著者
鈴木 康策
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7-8, pp.435-437, 1957-11-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
2

In obtaining skipjack having so little body oil as to be suitable for making good “Katsuobushi” thereof, we cannot still to-day but rely on the natural coming of such material. If we had, therefore, any proper means of removing excessive oil from the fish, we would be able to remove also the limitation arising from the seasonal overgrowth of skipjack oil. Carrying out a few experiments on a small scale, the author has ascertained that very satisfactory results can be achieved by applying an alternating current to the material interposed intimately between the electrodes kept in running water. The results are summarized as follows. 1. The higher the voltage, the less oil remains in the meat after the treatment by an electric device shown schematically in Fig. 2. 2. Ampere of the electric current is not of consequence for the effective removal of the body oil. The best range of available voltage is 170-200 V., while too high voltages cause the meat to crack. 3. Continuous refreshment of water surrounding the meat as shown in Fig. 2 is essential to avoiding large and fruitless consumption of electric energy.
著者
鈴木 康平
出版者
情報ネットワーク法学会
雑誌
情報ネットワーク・ローレビュー (ISSN:24350303)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1-19, 2021-11-25 (Released:2021-12-02)

Controlled Digital Lending(CDL)とは、図書館によるデジタル貸出を米国著作権法のフェア・ユースにより可能とするために考案されたモデルである。CDLは、物理的な所有数と1対1対応でDRMを施したデジタル化した書籍の貸出を行うというものであり、CDL擁護者は、CDLはフェア・ユースに該当すると主張している。本稿では、CDL擁護者の主張を概観した上で、フェア・ユース該当性について、市場の失敗理論およびその修正理論をベースに検討を行った。その結果、いずれの理論の下でもCDLはフェア・ユースに該当すると考えられるとの結論に至った。日本においても、CDLは図書館の物理的な要因による情報アクセスの格差を解消するという、公益に資するものであるため、CDLを認める制度を設けることが望ましく、CDLの要件を踏襲した権利制限規定を設けることを提案した。
著者
鈴木 康行 金井 章 石川 敬 鈴木 美好 松原 美保 山口 通孝
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第24回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.O001, 2008 (Released:2008-12-09)

【目的】 股関節疾患では,股関節外転筋筋力低下によるTrendelenburg跛行やそれに伴う日常生活活動能力低下がしばしば大きな問題となる.そのため股関節疾患に対するリハビリテーションでは,open kinetic chain(以下OKC)での外転反復運動や異常歩行を防ぐために歩行を前提としたclosed kinetic chain(以下CKC)での荷重負荷を伴う運動などが用いられている.しかし,OKCトレーニングは股関節外転筋に関してはオーバーロードの原則を満たすものの,特異性の原則を満たす運動ではない.そこで今回我々は,CKCでの股関節外転筋活動に焦点を当てた運動として,横歩きに着目し,股関節外転モーメントおよび中殿筋活動を,歩行と比較・検証したので報告する. 【方法】 対象は,整形外科的疾患・神経学的疾患の既往のない健常男性8名(年齢19.6±0.7歳,身長169.8±3.4cm,体重63.6±9.0kg)とした.被験者には本研究の趣旨を十分に説明し,参加への同意を得て行った.被験者は,床に記した50cm間隔の線を踏むようにさせ,裸足にて10mの歩行路を歩行した.歩行課題は,歩行と横歩きとし,歩行率はメトロノームにて110 steps/minに統一して各3回計測した.横歩きは,すべて左方向に行い,左右の下肢について検討した.関節モーメントは,三次元動作解析装置VICON MX (VICON社製)と3枚のフォースプレート(AMTI社製)を用いて測定した.筋活動は,表面筋電計TELEMYO2400TG2(NORAXON社製)を用いて,中殿筋・長内転筋について計測し,平均振幅の最大収縮時に対する割合を算出した. 【結果】 股関節外転モーメントは,歩行時に比べ横歩き時の方が左右ともに有意に低い値となった.中殿筋活動は,左右の立脚相・遊脚相ともに横歩き時で有意に高値を示した.また,長内転筋活動は左右の立脚相・遊脚相ともに,横歩き時に有意に低値を示した. 【考察】 歩行に比べ,横歩きの方が中殿筋活動は有意に高値を示し,股関節外転モーメントは有意に低値を示したことから,横歩きは股関節に対して低負荷で中殿筋筋力増強できる運動方法であると考えられた.また横歩きでは,左側が立脚相で内転運動となり,右側で外転運動となっていたことから,中殿筋の求心性収縮・遠心性収縮をより意識したトレーニングになると考えられた.今後は,より効果的な運動方法を探るために,歩行率を変え中殿筋活動・股関節外転モーメントはどのように変化するのか研究していきたい.
著者
続 有恒 塩田 芳久 秦 安雄 鈴木 康平 三輪 弘道 名倉 敬子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.43-58, 1967-03-25

