 2009-11-06

イノベーションには「活用」と「探索」の二つのパターンが存在する。企業の長期的な成長のためには、この両者のバランスをとることを求められるが、短期の効率性の観点から、活用が過剰に選択される傾向にある。この活用を選択しようとする圧力から逃れるには、社内ベンチャーなどの独立した組織に探索的なイノベーションを取り組むべきとされる。しかし、製品開発レベルにおいての対応を考えた時に、人材や資源には制約がありかつ固定的であり、独立的な組織を別途立ち上げたり、解散させたりすることは難しい。本報告要旨では、国内家庭用ゲームソフトメーカーにおける、内製と外部開発企業の資源利用による対応を紹介する。
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.30, pp.49-52, 2012-07-12
被引用文献数
1

ハイビジョ映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を進めている.このミリ波モバイルカメラは,42-GHz帯電波と複数の送受信ダイバーシティ技術を用いて伝送容量や回線信頼性の向上を実現しており,ゴルフ中継などの屋外中継や,紅白歌合戦などの屋内撮影で数多く使用されている.今回,屋内および屋外の実撮影環境におけるミリ波モバイルカメラの伝送テストを通して4系統の受信IF信号を連続記録し,伝搬特性の解析を行った.そして,屋内および屋外の実撮影環境における伝搬特性について,それぞれ定量的評価を行ったので,報告する.
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.35-38, 2011-02-18
被引用文献数
2

ハイビジョン映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を進めている。この開発には、カメラから副調整室に撮影映像を無線伝送する「本線伝送」と副調整室からカメラにカメラ制御信号や確認用映像を無線伝送する「送り返し伝送」の実現が必要となる。今回、42GHz帯電波と複数の送信アンテナを用いるSTBC伝送技術を適用して高い回線信頼性を実現した42GHz帯送り返し伝送システムを開発し、送り返し用ハイビジョン映像や双方向通信が必要なカメラ制御信号の無線伝送、ハイビジョンカメラのゲンロック同期およびインカム通信を実現した。また、開発した42GHz帯送り返し伝送システムは第61回NHK紅白歌合戦の撮影に使用され、安定した送り返し無線伝送に成功した。
著者
松本 大輔 青木 輝勝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.52, pp.17-20, 2011-12-05

高精度のアダルトアニメフィルタリングシステムを実現するためには、複数の特徴量を組み合わせてフィルタリングシステムを構成する必要があり、そのために、利用しうる新たな特徴量を提案していくことが重要になる。本稿では、アダルト情報を含むアニメに当てはまる性質に基づき、新たな特徴量として"同一輝度値を持つ画素の割合"を利用することを提案する。フレームの画素値をヒストグラム化することによりこの特徴量を記述し、閾値処理を施すことによってアダルト映像の判定を行うパラメータとする。映像ソースを利用した実験により、提案した特徴量がアダルトアニメフィルタリングに有用な特徴量であることを示し、更に複数の特徴量を組み合わせることによってより精度良くアダルトアニメを検出できるということを示す。
著者
松尾 堅太郎 三好 正之 濱田 剛 柴田 裕一郎 正田 備也 小栗 清
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.201-206, 2009-02-04
参考文献数
9

位相限定相関法は画像マッチング・画像レジストレーションにおいて高いロバスト性とサブピクセル単位での高い精度を実現する計算方法であるが同時に計算コストが膨大であるという側面もある.これまで位相限定相関法の高速化には専用LSIやFPGAを用いた方法が試みられてきた.今回我々は新たにGPU(Graphics Processing Unit)を用いた位相限定相関法の高速化手法を考案し,Nvidia GPU,GeForce8800GTSへ実装を行った.GPU 1台当たりの処理時間に256×256 pixel画像が2.36秒,512×512 pixel画像が7.92秒,1024×1024 pixel画像が27.65秒で処理可能なことを確認し,これが過去の専用LSIやFPGAを用いた場合の計算速度と比較して約10倍程度高速であることを確認した.
著者
岡田 喜義
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.810-817, 1966-12-01

