著者
松村 耕平 尾形 正泰 小野 哲雄 加藤 淳 阪口 紗季 坂本 大介 杉本 雅則 角 康之 中村 裕美 西田 健志 樋口 啓太 安尾 萌 渡邉 拓貴
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2017-HCI-174, no.13, pp.1-8, 2017-08-16

ACM CHI に採録された論文を読み合う勉強会,CHI 勉強会 2017 を開催した.勉強会では ACM CHI2017 に採録された 599 件の論文を参加者が分担して読み合う.これによって,参加者は先端の HCI 研究を概観することができる.本年度は,勉強会をスムースに実施し,また,参加者の支援を行うために支援システムを導入した.システムの分析から,CHI 勉強会がどのような特徴を持っているのか,そして今後どのようにデザインされていくべきなのか議論する.
著者
三浦 宗介 杉本 雅則
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.59(2005-EC-001), pp.37-42, 2005-06-04

合奏や合唱において,複数の学習者に対し,触覚フィードバックを用いてリズムを伝えることで,他者のパートに惑わされることなく,自分のパートを正しく演奏できるよう支援するシステムT-RHYTHMを提案する.T-RHYTHMは,伴奏者の演奏からテンポを抽出し,それを元にリズムを無線通信で伝える.
著者
佐藤 哲也 杉本 雅則 橋爪 宏達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.953-963, 2009-12-01
被引用文献数
2

我々は,これまでに位相一致法と呼ばれる高精度測距手法に基づく超音波測位システムを実装した.このシステムでは,極座標上の3m,20°の静止状態での測位において,標準偏差0.18mm,0.1°と極めて高精度な計測が可能であることを確認した.しかし,移動体測位ではドップラー効果により計測誤差が発生し,静止状態ほどの正確な測位が行えないことが分かった.この問題に対し,我々は独自の信号周波数推定法を考案し,受信信号のドップラーシフト量の推定とドップラーシフト補償を行った.更に,推定されたドップラーシフトから,副次的に送信ノードの移動速度も検出可能となった.実機への実装により,超音波センサの周波数特性に起因すると推定される計測誤差が確認された.移動体測位実験では,提案する周波数推定手法と周波数特性の補正により,静止状態とほぼ同等な精度で測位できることを確認した.
著者
伊藤 俊夫 杉本 雅則 橋爪 宏達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.559-570, 2009-08-01
被引用文献数
2

本研究では,超音波イメージングシステムを記述する新しい線形モデルを提案する.このモデルでは,イメージングシステムは周波数領域におけるフィルタ関数として記述される.このフィルタ関数は,超音波センサの配置といった,システムのデザインパラメータから容易に導かれるものである.また,フーリエ変換の性質に基づいてフィルタ関数を分析することで,そのシステムの特性を見積もることができる.このため,提案モデルを用いることで,システムデザインとそのシステムの特性との関係を直感的に把握することが可能となり,システム設計を効率的に進めることができる.本論文では,提案モデルを用いた分析の例として,システムの角度分解能とグレーティングローブに関する分析を紹介し,提案モデルの有効性を示す.また,イメージングのシミュレーションを行い,得られる画像に見られる性質が提案モデルによる予測と一致するかを検証した.その結果,平面波近似が成立する範囲において,提案モデルとシミュレーションの結果は符合することを確認した.これは,提案モデルの正当性を示すものである.
著者
杉本 雅則 橋爪 宏達
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

超音波とカメラを用いて、モーションキャプチャのための3次元トラッキングシステムを構築した。超音波により距離、カメラにより距離方向の鉛直面でのターゲット位置を取得する。提案システムは安価なカメラと超音波送受信機で構成され、非常にコンパクトに実装できる。測位性能向上のため、超音波送信機の位相特性補正を行い、位相補正面をBスプライン関数で補完するという方法を取った。実験の結果RMSEが1.20mm(静止時)、1.66mm(毎秒1m)での3次元トラッキングが可能であることが示せた。これは、最新の高価なモーションキャプチャシステムに匹敵する性能である。
著者
中川 裕志 杉本 雅則 渡部 聡彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.339-344, 2000-06-01 (Released:2017-05-25)
被引用文献数
1

