著者
足立 伸次 井尻 成保
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

チョウザメの性分化および卵成熟/排卵に関わる因子を、次世代シーケンサー(NGS)を用いて網羅的に解析することで、それらの機能、特異性および動態などの膨大な情報を短期間で集積し、チョウザメの生殖現象の分子機構解明を推進した。また、各ステージに特徴的な多数の分子マーカーを探索し、それらを利用して、早期性判別、安定的良質卵生産技術およびすべての結果を結集した全雌生産技術開発を進めた。その結果、ついにホルモンを用いないチョウザメの全雌生産の実現が目前に迫った。
著者
久万 健志
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

溶存有機物が多く含む河川水中の各鉄化学種濃度は高く、特にフミン物質蛍光強度と真の溶存鉄濃度との関係が見られ、河川水中のフルボ酸が3価鉄と溶存有機錯体鉄を形成していることが明らかになった。また、河川起源溶存フルボ酸鉄錯体は海水と混合しても比較的安定に存在していることを示し、河口域から沿岸域への溶存鉄を運ぶ重要な役割を果たしている。フルボ酸鉄錯体を多く含む河川由来溶存鉄を添加した沿岸性植物プランクトン-栄養塩培地では、細胞密度及びクロロフィルa濃度が急激に増加した。これは、河川水中のフルボ酸鉄錯体が海水と混合すると、フルボ酸鉄錯体から生物利用可能な溶存無機3価鉄イオンが徐々に解離し、それが植物プランクトンに摂取されたためと考えられ、河川の影響ある沿岸域の高い基礎生産を維持していると考えられる。
著者
大塚 俊明
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
1976-03-25

6, 244p.
著者
高山 芳幸 横山 敦郎 齋藤 紘子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

まず骨質を表すパラメータ(皮質骨厚,海綿骨のヤング率)を種々変化させた有限要素解析を行い,骨の最大ひずみを評価値として応答局面を作成した.次に,インプラントのサイズを最適化手法を用いて検討したところ,海綿骨のヤング率が0.5GPa以下の場合,インプラントのサイズを大きくしても生理的なひずみの限界値を超え,インプラント先端部周囲の海綿骨に最大歪みがみられた.しかし,CTデータから構築したモデルによる解析では,最適化計算の結果と比較して,歪みの値はやや低く,最大相当歪みの現れる位置が異った.これは,CTから作成したモデルでは,骨の物性が部位によって大きく異なっていたことが原因と考えられた.
著者
杉本 雅則 橋爪 宏達
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

超音波とカメラを用いて、モーションキャプチャのための3次元トラッキングシステムを構築した。超音波により距離、カメラにより距離方向の鉛直面でのターゲット位置を取得する。提案システムは安価なカメラと超音波送受信機で構成され、非常にコンパクトに実装できる。測位性能向上のため、超音波送信機の位相特性補正を行い、位相補正面をBスプライン関数で補完するという方法を取った。実験の結果RMSEが1.20mm(静止時)、1.66mm(毎秒1m)での3次元トラッキングが可能であることが示せた。これは、最新の高価なモーションキャプチャシステムに匹敵する性能である。
著者
遠藤 朱美
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2021-03-25

目的 本研究では介護保険施設入所要介護高齢者の1年間の体重減少と食形態の変化との関連を明らかにすることを目的とした.方法 2018年度,2019年度の2回の調査に参加した日本の25の介護保険施設入所要介護高齢者455名を,1回目の調査時に常食を摂取していた284名と嚥下調整食を摂取していた171名に分けた.さらに常食を摂取していた者のうち,1年間の体重減少率が5%以上の80名と5%未満の204名に分けて比較し,体重減少と関連する因子を多変量解析にて検討した.本研究は日本老年歯科医学会の倫理審査委員会の審査承認(2018-1,2019-3),北海道大学大学院歯学研究院臨床・疫学研究倫理審査委員会の審査承認(2020-4)を得て,ヘルシンキ宣言の倫理的原則に従って実施された.結果 1年間の体重減少率が5%以上の群と5%未満の群との単純比較では,ベースライン時の各調査項目で有意差は認められなかった.調査項目別の1年間の変化に関しては5%以上の群は5%未満の群に比べバーセルインデックス(BI)が有意に低下し,常食から嚥下調整食に移行した者の割合が有意に増加していた.5%以上の体重減少の有無を従属変数とした多変量解析ではベースライン時の体重(OR=1.059,95%CI:1.014-1.106;p=0.01),BIの変化量(OR:0.966,95%CI:0.943-0.99;p=0.005)と,常食から嚥下調整食への変化(OR:4.408,95%CI:1.867-10.406;p=0.001)に有意な関連を認めた.結論 本研究によって食形態を維持することが,要介護高齢者の体重減少の抑制につながることが示唆された.これにより要介護高齢者においても食形態の維持,すなわち摂食嚥下機能を維持することの重要性が示された.
著者
権 錫永
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
no.132, pp.139-172, 2010
著者
浅野 毅 中川 慎介 角家 健
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

