著者
本村 眞澄
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

サハリンでは20世紀初頭には最初の油田が発見され、1925年、日本の「北樺太石油」が終戦直前まで本格的な石油開発を行って来た。戦後、1974年に「サハリン石油開発協力」が設立され、サハリン大陸棚での探鉱に参加し、オドプトとチャイウォという2つの海洋油田が発見された。ソ連崩壊後はPS契約に衣替えし、サハリン1で石油生産、サハリン2で石油のLNGの生産に成功している。ここで、日本の技術がいかに活用されて来たか見てみたい。
著者
本田 亨 巻幡 敏秋 与口 正敏 伊藤 拓仙 谷中 厳
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.248-251, 1971
被引用文献数
1

The burning characteristics of flame, radiated heat intensity on the ground surface, and the temperature of the structure are measured, and the radiation characteristics of flame of a large size flare stack is investigated in this paper.<br>The flame length and diameter are increased with Mach number of waste gas flow, especially, the flame length <i>L</i> is related with <i>L</i>=0.72&times;10<sup>3</sup>(<i>U/U<sub>c</sub></i>)<i>D</i> (<i>U/U<sub>c</sub></i>=Mach number, <i>D</i>=Diameter of flare burner), but the flame diameter is not expressed by a linear relation to Mach number. The measured value of flame length is 1/2&sim;1/3 times the value obtained by G.R. Kent.<br>The radiated heat intensity on the ground surface may be calculated by the equation of point heat source concentrated at the center of a flame and the fraction of radiated heat at <i>X</i>&le;100m (<i>X</i>=Distance from flare stack) is smaller than that of <i>X</i>&ge;100m. In case of <i>X</i>&ge;100m, the fraction of radiated heat &epsilon; is expressed by &epsilon;=0.048&radic;<i>M</i> (<i>M</i>=Molecular weight of waste gas).<br>The temperature of structures, in the burning conditions, is nearly equal to the normal temperature, from the ground level to a height of EL. 110m, due to a shelter of platform installed at EL. 110m. When the fraction of radiated heat is constant, the temperature of platform may be estimated by the equation of heat radiation from the surface of an idealized ellipsoid flame.
著者
伊原 賢
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>米国は、石油・天然ガスの生産量の最高値更新に向けて、毎月新たな記録を打ち出している。2018年には、生産量で石油1100万BPD、ガス760億立方フィート/日に到達した。パーミアン・エリアでは今年生産量が350万BPDを超え、2020年には500万BPDに到達する勢いで、シェールオイルの生産をリードしている。また、北東部のマーセラス・エリアではガス生産200億立方フィート/日に向かっている。シェールオイル・ガスの生産増は、その減退を上回るペースで続いている。水平坑井、多段階の水圧破砕、マイクロサイスミックという要素技術の組み合わせの最適化の最前線を探りたい。</p>
著者
木下 睦 高橋 悟 山崎 友紀 金 放鳴 守谷 武彦 榎本 兵治
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.177-185, 2006-07-01
参考文献数
5
被引用文献数
12

オイルサンド層から熱攻法で採収されるビチューメンのオンサイト低粘度化・改質技術として開発研究中のアルカリ超臨界水熱改質法において,ビチューメンからベンゾチオフェン・ジベンゾチオフェン(BT・DBT)類が生成する挙動とそれらの分解挙動について考察した。アルカリ超臨界水熱改質法では,反応温度430℃,圧力30 MPaの条件でKOHを加えて処理した場合,反応時間が数分で終了する比較的迅速な初期の分解反応と,その後のゆっくりとした反応とに区分され,本報では後者を対象とした。得られた結果をまとめると以下のようである。(1)ビチューメンからBT・DBT類が生成し,主にこれらのうちのBT類が分解されることで脱硫が進行すると考えられる。(2)アルカリはビチューメンからBT・DBT類を生成する反応で消費される。(3)使用した2種のビチューメンについて,生成したBT・DBT類の種類は同様であったが,成分ごとの生成量は異なった。(4)生成したアルキルBT類の種類は構造上可能な化合物数の半数近くであり,アルキル基の炭素数が3以下のものがほとんどであった。(5)BT類はDBT類に比べ分解が容易であり,かつDBT類の生成量は多くないため,脱硫は主にBT類を経由すると考えられる。本研究で使用したビチューメンでは生成したDBT類の硫黄含有率は合計で0.3 wt%以下であった。<br>
著者
木下 睦 高橋 悟 金 放鳴 山崎 友紀 守谷 武彦 榎本 兵治
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.272-280, 2005-09-01
参考文献数
14
被引用文献数
1 14