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
三木 文雄 小林 宏行 杉原 徳彦 武田 博明 中里 義則 杉浦 宏詩 酒寄 享 坂川 英一郎 大崎 能伸 長内 忍 井手 宏 西垣 豊 辻 忠克 松本 博之 山崎 泰宏 藤田 結花 中尾 祥子 高橋 政明 豊嶋 恵理 山口 修二 志田 晃 小田島 奈央 吉川 隆志 青木 健志 小笹 真理子 遅野井 健 朴 明俊 井上 洋西 櫻井 滋 伊藤 晴方 毛利 孝 高橋 進 井上 千恵子 樋口 清一 渡辺 彰 菊地 暢 池田 英樹 中井 祐之 本田 芳宏 庄司 総 新妻 一直 鈴木 康稔 青木 信樹 和田 光一 桑原 克弘 狩野 哲次 柴田 和彦 中田 紘一郎 成井 浩司 佐野 靖之 大友 守 鈴木 直仁 小山 優 柴 孝也 岡田 和久 佐治 正勝 阿久津 寿江 中森 祥隆 蝶名林 直彦 松岡 緑郎 永井 英明 鈴木 幸男 竹下 啓 嶋田 甚五郎 石田 一雄 中川 武正 柴本 昌昭 中村 俊夫 駒瀬 裕子 新井 基央 島田 敏樹 中澤 靖 小田切 繁樹 綿貫 祐司 西平 隆一 平居 義裕 工藤 誠 鈴木 周雄 吉池 保博 池田 大忠 鈴木 基好 西川 正憲 高橋 健一 池原 邦彦 中村 雅夫 冬木 俊春 高木 重人 柳瀬 賢次 土手 邦夫 山本 和英 山腰 雅宏 山本 雅史 伊藤 源士 鳥 浩一郎 渡邊 篤 高橋 孝輔 澤 祥幸 吉田 勉 浅本 仁 上田 良弘 伊達 佳子 東田 有智 原口 龍太 長坂 行雄 家田 泰浩 保田 昇平 加藤 元一 小牟田 清 谷尾 吉郎 岡野 一弘 竹中 雅彦 桝野 富弥 西井 一雅 成田 亘啓 三笠 桂一 古西 満 前田 光一 竹澤 祐一 森 啓 甲斐 吉郎 杉村 裕子 種田 和清 井上 哲郎 加藤 晃史 松島 敏春 二木 芳人 吉井 耕一郎 沖本 二郎 中村 淳一 米山 浩英 小橋 吉博 城戸 優光 吉井 千春 澤江 義郎 二宮 清 田尾 義昭 宮崎 正之 高木 宏治 吉田 稔 渡辺 憲太朗 大泉 耕太郎 渡邊 尚 光武 良幸 竹田 圭介 川口 信三 光井 敬 西本 光伸 川原 正士 古賀 英之 中原 伸 高本 正祇 原田 泰子 北原 義也 加治木 章 永田 忍彦 河野 茂 朝野 和典 前崎 繁文 柳原 克紀 宮崎 義継 泉川 欣一 道津 安正 順山 尚史 石野 徹 川村 純生 田中 光 飯田 桂子 荒木 潤 渡辺 正実 永武 毅 秋山 盛登司 高橋 淳 隆杉 正和 真崎 宏則 田中 宏史 川上 健司 宇都宮 嘉明 土橋 佳子 星野 和彦 麻生 憲史 池田 秀樹 鬼塚 正三郎 小林 忍 渡辺 浩 那須 勝 時松 一成 山崎 透 河野 宏 安藤 俊二 玄同 淑子 三重野 龍彦 甲原 芳範 斎藤 厚 健山 正男 大山 泰一 副島 林造 中島 光好
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.526-556, 2005-09-25

