著者
荒木 宏之 三島 悠一郎
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ハイドロタルサイト(HT)とゼオライトを併用したHT/Zeリン回収法の開発を目的として吸着材の吸着特性、2つの吸着材の共役的脱着試験、脱着液からのリン回収試験、下水を用いた実証的な試験を行った。HTの一種であるナノサイズ層状複水酸化物(NLDH)とガラス粉末ゼオライト(GZe)のリン及びアンモニアの吸着特性を明らかにした。脱着試験からNLDHとGZeの1つの脱着液で共役的な脱着再生が可能であることを明らかにし、約9割のリンを脱着液中へ回収可能なことを示した。リン回収試験結果と併せて考慮すると、吸着したリンの81%を回収できることが分かった。実証試験では実廃水でもリン回収可能なことを示した。
著者
塩谷 孝夫
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

心筋の細胞膜には、細胞膜Caポンプ(PMCA)とNa/Ca交換(NCX)の2種類のカルシウム輸送体が存在する。本課題ではマウス心筋細胞からのホールセルクランプ記録と局所Ca2+濃度分布のコンピュータシミュレーションを用いてこれらの機能連関を調べ、次の結論を得た。1)心筋細胞のPMCAは自身の近傍の細胞内Ca2+濃度を低く維持し、その局所Ca2+濃度をシグナル媒体としてNCXを調節する。2)このNCX調節はリバースECカップリングを抑制し、活動電位の過度な延長を防止する。
著者
木本 晃
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

申請者らは、乳がん早期発見を目的とした電気・超音波一体型可視化システムの確立を目指している。本研究により、超音波プローブの表面に16電極を有する薄膜を塗付した電気・超音波一体型イメージングシステムを製作した。数値シミュレーション及び生体モデル実験により本システムを評価した。生体モデルとして、脂肪層、乳腺層及び腫瘍層の3層からなるモデルを作成した。結果として、実用化に向けて解決しなければならない課題は残るが、本システムにより得られる超音波画像を利用することで電気インピーダンス再構成画像の分解能の改善を図ることができた。
著者
木原 誠
出版者
佐賀大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究の成果は、今日の免疫学の視点を導入し、文化の主体のありかを、コミュニティ内部から排除され、周縁に置かれた「インミュニティ(免疫)=アジール」にあると措定し、マクロ・中央集権・リアリズムの世界観を、ミクロ・周縁・虚構=無視・排除されたものの方から逆説・異化し、文化学創成のための新しい一モデルを提示したことに求められる。対象東西地域は、比較文化学の視点から重要と考えられる1 :我国最古の駆込寺の伝統をもつ東慶寺・鎌倉2 :ヨーロッパの極西・アイルランドの周縁に位置し、ヨーロッパ煉獄伝説発祥の地、オクシデントの表象、ドニゴールに絞り、調査、分析、検証を行った。
著者
畑山 敏夫
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

フランス社会モデルをめぐる右翼陣営内での対立を分析することを通じてフランス政治の抱えている多くの困難や課題を明らかにできた。すなわち、戦後の保守本流であるドゴ-ル主義保守が築いてきた経済社会が息詰まった中でサルコジの代表する新自由主義を中心に、国家の役割や主権を重視する「主権主義」保守や極右などの潮流が台頭してくる。本研究では、サルコジと極右の対立も含めて保守の変容について考察してみる。
著者
楊枝 嗣朗
出版者
佐賀大学
雑誌
佐賀大学経済論集 (ISSN:02867230)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-24, 2008-05