超臨界水を用いたビチューメンのオンサイト改質における脱硫の促進を目的として,ベンゾチオフェン(BT)類とジベンゾチオフェン(DBT)類のアルカリ水熱反応による分解を検討した。BTおよびDBT類はアルカリ水熱処理で分解し,分解の容易さはアルカリ水溶液の種類および濃度により影響を受け,KOH水溶液中での分解が最も進行した。分解はある濃度で残存率が最小となる極値を示した。また,水の超臨界状態では反応圧力が高い方が分解は容易に進行した。BT類とDBT類の両方について,本研究で報告した水熱分解とこれまでに他の研究者によって報告されている水素化脱硫法(HDS)とで生成物が異なり,また見かけの活性化エネルギーも大きく相違しており,両分解法において反応機構が異なることが示唆された。BTはDBTよりも分解が容易に進行し,またメチル基を有する硫黄化合物とメチル基を有さない硫黄化合物の分解の容易さを比較すると,メチル基を有さない硫黄化合物の方が容易に分解する。これらの傾向はHDSの場合と同様であり,水熱分解の場合も化合物の分子構造の影響を受けることがわかった。<br>
著者
大山 隆
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>世界的にESG経営が重要視される中、FCC残渣油を原料にしてニードルコークスを生産し、高品質な電気製鋼用黒鉛電極の骨材を生産するとともに、電気自動車用のリチウムイオン電池の炭素材を生産している。本発表では、このスキームと装置の信頼性向上の考え方を紹介する。</p>
著者
土屋 武大
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.167, 2006

経済産業省では、バイオマス由来燃料として注目されているバイオディーゼル燃料(BDF)を軽油に混合した場合における規格化に係る検討を行ってきた。BDFのうち、世界的に活用されている脂肪酸メチルエステル(FAME)を検討対象とし、自動車部材に対する安全性及び排ガス性状の確保を目的として、FAME混合軽油に係る規格をとりまとめたので報告する。
著者
木村 俊之 高 建 坂下 幸司 黎 暁紅 浅岡 佐知夫
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.40-50, 2012-01-01
参考文献数
27
被引用文献数
8

ノルマルヘプタンを原料としてヘビーナフサ異性化触媒の開発を行った。ライトナフサ異性化触媒として開発されたPd/ナノサイズAl<sub>2</sub>O<sub>3</sub>/H-BEAゼオライト複合触媒はノルマルへプタンにおいてもナノアルミナ複合効果を発揮したが,高転化率では分解反応が進行した。そこで触媒の残留塩素除去処理を行ったところ,高転化率,高選択性を発揮したことから,残留塩素が塩化アルミニウムのような強い酸点となり,分解活性点として働くと考えられた。また,複合化したナノアルミナは,ゼオライトの強酸点をマイルド化し分解反応を抑制する効果があることが明らかとなった。ナノシリカとの複合化ではその効果が現れなかったことから,ナノアルミナの塩基性によって,ゼオライト表面の強酸点が中和されたと推測された。アルミナ複合触媒は,塩素除去処理を行うことで分散性が約2倍になったことから,ナノアルミナが有する塩素吸着能がパラジウムの分散性に効果的に働いたと推測された。
著者
岡村 和夫 田崎 雅晴 末吉 マーク アルマーマリ ラシッド 幾島 賢治
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

原油生産に伴い発生する油田随伴水はオマーン国最大の環境問題の一つである。油田随伴水は、無機凝集剤を使用することで容易に油分を分離することが可能であった。オマーン国内には多くの油田が存在しているために、コンテナサイズでコンパクトなパイロットプラントを建設した。パイロットプラントは、可動式であるため複数のサイトで実証試験が可能である。パイロットプラントによる実証運転結果について紹介する。
著者
菊地 英一 小泉 明正 荒西 康彦 森田 義郎
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.360-363, 1982
被引用文献数
2

