著者
中沢 大悟
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

MPO-ANCA関連血管炎モデルを用いてNETsに関連する分子をターゲットに治療としてリコンビナントトロンボモジュリンに着目した。本疾患の病態は、病原性自己抗体であるANCAが,好中球を活性化し全身の微小血管を傷害するが、好中球プログラム細胞死の1つであるNeutrophil Extracellular Traps(NETs)の制御異常が本疾患の病態の中心をなす。in vitroでリコンビナントトロンボモジュリンが直接好中球に作用してNETsを抑制し、また血管内皮傷害も抑制することを示した。モデル動物に投与することで血管炎病態を改善することを示した。
著者
中島 悠貴
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2018-03-22

I discuss the propagation of very low frequency infrasound that come from volcanic eruptions from near surface to the ionosphere based on the observations of GNSS-TEC, broadband seismometers and barometers. Infrasound or some other atmospheric wave under ~10 mHz can reach to the ionosphere and shake the ionized atmosphere. For example, a great earthquake induces not only ground motions or tsunamis but also atmospheric perturbations and some of them propagate upward to the ionosphere. Such waves are interpreted as the acoustic modal wave, the tsunamigenic gravity wave or the atmospheric wave coupled to the seismic Rayleigh wave. Ionospheric perturbations by volcanic eruptions are also sometimes reported. In my master thesis written in 2015, I discussed the ionospheric disturbances made by the 2014 Kelud volcano eruption. It induced acoustic trap mode by continuous eruption. In the thesis, I would introduce the investigation about the propagation of the atmospheric disturbance by the 2015 Kuchinoerabujima eruption. I analyzed 1 Hz sampled GNSS-TEC time series, broadband seismograms and barograms installed around the volcano. The features of the ionospheric disturbances observed in the two case are totally different. I can confirm again with more assurance that the difference comes from the sequence of the volcanic eruptions.
著者
冨菜 雄介
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

神経回路を構成するニューロンが複数の行動や知覚において機能する場合、これを 多機能性ニューロン(multifunctional neuron)と呼ぶ。本研究では「生理学的知見と解剖学的知見の“直接的”な融合」という視点に立ち、多機能性神経回路の機能 を支えるメカニズムを生物学的に理解を目指す。そのため、これまでに取得した大規模なヒル神経系の機能的コネクトームデータをモデルとして、 多機能性神経回路網が多様な行動を生成するための神経基盤の解明を目指す。具体的には、「多機能性ニュ ーロン群は各行動に対応したシナプス電位統合部位を有する」という仮説を検証する。
著者
曽野 裕夫 東山 寛 嶋 拓哉 児矢野 マリ 山下 竜一 中谷 朋昭 小林 国之 村上 裕一 清水池 義治 中山 一郎 伊藤 一頼
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

農業を中心とする食資源産業においては、とりわけ「メガFTA元年」とされる2019年以降、急速なグローバル化の進展が見込まれる。こうした食資源産業のグローバル化は、従前は国家の保護政策の下で、小規模経営を維持してきた農業経営に危機をもたらす反面で、新たな食資源供給体制の構築をはじめとして、新たな展開の端緒となる可能性を有している。かかる現状認識を踏まえた本研究は、法学・行政学・農業経済学の研究者が、多角的フィールド調査(利害が対立する関係者から広くヒアリングを行うことによる立体的な実態把握)による実証研究に挑戦し、食資源確保のための実践的な法戦略の構築をめざす異分野融合型研究である。
著者
村井 祐一 PARK HYUNJIN 熊谷 一郎
出版者
北海道大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

本課題ではオンラインレオメトリーを開発・実現するために,スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)との共同開発を行った.またETHとの連携をもつEPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校),中国・天津大学とも間接的な共同研究を進めた.2020年度は以下の項目について成果を得た.[1]粒子画像流速測定法PIVにより非ニュートン流体の外部流を対象として速度ベクトル場の計測結果から圧力場と粘度場を同時に定量可視化するツールを開発した.カルマン配列渦がシアシニング性をもつ非ニュートン流体では渦核が高粘度,渦周囲が低粘土になり渦運動が下流に長時間持続し運動量散逸が相対的に低下することを発見した.この成果は流体計測の国際誌 Flow Measurement and Instrumentationに発表された.[2] 複数の振動周波数が混在するせん断ひずみ流れを超音波パルスドップラー法UVPによりの時空間速度分布を計測することによりレオロジー特性をマッピングするという新手法を開発した.これによりエマルジョンや気泡懸濁液における複素粘度特性を取得することに成功した.成果は日本機械学会論文集に掲載された.[3]熱移動を伴う食品の表面における冷却プロセスを3次元で計測するColor PIV技術を開発した.この結果,表面の凹凸や祖度に影響を受けた乱流境界層の内層構造を定量計測することに成功した.この成果は日本機械学会流体工学部門講演会にてETHの研究者と共著で発表された.[4]ゲルを媒体とする非ニュートン流体の運動機構について国際共著論文として英文誌 J. Non-Newtonian Fluid Mech.に掲載された.以上についてはコロナ禍における2国間の移動制限のためETHと北海道大学の間で2週に1回のペースでweb会議を実施し,最新の情報交換と研究推進会議を重ねた.
著者
常本 照樹 佐々木 雅寿 山下 竜一 長谷川 晃 辻 康夫 北原 次郎太 山崎 幸治 加藤 博文
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

