- 著者
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上原 明
直井 岳人
飯島 祥二
- 出版者
- 人間・環境学会
- 雑誌
- 人間・環境学会誌
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.2, pp.1-10, 2017
本研究は、観光目的地となっている商業空間における場面の特性とそこで促されうる観光活動の関係性を明らかにすること目的としている。調査では、沖縄県那覇市国際通り周辺の 10 場面に関する 60 名の県内大学生を被験者としたスライド評定実験を行い、その評定平均値を基にクラスター分析を行った。次に、分類された当該研究対象地に関して現地で 31 名の県内大学生に自由記述式の調査を行った。その結果、対象場面は、「観光者向けの場面」及び「地元の生活を感じられる場面」に区分されることが示唆された。また、「観光者向けの場面」では、「お土産を買うこと」、「よく知られた沖縄の観光情報を知ること」、「お土産店の店員との交流」という観光活動が促されうることが示唆された一方、「地元の生活が感じられる場面」では、「落ち着いた雰囲気の中で」、「観光者が地元の生活を感じながら」、「観光者が地元の人々と交流する」という観光活動が促されうる可能性が示唆された。以上のように対象商業空間の場面における印象評価の差が認められ、各場面の特性とそこで促されうる観光活動の関係性が検証された。本研究の結果は、観光目的地の場面における観光活動の特徴を分類・整理するための枠組みを構築するための有用なアプローチを示したと考えられる。