著者
宮内 良一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, 1990-07-20

第68回NAB(National Association of Broadcasters)大会が, 1990年3月31日〜4月3日まで, アメリカ合衆国ジョージア州アトランタのジョージアワールドコングレスセンターにて開催された.今回その民放連ツアーに参加したので報告する.今回の参加人員は約50000人, 海外からは約6000人.約15万m^2の会場に700以上もの業者が出展していた.〔NAB会長 エディフリッツ氏の挨拶〕この10年間を振り返ってみると, 1980年初めには, VCR(家庭用VTR)はなかった.しかし現在では, 2/3以上の家庭がVCRを持っている.またケーブルテレビも, その頃には出始めのため政府の保護を受けなければならなかったが, 今ではすっかり安定している.1980年代には, 技術の進歩に伴い放送界は大きく変化した.海外の放送事業者との関係が一段と密接になり, 災害や事件の時には世界のどこであろうとも一番先に飛んで行き, 世界中にそのあり様を"生"で映し出してみせた.我々放送業界は, CATVに対抗してフリーでこれらのサービスを行ってきたし, これからもそのようにしていかなくてはならない.しかし, その前には大きな波が押し寄せてきている.皆で力を合わせ, 共に立ち向かっていかなければならない.CATVもさることながら, 我々"Free TV"の果たしている役割はずっと大きいし, 国会もそれなりの法律を制定し, 我々に協力すべきである.CATVとは, 法律の規制を同じにし, 公平な立場で競争させてほしい.今後, アメリカおよび日本の民放は, ローカルサービスに励み, 地域社会に密着したサービスを充実していかなければ生き残ってはいけないだろう.
著者
山崎 章市
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.76, pp.1-6, 2001-11-20

MR(Mixed Reality)プロジェクトが約4年間に開発した4種のHMD≪(1)自由曲面プリズムを使った広画角光学シースルーHMD(水平51度, 垂直37度), (2)HMDの表示系に撮像系の光軸を一致させたビデオシースルーHMD"COASTAR", (3)屋外用に開発した光学シースルーHMD, (4)光学シースルーHMDの表示系・光学シースルー系に撮像系の光軸を一致させた光学シースルーHMD≫とそれらを用いた3Dアプリケーションシステムについて紹介する.
著者
羽川 令子 佐野 芳彦 加野島 英渡 田中 一之 金子 俊一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.34, pp.91-94, 2010-08-30

本研究では,紙面上に置いたサイコロの画像を実時間でロバストに認識し,特徴量を定式化・数値化する手法を提案する.これにより得られた数値をサウンドセルと呼ばれる作曲ツールの入力値として利用することで,身体障害者用リハビリテーションツールを作成することを目的としている.今回は主に,画像計測によるサイコロの特徴量検出部分について報告する.
著者
高井 康太 千葉 広大 藤村 武史 平田 純也 合田 竜志 巳波 弘佳 長田 典子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.73-76, 2011-02-12

ピアノ演奏をCGアニメーションで表現する技術が,コンテンツ制作や音楽教育などさまざまな分野で求められている.我々はリアルで自然なピアノ演奏動作の解析やCG表現の研究を進めている.本研究では,ピアノの演奏動作を楽譜のみから自動生成し,リアルなCGアニメーションを出力する方法を提案する.ピアノ運指および軌道は最適化手法により決定する.自動生成された演奏モーションは演奏スキルレベルによってヒューマナイズされ,GPUレンダリングによりリアルな肌質感をリアルタイムに表現する.これらはピアノ演奏技術の学習支援等に利用できる.
著者
前田 幹夫 松下 吉宏 野田 勉 原田 守夫 瀬藤 幸児 尾花 毅 改正 高章 清水 信作 井口 政昭
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.35, pp.31-36, 1996-06-20
被引用文献数
6

Through utilization tests or the 64QAM signal under tentative specifications, intensive works have been made to standardize digital broadcasting signal format over cable television systems. At first, we describe an indoor experiment on the adjacent interference between the 64QAM signal and 3 types of analog modulation signals so far being supposed to transmit through cable television facilities. Next, we describe field tests conducted at 2 operative facilities under allowable ranges of DU ratio.
著者
荻野 一郎 荒井 靖雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.4, no.30, pp.27-29, 1980-12

第1図は本装置のブロック図である。レベルコンパレータで, サンプル映像信号よりカラーバランス補正条件を満す画面領域を検出する。この領域のR-G信号, B-G信号をゲートして, 基準信号のGチャンネルとの差に等しい直流のR誤差信号, B誤差信号を作る。この誤差信号を主制御信号に加算してプロセス部を制御する。第2図は本装置の挿入系統である。本装置は本線信号と分離されており, 映像信号よりカラーバランスの誤差信号を得て直接ブロセス部を制御するので系統が簡単である。本装置は白バランス(AWB), ガンマバランス(AGB), 黒バランス(ABB)の3ブロックで構成されておりそれぞれの検出す範囲(THRESHOLD)を決めることができる。AWB, AGB, ABBはそれぞれ単独にON/OFFできる。
著者
新垣 吉也 羽生田 雅也 永塚 守 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.15, pp.1-6, 2001-02-16
被引用文献数
3

東京タワーのデータ等を用いて、風で送信アンテナが揺れることにより発生する受信信号のドップラーシフトの概算を行なった。計算機シミュレーションにより、OFDM復調の等化回路、周波数同期回路の検討を行なった。OFDM復調器を用いた室内実験を行ない、周波数オフセットを有する遅延波が存在する場合の受信特性を調査した。またシュミレーションと室内実験との比較を行なった。
著者
五ノ井 あずさ 森谷 友昭 高橋 時市郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.14, pp.61-64, 2011-03-04

