著者
今井 治人
出版者
佐賀大学
雑誌
佐賀大学文化教育学部研究論文集 (ISSN:13479601)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.263-273, 2008-08
著者
池田 豊子 十日市 健助
出版者
佐賀大学
雑誌
佐賀医科大学一般教育紀要 (ISSN:02880865)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.73-86, 2000-12

本稿は1929年に出版だれたヴァージニア・ウルフの『自分だけの部屋』についての考察である。この作品には二つの大きなテーマがある。一つはイギリスの家父長制での文学,特に詩に,創造的にかかわろうとした努力の過程で,いかに女性が恵まれなかったか。もう一つは19世紀イギリスのロマン派の詩人・批評家のコールリッジによって紹介された文学的な意味合いでの両性具有についてである。ここでは第一のテーマのみに焦点をあてた。(第二のテーマは続編で述べる予定)先ずウルフの講演の聴衆及び読者へのメッセージ,-女性はどのような分野であれ,自分の最も関心のあることに勇敢に立ち向かっていき,経済的自立に足るだけの収入を得ることによって自分で物を考える人になることが必要である-を紹介した。次に新世紀の幕開けのこの時に,ウルフのこのメッセージが我々に(男性・女性共に)どのような意味合いをもつかを詳しく述べた。
著者
新井 康平
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

視線によるコンピュータ入力および生活行動支援キーボードを視線によって移動させることによって視線によるコンピュータ入力精度を向上した。当該システムを用いて利用者に文章を生成させ、読み上げソフトウェアにより読み上げることにより障がい者の会話を支援するシステムを構築した。また、摂食支援、情報収集支援のみならず、ドメスティックロボットによる仮想旅行、作業支援等も行えるようにした。
著者
宮崎 卓朗
出版者
佐賀大学
雑誌
佐賀大学経済論集 (ISSN:02867230)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.17-43, 2013-07
著者
十日市 健助 池田 豊子
出版者
佐賀大学
雑誌
佐賀医科大学一般教育紀要 (ISSN:02880865)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.87-103, 2000-12

本稿は,ドロシー・スタイン著Ada : A Life and a Legacyの付章「異常感-精神的なそして肉体的な-」の日本語訳である。この章を選んだ理由は,詩人バイロンの娘エイダが37年の短い生涯において苦しんだ様々な病気に専ら言及しているからである。医学生の立場からすると,スタイン女史が,エイダの最も長く患った病気の源を,彼女の家系をたどることによって,どのように特定しようとしたかは,特に関心をよせるところであると思われる。スタイン女史のこの問題に対するアプローチの厳格さは,彼女のスタイルともなっているが,どの学生も見習い身につけるべきであろう。
著者
中川 泰宏
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

まず,Einstein・Kaehler 計量の一般化である,Kaehler・Ricci ソリトンを反標準類とは限らない一般の Kaehler 類の場合に一般化することに成功し,さらにその非自明な例を構成した.次に,トーリックでない Einstein・佐々木計量の例を構成することができた.そして第三に Nill・Paffenholz による非対称な Einstein・ Kaehler トーリックFano 多様体の例を高次元の場合へ一般化することに成功した.
著者
鹿毛 理恵
出版者
佐賀大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

少子高齢化による人口減少と労働力不足の進行は、土木・建設分野、製造業、サービス業、医療・福祉分野、農林水産業の労働力不足が深刻化している。特に地方の人口減少と高齢化は、産業と地域社会の衰退を招いている。本研究は農業分野における技能実習制度による外国人労働者受入れについて検討している。地方は、量、質ともに労働力が絶対的に不足し、規模の経済を狙った経営が難しく、若者を確保する産業が限られている。技能実習生の受入れで、労働力不足の解消に貢献している。しかし、文化の違いや言葉の壁はあるという。また、労使関係上のトラブル、賃金未払い、労働者の脱走は問題との指摘がNGOや送出し機関から指摘された。
著者
木原 誠 朱雀 成子 早瀬 博範 吉岡 剛彦 相澤 照明 相野 毅 田村 栄子
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

三年間に亘る本研究の目的は、「国際文化学」の理念構築、及びその建築された理念を速やかに教育現場で実践していくための教育図書を備えた研究の出版にあった。この目的は、一昨年の『ヨーロッパ文化と日本』、昨年度の『歴史と虚構のなかの<ヨーロッパ>-国際文化学のドラマツルギー』(共に昭和堂)の出版において一つの結実をみた(さらに、今年度は『国際文化学と<旅・移動>』という表題で出版を予定)。研究に関してはすでに二冊の教育研究図書刊行により、すでに十分、企図を達成していたことから、最終年度にあたる平成19年度は、やや不十分であった実践的側面に重点をあてることを最大の課題に掲げた。その具体的成果は、佐賀大学文化教育学部に一昨年より新しく開講された「国際文化学概論」での教育の実践、具体的には、本研究により出版された二冊の図書を教科書に用いて、本研究の研究者全員がオムニバス形式で授業を行ない、その後、改善の検討会議を行なうことにより遂行された。また、本年度は、これまでの本研究成果を踏まえて、国際文化学会の研究会を「B面の国際文化学」という表題のもとで、佐賀大学で開催したことも特記しておきたい(尚、本研究の成果のあらましは、国際文化学誌、平成20年度『インターカルチュラル』で、「佐賀大学における国際文化学の歩み」という表題で掲載予定)。
著者
見市 文香
出版者
佐賀大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

