著者
水科 篤郎 伊藤 竜象 上村 浩 中村 昭夫
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.429-435,a1, 1969-05-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
10

凝縮性蒸気1成分が混入しているガス系用の多管式冷却凝縮器の熱的設計のために2種類の簡略設計法を提案した。第1の方法では水温を入口, 出口の温度の算術平均に一定しているものとして扱い, 第2の方法では単純向流を仮定した算出面積を通常の多管式熱交換器の設計に用いられる温度差補正係数で補正して所要伝熱面積を求める。両方法を実験結果に適用した結果, 共に実面積に十分近い計算面積を与え, より厳密な逐次計算の結果ともよく一致した。
著者
多湖 輝興 河瀬 元明 政木 義則 橋本 健治
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.81-85, 1998-01-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
11
被引用文献数
4 6

本研究では, アルミニウムトリイソプロポキシド (ATI) を原料に用い, アルミナ薄膜を製造し, 反応速度解析を行った. CVD 反応には, 主に2つの反応経路がある.一つは, 原料が気相中で熱分解し, 生成した中間体が膜表面に拡散により移動し成膜する経路である.もう一つは, 原料が膜表面に拡散により移動し, 膜表面上に吸着した原料が熱分解し成膜する経路である. ATI からのアルミナ成膜反応について, どちらの反応経路が支配的であるかを調べるため, 管径の異なる細管型熱 CVD 反応器を用い, 反応器の体積と基板の表面積との比 V/S を変えて実験を行った.その結果, ATI からのアルミナ薄膜生成反応は, 原料である ATI 濃度に比例する1次反応であり, 気相での熱分解が主要な反応経路であることがわかり, また薄膜生成反応速度定数を定式化することができ, 活性化エネルギーは 179kJ/mol と求まった.
著者
向井 浩二 嶋 勝之 加々良 耕二
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.455-461, 1988

医薬品製造工程における回分濃縮操作において熱的に不安定な溶質を取扱う場合, その濃縮過程における状態変数の推移を予測して最適なプロセス操作条件の設定を行う必要があるので, そのシミュレーション手法を確立した. その手法の妥当性を検証するために, 3種類の反応釜および溶媒系について回分濃縮実験を行いその適用性を確認するとともに, 諸因子の濃縮へ及ぼす影響を見た.
著者
椋田 隆司 河合 隆範 及川 栄輝 加々良 耕二
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.734-739, 2003-11-20 (Released:2009-05-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

バミカミド塩酸塩にはA形晶(1水和物),B形晶(1.5水和物),C形晶(2水和物),D形晶(3水和物)の水和物結晶が存在する.これら水和物結晶の粉体特性および晶析挙動を調べ,濾過性がよく,粉塵爆発の危険性の最も小さなC形晶を選択し,その析出条件の設定を行った.C形晶は水和物結晶の中で最も溶解度が低い安定形であった.種晶無添加の場合,D形晶が析出し,その後溶媒媒介転移でC形晶に転移した.ところが,晶析温度から濾過温度に冷却する過程でD形晶が析出し,製品結晶に混入した.D形晶の析出を抑制するために,D形晶の過溶解度を求め,その過溶解度以下の領域で操作を行うことにより,D形晶の混入しないC形晶の製造条件を確立した.以上の実験結果に基づき,1,500l晶析槽でスケールアップ実験を行った結果,べンチスケールでの結果を再現でき,D形晶を含まないC形晶を製造することができた.
著者
百永 真士 加々良 耕二
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.232-237, 1991-03-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
3

医薬品の合成中間体であるピリジルアラニン (PA) はラセミ体を形成するので, 光学分割が必要である.ここでは, L-酒石酸を用いてジアステレオマー塩を形成させ, L-PAを優先的に分別晶析できることを見い出した.その際, NaOHを少量添加してL-酒石酸の塩を形成させることにより, 一方のD-PAの析出を抑制できることもわかった.これらの知見をもとに, 光学純度96%以上のL-PAを得る工業晶析法を確立した.
著者
加々良 耕二 矢澤 久豊
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.680-685, 1990-07-10 (Released:2010-02-19)
参考文献数
6

セファロスポリン抗生物質の原料であるm-アミノーD-フェニルグリシン (m-APG) の合成過程で, 異性体であるp-アミノーD-フェニルグリシン (p-APG) が20%副生する.この異性体の分離法として, 塩酸塩水溶液にイソプロパノールを添加してp-APGのみを塩酸塩として, 優先的に析出させ, その濾液よりm-APGを単離する分別晶析法を見い出し, p-APGの含量を3%以下にすることができた。分別晶析の際, メタノールを添加するとm-APG塩酸塩の結晶析出が抑制されることを利用して, 最適な工業的操作法を確立した.さらに, 本分別晶析法のスケールアップについても検討を行った.
著者
椋田 隆司 河合 隆範 及川 栄輝 加々良 耕二
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.734-739, 2003-11-20
参考文献数
8
被引用文献数
2 1