注射用セフェム系抗菌薬cefozopran (CZOP) の下気道感染症に対する早期治療効果を評価するため, ceftazidime (CAZ) を対照薬とした比較試験を市販後臨床試験として実施した。CZOPとCAZはともに1回1g (力価), 1日2回点滴静注により7日間投与し, 以下の結果を得た。<BR>1. 総登録症例412例中最大の解析対象集団376例の臨床効果は, 判定不能3例を除くとCZOP群92.0%(173/188), CAZ群91.4%(169/185) の有効率で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。細菌性肺炎と慢性気道感染症に層別した有効率は, それぞれCZOP群90.9%(120/132), 94.6%(53/56), CAZ群93.3%(126/135), 86.0%(43/50) で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。<BR>2. 原因菌が判明し, その消長を追跡し得た210例での細菌学的効果は, CZOP群89.5%(94/105), CAZ群90.5%(95/105) の菌消失率 (菌消失+菌交代) で, 両群間に有意な差はみられなかった。個々の菌別の菌消失率は, CZOP群91.1%(113/124), CAZ群90.8%(108/119) で両群問に有意な差はみられなかったが, 最も高頻度に分離された<I>Streptococcus pneumoniae</I>の消失率はCZOP群100%(42/42), CAZ群89.5%(34/38) で, CZOP群がCAZ群に比し有意に優れ (P=0.047), 投与5日後においてもCZOP群がCAZ群に比し有意に高い菌消失寧を示した (P=0.049)。<BR>3. 投薬終了時に, CZOP群では52,4%(99/189), CAZ群では50.3% (94/187) の症例において治療日的が達成され, 抗菌薬の追加投与は不必要であった。治療Il的遠成度に関して両薬剤間に有意な差は認められなかった。<BR>4. 随伴症状の発現率はCZOP群3.9%(8/206), CAZ群5.0%(10/202) で両棊剤間に有意な差はなかった。臨床検査値異常変動として, CAZ群に好酸球増多がCZOP絆より多数認められたが, 臨床検査値異常出現率としては, CZOP群31.6% (65/206), CAZ群32.2% (65/202) で, 両群間に有意な差は認められなかった。<BR>以上の成績から, CZOPは臨床効果においてCAZと比較して非劣性であることが検祉された。また<I>S. pneumoniae</I>による下気道感染症に対するCZOPの早期治療効果が確認された。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
渡辺 満久 鈴木 康弘 中田 高
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-05-19

1. はじめに布田川-日奈久断層の活動により2016年熊本地震が引き起こされ、甚大な被害を生じた。被害がとくに顕著な地域はやや局所的であり、活断層との関係が伺われる。以下、益城町と南阿蘇村の事例を報告し、今後の地震防災に活かすべき教訓として提示したい。2.益城町益城町の市街地では震度7を2度記録したが、4/16の地震時の建物被害が著しかったようである。地震被害が激甚な害域は、南北幅が数100 km程度で、東西に数 km連続する「震災の帯」をなしている。ここでは、耐震性が低くない建物までもが壊滅的な被害を被っていることがある。この「震災の帯」の中には、益城町堂園付近から連続する(布田川断層から分岐する)地震断層が見出さるため、その活動が地震被害の集中に寄与している可能性が非常に高い。木山川南方の布田川断層沿いにおいても地震断層が出現し、その近傍では壊滅的な被害を受けた家屋が集中している。その被害集中範囲も、地震断層沿いの幅およそ1km程度内に限定される。このように、地震断層直上の建物は悉く全壊し、近傍においても建物被害が著ししい。断層運動による地盤のずれとともに、強震動と地盤破壊による影響が強かったと推定される。3.南阿蘇村阿蘇カルデラ内の南阿蘇村(倒壊した阿蘇大橋周辺)においては、複数の地震断層が併走して現われた。地震断層直上およびその近傍では、ほとんどの建物が倒壊しており、多くの犠牲者を出した。ここでも、断層運動による地盤のずれてしまったことと、断層近傍での震動が強かったことが、被害を拡大させたと考えられる。これらの地震断層は、事前に検出することは非常に困難であると思われる。断層による地盤のずれの現われ方に関して、今後の防災においては非常に貴重な事例となるであろう。また、この地域においては、少なくとも5台の自動車が北~北西方向へ横倒しとなっていることも確認した。このような現象は、兵庫県南部地震では確認されていない。横ずれ断層にともなう断層直交方向のS波により転倒したと推定される。それは、南阿蘇村に集中する大規模な斜面崩壊の引き金にもなったと思われる。4.まとめ活断層の位置は、地震防災上きわめて重要活基礎的な情報であることが再確認された。どうようの現象は兵庫県南部地震時に神戸市街地でも確認されていたのであるが、残念ながら活断層の重要性が共有されることはなく、結果的に、兵庫県南部地震の教訓を生かすことにはつながらなかった。今後、活断層の事前認定が防災上極めて重要であることを再認識し、「都市圏活断層図」等を活用することによって、広域的な減災対策を講ずることが必要である。なお、南阿蘇村の事例は、現段階での活断層認定の限界を示すものである。地震防災を考える上では、既知の活断層周辺において何が起こるのか、慎重に検討してゆく必要がある。
著者
中田 高 島崎 邦彦 鈴木 康弘 佃 栄吉
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.107, no.4, pp.512-528, 1998-08-25 (Released:2010-12-22)
参考文献数
28
被引用文献数
15 14