寄生虫疾患は、発展途上国を中心に、地球規模で甚大な被害をもたらしている脅威の感染症である。未だに有効な治療法が確立していない疾患が多く存在しているのが現状である。寄生虫疾患の病原体、つまり寄生虫の多くで、ミトコンドリアが退化していることが知られている。退化したミトコンドリアは、ミトコンドリア関連オルガネラ(MRO)と総称され、その特殊性・重要性が徐々に解明されてきている。近年、申請者らは、寄生原虫の一種、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)の“MRO”と“寄生適応”との密接な関係を明示した。具体的には、寄生性赤痢アメーバについて、1) 赤痢アメーバが持つMROである“マイトソーム”の主たる機能の1つが硫酸活性化であり、赤痢アメーバの生存に必須であること。2)その最終代謝産物の1つがコレステロール硫酸(CS)であること。3) CSがEntamoebaの形態変化である感染嚢子(シスト)形成の制御分子であること。4) CS合成阻害はシスト形成阻害を引き起こすこと。を見出した。さらにマイトソーム内にある硫酸活性化経路と細胞質にある硫酸基転移酵素(コレステロール硫酸合成酵素を含む)とを結ぶ輸送体としてマイトソーム内膜上に存在するmitochondrial carrier family (MCF)を同定した。以上のことから、赤痢アメーバのMROが真核生物のMROの例外では無く、必須オルガネラであること、さらにシスト形成という重要な生命現象に関わることを明らかにした。本研究成果は、2015年6月2日発行の科学雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA」および2015年9月発行の科学雑誌「Eukaryotic Cell」に掲載された(Mi-ichi et al, PNAS 2015, Eukaryotic Cell 2015)。
著者
松山 郁夫
出版者
佐賀大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究により、①自閉症児者の家族は、自閉症があると社会適応が困難で支援体制が不十分と捉えていること、②障害者支援施設の生活支援員は、自閉症児者の状態に応じた支援が必要と認識していること、③発達障害者支援センターの相談支援者は、自閉症児者の状況把握の困難さ、障害の特性、適応行為の困難さを問題視していること、④地域の支援者は、自閉症児者に対する自立生活と余暇生活に対する支援を重視していること、以上が明らかになった。これらのことは、青年期・成人期の自閉症者に対する地域包括支援を行う上で重視すべき視点と考察した。
著者
小倉 幸雄 松本 裕行 塩谷 隆 富崎 松代 三苫 至 半田 賢司
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

確率変数の取る値の空間を一般化する研究は,理論の上からも,応用数学の立場からも重要なテーマであろう.それをファジィ集合の空間に取り,極限定理を調べるのが本研究の目的である.この空間では,位相の入れ方によって可分性が壊れることがあるので注意を要する.本研究の一つの成果は,大数の法則,中心極限定理それにマルチンゲール収束定理は,可分性が壊れる一様位相を入れた空間でも成り立つことを突きとめたことである.方法としては,単調性を用いる方法と,分割を細かくするときのパラメータに関するエントロピーの可積分性を出して,経験分布の理論に持ち込む手法を取った.大偏差原理については,可分性がより大きな影響を与えるが,Levyの距離による位相についてまでは,自然な条件の下でCramer型の大偏差原理が成り立つことを得た.Skorohod位相と一様位相の場合は,やゝ強い条件の下で成り立つことを得た.また,この条件をみたす具体例を求めたが,これはM.Arcones : Large deviations of empirical processesの一つの定理の反例になっている.また自然な条件の下で,Sanov型の大偏差原理が成り立つことも得た.速度関数を具体的に求める問題は,簡単な場合しか出来ていないが,一つの例では,2つの測度の相対エントロピーになることが分かった.次に,研究分担者の松本裕行とともに,一次元ブラウン運動B(t)とその時刻tまでの最大値M(t)について,cM-Xがマルコフ過程になるのは,c=0,1,2の場合のみであることを得た.これは,15年度からの継続の研究であるが,Levyの定理(c=1の場合)とPittmanの定理(c=2の場合)を補完するものである.
著者
原田 奈名子
出版者
佐賀大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

高齢者の身体的自立を促す指導プログラム開発のために、佐賀県内の60歳以上高齢者約500人を対象に股関節と膝関節の解剖学的な知識と、椅子に座位する際の体幹部と脚部の境界認識と、階段昇降時の身体の使い方についての意識について調査行った。その結果、股関節位置の正解率は2.3%、膝関節位置の正解率は13.8%、(p<0.01)だった。椅子に座位する際の脚部の位置認識について約65%が解剖学的に正しく認識していた。しかし、約65.0%が「脚は胴体部を挟むように位置する(という図を選択)と正しく認識していたにもかかわらず股関節について、身体図に書き入れるという方法から正しい知識を有していたと判断できたのは1.9%だった。逆に、股関節について正しい知識を有していた1.9%は椅子に座位する認識も正しかった。これより、多くの人が、椅子に座位する図を正しい知識に基づいて選択したのではないことがわかる。これらから、骨格構造に依拠した「からだの使い方」に関して、股関節や膝関節についての誤認・無知や、知識と自分の行為についての認識との間に齟齬があることが明らかになった。本調査では身体の使い方の意識や認識を明らかにするために提示した図を選択するという方法をとった。しかし必ずしもこの方法によって意識や認識の実態を正確に把握したとは言えない。しかし、知識について正確に実態を把握するためには、選択肢方式ではなく、図に直に書き入れる方法が妥当であると判断できた。この方法によって、高齢者特有の丸背(猫背)の誘因である肩関節や環椎後頭関節や環椎軸椎関節の位置に対する知識の実態も把握できる見通しが持てた。本研究期間中に高齢者向けに高齢者の身体の使い方に関する自主学習用テキストを作成することが最終目的であったが、さらに調査を経てから作成することとした。