東京大学に1999年度に設立された情報基盤センターの図書館電子化部門および同研究部門は図書館の電子化ならびに将来像を検討するために新設された部門である。設立以来の短い期間に部門のメンバーが考えてきたことは, 必ずしもまだまとまっているわけではないが、いくつかの有力なアイデアも提案されてきているので報告する。まず, 図書館の概念に対するアンチテーゼ的な見方を述べ, 次に情報基盤センター図書館電子化部門で近未来にどのようなサービスを企画しているかを述べる。最後に, 将来, アカデミックな共有の場としての図書館において有望なユーザインターフェース技術の紹介をする。
著者
矢谷 浩司 大沼 真弓 杉本 雅則 楠 房子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.773-782, 2003-10-01
被引用文献数
24

近年,ハンドヘルドデバイスが子供たちの学習において重要な役割を果たすことが期待されている.また,ハンドヘルドデバイスのようなモバイル性の高いデバイスを利用して協調学習をいかに支援するかは,CSCL(Computer Support for Collaborative Learning)の重要な研究テーマになりつつある.一方,日本においては,学習指導要領の改訂により始まる「総合学習」に対応した教育システムの構築が求められている.そこで,我々は「総合学習」の場として注目されている博物館において,2台のPDA (Personal Digital Assistant)を連携させ,展示物に関連するクイズを協力しながら解くことによって子供たちの学習を支援する,Musexと呼ばれるシステムを構築した.実際の博物館においてMusexの実験を行い,その効果について考察した.
著者
杉本 雅則 楠 房子 稲垣 成哲 高時 邦宜 吉川 厚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.1152-1163, 2002-12-01
被引用文献数
8

筆者らはこれまで,RFID技術を用いたセンシングボードを用い,物理世界と仮想世界とを融合することによるface-to-faceでのグループ学習支援システムを構築してきた.このシステムを用いた実践から,コンピュータの使用が苦手な学習者でも容易に学習に参加できる,教科書等を通して得た知識を物理世界で試せる,などの点で有効であることを示せた.しかし,発言の場においてリーダーへの依存が強くなる点や,より本物性の高い設定での学習支援ができないか,などの点も指摘されていた.そこで,本論文で提案するシステムでは,学習者のグループが互いにface-to-faceで話し合えないよう,複数のセンシングボードを別の場所に配置した.そして,各ボード上での操作が互いに影響を及ぼし合うよう,それらをネットワークでつないだ.グループ内の学習者はボードを囲みながらface-to-faceで問題を解決するとともに,別のグループの学習者とは,チャットシステムを介して交渉を行う.小学校の授業の中で,都市設計と環境問題の学習を学習者に行ってもらい,提案システムの有効性を検証した.
著者
三浦 宗介 杉本 雅則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.101-104, 2008-05-21

本論文では、子供を対象とした音楽鑑賞能力の支援システムについて議論する。音楽鑑賞では、演奏の小さな表現の違いを聴き取る必要があるが、その違いを聴き取るためには、さらに一つの音からより多くのパラメータ (音高、音強、音質など) を認識しなければならない。提案システムは、学習者が物理世界の物に触れることで、これらのパラメータを容易に操作できるようにする。そして、学習者が楽しみながら色々な種類の音を鳴らせるようにすることで、音の違いを聴き分けられるようになることを目指す。また、提案システムの理論的背景やシステムの概要についても述べる。In this paper, a tool for developing music appreciation of children by interacting with physical artifacts is discussed. For the appreciation of music, audience is required to identify small differences between expressions. To identify those differences, they need to recognize more parameters (pitch modulation, velocity, timbre, etc) from one sound. The proposed system enables learners to control and play those parameters of sounds by interacting with real objects in the physical world. The system also aims at developing the ability for identifying those differences through playing many kinds of sounds easily. We have prepared a prototype system and conducted the preliminary study with children.
著者
杉本 雅則 堀 浩一 大須賀 節雄
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.575-582, 1993-09-01
被引用文献数
35