This paper proposes a method to identify the directivity of rupture propagation based on the branching features of active fault traces.Direction of ruptre propagation is closely related to strong ground motions and resulting earthquake damage. Therefore, predicting rupture directivity is crucial in predicting strong motions to mitigate earthquake damage. However, the directions of fault ruptures were ascertained only after earthquakes from the observed seismological records and not before the earthquakes.We found an interdependent correlation between the branching direction of the surface ruptures and the direction of their propagation as shown in Fig. 1, from an investigation of recent earthquake fault ruptures such as the 1995 Northern Sakhalin earthquake, the 1995 Hyogoken-nambu earthquake, the 1992 Landers earthquake, the 1990 Luzon earthequake, the 1979 Imperial Valley earthequake, and the 1930 Kita-Izu earthequake. The branching of faults during rupture propagation is regarded as an effective energy dissipation process and could result in final rupture termination.Because patterns of surface traces of active faults are the results of repeated earthquake faulting, the branching of active faults leads us to suggest that the direction of rupture propagation is also predictable before the active faults generate earthquakes in the future.Several active faults with well-defined branching such as the active faults of the strike -sliptype in the Kobe-Osaka area, those in California, and the active fault sysytem in the northern Luzon, Philippines are examined. Branching of the reverse faults in the foot -hills of Darjeeling Himalaya is also shown as an example of active faults of the dip -slip type. This test clearly shows that the direction of rupture propagation, and in some cases the epicenter location, can be deduced from the branching features on the basis of our proposed method.
著者
木村 健二郎 南 英一 本田 雅健 横山 祐之 池田 長生 不破 敬一郎 夏目 晴夫 石森 達二郎 佐々木 行美 酒井 均 水町 邦彦 浅田 正子 阿部 修治 馬淵 久夫 鈴木 康雄 小松 一弘 中田 賢次
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.335-348, 1954-08-15 (Released:2010-01-14)
参考文献数
15
被引用文献数
16 14 13

In order to find the proper method of medical treatment for the afflicted men on board the No.5 Fukuryu Maru on March 1, 1954, it was necessary to know the species and amounts of radioactive elements in the dust of the so-called Bikini Ashes which had fallen on board.At the request of the Hospital of Tokyo University, the authors started analyses on March 18.A combined method of chemical separation with the use of carriers and separation with the use of ion exchange resin was applied;17 nuclides were detected and the results of quantitative estimation of alkaline earth metals were reported on March 31.The main constituent of the ashes was found to be calcium hydroxide and its radioactivity was 0.37mC/g (April 23) which was decayed proportionally to -1.37 power of the time elapsed.The chemical group separation was carried out as shown in Table 3; the second, third(especially rare earth metals)and fifth(alkaline earth metals)analytical groups showed strong radioactivity.By ion exchange method(Fig. 4), the fraction of anions, Zr and Nb fraction, U fraction, the fraction of rare earth metals and the fraction of alkaline earth metals were separated.Furthermore, each constituent of those fractions was estimated quantitatively.In order to confirm the presence of 129mTe, 129Te, 131I, 132I, 103Rn, 106Ru, 106Rh, 95Zr and 95Nb, the chemical method was used.The members of alkaline earth metals, e.g.45Ca, 89Sr, 90Sr, (90Y), 140Ba and (140La), and the members of rare earth metals, e.g.91Y, 141Ce, 143Pr, 144Ce, 144Pr and 147Nd were estimated after the separation with the use of ion exchange resin.The presence of 237U was confirmed from its radioactivity and chemical properties.Also α-tracks of 239Pu.were detected by autoradiograph ic method.Table 6 indicates the summary of the results.
著者
鈴木 康弘 渡辺 満久 中田 高
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-05-17