英米型の先住民族政策とは異なる、日本とアイヌ民族の実状に適合した先住民族政策のあり方を追求した結果、憲法13条の「個人の尊重」に個人としてのアイヌが自らのアイデンティティを選択する自由の根拠を求め、その自由を実質化する責務を国に課すことによって民族文化の復興を目指すことが、第一段階として必要にして合理的であることが明らかになるとともに、文化の伝承・発信の具体的あり方も示すことができた。また文化の復興は、社会的・経済的地位の向上政策に対する国民理解の推進のために必要であるだけでなく、地位の向上に主体的に取り組むアイヌの累増のためにも有効であることが明らかになった。
著者
綱田 錬
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2021-03-25

我が国において家庭用や産業用に使用されているモータは約1 億台あると言われており,それらの電力消費量は,全体の約55%を占めている。したがって,モータのエネルギー効率を向上させることができれば,高い省エネルギー効果を見込めるため,高効率特性を有するモータが強く求められている。また,上記のモータの電力消費の中でも産業用途のモータが占める割合が高く,より高効率化が重要であることが考えられる。その一方で,システムの小型化も重要であり,モータを組み込むシステムによっては,システムの小型化のために扁平な形状を有するモータが望まれる場合もある。これまでの技術の進歩によって,近年は高効率のみならず,扁平な形状を有するといった付加価値の高いモータが求められるようになっている。そこで,本研究では,産業用途のモータにおいて,扁平形状かつ高効率を有するモータの実現を目的としている。また,モータ本体の小型化も実現するため,ターゲットとする運転領域は小型化に有効である高速回転領域としている。 現状,一般的に使用されているモータの多くはエアギャップが径方向に存在するラジアルギャップモータと呼ばれる構造である。しかし,ラジアルギャップモータは本研究でターゲットとしている扁平形状においては,構造上,高いトルク及び効率を実現することが難しい。そこで本研究では,扁平形状において高いトルクを実現しやすいアキシャルギャップモータの採用を検討している。アキシャルギャップモータは回転軸方向にエアギャップが存在し,扁平形状でも高いトルクを実現できる。これまでに我が国を含め世界中の研究・開発機関によって検討されてきた従来のアキシャルギャップモータは一般的にネオジム焼結磁石を採用している。ネオジム焼結磁石は残留磁束密度が高いため,トルク密度を高くすることに有効である。しかし一方で,電気伝導率が高いため,ターゲットの高速回転領域では磁石内で渦電流損が大きくなり,効率が非常に悪いモータとなっていた。また,従来構造は回転子の磁気抵抗を小さくするために,回転子コアとして磁性材を用いていたが,高速回転領域ではそこで発生する渦電流損も効率低下の一因となっていた。 そこで本研究では,まずコアレス回転子を採用することによって,より回転子構造を簡単にしつつ,回転子コアでの渦電流損の抑制を検討した。加えて,電気伝導率の低いネオジムボンド磁石を採用することで,アキシャルギャップモータにおいて高速領域において高効率化することを検討した。本研究においては,提案モータの有効性を3 次元の電磁場解析及び試作機による実験の双方で明らかにしている。 また,提案モータの今後の更なる高効率化のために,固定子コアに用いる圧粉磁心(SMC)の適 切な開発方針に関しても検討を行った。
著者
齋藤 秀之 瀬々 潤 小倉 淳
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

ブナ目を代表してブナのゲノム構築法について検討を行い、ドラフトゲノムを構築した。ゲノム配列をアセンブリするソフトウェアはPlatanusが最良であった。ブナゲノムは対立する遺伝子座のヘテロ配列が大きく頻度が高い特徴をもつことが示唆された。RNA-seqのDe novoアセンブリは遺伝子の配列決定において配列数が収束せず、遺伝子推定にはゲノム配列情報が必須と考えられた。遺伝子ファミリー内での遺伝子の機能予測には、塩基配列情報に加えて遺伝子発現パターンが補助情報として有用であることが示唆された。最終的に523Mbp(カバー率96.9%)が完成した。
著者
小林 快次
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

「今世紀最大の発見、恐竜全身骨格化石」が,平成25・26年に北海道むかわ町穂別から発掘された.通称“むかわ竜”と呼ばれている全長8メートルを超える巨大恐竜で,平成27年に行われた記者発表は,世界を騒がせた歴史的な発見だった.日本の恐竜研究史の中で,国内から発見された恐竜骨格化石としては,最も完全な骨格であり,恐竜絶滅直前の白亜紀末の恐竜としても国内初の全身骨格である.本研究では,この“むかわ竜”を記載・比較研究することで新属新種として命名し,この恐竜が属すグループである植物食恐竜ハドロサウルス科の進化と移動の解明,そして恐竜絶滅直前の東アジアの多様性の解明を目指す.
著者
旭 興生
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
1955

博士論文
著者
菅 敏幸
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
1993

博士論文