バミカミド塩酸塩にはA形晶(1水和物),B形晶(1.5水和物),C形晶(2水和物),D形晶(3水和物)の水和物結晶が存在する.これら水和物結晶の粉体特性および晶析挙動を調べ,濾過性がよく,粉塵爆発の危険性の最も小さなC形晶を選択し,その析出条件の設定を行った.C形晶は水和物結晶の中で最も溶解度が低い安定形であった.種晶無添加の場合,D形晶が析出し,その後溶媒媒介転移でC形晶に転移した.ところが,晶析温度から濾過温度に冷却する過程でD形晶が析出し,製品結晶に混入した.D形晶の析出を抑制するために,D形晶の過溶解度を求め,その過溶解度以下の領域で操作を行うことにより,D形晶の混入しないC形晶の製造条件を確立した.<br>以上の実験結果に基づき,1,500<i>l</i>晶析槽でスケールアップ実験を行った結果,べンチスケールでの結果を再現でき,D形晶を含まないC形晶を製造することができた.
著者
中村 隆志 河合 伸高 町谷 晃司 加々良 耕二
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.618-623, 1997-09-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
6

イミダゾール体をエタノール水溶液中で, L-10-カンファースルホン酸と塩を形成させて光学分割する際に, 最少量の溶媒から両異性体の塩を結晶として充分析出させた後に, 少量の溶媒を徐々に添加して不要の異性体を優先的に溶解させる光学分割法を見い出した. 溶媒の添加方法にはよらず, 溶媒量により光学純度・収率が決定され, 溶解度から推算した値と一致した. 従来の冷却晶析法と比べ, 安定した収率 (50%) ・光学純度 (97%) で (+) イミダゾール体が得られ, 単位体積当たりの撹拌所要動力をスケールアップ因子として, 1,700l晶析槽で実験を行い, 1lスケールでの実験結果が再現できた.
著者
岸本 信一 田辺 俊哉 丸山 昭吾 岸下 明弘 永嶋 伸也
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.750-755, 1996-07-10
参考文献数
8
被引用文献数
1

エタノール-水混合溶媒中での晶析によりエタノール和物結晶を形成する, ヒスチジン・ケトイソカプロン酸塩について, 工業的な製法開発を前提とした脱エタノール法の検討を行った.<BR>ヒスチジン・ケトイソカプロン酸塩のエタノール和物結晶は, 高湿度条件下 (例えば313K, 60%相対湿度) で, 結晶転移を伴って速やかにエタノールが離脱し, 無溶媒和型の結晶となった.なお, エタノール和物結晶において, 粉末X線回折の2θ= 9.0° (CuK<SUB>α</SUB>) のピーク高さが比較的高い場合には, 高湿度条件下において結晶転移終了と同時に脱エタノールが完了したが, このピークが低い場合には転移終了後も1wt%程度のエタノールが残留し, 以降緩慢な低下傾向を示した.脱エタノール性に優れる, 結晶性の高い結晶を再現性良く得るためには, 晶析時にエタノール添加によって大過飽和を急激に生成するよりも, 冷却操作によって過飽和生成速度を緩やかに制御することがより効果的であることを見いだした.
著者
YUAN Pingfang GUO Kai RUAN Renjun ZHANG Xiaobo LIU Chunjiang
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
Journal of Chemical Engineering of Japan (ISSN:00219592)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.951-957, 2016
被引用文献数
1

<p>Micromixing characteristics of a tubular packed bed reactor with different packings were investigated by adopting the competitive parallel reaction, namely, the Villermaux–Dushman reaction. Better micromixing efficiency was achieved with the tube packed with Winpak® compared to that packed with Mini Ring or Mellapak™ or the empty tube. The segregation index (<i>X</i><sub>S</sub>) decreased as the volumetric flow rate increased, but increased with increasing volumetric flow ratio. Moreover, the micromixing time (<i>t</i><sub>m</sub>) was calculated using an incorporation model based on the experimental data. The minimum <i>t</i><sub>m</sub> value of the tube packed with Winpak® (<i>t</i><sub>m</sub>=1.54 ms) was less than that of the tube packed with Mini Ring (<i>t</i><sub>m</sub>=2.73 ms) or Mellapak™ (<i>t</i><sub>m</sub>=2.14 ms) or the empty tube (<i>t</i><sub>m</sub>=3.79 ms).</p>
著者
Rafael Batres Suriati Akmal
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
JOURNAL OF CHEMICAL ENGINEERING OF JAPAN (ISSN:00219592)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.396-406, 2013-06-20 (Released:2013-06-20)
参考文献数
35
被引用文献数
1

This paper addresses ontologies of intentional and unintentional processes. Specifically, a methodology for developing processes ontologies is described. Typically, domain ontologies are developed in an ad-hoc fashion, without the reasons and justifications of the class structure. To resolve this issue, we propose a methodology based on Formal Concept Analysis (FCA) as a way to assist the development of a domain ontology. FCA is an analysis technique for knowledge processing based on applied lattice and order theory. The methodology is illustrated with the development of an explosion ontology.
著者
神村 茂雄
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.1082-1086, 1973-11-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
10
被引用文献数
1