1. はじめに2016年熊本地震は、既知の活断層の活動により引き起こされた、1995年兵庫県南部地震に匹敵するM7.3の直下地震(活断層地震)である。地震本部による活断層評価により、その地震発生は長期予測されていたと言えないことはないが、①地震発生そのもの、②局所的な被害集中、③地震断層の出現において、予測通りであったとは言いがたい点が多い。局所的かつ甚大な被害は改めて活断層地震の脅威を再認識させるものであり、従来の予測の問題点や限界を確認し、今後の地震防災に活かすべき教訓は非常に多い。2. 活断層評価の問題今回の地震の震源となった活断層は、地震本部により2002年と2013年の二度にわたって長期評価されている。2002年の評価では阿蘇から八代海にかけて伸びる延長100kmの断層を一連の活断層ととらえ、布田川・日奈久断層と呼んだ。これに対し、2013年の評価では、熊本平野内の地下探査結果を重視して、布田川断層は阿蘇から宇土半島の方向へ伸びるとし、一方、益城町砥川付近から八代海までを日奈久断層と改称した。一方、国土地理院の都市圏活断層図では、布田川断層の変位地形は砥川より南方へスムーズにつながることから、布田川断層の範囲を南阿蘇村付近から甲佐町白旗付近までとした(すなわち2013年評価において「高野-白旗区間」としたものの帰属をめぐり複数の見解が示されていた)。活断層評価における断層名は長期評価の一環であることから、地震発生によりどれが適切であったかが検証されるべきである。2016年熊本地震は、2002年の評価に基づけば、4/14、4/16ともに布田川・日奈久断層の「北東部」(地震本部,2002)が連続的に活動して起こしたものということになる。一方、2013年の評価によれば、4/14に日奈久断層の最北部の一部(高野-白旗区間)が、4/16に布田川断層の一部(布田川区間)が活動したという言い方になる。別々の断層の2区間が不規則に連動したという見方よりも、ひとつの断層が一連の地震活動を起こしたとする方が理解しやすい。4/14の地震では地震断層が出現していないことから、高野-白旗区間の固有地震と見ることは困難である。なぜなら固有地震はそもそも地表の断層痕跡により認定されるものであるから。また、4/14の地震を「ひとまわり小さな地震」と認識すれば、固有地震が起こる可能性をより多くの研究者が指摘できたかもしれない。3. 断層分岐形状と震源位置の不一致地震断層のトレースの分岐は、益城町最北部(杉堂付近)より西では西へ、東では東へ向かう傾向がある。そのため、震源が益城町より西にあるとする気象庁の結果とは整合しない。とくに後述する益城町堂園から益城町市街地へ伸びる分岐断層は主断層のトレースから西の方向へ向かって分岐しており、これより西に震源があると布田川断層の地震断層トレースの出現を説明できない。断層に沿う破壊伝播が震源から連続的に進行したわけではなかった可能性を考慮する必要がある。4. 強震動の問題震度7を二度記録した益城町では、4/16の地震時の建物被害が著しい。激甚被害域は東西に伸び、南北幅1km程度の「震災の帯」を呈している。耐震性が乏しくない建物までもが壊滅的な被害を被っていることがあり、「震災の帯」の中に後述の地震断層が見出され、その活動が被害拡大に寄与している可能性が高い。布田川断層沿いはいずれも壊滅的な被害を受け、その範囲も断層沿いの幅およそ1km程度に限定される。活断層直上の建物は悉く全壊し、近傍においても強震動と地盤破壊による建物被害が著しい。阿蘇カルデラ内の南阿蘇村においては地震断層が複数併走し、地震断層直上および近傍ではほとんどの建物が倒壊して多くの犠牲者を出した。また少なくとも5台の自動車が北~北西方向へ横倒しとなった。この現象は阪神淡路大震災でも確認されなかったことであり、横ずれ断層に伴う断層直交方向のS波により転倒したと推定される。南阿蘇村に集中する大規模な斜面崩壊の引き金にもなったと思われる。5. 分岐断層(副断層)の問題布田川・日奈久断層の位置は「都市圏活断層図」(国土地理院)に詳細に示され、大半の地震断層は活断層線上に現れた。しかし、地図上に示されていない副次的な断層が現れた箇所も多い。とくに益城町堂園から益城町宮園へ総延長4kmの地震断層が現れ、益城町市街地に甚大な被害を与えた。大半が沖積地内にあるため変動地形学的手法が適用しづらかったためもあるが、台地を切る部分においても変位地形は明瞭ではない。そのことから、副次的な断層の活動性が低かった可能性がある。なお「新編日本の活断層」にはほぼこの位置に確実度Ⅱの木山断層が示されている。これとの関連も検討する必要がある。これ以外にも、副次的な断層が複雑な分布を呈した。主断層は右ずれであったが、共役の左横ずれ断層も出現した。こうした複雑さは事前に考慮できていなかった。6. 防災上の教訓活断層評価において、断層のセグメンテーションとグルーピングを再検討する必要がある。変位地形が連続する活断層を便宜的に細分することは適切ではない。強震動予測においては、震度7の分布を再現できるかを検討する必要がある。果たして「浅部は強震動を出さない」とする従来の強震動シミュレーションモデルで説明可能であろうか? 浅部が強震動を発生させたと考えるべき事例は2014年神城断層地震にもある。こうした検討のためにも、震度7の分布が公式に示される必要がある。震度7の地域では特別な地震対策が求められるため、今後の防災においては震度7になり得る地域を指定する必要がある。「強い地震はどこでも起きる」と安易に言うことはミスリードになりかねない。分岐断層が事前に評価できなかった原因を検証することも重要である。活断層の事前認定は防災上重要であり、「都市圏活断層図」等、広域的な一般防災のレベルにおける状況と改善策を明らかにする必要がある。一方、原発安全審査における活断層評価は、さらに厳密さが求められる。原発建設時の地質学的手法により敷地内および周辺に見出される断層について、今回の分岐断層のようなものを「将来活動する可能性のある断層」として判定できたか否か検証することが求められる。現在の規制基準が、活動性を明確に判断できない曖昧さを持っている場合にはこれを改訂することも検討すべきであろう。
著者
渡辺 満久 中村 優太 鈴木 康弘
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.235-250, 2015-05-01 (Released:2019-10-05)
参考文献数
39
被引用文献数
2