鉄を触媒活性成分として含む, 一連のグラファイト層間化合物 (LCG) を用いて, 一酸化炭素の接触水素化反応を研究した。反応は固定床流通反応装置を用いて400&deg;C, 20atmの条件で行った。鉄LCG触媒は低級炭化水素の合成に活性があり, 二酸化炭素の生成が少なく, 一酸化炭素を有効に炭化水素に転化する2)。この反応における触媒活性中心は層間内の鉄であると考えられるが2), グラファイト表面に析出した鉄であるとの反論3)もある。著者ら4)は炭化水素合成に活性を示した鉄LCG触媒の磁化率測定を行って, 強磁性を示す鉄粒子が存在しないことを示し, 活性点はグラファイト層間にあることを主張した。<br>本報ではまず塩化第二鉄 (FeCl<sub>3</sub>)LCG触媒を水素還元して得た触媒の活性と選択性を比較して, 還元条件の影響を調べた (<b>Table 1</b>)。塩化第二鉄を還元すると主に塩化第一鉄 (FeCl<sub>2</sub>) に還元され, 一部は金属鉄まで還元される。還元温度の上昇,還元時間を長くすることにより層間内の塩化第一鉄の量が減少し, それにともなって活性が低下し, 生成物分布が低分子量側に移行することがわかった。塩化第一鉄はグラファイトの層間を広げ, 反応物や生成物の拡散を容易にするスペーサーとして作用することが示された。この結果は活性中心がグラファイトの層間に存在するとする著者らの結論を支持する。<br>グラファイトの層間に鉄以外の, もう一成分の金属塩化物を挿入したLCG触媒を調製して, その活性と選択性を調べた (<b>Table 2</b>)。調製方法は Croft5) の方法に準じた。まず第二成分の塩化物を400&deg;Cで挿入し, ついで塩化第二鉄を300&deg;Cで挿入した。塩化マンガンは生成物分布を高分子量側に移行するとともに, オレフィン生成を促進することが示された。他の添加物ではむしろメタンの占める割合が増加した。塩化マンガンのLCG自体は活性が低く, 硝酸マンガンを鉄LCGに担持しても効果がないことから, 塩化マンガンが効果を示すにはグラファイト層間に鉄と共存させることが必要であると結論された (<b>Table 3</b>)。鉄と塩化マンガンが共存したLCG触媒を高温還元すると, 活性は低下したが高分子量炭化水素の生成が抑制された。その結果生成物分布の幅が狭くなり, C<sub>2</sub>~C<sub>4</sub>炭化水素の合計は Schulz-Flory 分子量分布から予測される最大値 (55%) よりわずかではあるが大きくなった。
著者
合志 義広 佐藤 浩一 川口 貴広 畑山 実
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集 第58回研究発表会
巻号頁・発行日
pp.26, 2009 (Released:2009-07-19)

エバータックは、当社の技術により開発した特殊粘着剤および高粘性体であり、ポリブテンを原料とした物質です。通常の条件下では極めて安定な物質であり、無臭、無毒で粘稠な、液状―半固体のポリマーです。主用途としてはネズミなどの小動物捕獲剤として使用されております。 本発表では、エバータックの基本的な物性および特長についてご紹介します。
著者
竹村 邦夫 用田 裕樹 岩崎 正利 木村 康弘
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.138, 2008

カルシウムスルフォネートコンプレックスグリースは耐熱性、極圧性、耐摩耗性、耐水性、錆止め性などの点で優れた性能を有しており、産業機械での実用化が進みつつある。 これらの諸性能が産業機械の潤滑にどのように生かされているか、その実用例について報告する。
著者
鈴木 俊光 中川 清晴
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.66-79, 2011-03-01
参考文献数
44
被引用文献数
6

世界で最初に,ダイヤモンド微粒子を触媒担体に用いるいくつかの触媒反応を行った。ダイヤモンドは長年安定な物質と考えられていたが,その表面は水素や酸素と反応し,C&ndash;H結合や,C&ndash;O&ndash;C,C=O結合などが最表面に生成することが知られるようになった。我々は,酸素で表面処理したダイヤモンド(酸化ダイヤ,以下O-Diaと呼ぶ)を触媒担体に用いて,金属酸化物,金属を担持した触媒を調製し,次の反応にO-Dia担持触媒が高い活性を示すことを見出した。本論文では以下の反応に関する著者等の研究をまとめた。(1)酸化クロム/O-Dia触媒によるエタン,プロパンなどのアルカンの脱水素反応,(2)酸化バナジウム/O-Dia触媒によるエチルベンゼンの脱水素反応,(3)メタン,エタンの酸化バナジウム/O-Dia触媒上での二酸化炭素を酸化剤とする酸化反応によるアルデヒド生成反応,(4)Ni/O-Dia,Co/O-Diaを用いたメタンの部分酸化による合成ガス生成反応,(5)NiまたはPd/O-Dia触媒上でのカーボンナノフィラメント生成反応,(6)Ru/O-Dia触媒によるアンモニア合成反応。
著者
豊岡 義行
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>国内石油精製産業の国際競争力強化が叫ばれ続けている。国内の燃料油需要が退潮し続ける中では大型投資による最新プロセスの導入は難しく、「叫ばれ続ける」所以ともなっている。製油所のDX化(デジタル技術による生産革新)は比較的少額な投資で効果も期待できるが、国際競争のトップ集団につけるには、普遍的なデジタル化では物足らない。我が国が優位に立つペトロリオミクス技術を生かした超スマートリファイナリーが、この決め手になる。</p>
著者
菱田 尚子 渡辺 朋亮 谷田 幸次
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<br><br>水銀に関する水俣条約の発効に伴い、水銀の排出規制および監視が厳しくなると思われる。そこで、JLPGA-S-07、ISO 20552:2007の規格に準拠したダブルアマルガム法を用いて、様々なガス中の微量水銀を測定した。その中から、水素ガス、LPGガスの測定アプリケーションを報告する。また、ガス中の有機水銀と金属水銀の分別測定について検討したので、あわせて結果を報告する。
著者
岩本 伸司
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集 第37回石油・石油化学討論会 (札幌)
巻号頁・発行日
pp.54, 2007 (Released:2007-12-25)

