13 0 0 0 OA 1.心Fabry病

著者
久保 亨
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, pp.293-298, 2014-02-10 (Released:2015-02-10)
参考文献数
9

Fabry病は,α-galactosidase A活性の欠損・低下によってひき起こされるX連鎖性遺伝のライソゾーム病であり,腎不全・心不全・脳血管障害にて中年期以降に死亡する進行性の疾患である.心病変では肥大型心筋症様の肥大を呈し拡張障害を認め,さらに進行すると収縮不全によって難治性心不全をきたすことが知られている.従来までの対症療法に代わり,本邦でも2004年から根本治療である酵素補充療法が可能となり,臨床の場において本疾患を認識し鑑別することは重要と考えられる.
著者
久保 亨 森内 浩幸 西村 秀一 森田 公一
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

肺炎は現在本邦での死因の第3位であり増加傾向にある。肺炎の治療において起因病原体の迅速な確定診断と薬剤耐性の有無の検索は非常に重要である。我々は、簡便で迅速な遺伝子増幅検査法であるリアルタイムPCR法を用いた結核およびその他の肺炎の簡易迅速確定診断・薬剤耐性判定システムの構築を行い、実臨床における有用性を示し、その地域医療への応用を行っている。この系を用いれば、より迅速に低コストで肺炎の鑑別診断と薬剤耐性の有無の推定が可能となり、地域の高齢化・医療過疎化の中でのより効率的な結核・呼吸器疾患コントロール対策モデル作りに繋がると考えられる。
著者
本庄 比佐子 内山 雅生 久保 亨 曽田 三郎 奥村 哲 弁納 才一 三谷 孝
出版者
(財)東洋文庫
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

第1次大戦時、ドイツの膠州湾租借地を攻略した日本は、青島守備軍を編成して占領地統治を行い、青島及び山東鉄道を中心に諸権益の拡張を図った。そのために青島守備軍などが行った山東地域の実態調査を通して日本の山東経営を検討すること、及びそれらの調査資料を利用しつつ山東地域を中心に当時の中国の政治・経済・社会について総合的な考察を行うことを目的とした。外務省外交史料館・防衛省防衛研究所図書館・山口大学東亜経済研究所を中心に10ヶ所の諸機関で資料調査を行い、青島守備軍民政部鉄道部の『調査資料』シリーズや『山東鉄道調査報告』シリーズなどを含め、約160点の資料を明らかにすることができた。その結果を「青島守備軍編刊書・報告書目録 附・解題」にまとめ、『研究成果報告書』に収録した。これらの資料は、従来あまり利用されていないが、山東地域を勢力範囲として中国大陸進出を狙った日本の企図を具体的に分析するうえで重要な資料であり、また中国の地方志や経済史の資料としても役立つものである。日本軍の占領体制、ドイツの青島経営、山東鉄道をめぐる諸問題、山東省農民の移民、山東の農産物・工鉱業など、個別のテーマを設けて研究を進めた。その成果をまとめて、第3年度に論文集『日本の青島占領と山東の社会経済 1914-22年』を刊行した。同時に山東社会科学院・青島市社会科学院との学術交流を進め、論文集には山東の研究者からの寄稿も収めることができた。第4年度には、上記の論文集を基礎に、山東の研究者と国内の日本史研究者を招いて国際シンポジウムを開催した。そこでは、実証的な研究の領域において日中の中国史研究者間、また山東地域に関する研究で日本経済史研究者と中国近代史研究者の交流を図ることができた。以上を通して、従来研究の手薄であった日本の青島占領の諸相と、それが1930年代の華北進出に意味をもった点を明らかにすることができた。
著者
岡本 都 越智 友梨 久保 亨 杉浦 健太 宮川 和也 馬場 裕一 野口 達哉 弘田 隆省 濵田 知幸 山崎 直仁 北岡 裕章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.386-392, 2021-04-15 (Released:2022-04-18)
参考文献数
15

Eclipseとは天体現象である日蝕や月蝕の‘蝕’を意味する.近年,左室駆出率が保たれた患者に,明らかな誘因なく一過性にごく短時間生じる急性機能性僧帽弁逆流の報告がなされ,Eclipsed mitral regurgitation(MR)と称されている.症例は60歳代女性.突然の胸部不快感にて救急受診した.来院時,心電図にて広範な誘導でのST低下を認め,また高感度心筋トロポニンTが0.131 ng/mLと上昇していた.心エコー図では左室駆出率は保たれていたが,左室基部に限局した全周性の壁運動低下および新規の重症MRを認めた.冠動脈造影では有意狭窄病変は認めなかった.ニトログリセリン持続投与開始後,胸部症状は消失し,翌日には心電図変化,心エコー図での左室基部の壁運動異常およびMRともに消失していた.以後も胸部症状や心電図変化,MRの再燃なく経過し,2週間後の外来時には高感度心筋トロポニンTも正常値となっていた.本症例の病態として,たこつぼ症候群(Basal type)や冠攣縮性狭心症の可能性も考慮されるが,いずれも典型的とはいえず,その臨床像および経過はEclipsed MRの報告例と酷似していた.Eclipsed MRは稀な病態ではあるが,重症例や再発例の報告もあり,本疾患の存在を理解しておくことは重要と考え,ここに報告する.
著者
服部 俊夫 仁木 敏朗 平島 光臣 HAORILE C.-Y. 久保 亨 児玉 栄一
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

デングウイルス(DENV)感染者における新規バイオマーカーとしてのGalectin 9 (Gal-9)とOsteopontin (OPN)の臨床的な有用性を研究した。血漿Gal-9はDENV感染者では正常群と比べ有意に上昇し、ヒトでの報告された最高の値を示し、回復期では有意に減少した。Gal-9値はヘマトクリット値、血小板数、単球およびウイルスRNAのコピー数と相関していた。血漿OPNも9倍以上の増加を急性期で示し、回復期ではトロンビン切断型のOPNが上昇し、免疫と凝固のクロストークマーカーと思われた。故に、DENV感染における血漿Gal-9及びOPNが病態反映のマーカーである可能性を示した。
著者
村田 雄二郎 久保 亨 水羽 信男 川尻 文彦 中村 元哉 小野寺 史郎 竹元 規人
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

20世紀の中国史は、ナショナリズムや社会主義に加えて自由主義を受容した歴史でもあった。本研究は、自由主義の視点から、新たな中国近現代史像を提示した。その具体的な成果は『リベラリズムの中国』(有志舎、2011年)である。
著者
富澤 芳亜 阿部 武司 金丸 裕一 久保 亨 桑原 哲也 萩原 充 吉田 建一郎 加島 潤 今井 就稔 芦沢 知絵 張 忠民 陳 慈玉 陳 計堯
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

主要なものとして、以下の3つがある。(1)社会経済史学会第78回全国大会におけるパネル・ディスカッション「両大戦間期・第二次大戦期の中国における在華日系企業の活動-内外綿会社の活動を事例として」(2009年9月27日)、およびシンポジウム「両大戦間期・第二次大戦期の中国における在華日系企業の活動」(2009年9月28日、東京大学社会科学研究所)の開催。(2)富澤芳亜、久保亨、萩原充編『近代中国を生きた日系企業』の刊行(平成23年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)交付内定)。(3)在華紡関係者のインタビューの文字化とその校閲(一部は公刊済み)。