著者
鈴木 淳子
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.28, no.10, pp.820-821, 1996-10-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
6
著者
新谷 冨士雄 渡辺 真司 稲木 一元 田中 政
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.14, no.12, pp.1466-1472, 1982-12-25 (Released:2013-05-24)
参考文献数
26

心係数(心拍出量/体表面積)の男女差有無を検討するために,正常な男女349例の安静時心拍出量(二色式虚血法によるイヤピース法)を測定し,次の結論を得た.1)体表面積と心拍出量の関係は女では直線性,男では体表面積の大きい領域を除いて直線性で,両直線は平行し,女の方が約0.4l上方に位置した.2)体表面積とヘマトクリットの関係は体表面積と心拍出量の関係と類似であったが,女の方が男より3-4,%低い位置にあった.3)体表面積と毎分赤血球容積(心拍出量とヘマトクリットの積)の関係は直線性で,男女が完全に重複し,このことから同一体表面積当たりの酸素供給能は男女とも変わらないことが示唆された.以上により女の心係数はヘマトクリットが少ない分だけ男のそれより多いと結論された.
著者
伊東 春樹
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.252-259, 2007-03-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
32
被引用文献数
1
著者
工野 俊樹
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1118-1121, 2020-10-15 (Released:2021-10-25)
参考文献数
23
著者
百村 伸一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.78-83, 2007-01-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
4

日本人のための急性心不全治療ガイドラインとしては,日本循環器学会が2000年に発表した急性重症心不全治療ガイドラインがある.それから5年以上経過するなかで,新しい臨床成績を反映させるべく全面的な改訂作業が進められ,「急性心不全ガイドライン」がまとめられた.新たなガイドラインは,重症心不全に限定せず全ての急性心不全を対象に,各種診断・治療法を臨床成績のエビデンスに基づきクラス分類して,科学的根拠を明示した.最も大きな特徴は,治療戦略のなかに長期予後を考慮し,心臓および他の重要臓器の保護の概念を位置付けたことである.ナトリウム利尿ペプチドに関しては,ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP:カルペリチド)の血管拡張作用以外の臓器保護作用,交感神経抑制作用などが評価され,より積極的な位置付けがなされている.本ガイドラインが臨床の場で貢献することを期待する.
著者
林 潤 吉村 幸浩 内田 徹郎 前川 慶之 貞弘 光章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1531-1537, 2013 (Released:2014-12-27)
参考文献数
11

小児に対する塩酸ランジオロールの使用報告は散見されるが, その有効性や投与量についてはいまだ明確ではない. 今回われわれは, 小児の心臓手術周術期に発生した頻脈性不整脈に対し, 塩酸ランジオロールを使用し良好な結果を得た 3症例を経験した. 各症例の背景や手術内容, また頻脈発作の出現時期やその種類などはいずれも異なっていたが, 血圧低下や徐脈などの有害事象をきたすことなく, 塩酸ランジオロールの持続投与により有効に頻脈性不整脈を抑制した. これまでの小児に対する使用報告からも, 塩酸ランジオロールは成人同様, 小児においても周術期の頻脈性不整脈に有効であることが示唆された.
著者
岡本 都 越智 友梨 久保 亨 杉浦 健太 宮川 和也 馬場 裕一 野口 達哉 弘田 隆省 濵田 知幸 山崎 直仁 北岡 裕章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.386-392, 2021-04-15 (Released:2022-04-18)
参考文献数
15

Eclipseとは天体現象である日蝕や月蝕の‘蝕’を意味する.近年,左室駆出率が保たれた患者に,明らかな誘因なく一過性にごく短時間生じる急性機能性僧帽弁逆流の報告がなされ,Eclipsed mitral regurgitation(MR)と称されている.症例は60歳代女性.突然の胸部不快感にて救急受診した.来院時,心電図にて広範な誘導でのST低下を認め,また高感度心筋トロポニンTが0.131 ng/mLと上昇していた.心エコー図では左室駆出率は保たれていたが,左室基部に限局した全周性の壁運動低下および新規の重症MRを認めた.冠動脈造影では有意狭窄病変は認めなかった.ニトログリセリン持続投与開始後,胸部症状は消失し,翌日には心電図変化,心エコー図での左室基部の壁運動異常およびMRともに消失していた.以後も胸部症状や心電図変化,MRの再燃なく経過し,2週間後の外来時には高感度心筋トロポニンTも正常値となっていた.本症例の病態として,たこつぼ症候群(Basal type)や冠攣縮性狭心症の可能性も考慮されるが,いずれも典型的とはいえず,その臨床像および経過はEclipsed MRの報告例と酷似していた.Eclipsed MRは稀な病態ではあるが,重症例や再発例の報告もあり,本疾患の存在を理解しておくことは重要と考え,ここに報告する.
著者
前濱 智子 林田 晃寛 久米 輝善 和田 希美 渡邉 望 根石 陽二 川元 隆弘 豊田 英嗣 大倉 宏之 吉田 清
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement3, pp.121-126, 2008-07-30 (Released:2013-05-24)
参考文献数
7