1 0 0 0 IR 訪韓記

著者
近藤 則之
出版者
佐賀大学
雑誌
佐賀大国文 (ISSN:02875756)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.46-49, 1988-11
著者
八田 勘司 堀川 悦夫 藤田 君支 佐藤 和子
出版者
佐賀大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、長期療養施設における高齢者に非薬物療法としてのユーモアセラピーを用いて、心身の活性化を図り、ユーモアセラピーの効果を明らかにすることである。さらに、プログラムや実施上の留意点などを検討しモデルを開発することである。本年度は、総合保健施設の通所サービスを利用している高齢者で、調査に同意の得られた「ちんどんセラピー」介入群(18名)、非介入群(対照群)12名を分析対象とした。平日の午前中に、ちんどん屋を専業としている協力者による「ユーモアセラピー」(演奏、口上、大道芸、踊りなど30分間)を行った。介入前後に採血を行い、神経系、内分泌系、免疫系の変化を分析した。気分評価には5段階尺度を用いた。また、ちんどん屋によるユーモアセラピー中の表情・行動の変化を分析するため、同意の得られた患者6名にビデオ撮影を行った。対照群は別の日の午前中に2回採血を行い、介入群と比較検討した。その結果、介入群では、βエンドルフィン値、アドレナリン値、ノルアドレナリン値が介入前と介入後の間で有意に高値を示し、コルチゾール値は有意に低下したが、NK細胞活性は有意な差は認められなかった。対照群では、2回のそれぞれの値に有意な差はみられなかった。気分評価は実施前と実施後で快の方向に有意に変化した。プログラムの面白度では、「玉すだれ」が最も高く、踊りの場面で笑顔が多くみられた。ちんどん屋による「ユーモアセラピー」は、ちんどん太鼓やゴロス、トランペットなどの楽器で生演奏を行い、場内を練り歩くプログラムで構成されている。賑やかでリズミカルな音楽、大道芸、盆踊り等を行うことは、交感神経系を刺激して適度な緊張状態に導き、心身の活性化につながると考えられる。ちんどん屋による「ユーモアセラピー」での楽しい笑いは、高齢者の気分を高め、神経・内分泌系に影響を与えて、高齢者の健康増進に役立つ可能性が示唆された。プログラムは音楽と大道芸と踊りの三要素で構成し、楽しい雰囲気を作ることが重要である。
著者
東 美幸 松本 羊子 亀井 勇統
出版者
佐賀大学
雑誌
Coastal bioenvironment (ISSN:13487175)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.21-28, 2003-07-31

紫外線照射により引き起こされる肌の色素沈着(シミ・ソバカス)を予防、改善する美白化粧品の開発を目的とし、マウスB16メラノーマ細胞を用いたメラニン合成阻害試験において、強いメラニン合成阻害活性を示した紅藻カイメンソウ(Ceratodictyo spongiosum)の水溶性画分について、各種クロマトグラフィーによる活性物質の分離・精製を試みた。活性物質の抽出法の検討の結果、カイメンソウは、オートクレーブ熱水抽出において、最も高い活性を示した。また、カイメンソウの水溶性画分は、既知のメラニン合成阻害物質であるアルブチン、アスコルビン酸並びにコウジ酸よりも明らかに高いメラニン合成阻害活性を示した。さらに、限外ろ過の結果から、既知のメラニン合成阻害物質が比較的低分子であるのに対し、紅藻カイメンソウ由来のメラニン合成阻害物質は、高分子であることが示唆された。分離した部門精製メラニン合成阻害物質もまた、比較に用いた既知物質アルブチン以上のメラニン合成阻害活性を示した。以上のことより、紅藻カイメンソウ由来の水溶性活性物質は、新規美白剤としての応用に有望であることが示唆された。
著者
和久屋 寛
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

一種の信号変換ツールとみなすことで、様々な分野で自己組織化マップ(SOM)が利用されている。ここでは、シーズ重視の立場から、(1)新しいアーキテクチャの構築、(2)新しい信号処理技術の開発、(3)工学的な応用に取り組んだ。その結果、時系列信号処理や部分データへの対応、発散式学習などの技術を生み出し、オンライン手書き文字認識、アニメーション作成、観光情報解析ツール、携帯情報端末への実装などの研究成果を得た。