血液脳脊髄関門保護効果を有する薬剤同定のハイスループットスクリーニング(HTS)方法を確立した。次に、既存薬のスクリーニングによって、候補薬剤を同定し、in vitro血液脳脊髄関門モデル、マウス脊髄損傷モデルによって、候補薬剤が血液脳脊髄関門保護効果を持つことを確認した。また、候補薬剤の1つであるBerberineを脊髄損傷マウスに投与することで、歩行機能が向上し、損傷脊髄の損傷範囲が減少することが明らかになった。これら一連の結果は、今回開発したHTS方法が血液脳脊髄関門機能保護効果を持つ薬剤の絞り込みに有用であり、同定された薬剤が脊髄損傷に対する神経保護効果を持つことを示している。
著者
細川 雅史 安井 由美子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

フコキサンチンは、ケモカインによる脂肪細胞と免疫細胞の相互作用を制御し、肥満脂肪組織での慢性炎症を抑制した。更に、脂肪組織由来の炎症性因子の産生抑制とともに、骨格筋組織における糖代謝を改善した。一方、ヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチンが、潰瘍性大腸炎や大腸発癌のモデル系において予防効果を発揮した。その予防機構として、組織細胞に対する直接的な抗炎症作用に加え、マクロファージによる大腸細胞の炎症誘導に対する抑制効果を見出した。以上のように、海洋性カロテノイドは細胞・組織への直接的な作用に加え、それらの相互作用を制御し、効果的に慢性炎症や炎症性疾患の予防に貢献するものと推察する。
著者
細川 雅史 安井 由美子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

アスタキサンチンが、潰瘍性大腸炎や大腸発癌に対して予防効果を示すことを見出した。その作用機構として、アスタキサンチンが大腸組織においてNF-κBの活性化抑制を介して炎症性サイトカインの遺伝子発現を制御することが推察された。一方、褐藻に含まれるフコキサンチンは、内臓脂肪の増加抑制と血糖値改善効果を示す。フコキサンチンは脂肪組織における炎症性アディポサイトカインの遺伝子発現を抑制するとともに、炎症に関わるマクロファージの浸潤を抑制し脂肪細胞とマクロファージの相互作用を調節することを見出した。
著者
石田 高生
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2007

博士論文
著者
浅見 義弘 黒部 貞一 西辻 昭
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大學工學部研究報告 (ISSN:0385602X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-13, 1958-05-30
著者
糠谷 学
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

3-メチルコランスレン(MC)などの多環芳香族炭化水素(PAH)は,脂質代謝異常および脂肪肝を引き起こすことが報告されている.しかし,その毒性発現機構についてははとんど解明されていない.そこで.我々はDNAマイクロアレイを用いて無処置のマウスとMCを投与したマウスの肝における遺伝子の発現パターンを比較し,PAHにより発現が変化する遺伝子について検討した.その結果,多くの脂質代謝酵素遺伝子の発現がPAHにより抑制されることを明らかにした.興味深い事に,これらの遺伝子は共通して核内レセプターperoxisome proliferators-activated receptor α (PPARα)の標的遺伝子であった.このことより,PAHによる脂質代謝酵素遺伝子の発現抑制は,PPARαシグナル伝達の抑制により生じている可能性が考えられた.そこで,申請者は,PAHによるPPARαシグナル伝達機構への影響について検討した.その結果,PAHによりPPARαシグナル伝達が抑制されることを明らかにした.また,興味深いことに,この抑制はPAHと結合し活性化する転写因子・芳香族炭化水素受容体(AhR)を介していることが明らかとなった.次に,PAHによるAhRを介したPPARαシグナル伝達の抑制機構について解析を行ったところ,PPARαシグナル伝達系を構成している因子であるretinoid X receptor α (RXRα)のmRNAおよびタンパク質量の減少が重要であることを明らかにした.このRXRαの減少はAhRに依存的な現象であったことより,PAHによる脂質代謝酵素遺伝子の発現抑制およびPPARαシグナル伝達の抑制はAhRを介したRXRαの抑制が原因である可能性が考えられた。現在,この抑制機構に関するさらなる詳細な解析を行なっている.
著者
櫻井 義秀
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-04-01

櫻井班の目標は、①カルト被害からの回復にかかる臨床的貢献ということで事例研究を研究会で行うこと、②カルト相談の実務家研修の開催と一般市民対象の啓発的公開講座等の開催、③「カルト被害からの回復」に係る書籍の刊行である。研究代表者の櫻井が、2013年8月から2014年2月まで香港中文大学にてサバティカル研修を行っていたために、約半年間研究会等を実施することができず、研究協力者に任せることになった。そのため、①については1回程度、②についても1回程度の実施回数の不足があった。しかしながら、③については、研究会における講演者に原稿を依頼し、代表者の櫻井の分と合わせて3本の論文、研究協力者によるカルト臨床の専門家インタビューに基づく事例集が数本完成予定であり、2014年中の原稿集約を目指している。なお、研究代表者による単著『カルト問題と公共性-裁判・メディア・宗教研究はどう論じたのか』北海道大学出版会、A4全334頁を2014年2月に刊行した。2年目の総括として、臨床家や実務家による研修・研究会の開催は非常に有意義であり、カルト問題の解決は裁判による司法的解決に加えて、臨床家によるカウンセリング・自助グループによるケアの重要性が再認識された。また、精神科医、学生相談の臨床家の事例研究から、「回復への足がかり(resilience)の多様なあり方を直接的に学べたことは大きな収穫だった。また、これは類型化や定式化を目指す社会科学と個性記述的・問題解決的な臨床的実践との差異をも自覚するものとなり、研究者と実務家の連携の重要性を再認識することになった。