能登半島南西岸地域の隆起の原因を明らかにするため,沿岸の変動地形調査を実施した.本地域の海成段丘面は,高位のものからH1面~H4面,M1面・M2面,A面に区分できる.また,岩石海岸には離水ベンチが認められる.M1面はMIS 5eに形成された海成段丘面である.それより古いH1面~H4面には赤色風化殻が認められる.A面は,11世紀以前に離水した完新世段丘面(ベンチ)であると考えられる.これらの段丘面の高度には,累積的な南への傾動が認められる.調査地域北部では,富来川南岸断層が海成段丘面を変位させており,MIS 5e以降の累積鉛直変位量は約30 mである.その活動性はMIS 5e以降に高まったと考えられる.複数のベンチは間欠的な隆起を意味しており,調査地域の隆起運動は,南東~東傾斜の逆断層運動によってもたらされたと考えられる.このため,富来川南岸断層は沿岸から3~4 km沖合にある海底活断層に連続する可能性がある.
著者
貫井 克次郎 石塚 功 鈴木 康介 木村 博靖
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 21.15 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.31-36, 1997-02-27 (Released:2017-06-23)

This paper describes about 525line pro-gressive scan system of EDTVII using 4 : 2 : 2P interface standarlized in SMPTE294M. This system is complied with parallel operation of two-525 interlaced system. Operability of this system is not very much different from conventional composite system. Delay caused by the conversion of the signals is also minimized in this system.
著者
手塚 雅勝 鈴木 弘美 鈴木 康夫 原 征彦 岡田 昌二
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.311-315, 1997-10-31
参考文献数
13
被引用文献数
10

The effects of catechins obtained from the hot water extract of green tea leaves on two human type-A influenza virus strains of Aichi/2/68 and PR/8/34 were studied. In this study, (-)-epicatechin (EC), (-)-epigallocatechin (EGC), (-)-epicatechin gallate (ECg), (-)-epigallocatechin gallate (EGCg), the crude catechins containing these catechins and (+)-catechin were used. Consequently it was observed that catechins used in this study had an inhibitory effect on the hemolytic activity to red blood cells induced by these two type-A virus strains under acidic conditions (pH 5.1 or 5.4) although they did not have an influence on the agglutination activity to red blood cells induced by the same virus strains. After incubation of (-)-ECg and (-)-EGCg with A/Aichi/2/68 virus, MDCK cells, virus-sensitive cells, were infected with the virus and the ability of virus proliferation was measured in terms of an index of the agglutination activity of the virus to red blood cells. The used two catechins, (-)-ECg and (-)-EGCg, inhibited the virus proliferation at concentrations of 100μg/ml and 50μg/ml, respectively. Furthermore, at a concentration of 2.0 mg/ml these two catechins were found to inhibit the activity of neuraminidase on the surface of the virus membrane by 71.3% and 60.8%, respectively. From the above-mentioned results, it is considered that among the catechins contained in green tea leaves, such two catechins as (-)-ECg and (-)-EGCg inhibit the activity of neuraminidase present on the surface of human influenza virus in order to block the invasion of the influenza virus into virus-sensitive cells.
著者
榛葉 賴子 矢田 大輔 小田 彩子 東堂 祐介 伊藤 敏谷 鈴木 康之
出版者
静岡産科婦人科学会
雑誌
静岡産科婦人科学会雑誌 (ISSN:21871914)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.59-63, 2020

