著者
高元 曄夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.283-289, 1956-07-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
12

By means of the probe method (1) the distribution of resistance in a coating layer, (2) Iemission-Vprove characteristics and (3) the grid action of the probe are studied. Ex-perimental results show that the resistance near the emitting surface is a few times higher than the resistance of the inner bulk oxide while the resistance of the interface layer is not so high. Thus the substantial potential drop is supposed to exist near the emitting surface. At a large anode current, the potential drop across the coating layer becomes extremely high by the poisoning of gas released slightly from the plate leading to the thermal breakdown near the emitting surface. Cathode sparking of a diode often experienced in the earlier stage of working may perhaps be such type of breakdown.
著者
遠藤 忠
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.712-724, 1990-06-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
48
被引用文献数
7

1990年1月1日を期して,ジョセフソン効果に基づいた電圧標準に加えて,量子ホール効果に基づいた抵抗標準が,世界中で統一して用いられている.これにより,量子現象の持つ普遍性と恒常性という優れた特長に支えられて,世界的に全く統一のとれた電磁気量の実用標準体系が実現した.この結果は,両標準の技術的側面の研究もさることながら,むしろ,地道な努力を重ねて永年行われてきた種々の基礎物理定数の測定のこれまでの総決算により生まれたものといえる.本稿では,基礎物理定数との関わりを中心に,両標準の実現に至った背景について解説する.
著者
大川 章哉
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.719-730, 1963-10-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
21
著者
泉 富士夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.2-17, 1990-01-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
61
被引用文献数
3

粉末X線・中性子回折データに最小二乗法を適用することにより,1段階で構造を精密化するリートベルト法は,わが国でも多結晶体の構造を調べるための強力な研究手段として定着しつつある.放射光源や強力中牲子源を利用して高分解能のデータを測定すれば,構造が比較的単純な化合物については,単結晶法に匹敵する精度をもつ解析結果が得られる.さらに多くの情報を取り込むには,原子間距離や結合角に制約条件を付加したり,複数組の強度ヂータを合併して解析するとよい.これらの手法は最近Bi2(Sr1-xCax)3Cu2O8+zの変調構造解析にも応用され,酸素配置の決定,ひいては正孔がCuO2シートにドープされる原因の解明に貢献した.理論回折強度をより厳密に記述することが,今後の重要な課題として残っている.
著者
内田 智洋 横塚 達男 堂山 昌男
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.773-776, 1995-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
20

マイクロマシンと呼ばれる極微小な機械が現実視されるようになり,ミクロなレベルでの切削,摩擦・摩耗・潤滑などの現象が,注目を受けている.本稿では,これらの現象を原子の視点から扱う有効な手法として分子動力学を示し,現状と展望を述べる.
著者
羽田 野甫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.298-301, 1998-03-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
16

超膏波浮揚は,超膏波の非線形効果によって生じる音響放射庄を利用して,物体を非接触で空閾の.定の位置に浮揚・保持しようとするものである.微小璽力環境における無窓器プロセシングのために開発された超音波浮遊炉を例にあげて,その展望を行った.
著者
吉田 博
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.809-812, 1992-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
9

バルク結晶では混じり合わないような二種類の化合物半導体を,中間の格子定数をもつ化合物半導体の基板上にエピタキシャル気相成長させることによって,自然界には存在しなかった新しい規則半導体合金を作成するとができる.これらの結晶成長の微視的な起源を,第一原理からの電子状態計算に基づいて解説する.
著者
永長 直人
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.1403-1406, 2002-11-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
1
被引用文献数
2

基礎物理学的にも工学的応用でも重要なテーマである超伝導の墓礎理論を解説する.超伝導体の示す不思議な性質,固体中の多電子の量子力学を記述する第2量子化法,そしてBCS理論を初学者にも理解でぎるように直観的な説明を交えながら説明する.

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著者
能登 宏七 小林 典男 渡辺 和雄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.649-650, 1990-05-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
13
著者
大場 信英
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.247-254, 1981-03-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
13
被引用文献数
1

The redefinition of the candela, one of the base units of the SI, was adopted at the 16 th Session of the General Conference on Weights and Measuresin Oct. 1979. The new definition is based on the absolute radiometry and the internationally agreed value of the maximum spectral luminous efficacy of radiation. In this review are outlined the necessity and the proposal of the redefinition, procedures taken for the determination of the maximum luminous efficacy, and arguments which were made in the Consultative Committee on Photometry and Radiometry andd the Consultative Committee for Units, on the replacement of the candelaby the lumen and also on the treatment of the SI units including biological efficiency factors.
著者
松浦 祐司 宮城 光信
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.41-43, 1999-01-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
9

通常の石英ガラス光ファイバーでは伝送することが困難な紫外・可視・赤外レーザーの大エネルギーパルス光を伝送するための中空光ファイバーを紹介する.エキシマレーザー用中空ファイバーはガラス細管の内面にアルミニウム薄膜をMOOVD法によって形成することによって製作される.また, Nd: YAGおよびEr: YAGレーザー用中空ファイバーは,ガラス管内面にまず銀鏡反応によって銀薄膜を形成し,その表面に液相法によってポリマーを成膜することによって得られる.これらの方法によって製作された中空ファイバーは,各種レーザーに対して低損失性を示し,大エネルギー光パルスの伝送を可能にする.
著者
橘 邦英
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.399-411, 2006-04-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
92
被引用文献数
5

近年,μm〜mmスケールの微小なプラズマが注目されてきている.大気圧を含む高気圧領域で生成されるマイクロプラズマは,低圧下のマクロスケールで生成される従来のプラズマとは違ったプラズマパラメーターや微小空間に起因するパラメーターで特徴づけられる.そのような特性をプラズマ本来の反応性,発光性,導電・誘電性と組み合わせることによって,材料合成や微細加工,化学分析やフォトニックデバイスなどへの新しい応用技術への発展の兆しがみえてきた.そこで,マイクロプラズマの生成と診断・シミュレーションの現状や今後の課題とともに,バイオマテリアルのプロセスを含めた多方面への新しい応用の方向を解説し,マイクロプラズマが創成する学術分野や応用技術の将来を展望する.
著者
向井 孝志 中村 修二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.152-155, 1999-02-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
12
被引用文献数
4

窒化インジウムガリウム系材料を用いた発光デバイスの進展により白色LEDおよび紫外LEDが最近開発,商品化された.白色LEDはInGaN青色LEDとYAG蛍光体を組み合わせて構成されている.紫外LEDは発光波長が370nmと短波長である.ここでは白色LEDと紫外LEDの構造や特性を述べ,今後の課題や可能性について議論する.
著者
関 一彦 谷 忠昭
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.1018-1021, 1991-10-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

ハロゲン化銀に色素を吸着させることで,ハロゲン化銀の感光感度を可視領域全体,あるいは赤外域まで広げることができる.この現象は分光増感とよばれ,写真における重要な技術である.その機構解明を目的として, 5種類のメロシアニン色素と臭化銀との界面の電子構造を紫外光電子分光法により直接決定した.分光増感の電子伝達機構(励起された色素から臭化銀の伝導帯への電子伝達)に基づくことで,得られた電子構造は実際に観測される増感効率の化合物依存性を良く説明できた.また,色素と臭化銀の接触により,両者の真空準位の大きなシフトが観測され,ハロゲン化銀,色素を単独に測定して真空準位を揃えるという従来の電子構造推定法が誤っていることがわかった.