症例は61歳,男性.1997年から全身性強皮症と診断され,加療されていた.膠原病性肺高血圧症が急速に進行し,2006年から在宅酸素療法およびボセンタンを導入された.2007年6月,自宅で突然心肺停止となった.家人による心臓マッサージを受け,救急隊が装着した自動体外式除細動器(AED)にて心室細動が確認され,除細動2回目で心肺停止から約25分後に自己心拍の再開を認めた.来院時GCS:1-1-1で除脳姿勢を呈していたが,軽度低体温療法を行った結果,若干の記憶障害が残るものの,意識はほぼ清明となるまで回復した.原因検索の際の冠動脈造影検査にて虚血性心疾患は否定されたため,全身性強皮症の心病変による心室細動であったと診断し,植込み型除細動器を植え込み,約1カ月後に退院した.今回われわれは,強皮症による心筋障害が原因と思われる心室細動をきたし,AEDにて蘇生された貴重な症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
著者
岡島 智志 竹内 省三 石川 宏靖 外畑 厳 岡田 了三
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.8, no.10, pp.1061-1066, 1976-10-01 (Released:2013-05-24)
参考文献数
30

心房解離は極めて稀とされる.我々は脳卒中発症後うっ血性心不全を来たし,死亡した64歳男子に.一過性心房解離を認めたので報告する.死亡14日前の心電図では,2種類の互いに独立した心房波がみられた.第1の心房波(P波)は頻度81/分一定PQ間隔(0 .22秒)でQRS波に先行,以前に記録した心電図の洞性P波形と類似し,洞起源と考えられた.第2の心房波(P波)は頻度100/分(P'-P'間隔0.58・0.61秒)で,その起源は左房褒上部と推測された.P'波を生じた刺激は心室へ伝導されず,また両心房調律間には相互干渉は認められなかった.このような所見より,この不整脈を心房解離と診断した.心臓病理所見では,Bachmann東およびcoronarysinus bundleに中等度ないし高度の線維化が認められた.これら心房間伝導路の線維性杜絶により,右房から左房への刺激伝導が杜絶したため,心房解離が生じたと考えられた.
著者
河村 剛史 柴田 仁太郎 和田 寿郎
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.16, no.10, pp.1001-1008, 1984-10-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
12

雑種成犬10頭を用いた左脚中隔枝群の後半分を含む左脚後枝群障害,次いで右脚本幹障害を作成し,心表面マッピング,ベクトル心電図にて検討を加えた.左脚後枝群障害にて左室心尖部から後面にかけて興奮伝播遅延がみられたが,同領域はコントロール時にすでに興奮伝播が遅延しており,QRSベクトルの終末部に軽度の遅延がみられる程度で,QRS軸の変化はなかった.右脚本幹プロックが加わると右室前面の最早期興奮部位は消失し,左室前面が最早期興奮部位となり,これを中心とした興奮伝播パターンとなった.最終興奮部位は右室房室間溝側心表面で,QRS軸は右上方に大きく偏位した.QRS軸の偏位には心臓全体の興奮伝播の方向性の変化が必要で,前提条件として障害領域が早期興奮部位である必要がある.イヌにおいて,左脚後枝群障害を加えても,もともと興奮伝播の遅れている左室後面がさらに遅れるだけで,QRS軸の変化はみられなかったと考えられる.
著者
中村 牧子 上野 博志 中垣内 昌樹 堀 正和 田中 修平 城宝 秀司 絹川 弘一郎
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.611-618, 2019-06-15 (Released:2020-08-17)
参考文献数
12