腟内異物が放置される例は、産婦人科ではまれに経験される。症例は 50 歳。スプレー缶の蓋を腟内に自己挿入し、抜去できずに約2年間放置していた。抜去目的に当院を紹介され、腰椎麻酔下に子宮把持鉗子で抜去した。抜去された異物は、石灰化物質で覆われており、成分分析では、リン酸カルシウムとリン酸マグネシウムが検出された。報告では腟内のカルシウムイオン、マグネシウムイオンは尿の成分に由来 すると結論づけられるものが多い。腟内異物の症例では膀胱腟瘻を来していることも多い。本症例では画像検査で膀胱腟瘻などの解剖学的異常はなく、抜去可能であった。長期間放置された腟内異物の診療では、膀胱腟瘻などの解剖学的異常も含め、画像検査で評価することが有用である。
著者
川上 ちひろ 西城 卓也 丹羽 雅之 鈴木 康之 藤崎 和彦
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.301-306, 2016-10-25 (Released:2017-08-10)
参考文献数
9

医療系専門職養成機関において教務事務職員が学生対応で難しいと感じる事例について調査した. 公私立大学医学部・歯学部教務事務職員研修に2013年度から2015年度に参加した教務事務職員143名から得た185事例を分析した.事例は, 学生に問題があるものが多くを占め136事例 (73.5%) であった一方で, システムや教員に問題があるものも含まれた. 医療系専門職養成機関において適切に難しい場面に対応するために, 教員, 事務職員の協働は欠かせないものである.
著者
洲崎 春海 野村 恭也 水野 正浩 川端 五十鈴 田部 浩生 宮川 晃一 坪井 洋 鳥山 稔 飯野 ゆき子 中井 淳仁 市村 恵一 土田 みね子 中村 直也 山口 宏也 深谷 卓 安部 治彦 井上 都子 杉本 正弘 鈴木 康司 佐藤 恒正 大西 信治郎 小林 恵子 伊藤 依子 井上 憲文 小林 武夫 室伏 利久 水野 信一 鳥山 寧二 飯塚 啓介 市川 朝也 森田 守 石井 哲夫 鍋島 みどり 船井 洋光 浅野 恵美子 矢野 純 吉見 健二郎 横川 友久
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.34, no.Supplement7, pp.575-581, 1991-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
9

12歳以上のスギ花粉症患者118例 (男55例, 女63例) にトラニラスト (リザベン ®) を投与し, 予防効果と治療効果について比較, 検討した。投与方法はトラニラストとして1日300mgを原則としてスギ花粉飛散 (20個/cm2/日以上の飛散) の2週間以前から投与し (予防投与), 飛散後4週間継続投与した (治療投与)。改善度判定は,「効果あり」以上は予防投与群32例 (57%), 治療投与群28例 (45%) で,「やや効果あり」以上は予防投与群42例 (75%), 治療投与群49例 (79%) であった。花粉飛散初期において鼻症状, 鼻鏡所見, 眼症状のいずれの程度も治療投与群に比べて予防投与群の方が有意に改善しており, 自覚症状, 他覚所見のいずれもトラニラストの予防効果が認められた。治療投与群においてはくしゃみ, 鼻汁, 鼻鏡所見, 眼のかゆみの程度が投与終了時に有意に改善した。副作用は予防投与群4例 (7.1%) 治療投与群5例 (8.1%) にみられたがいずれも投与中または投与中止により軽快した。以上より, トラニラストの予防投与は有用でかつ合理的な治療法と考えられる。また, 治療投与も有用であることが確認された
著者
鈴木 康平 松縄 正登
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.123-133, 2013 (Released:2013-02-20)
参考文献数
6

By the development of the information-oriented society, it became very easy even for beginners to make collages out of photographs by means of computer software. In old days, those photograph collages could be simply distinguished from true photographs because the photograph collages was made by hand. However, it became very difficult to differentiate the true photograph from the photograph collage by digital Image processing. And then, that kind of collage has many problems concerning copyrights or social ethics etc. On the other hand, the photograph collages seem to be accepted as one of the art technique in the recent photograph world. We show three solutions. First, limit of the copyright use by having All rights reserved or not. Second, the detective technique of an unjust reproduction and modification develops. Third, media literacy education is strengthened.
著者
鈴木 康史
出版者
筑波大学体育科学系
雑誌
筑波大学体育科学系紀要 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.47-55, 2001-03

ホブズボウムは『創られた伝統』5) において,近代国民国家で「伝統」と考えられている数多くのものが,実はごく最近に作り出されたものであることを論じている。祝日,祭典,国旗,国歌,英雄,国家的儀礼, ...
著者
鈴木 康弘
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