近年,拡張現実感が注目されている.本研究では,拡張現実感を用いたゲームを制作することを目的とし,ゲームをより面白くするために,3Dオブジェクトを表示する際に用いるマーカそのものに着目し,新しいマーカを提案する.基本となるマーカを参考に,拡張された新しいマーカを複数考案し,認識実験とアンケート調査を行い,実用性を評価した.またARマーカを用いて,現実環境の中で遊ぶことができるAR脱出ゲームを制作した.これにより,コンピュータゲームである脱出ゲームと拡張現実感を組み合わせた新しいゲームが可能になった.
著者
増田 哲朗 深井 寛修 徐 剛
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.33, pp.91-94, 2011-08-22
被引用文献数
1

近年,スポーツの発展とともにフィールドスポーツにおける運動分析の重要性か高まっている.特に選手に負荷のかからないカメラを用いた運動分析は注目されているが,未だにスポーツのフィールド全体を3次元復元し,選手の追跡を実時間で実現する研究は現れていない.そこで同期多カメラを用いた複数移動物体の実時間追跡を提案する.本手法は,3次元復元したデータを鳥瞰図化することで物体の認識と追跡を実時間で可能にする.物体の認識には輪郭を利用し,前フレームの同一物体の追跡を可能にする.実環境下で実験を行ったところ,複数移動物体の追跡ができ,提案手法の有効性を示せた.
著者
前田 有希 宮崎 大介 前川 聡
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.22, pp.37-40, 2011-06-09

2面コーナーリフレクタアレイによる結像作用を利用し,さらに屈折素子であるプリズムシートによって走査を行う体積走査型ディスプレイを開発した.プリズムシートの回転による光線走査は機械的負荷が小さく,表示像の大型化を容易にする.2面コーナーリフレクタアレイにより3次元画像は空中に表示される.我々はプロトタイプを作成し,5[cm]×5[cm]×5[cm]の大きさの3次元画像を表示することができた.
著者
梶波 崇 林 織部 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.25, pp.67-72, 2010-06-29

本研究では,従来からの博物館展示の形式を踏襲しつつ,デジタル技術によって展示物の背景情報を伝達可能にするデジタル展示ケースシステムを提案している.展示物に付随する背景情報を,同じ時代に作られたもの同士の関連性といった共時性とその経年劣化や来歴といった経時性の二つに分類した上で,この二種の背景情報を直観的に提示するための手法について検討する.これらの手法を実現するシステムとして,パネルとケースからなるCGを利用したインタラクティブな展示装置を作成した.さらに土偶をコンテンツとして展示を実装し,博物館からの評価を受け,デジタル展示ケースシステムの有用性を検証した.
著者
深谷 崇史 山内 結子 三ッ峰 秀樹 藤掛 英夫 井上 誠喜
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.2049-2052, 2002-12-01
参考文献数
4
被引用文献数
3

バーチャルスタジオにおける出演者と仮想対象物とのコミュニケーション手段の1つとして,人には見えてテレビカメラには映らないインタフェース(インビジブルライト)を考案した.本稿では,インビジブルライトの原理と,試作システムによるコンピュータグラフイックスなどの位置提示手法について報告する.
著者
坂口 竜己 大谷 淳 岸野 文郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.1060-1067, 1995-08-20
被引用文献数
35 8

従来の人物顔表情認識では, 静止画像の複雑な処理が必要であった.これに対し, 静止画像内の特徴と, 時系列の特徴を統合して認識率を向上させる検討を行った.画像内特徴には, 雑音や撮影環境に比較的ロバストな周波数特性として, ウェーブレット変換により得られる帯域内平均電力を用いている.時系列処理には, 信号系列を時間的変化の特徴によってカテゴリー分類する際に有用な隠れマルコフモデル(HMM)を採用し, 学習による認識を行っている.また特徴量の量子化には, 表情のように認識対象カテゴリー間の類似度が高い場合に, 有効なカテゴリー別VQとカテゴリー外コードワード選択追加によるコードブックの作成を提案する.これにより, 特定被験者の4表情の認識実験では, 平均93.7%の正答率が得られた.
著者
戸田 英夫 多田 昌裕 野間 春生 蓮花 一己
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.54, pp.37-40, 2009-12-03

近年の交通事故原因の特徴として安全不確認,脇見運転,動静不注視が上位を占めており,運転手の危険認知不足によって引き起こされる事故が多発している.そのため,運転手が危険認知不足に陥りやすい箇所を抽出し,それを認知させる技術の確立は予防安全の観点からみても重要である.本研究では,運転手に装着型センサを取り付けて運転手の一挙一動を計測し,計測した動作データから危険認知不足にともなう行動を推定し,推定した行動が頻発する領域を潜在的危険領域として抽出する.抽出した潜在的危険領域に基づき交通ハザードマップを生成し,これら一連の仕組みを自動化する手法を提案する.
著者
麻殖生 健二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.440-447, 1983-06-20

ディジタルオーディオ装置では高精度DAおよびAD変換器が必要である.このため従来, 技術的に実現困難であった16ビット程度の変換器が, 種々の新しい高精度化方式の開発によりモノリシックIC化され, 民生用ディジタルオーディオ用として, 性能的にほぼ問題のないレベルに達している.ここでは, 主としてこれらIC化AD, DA変換器について述べる.