症例は58歳男性,主訴は心窩部痛・心肺停止.2018年某月初旬,心窩部痛・嘔吐にて救急要請した.救急車内で心室細動(VF)となりAEDによる除細動が3回施行されるもVF停止せず,心肺蘇生が継続され当院ERへ救急搬送された.気管挿管,アドレナリン,アミオダロン投与後も自己心拍再開が得られず,VA-ECMOを挿入し冠動脈造影(CAG)を施行.左前下行枝#6 100%,右冠動脈#1-2 90%を認め,引き続き#6にPCI施行,その後の除細動で洞調律へ復帰した.#1-2にもPCIを施行しTIMI 3となったが左室拡張末期圧20 mmHgと高値のため左室ベント目的にIMEPLLA 2.5を挿入した.CCU入室時脈拍触知せず,胸部X線で肺うっ血あり,心エコーで大動脈弁の開放を認めず,高度のびまん性左室壁運動低下(EF 10%)を認めた.低用量の静注強心薬も併用開始し第2病日ECMOを離脱した.CPKは最高17737 IU/L,CK-MB 702 ng/mLまで上昇したが,左室壁運動の改善を認め,第5病日IMPELLAを抜去,第6病日人工呼吸器と静注強心薬を離脱した.第14病日の心エコーではEF 47%に改善を認め,神経学的後遺症なく第31病日に独歩退院し,退院1カ月後に就労復帰した.本例はECMOによる全身循環の維持,PCIによる冠血行再建とIMPELLAによる左室減負荷により心機能が回復し救命し得たと考えられた.
著者
執行 秀彌 大原 貴裕 岩山 忠輝 舟田 晃 長谷川 拓也 神﨑 秀明 安斉 俊久
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.187-190, 2015 (Released:2016-02-15)
参考文献数
14

症例は70歳, 女性. 主訴は意識消失. 大動脈弁閉鎖不全症, 感染性心内膜炎に対してBentall手術 (Prima Plus 21mm, Intergrad 20mm), 右室形成術を施行した. 術後完全房室ブロックと低心機能を認め心臓再同期療法ペースメーカー (Medtronic Consulta CRT-P C3TR01) を留置した. 3カ月に及ぶ長期入院を要した. 退院後, 立位にて調理中に突然の意識消失をきたし, 精査のために入院. 心電図では失神をきたすような不整脈を認めず, 心筋逸脱酵素上昇等異常所見を認めなかった. 経胸壁心エコー図では, 局所壁運動異常や大動脈弁置換弁の異常所見を認めなかった. 頭部単純CT, 脳波検査でも異常所見は認めなかった. 神経調節性失神を疑いヘッドアップチルト試験を施行. ニトロール負荷にて急激な血圧低下, 失神症状を認めた. カルベジロールのα1遮断作用が失神の誘因となった可能性を考慮し, カルベジロールからビソプロロールへ変更した. 変更後ヘッドアップチルト試験を再施行したが, 血圧低下, 失神症状を認めなかった. 以降症状再発なく経過している. 低心機能例に対してβ遮断薬を投与する際には神経調節性失神の副作用も考慮に入れて薬剤選択する必要があると考えられた.
著者
中屋 豊
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1251-1255, 2016-11-15 (Released:2017-11-15)
参考文献数
13
著者
墨岡 亮 桑原 博道 小林 弘幸
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.1183-1195, 2011 (Released:2013-01-19)
参考文献数
6
被引用文献数
1

肺血栓塞栓症は, 近年, 認知度が上昇し, 急死の転帰をたどることも多く, 訴訟リスクが高まっているものと考えられる. そこで, 肺血栓塞栓症が裁判上どのような点で問題となっているのか, 検索し得た40例の裁判例(36事例)を検証した.請求棄却判決は22例で, 一部認容判決が18例. 主な診療科は, 循環器科(7事例), 産婦人科(7事例9裁判例), 整形外科(6事例)で, 3診療科で約半数を占めた. 循環器科は, 2004年の判決以降に問題となっていた. 産婦人科では, 5事例6裁判例で, 医療機関側から, 急変した原因が肺血栓塞栓症であるとの主張がなされていた. 整形外科では, いずれの事例も下肢受傷例であった. 争点となったのは, 死因·原因(17事例20裁判例), 予防措置(16事例17裁判例), 診断の遅れ(16事例17裁判例), 救命措置(9事例10裁判例)であった. 2004年以降, 予防, 診断の遅れ, 救命措置に過失があったことを理由とした請求認容判決が7例存在した. また, 2004年以降の判決ではガイドラインに触れられているものがあった. 死因·原因などに関して, 8事例10裁判例で, 医療機関側から, 原因が肺血栓塞栓症であったことを, 過失や救命可能性を否定する根拠として主張していることが特徴であった.医療トラブル防止には, 個々の医師の対応だけでは限界があり, 肺血栓塞栓症の特質について, 患者および社会一般の理解を得る必要がある.