1. 1980年以降の研究史Suzuki(2013)は、「日本の活断層」が纏められた1980年を「The remarkable year of 1980」と位置づけ、その後の1994年までの期間を「The matured period of active fault studies during seismic calm」とした。この間は「Excavation study of active faults」、「Analytical study of tectonic landform evolution based on dislocation models」、「Chronological studies supported by the development of dating techniques」、「Quantifying the rate of crustal deformation」、「Applied study to disaster reduction problem」によって特徴付けられる。さらに1995年~2005年は、「The decade after the great Kobe earthquake」であり、「Intensive investigation of active faults」、「Detailed large-scale mapping of active faults」、「Seismic reflection profiling of active fault」、「Long-term forecast of earthquake occurrence by active faults」、「Detailed study of flexural deformation and the 2004 Mid-Niigata earthquake」、「Overseas research on big earthquakes and active faults」が特徴的である。2006年以降は、「The period of rediscovery of active faults」であり、「Evaluating varieties of relation between earthquakes and active faults」、「Reexamination of active fault distribution」、「Relations between active faulting and geodetical movement」、「Considering interplate earthquake from the view point of submarine active fault」、「 Question posed by the 2011 East Japan huge earthquake」が今日まで続く検討課題である。2. 活断層をめぐる社会的問題1980年には「活断層発見の時代は終わった」とも評された。「日本の活断層」の刊行により全国的な活断層分布の概要が明らかにされた。また、松田(1975)やMatsuda(1981)によって、活断層情報からの地震規模がある程度推定できるようになり、また活動履歴情報から要注意断層を認定できるという概念が確立した。これは活断層研究の重要な到達点のひとつであり、1995年以降の地震発生長期予測を支えた。しかし一方で、原子力土木委員会(1985)により変動地形学的な活断層認定の有効性が否定された。その内容を改めて検証すると明らかな誤りが認められるが、その後の原子力発電所の耐震審査のための活断層調査に影響を与えた。当時、活断層研究者は原発耐震審査で何が行われているかに興味を示さず、反論もしなかった。1995年以降、阪神淡路大震災の反省から地震調査研究推進本部が発足し、直前予知に依存せず、長期予測を重視する方向性が示された。同時にハザード情報の公開が進み、国土地理院により「都市圏活断層図」の作成が進められた。トレンチ調査や反射法地震探査が重点的に実施されるようになり、通産省地質調査所(当時)に活断層研究センターが設置されたが、大学では活断層研究拠点は整備されなかった。「震度7」の強震動発生に関して成因論が巻き起こり、原発耐震の見直しにもつながった。強震動予測に社会的責任が重くなり、議論が複雑になった。1995年以降、地震予測手法(活断層評価および強震動レシピ)を確定する社会的要請が高まる中で、予測外の地震(2004中越、2005福岡、2007能登、2007中越沖、2008岩手・宮城)が多発した。活断層評価の信頼性に関して様々な議論も始まった。地震本部の長期評価に対して内閣府が確定度情報を付加するように求めることもあった。こうした中で原子力安全委員会においては2006年には原発耐震審査指針が改定され、2008年には活断層調査等の手引きも改定された。2011年の東日本大震災後、4月11日には福島県浜通りの地震が起きた。福島第一原発の耐震審査の際に活断層ではないとされた井戸沢断層が震源となったことが深刻な問題を提起した。原子力安全・保安院は、かつての活断層評価に問題があったとして、全国の原発に対して活断層の再評価を求めた。福島原発事故国会事故調はかつての原子力規制行政について「規制の虜」と批判し、2012年9月には原子力規制委員会および規制庁が発足した。こうした経緯の中で、原子力規制委員会は、安全と科学を重視する姿勢を明確に打ち出したが、その後も原発事業者や一部の研究者がこれを批判している。原理力安全委員会が2013年7月に決定した「原発安全規制基準」は、基本的に2006年のルールを踏襲したものである。活断層の定義も従来の「耐震設計上考慮する活断層」(=後期更新世以降の活動を否定できない断層)から基本的に変更はない。こうした30年の経緯において反省すべきことは、①原子力土木委員会(1985)に対して活断層研究者が何も対応しなかったこと、②松田(1975)の適用限界を超えた利用など、活断層研究の成果がいかに利用されているかに無関心であったことなどが挙げられる。こうした問題は「浅部は強震動を出さない」というモデルへの疑問や、「副断層が三十センチ以上動く確率は二十万年に一回より小さい」とする、「原子力発電所敷地内断層の変位に対する評価手法に関する調査・検討報告書」(JANSI一般社団法人原子力安全推進協会・敷地内断層評価手法検討委員会)http://www.genanshin.jp/archive/sitefault/data/JANSI-FDE-02.pdfへの対応などとして今日も残っている。原子力規制委員会の敷地内破砕帯調査において何が議論されているかについても多くの研究者が検証すべきである。文献:Suzuki(2013):Active Fault Studies in Japan after 1980. Geographical Review of Japan Series B, 86, 6–21.