著者
三ツ松 誠
出版者
佐賀大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、国学者としての長野義言の資料の残存状況を調査し、今後の研究の可能性を開くとともに、井伊直弼と義言の国学思想とその政治上の立場との関わりを問題にした。既存の研究では、本居宣長流の歌詠みだった義言は、説教くさい儒教や道徳一般を嫌う故に、安政の大獄に際して容赦なく敵対者を弾圧することができたのだと説かれてきた。だがむしろ、本居宣長説を独自に拡張した神学に伴う善悪二元論的発想が、敵対者への仮借なき姿勢につながったのではないだろうか。
著者
大庭 裕介
出版者
佐賀大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:18819044)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.69-74, 2013-03-29
著者
近藤 則之
出版者
佐賀大学
雑誌
佐賀大国文 (ISSN:02875756)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.51-66, 2015-03
著者
野間口 眞太郎 工藤 慎一
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

亜社会性ミツボシツチカメムシおいて、2つの家族が混ざり合い、2匹の雌親が共同で給餌などの子の世話をする「家族融合」という現象が最近発見された.本研究では,野外調査や室内実験を通して,家族融合の形成プロセス、家族融合を起こさせる主要な要因,雌親同士の個体間相互作用を調べ,この家族融合が亜社会性から真社会性に至る昆虫の社会性進化の次の段階である擬似社会性への移行につながるか否かを検討した.その結果、融合雌の中に給餌をやめて次の繁殖の準備を始める「抜け駆け」雌が現れるため、集団としてより高度な社会性への移行は困難であることが分かった.
著者
藤田 亜美
出版者
佐賀大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

皮膚末梢から中枢へ至る痛覚情報伝達の修飾が行われる脊髄膠様質のニューロンにホールセル・パッチクランプ法を適用して、種々の植物由来物質がTRPチャネルを活性化することで痛覚情報伝達がどのように修飾されるのかをシナプスレベルで検討した。その結果、黒胡椒成分ピペリン、ミント成分(-)カルボン、ユーカリ成分1,4-シネオールがTRPV1チャネルを、月桂樹成分オイゲノール、生姜成分ジンゲロン、オレガノ成分カルバクロール、キャラウェイ成分(+)-カルボン、ユーカリ成分1,8-シネオールがTRPA1チャネルをそれぞれ活性化して、興奮性シナプス伝達を促進することが明らかとなった。
著者
北川 慶子 新井 康平 韓 昌完 高山 忠雄 永家 忠司
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

災害時要援護者を災害の被害からどのように守るかということは、減災の基本的命題である。本件急は、これを重視しつつ、災害時要援護者の生活が、心身、社会的な健康型もたれなければ、災害からの復帰・復興葉が困難であるということを解明するために、避難所・仮設住宅で、被災者に対する調査を行い、生活実態をとらえるた。被災後の生活は、適度な運動(リハビリ、パワーリハビリ)と定期的な健康診査、人間関係の健康が3要素となり基本である。人との対話や交際をするための医療・保健・福祉サービスをつなぐツールとして、防災かるたとマナーかるたを作った。これにより体と心と人との交流を行う生活リハビリプログラムが出来上がった。
著者
永野 幸生 山本 雅史 古藤田 信博
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

最先端分析機器「次世代シーケンサー」を用いてDNAを分析することで、様々なカンキツの類縁関係を調べた。その結果、既知の知見をより厳密に再確認し、さらに、新規な発見をした。中でも特筆すべき発見は、新たに命名したヒマラヤンライムの発見である。ブータンで見つけたヒマラヤンライムは、世界中で知られているメキシカンライムと形態的に似ているが、DNAを調べるとメキシカンライムとは異なるものであった。
著者
村田 大紀
出版者
佐賀大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

靭帯断裂に対する再生医療の応用として近年,in vitroにおいて作製した靭帯様構造物を移植する方法が,実験的に試されている。しかし,靭帯様構造物には人工材料が用いられており,長期にわたる異物反応や自己組織化の阻害など,そこには多くの問題が存在する。そこで申請者はまず,人工材料を用いることなく,これまで開発に携わってきたバイオ3Dプリンタを用いることで,iPS細胞由来間葉系幹細胞からなる,未分化な立体細胞構造体を作製することにした。その後,独自に開発した自動伸展培養容器を用いて,in vitroで靭帯組織へと分化誘導し,靭帯組織体を創出することで,新たな靭帯再建技術の確立を目指すこととした。
著者
南里 康弘 出原 賢治
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

IPFは肺組織における不可逆的な線維化を特徴とする疾患であり、既存治療薬の効果は充分でなく、新しい治療薬の開発が急務である。我々は、ペリオスチンが線維化に重要なサイトカイン TGF-bにより誘導されると共に、ペリオスチンとTGF-bシグナル間にクロストークが存在し、肺線維化機序において重要な役割を持つと考えるに至った。本研究では、クロストークを阻害するインテグリン阻害剤 (CP4715)を同定し、間質性肺炎モデルマウスへ投与した結果、クロストークシグナルを阻害し、肺線維化に対して軽減効果を示した。これらから、ペリオスチン/TGF-bのクロストークの阻害がIPFの新たな治療戦略として期待される。