チタンテトライソプロポキシドと少量のオルトケイ酸エチルを1,4-ブタンジオール中に加え、これをオートクレーブ中で加熱すること(グリコサーマル法)により、高表面積を持ち、熱安定性に優れたアナタース型シリカ修飾チタニアのナノ結晶を得た。この試料に窒化処理を行うと、窒素を安定にドープすることができ、得られた窒素ドープシリカ修飾チタニアは可視光照射下でも高い光触媒活性を示した。
著者
吉野 彰
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

リチウムイオン電池は携帯電話、ノートPCなどのIT機器の電源の小型・軽量化を実現し、IT社会化、モバイル社会化に大きな貢献をしてきた。さらに今後は資源・環境・エネルギー問題という人類共通の課題の解決手段の一つとして重要な使命を果たしていかなければならない。このリチウムイオン電池にはセパレータ、バインダーなど多くの高分子材料が用いられており、その役割、将来に期待される高分子材料などについて述べる。
著者
和田 健司
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集 第48回石油・石油化学討論会(創立60周年記念東京大会)
巻号頁・発行日
pp.100, 2018 (Released:2018-12-17)

担体の金属酸化物の種類や結晶構造が、担持イリジウム種の触媒活性に及ぼす顕著な影響を活かして、種々の有機化合物合成反応に有効な固体イリジウム触媒を開発した。例えば、{010}面を豊富に有するアナターゼを活用して、2-ニトロアニリン類と第一級アルコールからのベンゾイミダゾール合成反応に優れた活性を示す担持イリジウム触媒を開発した。一方、イリジウム錯体と酸化セリウムの組み合わせによって、アルケニルシラン合成反応に優れた活性・選択性を示す固体触媒がその場調製できることを、明らかにした。
著者
矢野 法生 増田 定司 寺岡 正夫
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.45-51, 1994
被引用文献数
1

ビスカスカップリングの普及に必要不可欠である安定性に優れたオイルの開発を目的に検討した。高粘度のジメチルシリコーンオイルの安定性をビスカスカップリングを用いた台上試験で調べた結果, 比較的低温においても粘度増加さらにはゲル化を起こすことがわかった。このジメチルシリコーンオイルのゲル化は, プレートの摩擦や摩耗粉(窒化鉄) が関係するビスカスカップリング特有の挙動であり, ゲル化防止には従来の耐熱向上剤では効果がほとんどなく, 特定の極圧剤が有効であることを見い出した。これらの知見に基づいて, 実用上, 極めて安定性に優れるビスカスカップリングオイルを開発した。
著者
今村 敏英 中山 達雄 池田 克巳 嶋田 公
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.187-193, 1978

アスファルト舗装体の耐久性向上のためにアスファルト中に種々のポリマーを添加して, その粘弾特性を改質することが一般に行われている。SBRラテックスを原油や製造方法の異なった各種のアスファルトに添加したものを試料として, 伸度型わくを用いて一定伸長速度で引張りテストを行い, 試料の伸びとそれに伴う引張り応力の関係から, CGS単位による絶対粘度, 瞬間, 遅延各弾性おのおのが簡単に測定できることがわかった。さらに, ポリマー添加による粘度, 瞬間, 遅延各弾性おのおのの増加率は試料中のマルテンの粘度が低いものほど大きいことがわかった。また, ベンソン法による引張り試験の代りに伸度型わくによる方法が応用できることがわかった。