演色性と色再現の区別を述べ, カラーテレビの色再現と演色性の評価に関し将来の方向を示唆した.CIEが等色差のUVWの色空間を構成して色差を数量化表示する方法を採決したことの解説に始まり, 光源の演色性評価数の定義と計算方法, 自然昼光の実態とCIEの合成昼光標準の計算方法を述べた.現在, 日米両国で製造されているキセノンランプ, 螢光放電灯, 水銀灯の演色評価数の概数を示し, また, 光源の演色挙動を通覧する方法を述べた。
著者
小林 孝次 中島 寛 青木 孝文 川又 政征 樋口 龍雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.41, pp.1-6, 1996-07-16
被引用文献数
35

位相限定相関はフーリエ変換を用いた相関の計算過程において、入力画像の振幅成分を固定値で置き換えるよう修正した新しいパターンマッチング・アルゴリズムである。位相限定の自己相関はデルタ関数となり、相関に比べてきわめて急峻な識別特性を持つ。また、画像の振幅の影響を受けず、像のずれは相関のピークが出現する位置のずれに変換されるといった性質を持つ。位相限定相関は今後様々な分野で普及するものと予想されるが、特に顔画像や指紋画像など、安定した特徴量の抽出が難しい画像のマッチングに適している。
著者
戀津 魁 安藤 健翔 神山 大輝 細川 慎一 日置 優介 渡邉 賢悟 伊藤 彰教 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.169-170, 2013-03-08

「ハノイの本」は100年以上前から存在する木製パズルゲーム「ハノイの塔」のルールを踏襲し,乱雑に置かれた本を大きな本から順に本棚に収納していくiOS向けパズルゲームである.「ハノイの塔」のシンプルなゲーム性と本棚の特徴を融合させ,知的な楽しさと共に整理整頓の快感を提供する.よりよいユーザ体験の為に,デバイスに適したグラフィックインタラクション,及びゲームの特性に適したサウンドインタラクションを実装した.
著者
北 昭雄 萩原 良信 今村 弘樹 崔 龍雲
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.53-57, 2011-02-14
被引用文献数
2

本研究では,単眼カメラによる3次元リアルタイムモーションキャプチャの初期段階として,腕の関節の3次元位置を推定する手法を提案する.本手法は,多関節な人体の腕に対してパーティクルフィルタを階層的に適用することにより,関節の3次元位置の推定を行う.実験として,右腕のリアルタイム追跡実験を行い,推定精度の定性的な評価を行った.
著者
岡本 泰治
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.167-170, 2003-02-04
参考文献数
7

現在、携帯電話やPDA等に代表される携帯情報端末が普及している。これらは、小型・軽量の為、何時でも何処でも気軽に利用可能なのが最大の特徴である。将来、携帯電話を代表とするモバイルコンピューティングは用途に応じて、端末を持っていなくても好きな所でコンピュータを利用する事が出来る「ユビキタスコンピューティング」、コンピュータを装着することで今よりも自由の利く状態でのコンピュータの利用が可能な「ウェアラブルコンピューティング」へそれぞれ移行していくと考えられている。以上を踏まえ本稿では、その内のウェアラブルコンピューティングに着目し、指の動きをセンサで感知するサイバーグローブを用いた入出力の方式について考察する。
著者
近藤 邦雄 高橋 雅博 松永 政尚 山嵜 秀樹
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1615-1622, 2000-11-20
被引用文献数
7 1

A method is proposed for retrieving images from a database using an index color. It is based on a new method for automatically picking index color in images. This method can be used to represent an effect similar to looking at the most several index colors instead of original images. The index color for an image is selected by collecting the colors and picking noticeable one. A method is also proposed for retrieving images as using index colors. This method is very useful, because we can retrieve images based on our impression of images as represented by index colors.