In this paper, we present a system to support design work which is one of the human creative activities. We have applied the system to the domain of automobile design. Conceptual design work of automobile has two phases. In the first phase, each designer builds a new design concept. In the second phase, designers decide a target design concept among their concepts. The system first analyzes existing automobile data statistically and visualize the result in a metric space. In conventional statistical analysis, we give some interpretation to the result. But in our system, the statistical method is used for the different purpose. The system shows its user the space to trigger his/her concept building. The user builds a new design concept by reconfiguring the space. The concept is saved in the database, and when designer group decide their target concept, the system analyzes the database and assists their decision making. Through the experiments, we have got a clue to consider the phenomenon of concept formation process. Based on it, we propose a model of concept formation process. We have confirmed that the system is useful for conceptual design work. The designer of an automobile company said that it is interesting and is effective to promote conceptual design work.
著者
内藤 浩 柏原菜実 楠 房子 杉本 雅則 橋爪宏達
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.58, pp.1-7, 2001-06-07

グループワークを行う場合、グループ内の各メンバーが他のメンバーとの意見の交換や強調などの相互作用を行うことが必要となる。そのためには、個々が自分及び、他のメンバーの性格を把握することが重要である。しかし、意見の外化の不得手や、人見知り等の性格の要因などにより、内面の性格が必ずしもグループ中での行動につながるとは限らない。そこで本研究では、グループワークに適した入出力デバイスとしてセンシングボードを用いて、ワーク中にボードに入力されるデータの内、特定のデータをPCに記録しそれを評価することを行う。グループワークとして、被験者たちには簡単なゲームをやってもらい、行動パターン等をデータ化する。このとき、ゲームのルールとしては、個人の性格が反映され、かつゲーム中で協調と競合がおきるようなものが要求される。そこで、そのようなゲームシステムを創作し、グループ内での個人の性格評価につなげていくことを目標とする。When we work in a group setting, each of us interacts with others, such as exchanging our own opinions or collaborating with each other. In this dace, it is important for each group member to understand not only his own character, but also others' ones. However, characters of members are not always reflected on their own behaviors in a group work by using a sensing board is proposed. The system allows users to play a simple game, and records patterns of their behaviors. We have designed a game, which enhances behaviors of each user originated from his own characters, and collaboration and competition among thme. The system is used for making a character of each user explicit for supporting group works.
著者
竹内 雄一郎 杉本 雅則
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.11, pp.2981-2988, 2007-11-01

ユーザの位置に応じたサービスを提供する街案内システムは,GPSの普及に伴い次第に広く利用されるようになってきている.しかし既存のシステムはユーザの現在位置に近い店やレストラン等の情報を返すのみであり,ユーザの好みを自動的にくみ取り,各々のユーザに合わせた細やかなサービスを提供できるシステムはこれまで存在しなかった.そこで本論文では,オンラインショッピングサイト等で広く利用されている商品推薦の手法を実世界の買い物に適用し,それぞれのユーザの好みに合った店を推薦する機能をもった街案内システムを提案する.システムがユーザの好みを知る過程では,新たに開発されたplace learningアルゴリズムが利用されている.東京都内で行ったシステムの評価実験から,我々のplace learningアルゴリズムが効果的にユーザの行動を学習できることが明らかになり,システム全体のアプローチの有効性を示唆する結果が得られた.
著者
伊藤 俊夫 杉本 雅則 橋爪宏達
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.40, pp.91-98, 2008-05-08

本研究では、超音波通信を用いた新しいロボットトラッキングシステムを提案する。 従来のシステムと異なり、我々のシステムは距離の測定に位相一致法と呼ばれる手法を採用している。 これによって、超音波送信機の位置測定を行うのに必要な受信機が一台で済むためシステム構築にかかる費用や手間を抑えることができると考えられる。 我々は、システムの性能を評価するためにモバイルロボットを用いた位置認識実験を行った。その結果、送受信機が近い状況では十分な精度でトラッキングを行うことができたが、送信機が静止している時と比べ、大きな性能悪化が見られた。In this paper, we propose a novel robot tracking system using ultrasonic communication. Unlike other ultrasonic-based localization systems, our system adopts the Phase Accordance Method for distance measurement, which enables the system to locate a transmitter using just only one receiver. In order to evaluate the system, We have conducted localization experiments where the system tracks a moving robot. The result of the experiments shows that our system performs well when the transmitter is near the receiver, although the accuracy was much better when the transmitter and the receiver were fixed. The reasons for the error and the issues to be solved are discussed as well.